冠城亘(相棒)の徹底解説まとめ

冠城亘(かぶらぎ わたる)とは、刑事ドラマ『相棒』の登場人物で、4代目相棒として活躍した刑事。
元法務省のキャリア官僚という異色の経歴の持ち主。人事交流という名目で警視庁に派遣された際、厄介払いに近い形で特命係に押し込まれ、ここで杉下右京と出会う。特命係で過ごす内に刑事という仕事に魅せられ、キャリアを捨てて自らの意志で転職。これまでの歴代相棒と異なり、杉下に対しては「自分の相棒も逮捕したミスターデンジャラス」と敬意よりも好奇心を強く抱いて接しており、若干煙たがられている。

冠城亘のプロフィール・人物像

冠城亘と杉下右京(左)。

演:反町隆史

冠城亘(かぶらぎ わたる)とは、刑事ドラマ『相棒』の登場人物で、4代目相棒として活躍した刑事。
洒落た雰囲気の中年男性で、言動は飄々としているが、内面はしたたかで計算高い。コーヒーを愛飲しており、市販のものではなく自身がブレンドしたオリジナルの豆で淹れたものを好む。「コーヒーの香りを嗅げば、飲んだ場所と状況を思い出せる」という特技を持つ。初登場した頃は「ケンカは苦手」と語っていたが、これがブラフだったのか警察学校で鍛えたのか、刑事として再登場してからは荒事での活躍が目立つようになった。

元法務省のキャリア官僚という異色の経歴の持ち主。ある時、人事交流という名目で警視庁に派遣されるも、現場の刑事たちからかれば“望まぬお客様”でしかなく、当時無人だった特命係という部署に押し込まれる。持ち前の面の皮の厚さを発揮してここに日々通い詰める内、かつてここに所属し無期限の停職処分を受けていた杉下右京(すぎした うきょう)という刑事が帰還し、「犯罪に手を染めていた相棒の刑事を自ら逮捕した」という壮絶な経歴を持つ彼に興味を抱く。
以降、杉下を「ミスターデンジャラス」と呼んでつきまとうようになり、彼からはっきり煙たがれる。事件に対しても当初は好奇心から捜査に加わっていたが、この姿勢について杉下に諫められたこと、嘆き悲しむ被害者たちの姿を見たことで、意識的に改めていった。

もともと刑事の仕事に興味を持っていたが、特命係で活動する内に本格的にその仕事に魅せられ、自らの意志で転職。知り合いを利用して人事に働きかけ、首尾よく特命係に戻ってきた。これには杉下も呆れていたが、刑事としてはかなり優秀だったこともあり、以降は同僚として共に事件の捜査をしていくようになった。
これまでに登場した歴代の相棒たちは、多かれ少なかれ杉下に敬意を抱いていたが、冠城は彼に対して「この天才刑事殿は次にどんなことをするのだろう」とおもしろがっている節がある。このため杉下とはやや距離のある関係で、時にははっきりと歯向かうこともあった。しかし互いの刑事としての能力の高さに加えて、このやや距離のある関係が偏屈な杉下にとっては意外と具合が良かったようで、歴代相棒たちの中でもっとも長く特命係に在籍することとなった。

冠城亘の来歴・活躍

警視庁のお客様

人事交流で法務省から警視庁にやってきた冠城は、特命係で杉下という刑事と出会う。

法務省キャリアとしてエリート街道を歩んでいたが、以前から刑事という仕事には興味を持っていた。人事交流という形で警視庁に人員を派遣することになった際、自らその人員となることを立候補する。
しかし現場の刑事たちからすれば「上の都合で頼んでもいないのに送られてきた、望まぬお客様」でしかなく、この時無人だった特命係という部署に押し込まれる。その意図を理解しながらも、持ち前の面の皮の厚さを発揮して平然と特命係に出入りしていたある日、かつて特命係に所属していた杉下右京という刑事が戻ってくる。

杉下は「部下の刑事が犯罪を繰り返していたことを突き止めて自ら逮捕し、上司としての責任を取らされて無期限の停職処分を受けた」という壮絶な経歴の持ち主で、これに大いに好奇心を刺激される。以降、本人からは煙たがられるも、事件の捜査のために戻ってきた杉下を「ミスターデンジャラス」と呼んでつきまとうようになる。
杉下と共にいくつかの事件を解決していく中で、直接市民のために働く刑事という仕事に本格的に魅せられていく。とある事件の中で、証拠を得るために法務省キャリアとしての権限を不当に行使したために退職せざるを得なくなった時、事実上の左遷先として警視庁を選択。近い内に必ず特命係に戻ることを杉下に伝えつつ、一度特命係を離れることとなる。

再び特命係へ

警察学校を卒業した後、特命係への期間を望むも果たせず、警視庁総務部広報課に配属。持ち前の優秀さを発揮して活躍していたが、とある事件に巻き込まれた際に、これを利用して上司の社美彌子(やしろ みやこ)に働きかけ、自身を首尾よく特命係に異動させることに成功する。
もともと特命係は“警視庁の陸の孤島”、“人材の墓場”と呼ばれており、辞めさせたい刑事を送り込む部署として知られていたため、自ら望んでここに戻ってきた冠城に対しては杉下も呆れていた。

しかしかつてのように好奇心から捜査に加わるような態度を改めたこと、自身に対しても同僚として相応の配慮をするようになったことから杉下もまた冠城を受け入れ、特命係として共に様々な事件を追うようになる。
自身も優秀で、その自負もあれば上には上がいることも知る冠城は、杉下の並外れた推理力や強硬な正義感を評価はしても過度に入れ込むようなことはなかった。このため時にはっきりと歯向かい険悪になることもあったが、互いに精神的に成熟しているため大きな問題に発展することもなく、やや距離はあっても非常に良好な関係を築いていった。

冠城と女性たち

作中で様々な女性と浅く広く交流した冠城。社(左)もその1人である。

洒落た雰囲気の冠城だが、作中には特定の恋人は登場しておらず、いわゆる独身貴族として気ままに生きている。それでも何人かの女性とは深い関わりがあり、彼女たちのためとあれば特に見返りを求めることもなく親身に動いている。
弁当屋の女性店主にして、他人の顔の区別ができなくなる「相貌失認」という脳障害を持つ朝倉あき(あさくら あき)は、冠城がもっとも明確に好意を示した相手である。しかし自身を狙う犯人が彼女を巻き込む形で事件を起こしたことで、「刑事である自分の近くにいると、ただでさえハンディキャップを抱えている巻き込んでしまう」と考え、好意を伝えることなくその関係を清算することとなった。

冠城由梨(かぶらぎ ゆり)は実の姉であり、現在でも頼まれればすぐ助けに行く間柄。由梨からはいつまでも独身でフラフラしていることを心配されているが、本人はどこ吹く風かといった様子で受け流している。
総務部広報課にいた頃の上司である社とも、因縁浅からぬ仲である。社は強い上昇志向を持つしたたかな組織人で、図抜けた推理力を持つ特命係のことは警戒すると同時に評価もしている。全面的な味方ではないが時に協力するといった間柄で、後に特命係をうまく利用する形で内閣情報官に出世している。

社はロシア人のジャーナリストにしてスパイでもあったヤロポロク・アレンスキーという男との間に、マリアという名の娘を儲けており、「日本の権力中枢に近い位置にする人物が外国のスパイとの間に子を成していたというのはいかがなものか」と組織内から疎まれていた。これに対し、社は「ヤロポロクは自分のストーカーで、マリアは彼に乱暴されてできた子であり、彼女には罪は無いのでこのことは報せないようにしている」と言って潔白を主張しているが、スパイとしての活動に協力したかどうかはともかく、実際はヤロポロクを本気で愛していたようである。
冠城はこのマリアとも交流があり、社からは「自分に許可も取らずに娘に会うな」と釘を刺されている。どのような考えからマリアに会っていたのかについては杉下からも心配されているが、不自然にはぐらかしている。複雑な立場に置かれた社親子のことを冠城なりに心配していたのだと思われる。

特命係から公安調査庁へ

慰留しようとする杉下に「光栄だ」と答えつつ、特命係を去る冠城。

ある事件を解決した後、冠城は法務省時代の上司である日下部彌彦(くさかべ やひこ)から、彼が新設する公安調査庁に来ないかとスカウトされる。これを引き受け、警視庁を辞することを唐突に宣言。来た時と同様に風のように特命係を去っていった。
なぜ特命係を去ることを選んだかについて、自身は「動いてから理由を探したっていい」と語っている。一方、ファンの間では「公安にいた方が、社親子をより強く守れると考えたのではないか」との声もある。冠城が社親子の置かれた立場を案じていたことはこれまでの物語でもたびたび描かれ、マリアとの交流に関しては最終回の直前で明かされているため、無関係ではないはずというのがその根拠である。

やや距離のある関係だったが、だからこそ長く付き合ってきた相棒の突然の辞職については杉下も思うところがあったらしく、わざわざ冠城に直接「これまで“来る者は拒まず、去る者は追わず”でやってきたが、今回はそれを破ろうと思う」と前置きしてもう少し一緒に特命係をやらないかと慰留している。歴代の相棒たちの中で、去ろうとしている者を杉下が引き留めたのは、冠城が初めての人物となった。
しかし冠城はこれを光栄だとしながらも固辞し、彼らしく飄々とした態度で杉下の前を去っていった。

冠城亘の関連人物・キャラクター

杉下右京(すぎした うきょう)

警視庁特命係の刑事。紅茶とチェスを愛好する、人並外れた推理力と強硬な正義感を持つ紳士である。一方で人の心の機微には疎く、それが原因で離婚した過去を持つ。

法務省からの人事交流という形で特命係にやってきて、自身を「相棒すら逮捕したミスターデンジャラス」と揶揄しながらつきまとう冠城のことを、当初はかなりはっきり煙たがっていた。その後自分の意志で特命係に戻ってきた冠城に呆れていたが、やや距離感があるからこそ互いを尊重する関係を築き、後に彼をはっきりと「長く一緒に仕事をしてきた自分の相棒」だと認めている。
それだけに冠城が特命係を去る時は思うところがあったようで、歴代の相棒たちにはしてこなかった「直接慰留する」という行動に出ている。

renote.net

青木年男(あおき としお)

警視庁サイバーセキュリティ対策本部の特別捜査官。杉下以上に偏屈でヘソ曲がりな性格で、民間人だった頃にとある事件の目撃者となったが、「警察が嫌いだから」という理由で捜査への協力を拒む。これに特命係が一計を案じて事件の解決に協力させたため、「自分の意志を捻じ曲げて利用しやがった」と杉下と冠城を恨むようになる。復讐のために接近するべく、ハッキングという自分の特技とコネを活かして警視庁に就職した。
杉下と冠城を毛嫌いする一方、サイバーセキュリティ対策本部におけるライバルへの対抗心から彼らに協力することもあり、一言では語れない難解な人物。冠城は青木の人間性はともかく能力は正当に評価しており、時折り仕事を頼んだりする一方、プライベートでは時々飲みに誘うなど友人のような関係を築いていった。

社美彌子(やしろ みやこ)

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偏屈だが抜群の推理力を持つ名刑事・杉下右京と、その“相棒”たる個性的な刑事が、力を合わせて難事件を解決していく人気ドラマ『相棒』シリーズ。「国民的ドラマ」とも称される本シリーズは、ファンによる活動も活発で、考察やまとめ記事に始まり、コスプレやイラストなどの二次創作物も数多く存在している。 ここでは、そんなファンによる二次創作物の中から、SS(ショートストーリー)と呼ばれるセリフ形式の短編小説を紹介する。

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【相棒】青山剛昌、染谷翔太、はるな愛…意外な出演者をまとめてみた!

【相棒】青山剛昌、染谷翔太、はるな愛…意外な出演者をまとめてみた!

2000年のスペシャルドラマに始まり、20年以上放送され続けている刑事ドラマ『相棒』シリーズ。偏屈だが抜群の推理力を持つ杉下右京と、その“相棒”たる刑事が、様々な目的から犯罪を起こしていく犯人を追っていく様を描いた人気作品だ。 長く続いているだけに、坂上忍、桐谷健太、はるな愛、ムロツヨシ、温水洋一、古沢良太、岸谷五朗など意外な人物が単発で登場している。ここではそれを紹介する。

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【相棒】駄作?凡作?ファンの評価が低い9エピソードを紹介!

【相棒】駄作?凡作?ファンの評価が低い9エピソードを紹介!

老練の名刑事・杉下右京と、その“相棒”たる歴代の刑事たちが難事件を解決していく刑事ドラマ『相棒』。2000年のスペシャルドラマを皮切りに20年以上続く人気シリーズで、ファンから「傑作」と絶賛されるエピソードも数多く存在する。 一方で、「駄作」、「つまらない」との与えられるエピソードもまた存在する。ここではファンからの評価が特に低い9つのエピソードを紹介する。

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【相棒】杉下右京に学ぶ、人をイラつかせる一言5選!

【相棒】杉下右京に学ぶ、人をイラつかせる一言5選!

水谷豊演じる杉下右京は、人気刑事ドラマ『相棒』シリーズのメインキャラクターで、優れた推理力で難事件を解決する老練の名刑事。しかし極端に理屈っぽい上に我が強く、一度やると決めたことは何がなんでも実行し、そのためであれば他人の感情への配慮を二の次にするなど、偏屈な人柄として設定されている。 そんな杉下の、ファンにはお馴染みの「人をイラつかせる一言」5選を紹介する。

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【相棒】宮部たまき役の高樹沙耶が大麻所持の疑いで現行犯逮捕!再放送への影響必至…

【相棒】宮部たまき役の高樹沙耶が大麻所持の疑いで現行犯逮捕!再放送への影響必至…

人気刑事ドラマ『相棒』シリーズに登場する宮部たまき役で有名な高樹沙耶。1983年に女優としてデビューし、沖縄・石垣島に移住してペンションを経営していたその高樹が、大麻の不法所持で逮捕された。 高樹は以前から「大麻の合法化」を声高に唱えて様々な活動を続けており、ネットでは驚きと共に「やっぱりね…」との声が多く見られた。当時の反応を紹介する。

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