杉下右京(相棒)の徹底解説まとめ
杉下右京(すぎした うきょう)とは、刑事ドラマ『相棒』の登場人物で、警視庁特命係に所属するベテラン刑事。
英国風のスタイルを好み、チェスと紅茶をたしなむ紳士的な人物だが、並外れた推理力と強硬な正義感を併せ持つ切れ者である。これまでに解決できなかった事件はほぼ皆無だが、真相を暴くことへの躊躇がまったく無く、たびたび“組織にとって不都合な事実”まで突き止める。このため警察上層部からは警戒されているが、本人はまったく気にしていない。一方で他人の心の機微には疎く、それが原因で離婚した過去を持つ。
杉下右京のプロフィール・人物像
演:水谷豊
杉下右京(すぎした うきょう)とは、刑事ドラマ『相棒』の登場人物で、警視庁特命係に所属するベテラン刑事。英国風のスタイルを好み、チェスと紅茶をたしなむ紳士的な人物である。普段は冷静沈着だが、卑劣な犯罪者を前にした時は激情を露わにすることもある。
並外れた推理力と強硬な正義感を併せ持つ切れ者で、剣術の腕前もかなりのもの。犯人を相手に派手な立ち回りを見せることもあるが、基本的には頭脳担当である。これまでに解決できなかった事件はほぼ皆無だが、事件の真相を暴くことへの躊躇がまったく無く、たびたび“組織にとって不都合な事実”まで突き止める。このため警察上層部からは警戒されているが、本人はまったく気にしていない。
一方で他人の心の機微には疎く、それが原因で離婚した過去を持つ。イギリスは意外とオカルトへの造詣が深い国で、その影響か「幽霊を見てみたい」と常々語っているが、これまでにそれらしいものを見た経験は皆無。実は一度だけ少女の幽霊と会ったことがあるのだが、彼女の弟に当たる少年が命の危機にあったため、その救助に奔走していて気付くことはなかった。
特命係は「警視庁の陸の孤島」や「人材の墓場」とも言われており、組織にとって不必要な人間を送り込んで辞職させるための場所としても機能しているが、ここに配属された者が警視庁を去る大きな原因は杉下にある。大抵の者は杉下の偏屈さに嫌気が差すか、その優秀さに敗北感を植え付けられて辞職するが、亀山薫(かめやま かおる)、神戸尊(かんべ たける)、甲斐享(かい とおる)、冠城亘(かぶらぎ わたる)の4名だけはかなりの期間特命係に在籍して活躍している。杉下は基本的に孤立することを意に介さない性格だが、彼らに対してはそれぞれに信頼を寄せ、自身の“相棒”たる存在だと認めていった。
杉下右京の来歴・活躍
「特命係」の始まり
警視庁刑事部捜査二課の敏腕刑事として活躍する。その並外れた能力は周囲から高く評価されていたが、一方で一切の妥協なく真実を突き止める姿勢は上層部から不安視されてもいた。
ある時、外務省の高級官僚である北条晴臣(ほうじょう はるおみ)の家にテロリストが押し込み、北条や彼の部下を人質に立てこもるという事件が発生。公安部の参事官だった小野田公顕(おのだ こうけん)は、この解決のためのスペシャルチームを結成し、これを「特命係」と命名する。杉下もこのチームに招聘され、テロリストたちとの交渉を任される。
杉下は粘り強い交渉でテロリストたちから譲歩を引き出し、穏当な解決を目指すものの、上から事態の収拾を急ぐよう迫られた小野田は突入を強行。その結果テロリストにも北条の部下にも突入したSATにも死者が出るという惨事となった。この時犠牲となった者たちが死んだ状況には謎が多く、なんらかの事件が発生したものと思われたが、小野田は上層部の決定に逆らえずチームの解散を命じる。
しかし杉下は「まだ何も解決していない」と頑強に抵抗し、特命係の看板を掲げた部屋に1人残り、事件を独自に追い続ける。彼の意向を無視した結果死者を出したことに負い目を感じる小野田が手を回し、特命係はその後も存続することとなった。
第1の相棒:亀山薫
その後特命係は、警視庁の鼻摘まみ者を送り込み、自主的な退職を促すための部署として機能していく。杉下の偏屈な人間性と、刑事としての並外れた能力についていける者はほとんどおらず、嫌気が差したり敗北感に打ちのめされて辞職する者が相次いだのがその理由である。
しかしある時特命係にやってきた亀山薫は、良い意味で物事を深く悩まない気質の持ち主で、杉下のことを「面倒な人だが掛け値なしに優秀な上司」だと信頼するようになる。杉下の側も、他人の心の苦しみに寄り添い、時に情に流されつつも刑事としての本質を見失わない亀山のことを、「自分にはない能力を持つ人物」だと評価する。やがて2人は特命係の名物コンビとして、様々な事件を解決していく。
北条家で起きた籠城事件の中での殺人も、杉下は亀山と共に解決している。SATの突入時、北条は公金の横領を告発しようとしていた自分の部下をドサクサ紛れに射殺。これをたまたま目撃してしまったSATの隊員も撃ち殺し、他の部下には緘口令を敷いていたのだった。
しかし亀山との関係は、彼の旧友が殺された事件を機に終わりを告げる。サルウィンという発展途上国でNGO活動をしていた旧友の志を継ぐため、亀山は警視庁を退職。妻と共にサルウィンへと発つ直前の亀山に、杉下は電話をかけて激励の言葉を贈っている。この時、「今まで特命係を去っていった者はたくさんいたが、こんな言葉を贈ったのは君が初めてだ」と明かしており、杉下にとっても亀山が特別な存在だったことを暗に語っている。
第2の相棒:神戸尊
亀山が去ってからしばらくの後、新たに神戸尊という男が特命係にやってくる。実は彼は「時に上層部の意向を無視して捜査を断行し、組織にとって不都合な真実まで暴く」杉下の組織人としての適性を調査することを命じられており、捜査に動くたびに同行するようになる。亀山を送り出したばかりだった杉下は、神戸のこの行動をやや疎ましく感じており、「君は亀山くんのようにはなれない」と語っていた。
しかしその神戸もまた優秀な刑事であり、同時にある意味亀山以上にウェットなところがあることを知り、次第に彼の美点を理解し尊重するようになる。一方の神戸も、杉下の強引極まる捜査手法には難色を示していたが、彼の能力と市民のためにこそ正義を追い求める姿勢を尊敬するようになっていく。亀山と大きく違うところは、杉下に相応の敬意は払いつつも、神戸は彼に対して対抗心を捨てなかった点である。神戸が何かにつけては「お言葉ですが」と前置きしつつ杉下の推理に反論し、さらなる正論でやり込められるというのが2人の常だった。
その神戸自身が「いくらなんでも、杉下1人の適性を調査するには大掛かり過ぎるのではないか」と感じていたように、彼に与えられた命令には、「新たな防犯システムの運用を任せる人材として白羽を立てた杉下と神戸の、仕事上の相性を見極める」という裏の目的があった。この防犯システムは開発者の死亡によって計画がストップするも、組織の都合に振り回されて多くの人が運命を狂わされていたことを知った神戸は、再び命令に従って元の部署に戻ることを拒否。杉下と共に、1人の刑事として目の前で苦しんでいる者を救う道を選ぶ。ここに至るまでの日々の中で、神戸もまた刑事としての気骨と優しさを併せ持つ青年であることを知った杉下は、「ようこそ特命係へ」といって彼を歓迎するのだった。
しかし現在の法律ではグレーゾーンにあるクローンの赤ん坊を巡る事件が発生した際、神戸は「この事件の真相を暴けば、まだ生まれてさえいない子供が、一生色眼鏡で見られることになってしまう」と考え、クローンの赤ん坊を宿した妊婦を人質にして杉下に捜査を打ち切るよう懇願するという強硬手段に出る。杉下は神戸の本気を悟り、捜査を中断することに同意するも、神戸は赤ん坊を守れたことに安堵しつつ「杉下さんに正義の志を曲げさせてしまった」と己の行動を深く恥じる。杉下に合わせる顔が無いと感じた神戸は自ら警視庁を辞することを覚悟するが、彼の能力を惜しんだ上層部の意向で異動を命じられる。
神戸はこれを受け入れ、特命係とは別の場所で今も警察の人間として働いている。杉下とは今も交流があり、彼に頼まれて動くこともあれば、自分から協力を要請することもある。
第3の相棒:甲斐享
神戸が特命係を去った後、たまたま訪れた香港で、杉下は甲斐享という青年と出会う。甲斐は警視庁次長の甲斐峯秋(かい みねあき)の息子だが親とは不仲で、純粋に刑事に憧れてノンキャリアで警視庁に就職したという身の上の持ち主だった。甲斐の真っ直ぐな正義感を気に入った杉下は、峯秋に頼む形で彼を特命係に異動させる。甲斐はどうして自分が名高い人材の墓場に送り込まれたのか不思議に思っていたものの、念願の警視庁の刑事になれたことを喜び、杉下と組んで様々な事件を解決していく。
甲斐は権力者の息子にしては素直な性格で、杉下の高い能力と正義の志を純粋に尊敬し、弟子のような立場で彼に接する。杉下もまたそんな甲斐に目をかけ、亀山や神戸に対していたものと比べるとかなり柔らかい態度を見せていた。
しかしまだ若かった甲斐は、無意識の内に「杉下に負けたくない、自分もあのような刑事になりたい」という想いを自分の中に育てていき、復讐に燃える親友を止めるために先んじて犯罪者への報復を行った際にこれが爆発。その後も法の手の及ばない犯罪者を私刑にかける行為を続けていく。ある時ついにこれが明らかとなり、他ならぬ杉下の手によって逮捕される。
甲斐が己の行いを恥じ、杉下にも峯秋にも合わせる顔が無いと後悔する一方、杉下もまた上司として彼を止められなかったことを悔やむ。そのまま甲斐は拘留され、杉下も部下の不始末への懲罰として無期限の停職を命じられる。
第4の相棒:冠城亘
杉下が無期限の停職を命じられている間、人事交流という名目で法務省のキャリア官僚である冠城亘が警視庁にやってくる。警視庁の刑事たちは、彼を望まない客人と捉えて無人の特命係に押し込む。面の皮の厚い冠城は、もともと刑事の仕事に興味があったことから平然と特命係に通い続け、ここにとある事件の捜査で杉下が復帰したことから交流が始まる。
冠城はこれまでの相棒たちと異なり、杉下に対して敬意というより好奇心を強く抱き、「自分の相棒すら逮捕したミスターデンジャラス」と揶揄ってつきまとうようになる。杉下もそんな冠城のことを当初はかなり邪険にしており、「相棒ではなく同居人」などと語っていた。しかし冠城は次第に市民のために直接駆け回る刑事という仕事に魅せられ、人事交流中の捜査で無理をし過ぎて法務省をクビにされた際、次なる職場として警視庁を選ぶ。自ら望んで再び特命係に戻ってきた冠城に、さすがの杉下も呆れ、次第に彼を共に事件を追う仲間として認めていった。
冠城は刑事としても優秀だったが精神的にも成熟しており、杉下に過度に入れ込むことはなく、時には面と向かって歯向かうことさえあった。このためそれまでの相棒と比べるとやや距離のある関係だったが、杉下にとってもこれが思いの外付き合いやすかったらしく、亀山、神戸、甲斐を超えてもっとも長く特命係に在籍した人物となっていった。
しかしある時、かつての上司からのスカウトもあり、公安調査庁に異動することを決意。来た時と同様、冠城は純粋に自らの意志で特命係を去ることとなる。この時、杉下は「もう少し一緒にやりませんか」と言葉をかけているが、冠城は光栄なことだとしながらも丁寧に断っている。あくまで自分の下を去ろうという意志を変えない冠城のことを、杉下は「君らしく自由な判断で、少し羨ましい」と語っている。特命係にやってきた刑事たちの中で、杉下が慰留しようとしたのは冠城が最初の人物となった。
第5にして第1の相棒:亀山薫
冠城が特命係を去ってからしばらくして、腐敗政権に支配されていたサルウィンで革命が発生。日本を発った後の亀山は、サルウィンで教師をしていたが、彼の教えを受けた生徒の1人が革命の中核人物だったことから、“英雄の恩師”という立場で日本で開かれた日サ友好のパーティーに参加。ここで杉下と再会する。
このパーティーで事件が発生し、亀山が育てた教え子にして革命の英雄の1人であるアイシャ・ラ・プラントが死亡。この事件の解決のために奔走し、犯人が厩谷琢という男であることを突き止めるも、アイシャの復讐に燃えるサルウィンの人々の手により厩谷は暗殺される。アイシャのことでこれ以上傷ついてほしくないという他の教え子たちの配慮により、亀山は日本に帰ることとなり、刑事自体のライバルだった伊丹の口利きで嘱託職員として特命係に復帰。13年ぶりに名コンビの復活となった。
杉下右京の関連人物・キャラクター
亀山薫(かめやま かおる)
刑事ドラマ『相棒』における、杉下の最初の相棒となった刑事。設定的には彼以前にも何人もの刑事が特命係に送り込まれていたようである。
勢い任せの熱血刑事で、特命係に来た頃はやや無鉄砲な傾向があった。しかし杉下と共に事件を追う中で彼の恐るべき推理力に感嘆し、ただ勢いに任せるだけではうまくいかないこともあると学び、刑事として成長していく。一方で情に厚いところは変わらず、時にそれがトラブルの下となることも、逆に犯人の頑なな心を解きほぐす力ともなった。他人の心の苦しみや悲しみに寄り添える亀山の優しさを、杉下は「自分にはない能力」として高く評価し、無二の相棒として互いに信頼していった。
亡き友の志を継ぐために警視庁を辞し、サルウィンという発展途上国に旅立つ。『season21』で再び杉下の「相棒」になることが発表され、ファンを驚かせた。
亀山薫(相棒)の徹底解説まとめ - RENOTE [リノート]
renote.net
亀山薫(かめやま かおる)とは、刑事ドラマ『相棒』の登場人物で、初代相棒として活躍した熱血刑事。
指名手配犯を捕まえようとして大失敗したことを機に、“警視庁の人材墓場”と称される「特命係」に異動させられる。そこで抜群の推理力を持つ杉下右京と出会い、彼と共に様々な難事件を解決していく。切れ者過ぎて人の心の機微に疎い右京とは裏腹に人情家で、その優しさが事件解決の突破口となったことも少なくない。亡き友の想いを継いで外国へと旅立つが、『season21』で復帰することとなる。
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六角精児演じる米沢守は、人気刑事ドラマ『相棒』シリーズに登場するキャラクター。オタク気質で妻には逃げられたというパッとしない身の上ながら、鑑識として優れた技術を持ち、厄介者扱いされている特命係にも協力的な頼もしい存在として物語を盛り上げてきた。 シリーズ初期から登場してきたそんな米沢が、season14の最終回で警察学校へ異動することが決定。「レギュラー降板になるのでは」とファンに衝撃を与えた。当時の反応を紹介する。
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【SS】相棒の二次創作小説をまとめてみた!【おすすめ】
偏屈だが抜群の推理力を持つ名刑事・杉下右京と、その“相棒”たる個性的な刑事が、力を合わせて難事件を解決していく人気ドラマ『相棒』シリーズ。「国民的ドラマ」とも称される本シリーズは、ファンによる活動も活発で、考察やまとめ記事に始まり、コスプレやイラストなどの二次創作物も数多く存在している。 ここでは、そんなファンによる二次創作物の中から、SS(ショートストーリー)と呼ばれるセリフ形式の短編小説を紹介する。
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【相棒】青山剛昌、染谷翔太、はるな愛…意外な出演者をまとめてみた!
2000年のスペシャルドラマに始まり、20年以上放送され続けている刑事ドラマ『相棒』シリーズ。偏屈だが抜群の推理力を持つ杉下右京と、その“相棒”たる刑事が、様々な目的から犯罪を起こしていく犯人を追っていく様を描いた人気作品だ。 長く続いているだけに、坂上忍、桐谷健太、はるな愛、ムロツヨシ、温水洋一、古沢良太、岸谷五朗など意外な人物が単発で登場している。ここではそれを紹介する。
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【相棒】駄作?凡作?ファンの評価が低い9エピソードを紹介!
老練の名刑事・杉下右京と、その“相棒”たる歴代の刑事たちが難事件を解決していく刑事ドラマ『相棒』。2000年のスペシャルドラマを皮切りに20年以上続く人気シリーズで、ファンから「傑作」と絶賛されるエピソードも数多く存在する。 一方で、「駄作」、「つまらない」との与えられるエピソードもまた存在する。ここではファンからの評価が特に低い9つのエピソードを紹介する。
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【相棒】杉下右京に学ぶ、人をイラつかせる一言5選!
水谷豊演じる杉下右京は、人気刑事ドラマ『相棒』シリーズのメインキャラクターで、優れた推理力で難事件を解決する老練の名刑事。しかし極端に理屈っぽい上に我が強く、一度やると決めたことは何がなんでも実行し、そのためであれば他人の感情への配慮を二の次にするなど、偏屈な人柄として設定されている。 そんな杉下の、ファンにはお馴染みの「人をイラつかせる一言」5選を紹介する。
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【相棒】宮部たまき役の高樹沙耶が大麻所持の疑いで現行犯逮捕!再放送への影響必至…
人気刑事ドラマ『相棒』シリーズに登場する宮部たまき役で有名な高樹沙耶。1983年に女優としてデビューし、沖縄・石垣島に移住してペンションを経営していたその高樹が、大麻の不法所持で逮捕された。 高樹は以前から「大麻の合法化」を声高に唱えて様々な活動を続けており、ネットでは驚きと共に「やっぱりね…」との声が多く見られた。当時の反応を紹介する。
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