mellow（映画）のネタバレ解説・考察まとめ

亡き父が経営していたラーメン屋を継いだ古川木帆。母親は木帆が幼い頃に他界し、父親に育てられてきた。父親がラーメン屋ということで、ラーメン臭いなどと学校でいじめられることもあった。そのことで学校に行けない時期もあったが、特に何かをせずにいつの間にか学校に行けるようになっていった。
大学時代に建築を勉強するために海外留学を考えていたが、その頃父親が病気になり、ラーメン屋を継ぐことを決意する。しかし父親の作るラーメンの味は再現できず、常連客の足は遠のいていた。
ラーメン屋をたたみ、1度は諦めた海外留学に行くことにする。花屋やラーメン屋のような人が集う場所を作れるように、建築の勉強をイタリアでする予定である。
花屋で働く夏目誠一に恋をしていた。恋心も伝えず、海外に行くことも夏目に黙っていようと思っていた。しかし想いを手紙に綴り、ラーメン屋の最終日に夏目に渡したのであった。

古川左近（ふるかわ さこん／演：小市慢太郎）

元イタリア料理の料理人であり、生前はラーメン屋の店主をしていた古川左近。娘の古川木帆が大学生の頃、病気で他界した。
イタリア料理を作っていた頃、左手でフライパンを振り続けていたらひどい腱鞘炎になってしまった。料理人を辞めようかと考えていた頃、屋台でラーメンを食べた。店主は左手がなく、右手だけで調理する姿を見てラーメン屋を開くことを決意した。
花屋の夏目誠一とは親交があり、信頼していた。夏目が娘の木帆に好意を寄せていることにも気がついていた。病気で入院中に見舞いに来た夏目に、木帆へ宛てた手紙を託していた。

青木家

青木麻里子（あおき まりこ／演：ともさかりえ）

夫の青木シュウジと共に高級住宅に暮らしている。結婚式の花を担当した夏目誠一には、定期的に自宅に花を生けに来てもらう契約をしていた。花を生けにくる夏目に次第に恋心を抱いていく。自身の気持ちが夫ではなく、夏目に向いてしまったことで離婚を決意する。しかしその段階では夏目に気持ちを伝えたわけでもなく、恋愛関係にも至っていなかった。
離婚を切り出されたシュウジは、麻里子をとても愛しているため、どんなかたちであろうと麻里子の幸せを願った。夏目に気持ちを伝えられずに困っている麻里子を助けたいシュウジは、麻里子の夏目への告白の場を設ける。あり得ない展開に驚いた夏目は次第にシュウジと口論となってしまい、麻里子は自ら始めた告白を切り上げようとした。麻里子の幸せが最優先なシュウジの怒りの矛先は、なぜか妻を受け入れてくれない夏目になってしまい、夏目を追い出す形で告白は終わった。

青木シュウジ（あおき しゅうじ／演：斉藤陽一郎）

青木麻里子の夫。愛する妻・麻里子と共に裕福な暮らしをしていたが、突然麻里子に離婚を切り出される。麻里子は好きな人がいるから別れてほしいと申し出たが、相手に気持ちも伝えられていなかった。シュウジは麻里子の幸せを願い、告白の場を設けて自らもその場に同席した。告白が失敗したら、いつでも自分に戻ってきてほしいと思っていた。
麻里子の想い人である花屋の夏目誠一に麻里子が告白をするが、脈を感じられなかった。夏目はあり得ない状況に困惑し、シュウジは妻の告白に応じない夏目に怒り出してしまう。次第に口論となり、引き止められたはずの夏目がシュウジに追い出される形となり、麻里子の告白が終わった。

中学生

浅井宏美（あさい ひろみ／演：志田彩良）

中学3年生でバスケ部に所属している浅井宏美。後輩からの人気が高い。実家は美容室サロンドヴオーグである。
実家の美容室に飾る花を、夏目誠一が経営する花屋にいつも買いに行く。花屋の夏目に恋をしていた。
後輩である水野陽子、佐藤ゆいこに告白されるが「ありがとう、でもごめんね」と丁寧に断る。
後輩たちの告白に勇気をもらい、自身も想いを寄せる夏目に告白する決心がつく。陽子に同席してもらい、告白しようとするが思いとどまってしまう。しかし改めて1体1で夏目に会い、想いを伝える。断られることはわかっていたが、目には涙が浮かんでいた。
その後、告白してくれた後輩たちや、夏目との関係は気まずくなることなく良好であった。

水野陽子（みずの ようこ／演：松本エレナ）

中学2年生でバスケ部に所属する水野陽子。1学年上のバスケ部の先輩である浅井宏美に恋をしていた。おしゃれで評判の夏目誠一の花屋で、小さな花束を購入して宏美に告白をする。付き合ってほしいという陽子の告白には、「ありがとう、でもごめんなさい」と宏美に断られてしまうが、宏美とは気まずくなることはなく仲は深まった。
宏美が想いを寄せる夏目に告白をする決意をした時には、告白の場に同席した。

佐藤ゆいこ（さとう ゆいこ／演：竹中涼乃）

中学2年生でバスケ部に所属する佐藤ゆいこ。1学年上のバスケ部の先輩である浅井宏美に恋をしていた。告白したことで気まずい関係になってしまうことを恐れて、気持ちを伝えられずにいた。しかし、同学年の水野陽子が宏美に告白しているところを目撃して、その後の関係が良好であることを羨む。勇気を出して宏美に告白をし、気持ちを伝えられて満足していた。

その他

川上優（かわかみ ゆう／演：山下健二郎）

古川木帆のラーメン屋で別れ話をしていたカップルの男性。無職で借金もある。既婚者であったが、武田恭子と不倫関係であった。妻と離婚が成立したが、別れた後に妻との生活の居心地の良さに気がついた。一緒になることを望んでいる恭子に別れを告げ、1人になることを選んだ。容姿端麗で才能がある恭子の人生を台無しにしたくないと思って別れを告げたが、それは自分自身のためでもあった。