魍魎の匣(もうりょうのはこ)のネタバレ解説・考察まとめ
「魍魎の匣」とは、「京極夏彦」による長編小説。百鬼夜行シリーズの第二作目。2007年に実写映画化され、2008年にマッドハウス製作でアニメ化した。キャラクターデザインは漫画家「CLAMP」が担当。百鬼夜行シリーズは古本屋「京極堂」を営む陰陽師「中禅寺秋彦」が事件を解決するストーリー。「魍魎の匣」では、美少女「柚木加菜子」が人身事故に遭った所から事件が次々と起こっていく。
里村紘市(さとむら こういち)
CV:青山穣
腕利きの解剖・監察医。
死体の解剖が三度の飯よりも好き。
温厚な性格で、良く喋る。
その後のシリーズにも登場。
石井寛爾(いしい かんじ)
CV:宇垣秀成
神奈川県警の警部。
加菜子誘拐事件を担当するが、指揮能力が低く、信頼もない。
管轄外なのに捜査をする木場に何かと突っかかる。
加菜子が誘拐されてからは責任を問われて降格。
何かにつけて的外れな邪魔をする存在。
しかし民間人に対しては礼儀正しい。
その後のシリーズにも登場する。
その他
久保 竣公(くぼ しゅんこう)
CV:古谷徹
新人の小説家。
稀譚舎が出版する「近代文藝」に小説を寄稿している。
処女作「蒐集者の庭」が賞を受賞。
幻想的な小説を書き、似たタイプの作品を描く関口をライバル視している。
しかし久保の描く小説はフィクションではなく、実際に起こった事を書いた日記のようなものであった。
寺田兵衛と妻・サトの子供。
寺田は取り憑かれたように箱を作り続け家庭を顧みず、鬱病を煩っていたサトは寺田が徴兵中に久保を連れて九州築上求菩提山へ行く。
サトは犬ヶ岳山中で力尽きて首を吊り、久保は求菩提山の氏子に拾われ、養子となる。
満たされない幼少期を送ったため、隙間を異常に恐怖するようになり、隙間には何か悪い物が湧くと考えている。
氏子の死後、父である寺田の前に現れ、毎日寺田に自分のこれまでの人生を語り、久保を怖がる寺田を操って穢封じ御筥様を作り出す。
電車の中で加菜子を連れた雨宮に出会い、人ならざる道へ堕ちてしまう。
加菜子のように生きたままの少女を箱に詰めようとし、少女達を生きた状態で肢体を切断し、「浅野晴子」「小沢とし江」「柿崎芳美」「楠本頼子」の4人を殺害。
久保は殺すために肢体を切ったわけではないため一連の事件の中に殺意は無く、人を殺したという認識も無く、そのため犯罪者と見られるのが嫌であった。
美馬坂が箱詰めをした人物だと知り、アトリエへ来た青木を殴って警察の手を逃れたあと、美馬坂にどうやったら成功するのか聞きに行く。
美馬坂から犯罪者として裁かれたくないのであれば、自らも被害者になれば良いと言われ、美馬坂の手によって加菜子と同じく箱に詰められる。
最初は加菜子と同じ存在になれることに嬉しがっていた久保であるが、箱の中の世界は生き地獄で、自分をこんな状態にした美馬坂に殺意を抱く。
久保は美馬坂が箱を開けた際に美馬坂の首へ食いついて噛み殺し、久保を美馬坂から引き剥がそうとした陽子に首を締められて絶命。
久保の起こした連続バラバラ事件は、「武蔵野連続バラバラ事件」と名づけられた。
久保は寺田に繰り返し自分の指を返してくれ、何をしても満たされない、足り無い物を返してくれと訴えていた。
そして寺田に自分は可哀想かどうかと尋ね、寺田が他人を慰めた話を聞くと激昂し、何故他人を慰めるのに自分の事は満たしてくれないのかと寺田を殴った。
これは息子から父へ助けを求める言葉にも聞こえる。
しかし寺田は久保を恐れ、返事すらまともに出来ないで居た。
もし寺田が久保を満たす事が出来たら、悲劇は起こらなかったのだろうか。
寺田兵衛(てらだ ひょうえ)
CV:チョー
新興宗教「穢れ封じ御筥様」教主。
人の不幸を「魍魎」と呼び、浮上の財産を投げ打ちつつましい生活をすることで幸せになれると説いている。
箱(御筥様)を用いた魍魎封じを行う。
家族は、父・寺田忠、母・寺田正江、妻・サト、息子・久保竣公。
祖母は透視能力を持つと噂されており、実験するために箱に画数の多い漢字である「魍魎」という字を入れた。
その箱は、幼馴染の風呂屋の家の屋根裏に封をしてしまってあった。
寺田の家の屋根裏にも、久保の指が入った箱が封をしてしまってあった。
この気味の悪い偶然を寺田は必然と思い、自分の運命は最初っから祖母の箱の中に入っていたのだと思い、久保の良いなりになりはじめた。
それは魍魎に捕らわれる人生が決まっていたという意味なのだろうか、風呂屋曰く、箱を開けた後から寺田は言動がおかしくなったという。
元々は箱屋として箱を作って売っていたが、次第に箱作りに取り憑かれたように没頭する。
ちなみに美馬坂近代医学研究所に置いてあった機材を入れる無数の箱は実は寺田が箱屋だった頃作った物で、加菜子を入れた箱もまた寺田が作った物であった。
徴兵中にサトと久保が家から出て行き、寺田が家に帰ると、血まみれになった鉄製の箱と、箱の中に久保の指が落ちていた。
その後、大人になった久保が突如寺田の前に現れ、そこから寺田は毎日息子にこれまでの人生を語られる。
家庭を蔑ろにし、妻とも息子とも接して来ず、二人を不幸にした自覚のある寺田にとって久保の語る久保の半生は、全て恐怖と責め苦でしかなかった。
その後、久保の言いなりになって穢れ封じ御筥様を開く。
久保は御筥様の信者リストから少女を殺し、寺田も久保の行動に薄々気づいては居たが、久保を止められずに居た。
教主であるが修行などはしておらず、中禅寺に屋敷の中は信者から取り除いた魍魎が溜まりに溜まっていると言われ、中善寺に助けを求める。
中禅寺からの忠告で、信者から取った財産(魍魎)を全て返却した。
元々寺田は財産目的ではなかったため、全て保管してあったのであった。
事件後は神主である中禅寺に久保の葬儀を依頼した。
安和 寅吉(やすかず とらきち)
CV:坂本千夏
薔薇十字探偵社で住み込みで働く、榎木津の秘書。
通称「和虎」。
原作では青年であるが、アニメでは少年という設定になった。
伊佐間 一成(いさま かずなり)
CV:浜田賢二
中禅寺たちの知り合い。
「いさま屋」という釣堀を経営しており、中禅寺同様に親しい物からは「いさま屋」と屋号で呼ばれる。
加菜子と逃避行した雨宮を、物部神社で見かけた。
『魍魎の匣』の見所解説
冒頭のシーン
1話の冒頭、そして2・4・7・8・9話の冒頭に久保竣公の小説「匣の中の娘」の一部が関口の声で朗読され、関口の思うイメージで映像化されている。
久保の小説はフィクションではなく日記に近く、実際に起こった事がほぼそのまま書かれているため、彼の小説の中身が本作の犯人と真相に繋がる大きなヒントとなる。
また実際に箱に入っていた少女は加菜子で箱を持っている男性は雨宮で見ているのが久保あるが、冒頭のシーンでは関口のイメージで映像化されているため少女の顔は敦子、箱の所有者の男性は久保、見てる男性は関口になっている。
箱に入った少女は生きており、「ほう」と声を出す。
実際に箱に入っていた加菜子は肺が取り除かれているため声が出せず、これは息の漏れる音である。
小説でもこの匣の中の娘のシーンから始まり、本作で最も有名且つ本作を象徴するシーンである。
伏線だらけのストーリー
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目次 - Contents
- 『魍魎の匣』の概要
- 『魍魎の匣』のあらすじ・ストーリー
- 物語のはじまり
- 加菜子誘拐事件
- 榎木津登場
- 中禅寺の登場
- 4人目の被害者
- 寺田への憑き物落とし
- 久保の箱
- 箱の中
- ストーリーの時系列
- 『魍魎の匣』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 中禅寺秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)
- 関口巽(せきぐち たつみ)
- 榎木津礼二郎(えのきづ れいじろう)
- 中禅寺 敦子(ちゅうぜんじ あつこ)
- 木場修太郎(きば しゅうたろう)
- 鳥口守彦(とりぐち もりひこ)
- 事件関係者
- 柚木加菜子(ゆずき かなこ)
- 楠本頼子(くすもと よりこ)
- 柚木陽子(ゆずき ようこ)
- 美馬坂幸四郎(みまさか こうしろう)
- 雨宮典匡(あめみや のりただ)
- 須崎太郎(すざき たろう)
- 増岡則之(ますおか のりゆき)
- 柴田耀弘(しばた ようこう)
- 柴田弘弥(しばた ひろや)
- 警察関係者
- 青木文蔵(あおき ぶんぞう)
- 里村紘市(さとむら こういち)
- 石井寛爾(いしい かんじ)
- その他
- 久保 竣公(くぼ しゅんこう)
- 寺田兵衛(てらだ ひょうえ)
- 安和 寅吉(やすかず とらきち)
- 伊佐間 一成(いさま かずなり)
- 『魍魎の匣』の見所解説
- 冒頭のシーン
- 伏線だらけのストーリー
- 加菜子と頼子
- 久保と雨宮の出会い
- アニメオリジナル要素
- 『魍魎の匣』の主題歌
- オープニングテーマ「Lost in Blue」
- エンディングテーマ「NAKED LOVE」
- 『魍魎の匣』のBD-BOX
- 『魍魎の匣』の原作小説
- 『魍魎の匣』のコミック
- 『魍魎の匣』の公式サイト