新・春香伝(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

『新・春香伝』(しん・しゅんかでん)とは、CLAMPが雑誌『セリエミステリーSPECIAL』に1992年10月20日号から1994年2月20日号にかけて連載したファンタジー作品、およびドラマCD作品である。朝鮮に伝わる『春香伝』(しゅんこうでん / チュニャンヂョン)を下敷きに、武術が得意な少女春香(チュニャン)と旅人の青年夢龍(ムロン)の出会い、悪政を行う両班達に対し共に立ち向かう姿が描かれる。

『新・春香伝』の概要

『新・春香伝』(しん・しゅんかでん)とは、CLAMPが雑誌『セリエミステリーSPECIAL』に1992年10月20日号から1994年2月20日号にかけて連載した連作短編のファンタジー作品である。1994年には原作のエピソードである第一話「蓮姫(リョンフイ)」と第三話「懐旧譚」をベースにしたドラマCDが製作された。
舞台は古代朝鮮に存在した国・高麗国(コリョこく)。武術が得意な少女・春香(チュニャン)は正義感の強い性格で、新任した両班(リャンバン)の横暴に苦しむ住民達をいつも助ける日々を送っていた。そこへ謎の旅人・夢龍(ムロン)と出会い、母親の死を経て春香は夢龍の誘いを受け旅に出ることになる。
朝鮮に古くから伝わる物語『春香伝(しゅんこうでん / チュニャンヂョン)』を下敷きにした作品だが、原典では芸妓(歌や舞を得意とする踊り子のような職業)を生業としていた春香が、本作では武術が得意な正義感に強い少女に変更されている。さらに不思議な術を操る秘術師が登場するなど、アクション要素やファンタジー要素を取り入れた別物の物語となっている。軟派だがどこか謎めいた雰囲気を持つ夢龍とのにぎやかな掛け合い、真っ直ぐな正義感をぶつけ怯まず堂々と立ち向かっていく春香の姿が物語の魅力となっている。

『新・春香伝』のあらすじ・ストーリー

蓮姫(リョンフイ)

高麗国(コリョこく)に蓮姫(リョンフイ)という小さな町があった。高麗国では、「両班(リャンバン)」と呼ばれる貴族階級の人間達が村や町を管理していた。しかし蓮姫に派遣されてきた両班は、高麗国の政治機関「中央政府(チュンアン)」が定めた以上の税金を住民達から徴収しては私腹を肥やしており、住民達を苦しめていた。しかし、両班に逆らうことは死を意味しており、さらに町全体にまで重い罰が下されてしまう。そのため、住民達はどうしようもできずにいた。
ある日、香丹(ヒャンタン)という一人の女性が両班の息子に言いがかりを付けられている所を少女春香(チュニャン)が助ける。春香は秘術師(シンバン)を生業とする母親を持つ正義感の強い少女だった。彼女は得意の剣術で、両班の息子の部下達をあっという間に倒してしまう。部下達を倒されてしまった両班の息子は、「覚えていろ」と春香に吐き捨てるとその場を逃げ去る。

家に戻った春香は、両班の息子と喧嘩してきたことについて母親の明華(ミョンファ)に嗜められる。明華は女の子である春香が武術を使用することをあまり良く思っていなかった。だが、春香が武術を使用するのは名前も顔も知らない父親の代わりに母親を守るためでもあった。
明華と共に家に入ろうとする春香に、一人の青年が声をかけてくる。青年は「夢龍(ムロン)」と名乗り、旅人であちこちを旅して回っているという。警戒心をむき出しにする春香だったが、夢龍はそんな彼女に対しニコニコ笑ってあしらってしまうのだった。しかしそこへ、両班が息子と共に現れる。両班は町で一番美しい容姿を持つ明華に邪な想いを抱いており、「そろそろ誰かの腕に抱かれ、守られるべきではないか」と彼女に手を出そうとする。春香はすかさず常に所持している剣を取り出し、二人を威嚇する。彼女の剣を見た両班と息子は恐れをなしてその場を逃げ出すのだった。二人が去った後、夢龍は「あの二人は一体何者か」と春香に尋ねる。春香は「あの二人は六年前に赴任してきたばかりの蓮姫の新しい領主だ。だが中央政府が定めた税金を何倍も徴収する上に、息子の方は権力をいいことに町の人達に横暴な態度を振る舞っている。さらに母親の元にも二日と開けず訪れては馴れ馴れしい態度を取ってくるのだ」と彼に説明する。
春香は夢龍に「何の用で来たのか」と尋ねる。夢龍は「私の職業は『旅人』で、あちこちを旅して色々な人々とお会いするのが『仕事』です。蓮姫に名高い秘術師がいると聞いてお会いしたいと思い、訪れました」と答える。だが、母親に馴れ馴れしい態度を取る上「旅人」と名乗って職業を明かさない夢龍に、春香は怪しさしか感じないのだった。旅人である夢龍に、明華は自分達の元に滞在するよう勧めるのだった。

一方両班の城では、両班とその息子が春香親子の件を話題にしていた。息子から、住民達から「蓮姫の両班は名高い秘術師一人落とせない馬鹿者」と噂されていることを聞かされた両班は怒る。そこで春香に内心恨みを持つ息子は、近衛隊を使って明華をさらってくることを父親に提案する。
夢龍が春香親子の元に滞在して五日が経つが、春香は彼に対し胡散臭さを感じていたため信用することができずにいた。そこへ春香が以前助けた香丹が二人の元を訪れ、助けてくれたお礼に桃饅頭をプレゼントする。
夢龍から「来月からまた税金が高くなるそうだ」と聞かされた春香は、「これ以上税率が高くなれば、高麗の人達は暮らしていけなくなる」と住民達の生活苦を懸念し、年老いた母親を抱える香丹も不安を口にする。「『暗行御史(アメンオサ)』が来てくれれば…」と呟く春香に夢龍は「暗行御史?」と尋ねる。暗行御史とは、高麗国を治める中央政府の最高機関直属で、全国にある321名の両班を監視するための隠密のことだった。両班の悪事を暴き独自の判断で裁くことができ、彼らは暗行御史の証として五芒星の浮かぶ水晶を所持しているという。しかし人々の間では暗行御史は伝説のような存在で、春香も「本当に存在するのか」と疑っていた。「苦しんでいる人達がいるのに、結局何もできない自分が一番くやしい」と自身に憤る春香に「春香はいいこですね」と夢龍は慰める。

その頃、春香の家では両班の息子が近衛隊を引き連れて明華の元へ現れる。「城へ一緒に来てもらおう」と告げる息子に、明華は警戒心を見せる。息子は「両班の命令に逆らえば、蓮姫の町の奴らも同罪だ」と両班の権力をちらつかせ、近衛隊達に命令して明華へ刃を突きつけるのだった。
一方、相変わらず軟派な態度を取る夢龍に春香は「まだ旅立たないのか」と突っかかる。「蓮姫が気に入って、可愛い方とも知り合いになれたから」と答える夢龍に「会ったばかりの香丹にもう目を付けたのか」と春香は呆れる。「香丹も勿論可愛いですが、私がお知り合いになれて一番嬉しいのは貴方ですよ、春香」と夢龍は答える。その答えに春香は赤面して、夢龍を吹っ飛ばしてしまう。
二人が家に戻ると、家は荒らされており、母親の明華の姿は無かった。荒らされた家の様子に、嫌な予感がした春香は青ざめる。

その頃、両班の城では明華は無理矢理寝台の上に押し倒されていた。明華は両班の手を払い退けると、呪文を唱える。すると、長い布が現れ、両班の身体を拘束する。明華はそのまま出て行こうとするが、両班は「ここで帰れば両班に背いた罪でそなたは死罪になる。勿論たった一人の肉親である春香も同罪だ」と言い放つ。両班の命令に背けば春香だけでなく、蓮姫の住民達にも重罪が背負わされることになる。明華はどのみち自分が逆らえば春香と蓮姫の住民達にも危険な目に遭わされること、春香の父親である「旦那様(トリヨンニン)」を今でも慕う想いから、覚悟を決めて耳飾りを外す。耳飾りを外した明華が呪文を唱えると、耳飾りが短剣に変わる。
一方、母親が両班の城に連れ去られたことを察した春香は夢龍と共に城へ向かっていた。城へ向かう二人の前に近衛隊が現れ、春香は母親から教わった秘術で耳飾りを武器に変えて迎え撃つ。武器を構えて次々と春香は近衛隊を蹴散らしていく一方で、夢龍もどこからか剣を持ち出し、近衛隊を倒していく。その強さに、春香は彼がただの旅人でないことに気づく。
そこへ、両班の息子が現れる。「母さんを返せ」と叫ぶ春香に、息子は冷ややかに笑い「お前の大切な母さんは今頃父さんと一緒にいる」と告げる。その言葉に春香は耳飾りを秘術で剣に変え、「母さんはどこだ」と息子に突きつける。春香の怒りに慄いた息子は二人の居場所を教える。

やっと両班の部屋にたどり着いた春香の目に飛び込んたのは、胸に剣が突き刺さり息絶えた母親の姿だった。両班は腰を抜かしたままオロオロしながら、「わしは何もしとらん。自分で自分の胸を刺して死んだのだ」と告げる。春香は悲しみと怒りを爆発させ、両班を攻撃する。春香の攻撃をなんとか避けながら、両班は「両班に逆らえば死刑な上、町の者達も同罪だ」と叫ぶ。そこへ「その心配はない」と夢龍の声が響く。夢龍は静かな表情で、五芒星のマークが入った水晶を見せる。その五芒星を見た春香と両班は驚く。その五芒星こそ、「暗行御史」の証だった。
「『蓮姫』の両班である立場を利用した悪行三昧しかと見届けた。この春香の仇討ちは『暗行御史』である私が介添えとなる」と夢龍は春香に「本懐を遂げなさい」と告げる。春香は決心して両班を斬りつけるのだった。両班を倒した後、春香は母親の遺体と向き合う。夢龍は静かに彼女の肩に手を置くと「泣いてもいいんですよ」と慰める。その言葉に春香は泣き崩れ夢龍に抱きつくのだった。

両班の息子は中央政府が裁くことになり、蓮姫には新しい両班が派遣されることになった。そして夢龍も、仕事柄から別の場所へ旅立つことを春香に告げる。そこで、夢龍は彼女に「自分と一緒に旅に出ないか」と提案する。「色々なものを見て経験することは今の春香にとって必要なことであり、それに会わせたい人もいる」と告げる夢龍に春香は少し考えると、「行く」と答える。春香の返事に「楽しい旅になりそうですね」と夢龍は微笑むのだった。

水月(スウォル)

旅をする夢龍と春香は、川で水浴びする天女のように美しい姉妹・玉蓮(オンリョン)と春蓮(チュンリョン)に出会う。姉妹は「秘術師」で、天の神に祈りを捧げて雨を降らせる雨乞いの儀式を得意としていた。姉妹は雨乞いの為、「水月(スウォル)」という町へ向かう途中だったのだ。「水月では長い間雨が降っていないそうなのだ」と玉蓮は春香に話すが、お腹が空いた夢龍の腹の音で話の腰が折れてしまう。興味を持った春香と夢龍は姉妹に同行する。
水月を訪れた四人が見たのは、植物も枯れ、渇ききった地面が広がる町の様子だった。この様子を見た春香は、「水月の隣町は四、五日前に大雨が降ったばかりなのにこの町だけ雨が降らないのはおかしい」と疑問を抱き、秘術師が何か絡んでいるのではと考える。そこへ、何者かが現れる。その正体は一人の老婆で、「天の神に愛された姉妹」として有名な玉蓮と春蓮姉妹に依頼した張本人だった。老婆は「そのカラスについてくれば、私がいる所へ案内してくれる」と告げ、姿を消してしまう。玉蓮は「何やら曰くがあるようだ」と春香と夢龍に「この町から出た方が良い」と告げるが、「美しい御婦人方を危ない目に遭わせるのは私の信念に反します」と夢龍は返す。何だかんだ美人に目が無い上に飄々とした態度を取る彼に、「節操なし」と春香は怒る。一方、この様子を一人の男が監視していたのだった。

老婆のもとにたどり着いた四人は、そこで老婆と対峙する。老婆は夜語(ヤゴ)といい、西の国一の秘術師として有名な人物だった。夜語は水月に雨が降らなくなった理由を語る。元々水月はその名の通り水源に恵まれた場所で、住民達はは水月にしか咲かない美しい植物「水の花」を育てて生計を立てていた。しかし、一年前水月に新しい両班が就任し、両班お付きの秘術師・闇青(アンチョン)が天の神を怒らせる舞を舞ったことで水月に雨が降らなくなってしまった。闇青という青年は闇の力を身につけており、秘術師として高い実力を持つ夜語ですら太刀打ちできないものだった。「両班には彼が張った強力な結界が敷かれており、城の様子すら分からない」と夜語は話す。
話を聞いた夢龍は「両班は危険な力を持つ闇青の力を借りて何をするつもりなのか」と尋ねると、夜語は「その原因は『水の花』だ」と答える。「水の花」は美しいだけでなく万病に効く薬にもなり、1株は中央政府が定めた規定値でも100株あれば一年遊んで暮らせるほどの額になる。新しい両班は高い価値を持つ「水の花」を独占しようとしていたのだ。雨が降らない水月には、たった一箇所だけ雨が降る場所があった。それが両班の城の池だった。

両班の城の池には、雨が降ることで沢山の「水の花」が咲き乱れていた。沢山の「水の花」を眺めていた両班は、闇青から夜語のことを聞かされ、始末を命令する。
その頃、春香と夢龍は遠くから両班の城の様子を伺っていた。夢龍によると、水月に新しく赴任した両班は中央政府の監視をうまくかわしており、中央政府からも疑惑を抱かれていたという。夢龍が水月に立ち寄ったのも、実はそれが理由だった。夢龍は暗行御史の証である水晶を取り出すと、水晶から虎が現れ城へ向かうも結界の力で消滅してしまう。春香は「暗行御史なんだから、城へ行って両班を引っ捕らえたらいいだろう」と夢龍に言うが、「そうしたいのは山々だが、証拠が揃っていない」と彼に諭される。話を聞こうにも、村人達は夜語以外水月から離れてしまったため聞くことも叶わなかった。そこへ夜語が現れ、二人に水月の住民達が何故他所へ移ってしまったのか話す。水月の住民達も当初生まれ故郷を守るために戦った。しかし、両班の城からは誰一人生きて戻って来なかった。闇青の力を危険視した夜語は「必ず水月に雨を降らせ、現在の両班と秘術師を追い出し元の平和で美しい土地に戻す」と約束して村人達も逃したのだった。「しかし、私では闇青に勝てない」と夜語は無念の笑みを浮かべ、深い傷を負った腕を見せる。その傷を見た春香は胸を痛める。

そこへ玉蓮と春蓮が現れ、「『水月』のために『雨』を乞う踊りを踊らせていただきます」と夜語に告げる。「闇青は私でも敵わなかった相手だ。おまけにどんな秘術で対抗してくるか分からない上、両班に逆らった罪でどんな罰を受けるか分からない」と夜語は二人に忠告するが、姉妹の決心は変わらなかった。姉妹は自分達が「天の神に愛された姉妹」と呼ばれている理由を語る。姉妹は幼い頃から天の神の声を聞く力を持っていた。姉妹が舞えばどんな嵐もおさまり、日照りが続いても雨を降らせることができた。しかしその力を両班に目を付けられてしまい、彼女達の両親は姉妹を庇って命を落としてしまったのだった。
「自分達の力で両班に苦しんでいる『水月』の人々を救い、以前のような美しい場所に戻ることができたなら、『雨』を乞う踊りを踊ります」と告げる姉妹に、夜語は涙を流し二人に感謝の言葉を告げる。
姉妹は陣を敷くと、その陣の中で雨乞いの舞を踊る。姉妹の舞に反応して、竜神が宿る雨雲が現れる。しかしこのことに気づいた闇青の術が竜神を襲い、竜神が姉妹に向かって雷撃を放つ。雷撃から妹を庇い玉蓮が撃たれ、妹の腕の中で息を引き取る。「何故天の神が玉蓮達に攻撃してきたんだ」と衝撃を受ける春香に、「両班の城から光の矢が放たれ、その矢が竜神を射抜いたのだ」と夢龍が答える。「私のせいだ」と自身を責める夜語に、「私達が自分達の意志で踊ったのです。決して夜語様のせいではありません」と春蓮は答え、自らの命と引き換えに竜神の怒りを鎮める。

姉妹の死を受け、春香と夢龍は両班の城へ向かう。夢龍は水晶を掲げ、呪文を唱えることで二人は結界内へ入り込むことに成功する。二人の前に闇青が現れ、秘術で二人に攻撃を仕掛ける。攻撃を交わし、春香は耳飾りを武器に変えて闇青に立ち向かう。「『水月』に咲く水の花を独占した上に村人達を苦しめ、挙句姉妹を殺したことを絶対に許さない」と春香は憤りを見せる。だが闇青は「身分の低い者が苦しもうが死のうが知ったことではない。人間は皆平等ではないのだから。平民として生まれた者に生きる権利など無く、地位の高い者の糧となるために生かされているだけだ」と冷酷に告げる。その言葉に春香は怒り、両剣で彼に攻撃するも跳ね返されてしまい夢龍に助けられる。夢龍に「所詮私を倒した所で両班に逆らう者は死罪になる」と闇青は嘲笑うが、夢龍の掲げた暗行御史の証である五芒星を見て青ざめてしまう。
「貴方はよっぽど『地位』と『権力』がお好きなようだ」と夢龍は言い放ち、剣で闇青の胸を貫く。
二人はそのまま両班のもとへ乗り込み、春香は怒りのあまり両班の首元に剣を突きつける。両班は「私は両班だ。お前達などすぐに死罪にしてやる」と闇青を呼ぼうとするが、彼の死を夢龍に告げられる。「『水月』の両班である立場を利用した悪行三昧。この私が生き証人だ」と夢龍は暗行御史の証の水晶を見せ、両班を捕らえる。春香は姉妹の死から両班への怒りを抑えきれず剣を振り上げるが、そこへ雨が降ってくる。姉妹の秘術を継いだ夜語が雨を降らせたのだ。「両班を殺しても、二人は戻って来ない」と春香は怒りを鎮め、涙を流す。
水月の出来事を解決した二人は、夜語に見送られ別の場所へ旅立つことになった。新たな土地へ旅立つ二人だったが、夢龍は水月名物の冷麺を食べ損なったと愚痴をこぼし、春香を呆れ返らせるのだった。

懐旧譚(かいきゅうたん)

物語は春香が六歳の頃に遡る。春香はある日、子供達の遊び場を独占しようとした両班の息子が連れてきた親衛隊を倒す。「遊び場は皆の物だ。誰かが独り占め出来るものでも、誰かが好き勝手にしていい所ではない」と春香の正論に両班の息子は何も言い返せず、その場を逃げ出すのだった。
子供達は春香に感謝すると、両班の息子に対して愚痴をこぼす。「図体はでかいくせに子供だからなあ」と呆れる春香に、「でも一番春香には突っかかっているよね」と子供達は話す。
蓮姫に赴任してきた両班は息子ともども横暴な性格で住民を苦しめていた。そのため、「優しい両班なんているのだろうか」と春香は疑問を抱いていた。春香が子供達と遊び場にしている広場は、母親が春香の父親と出会った大切な場所でもあった。春香は遊びながら、顔も知らない父親に想いを馳せる。そこで、母親からのお使いを忘れていたことを思い出し、慌てて遊び仲間に別れを告げると買い物へ向かう。春香の後ろ姿を見送りながら、遊び仲間達は「両班の息子が春香に意地悪するのは、彼女が好きだからではないのか」と考えるのだった。

買い物から戻った春香は、母親の明華から手の傷を見つけられる。「喧嘩でもしたの?」と尋ねる明華に嘘がつけない春香は、広場を独占しようとした両班の息子と喧嘩してことを告げ謝る。父親の顔を知らずに育った春香にとって、広場は父親の面影を辿ることができる唯一の場所だった。住民達が利用する広場が両親の思い出の場所でもあることから、「私もあの広場を大切にしたいと思っただけなんだ」と春香(は訴える。明華は「誠実で優しくて、どうすれば皆が幸せになれるかいつも考えていた貴方のお父様にそっくり」と彼女に告げる。春香は明華に「母さんは父さんが好きだった?」と尋ねる。「ええ…今でもね」と明華は頷く。春香は父親が選んだ道のために母親と別れ、挙句命を落としてしまったことを聞かされてはいたが、父親が何故亡くなったのかまでは知らなかった。明華は「いつかすべてを春香に話す時が来るわ」とだけ告げるのだった。

次の日、春香が町を歩いているとあの広場の前に大勢の住民達が集まっていた。一体何が起こったのか春香が友達の一人に尋ねると、そこへ両班の息子が現れる。広場を取り壊し、両班専用の保養所にするのだと言う。両班の息子は昨日春香に恥をかかされたことへの恨みから、父親に広場を潰す許可を貰ったのだった。春香はショックのあまり泣き出し、その場を走り去ってしまう。
家に戻った春香は明華に抱きつき、あの広場が取り壊されることになったことを話す。「私が余計なことをしたから、皆の遊び場が無くなってしまった」と春香は自分を責め、母親の大切な場所を守ることができなかったことを悔やむ。泣きじゃくる春香を明華は優しく慰める。

元気を無くした春香だったが、そこへ友達が見舞いに来る。「私が両班の息子を怒らせてしまったから遊び場を無くしてしまった」と謝る春香に、友達は「いつも春香が勇敢だから、自分達も頑張ろうと思えるんだ」と両班の息子に怯まず立ち向かう彼女に勇気をもらっていると励ます。さらに「新しい遊び場を見つけたから一緒に行こう」と言って慰める。友達に励まされた春香は元気を取り戻し、友達と新しい遊び場へ向かう。春香の姿に、明華はますます父親に似ていると感じるのだった。

『新・春香伝』の登場人物・キャラクター

主要人物

春香(チュニャン)

CV:白鳥由里(ドラマCD版)
本作の主人公。ポニーテールが特徴の少女。14歳。高麗国にある小さな町・蓮姫で秘術師を生業とする母親と二人暮らし。父親は不明だが、母親の明華からは父親にそっくりと言われている。男勝りで正義感に強い性格。武術に長けている。母親に「秘術」を教わっており、耳飾りを武器に変える術が使える。
原典では歌や舞を得意とする芸妓(踊り子のような職業)・妓生(キーセン)を生業とする美女。

夢龍(ムロン)

CV:置鮎龍太郎(ドラマCD版)
白い服を纏った黒髪の青年。あちこちを旅しており、蓮姫を訪れたことで春香と出会う。飄々とした性格で謎が多く、女性好き。そのため春香からは胡散臭く思われている。食べ物に目が無く、底無しの大食らい。
その正体は、中央政府から派遣された隠密・暗行御史の一人。武術に強く、秘術を扱うこともできる。
原典では両班の息子。都へ栄転した父親に従い、春香と再会の約束を交わして都へ旅立つ。後に地方を旅し悪政を探る隠密・暗行御史に就職した彼は故郷に戻り、現在の両班によって死刑宣告を受けた春香を救出する。

蓮姫(リョンフイ)の住民

明華(ミョンファ)

CV:池田昌子(ドラマCD版)
春香の母親。蓮姫で名高い秘術師。春香の父親である「旦那様」を今でも慕っている。美しい容姿から両班に邪な想いを抱かれている。第一話「蓮姫」で両班に無理矢理言い寄られ、彼の目の前で自ら命を絶つ。
原典では名前を月梅(ウォルメ)と言い、娘の春香同様妓生を生業としている。

両班(リャンバン)

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@iwamotorisa6664

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CLOVER(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

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『CLOVER』とは、CLAMPが雑誌『Amie』に1997年から1999年にかけて連載したファンタジー作品および、それをもとにした映画作品である。機械技術が発達したサイバーパンク風の世界を舞台に「クローバー」と呼ばれる特殊能力を持つ少年少女達を巡る連作長編。この世で最強の能力を持つ「四つ葉」の少女スウ、「三つ葉」の双子兄弟CとA、自分の死んだ日が分かる「一葉」の歌姫織葉、そして「クローバー」と関わる人間達の物語である。時系列は現在から過去に遡るという構成になっている。

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カードキャプターさくら(クロウカード編・さくらカード編)のネタバレ解説・考察まとめ

カードキャプターさくら(クロウカード編・さくらカード編)のネタバレ解説・考察まとめ

『カードキャプターさくら』とはCLAMPの魔法少女漫画作品。ひょんな出来事から魔法少女となったさくらが、封印を解かれ様々な出来事を巻き起こす魔法のカードたちに立ち向かいながら成長していく物語。主人公のさくらは毎回違うバトルコスチュームを着ていたり、魔法を発動している様子が美しく描かれたりすることから、作品作りの細やかさに定評がある。また作中には性別や年齢による立場の違いなど一般的な価値観に捕らわれない恋愛が多く登場しており、前衛的な作品とも評される。

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聖伝-RG VEDA-(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

聖伝-RG VEDA-(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

『聖伝-RG VEDA-』とは、女性漫画家集団CLAMPが1989年から1996年まで『月刊ウィングス』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。古代インドの神話の世界が基になっている。夜叉王と阿修羅王が「天を滅ぼす」との予言を実現させるため、六星を探す旅に出る。CLAMPの商業デビュー作でありながら、美麗な絵柄や壮大なストーリーが多くのファンを虜に、今もなお根強い人気を誇る作品である。

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東京BABYLON(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

東京BABYLON(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『東京BABYLON』とは、CLAMPの漫画及び漫画を原作としたアニメ。伝奇ファンタジー作品でありながら、人々の悩みや孤独をリアルに描き出した社会派作品とも評される。1980年代を彷彿とさせる東京が舞台。そこで起こる怪奇現象に優しい心の持ち主である皇昴流が自らも傷つきながら陰陽術を使って立ち向かっていくストーリーでとなっている。主要人物としては他に昴流の双子の姉である北都と昴流に想いを寄せている獣医の桜塚星史郎がおり、この三人の行きつく悲劇的な結末は衝撃的なものである。

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Wish(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

Wish(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

『Wish』とはCLAMPの漫画であり、『月刊ミステリーDX』で連載されていた。連載期間は1995年~1998年まで。全4巻。病院で外科医をしている栩堂琇一郎(くどうしゅういちろう)が帰宅途中、琥珀(こはく)という名の天使をカラスにいじめられているところから助け出す。その御礼に琥珀は何でも願いを叶えると言い出し、そのまま琇一郎の家に居候することに。そこから多種多様の天使・悪魔達も交わり慌ただしく過ぎていく毎日だが、2人には衝撃的な運命が待ち構えていた。人間と天使のラブファンタジー漫画。

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20面相におねがい!!(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

20面相におねがい!!(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

『20面相におねがい!!』とは、CLAMPによって1989年から1991年まで『コミックGENKi』で連載された作品。 『CLAMP学園探偵団』、『学園特警デュカリオン』とともに「CLAMP学園三部作」の一つであり、シリーズ第一作目である。 「怪人20面相」の顔を持つ小学生の主人公・伊集院玲と偶然出会った幼稚園児の令嬢・大川詠心の二人を通して描かれるラブコメディ。 2012年には角川書店より愛蔵版が出版されている。

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合法ドラッグ/ドラッグ&ドロップ(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

合法ドラッグ/ドラッグ&ドロップ(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

『合法ドラッグ』『ドラッグ&ドロップ』とは、主人公らが謎の依頼を解決していくCLAMPのサイキックサスペンス漫画。物語は栩堂風疾が家出をしてきて雪降る夜に街中で倒れていたところを火群陸王に助けられるところから始まる。風疾は陸王の下宿先であるみどり薬局に連れてこられたことで店主・花蛍と斎峨に出会い、住み込みで陸王と共同生活をしながらみどり薬局での仕事と摩訶不思議な依頼に対応するもう一つのバイトをし始める。謎の依頼をこなしていくとともに、風疾、陸王の抱える不吉な過去とその運命が描かれる。

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CLAMP学園探偵団(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

CLAMP学園探偵団(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『CLAMP学園探偵団』とはCLAMPの漫画及びアニメ。小学生3人が織りなす探偵コメディ漫画である。漫画は『月刊Asuka』、『ミステリーDX』で1992年1月から1993年10月まで連載。全3巻。気球で視察をしていたCLAMP学園初等部学生会会長・妹之山残(いものやまのこる)は、東京タワーの窓に涙を流している老婦人を発見。フェミニストである彼は彼女の涙の理由を解決すべく、書記・鷹村蘇芳(たかむらすおう)、会計・伊集院玲(いじゅういんあきら)を加えたメンバーで探偵団を結成する。

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不思議の国の美幸ちゃん(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

不思議の国の美幸ちゃん(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

『不思議の国の美幸ちゃん』とはCLAMP作品の漫画及びOVAアニメ。奇妙な世界に迷い込みやすい性質を持った主人公の美幸が、さまざまな異世界に迷い込み、不可思議な女性キャラクター達にひたすら服を脱がされそうになったりするなど、お色気要素や百合展開のあるファンタジー艶笑コメディ。初期の2エピソードはルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリスが』元ネタとなっており、美少女・美女化したキャラクターが次々と登場するパロディのほか、同一作者による別作品が題材になっているものもある。

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すき。だからすき(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

すき。だからすき(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

『すき。だからすき』とは、女子高生・旭ひなたと臨時教師・麻生史郎の恋愛を描いたCLAMPの漫画。とある事情から一人暮らしをしている主人子のひなたは、隣に引っ越してきて更に彼女の高校の臨時教師となった麻生に好意を抱き始める。純粋無垢なひなたは想いが募ってくいくにつれてはっきりと自分の気持ちを麻生に伝えていく。しかし麻生は過去のトラウマが理由でひなたとの関係に一線を引いているのであった。最終的にクールでそっけないがどこか優しい麻生の心を開くことに成功し、ひなたの恋が実るのかが見どころとなっている。

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白姫抄(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

白姫抄(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

『白姫抄(しらひめしょう)』とは、CLAMPが光文社から1992年に出版した全編描き下ろしのファンタジー作品である。雪を司る美しい女神「白姫(しらひめ)」の伝承をもとに、プロローグとエピローグを挟み、雪の季節を舞台にした三編のオムニバスの物語が収録されている。 雪の降る中、一人の男が白い着物姿の女性と出会うところから始まる。「雪が降る日は白姫が泣いている」という白姫の伝承と共に雪の季節を舞台に人間と獣の間で起こった物語、恋人達の悲恋の物語が綴られる。

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わたしのすきなひと(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

わたしのすきなひと(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ

『わたしのすきなひと』とは、『ヤングロゼ』(角川書店)にて休載を挟みながら連載されたアンソロジーコミック。作者は『カードキャプターさくら』などで有名な4人組の日本の女性漫画家グループ・CLAMP。1995年に同社からヤングロゼコミックスDXのレーベルで単行本が発売された。毎話異なる主人公が経験する恋愛エピソードを、短編漫画と作者のエッセイで綴った恋愛オムニバス作品となっている。コミック原作とエッセイは大川七瀬が、コミック作画は猫井椿が担当している。

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カードキャプターさくら(CCさくら)の呪文・魔法まとめ

カードキャプターさくら(CCさくら)の呪文・魔法まとめ

『カードキャプターさくら(CCさくら)』とは、強力な魔力を持つ少女さくらを主人公とした、漫画家チーム「CLAMP」の漫画作品。大魔術師クロウ・リードが遺した魔法のカード「クロウカード」を封印するべく、魔法少女さくらが奮闘し、魔術師として、ひとりの人間として成長していく物語。 作中にはさくらを含めた様々な魔術師が登場し、魔法を使う。さくらが杖を解放する「レリーズ!」や、占い、攻撃、魔法を使った移動法など、あらゆる場面で魔法が使われることで物語が進んでいく。

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魔法騎士レイアースの魔法・呪文・必殺技まとめ

魔法騎士レイアースの魔法・呪文・必殺技まとめ

『魔法騎士レイアース』とは、異世界に召還された少女達の戦いを描いたCLAMPによるファンタジー冒険漫画、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品。 日本の女子中学生・獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風の3人は東京タワーから異世界セフィーロに召還され、魔法戦士としてセフィーロを救うために戦いを始める。 セフィーロには魔法が存在しており、召還された魔法戦士やその世界に住む人々が戦いの中で使う。それぞれの属性に適した魔法があり、作中では様々な魔法の呪文や必殺技が登場する。

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カードキャプターさくら(CCさくら)のカードまとめ

カードキャプターさくら(CCさくら)のカードまとめ

『カードキャプターさくら』とは、漫画家集団のCLAMPによる少女漫画およびそれを原作としたアニメ作品のことである。主人公の少女・木之本桜(きのもと さくら)が、強大な魔術師により作られたカード・クロウカードの封印を解いてしまった事をきっかけに起こるさまざまな問題を仲間達と共に解決しながら、散り散りになったカードを集めていく。作中にはクロウカード・さくらカード・クリアカードの3種類のカードが登場する。

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『カードキャプターさくら』原作漫画とアニメの違いまとめ

『カードキャプターさくら』原作漫画とアニメの違いまとめ

カードキャプターさくらは1996年に、月刊少女雑誌「なかよし」で連載された。小学4年生のさくらがカードキャプターとして、身の回りに起こる不思議な出来事を解決していく話だ。20年経った今でも根強い人気を誇る。連載から2016年には、続編であるクリアカード編の連載がスタート。クリアカード編を機に、漫画を買った者も多い。アニメしか見たことしかない者には、漫画を読むと異なる点が多くある。カードキャプターさくらの原作漫画とアニメでの違いを解説していく。

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テレビでは放送されなかったツバサ・クロニクルの物語

テレビでは放送されなかったツバサ・クロニクルの物語

かつてNHK教育放送で夕方の時間に放送されていたCLAMP原作の「ツバサ・クロニクル」。 しかし、結局多くの謎が解決されないまま、テレビアニメの放送が終了した。 原作漫画は28巻もあり、テレビで放送された部分はその半分にも満たない。 テレビで放送されなかった部分は、DVD化、あるいはネット配信となっている。 そんなツバサ・クロニクルの後半部分についての解説。

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マガジンの歴代ヒロインまとめ

マガジンの歴代ヒロインまとめ

『少年マガジン』は、日本でもっとも長く続いている週刊の少年漫画誌の1つである。その長い歴史の中で幾多の傑作を生み出し、日本の漫画文化を支えていった。「少年漫画」という縛りがあるため主人公の多くは少年だが、その活躍を支えるヒロインたちもまた物語に欠かせない存在として魅力たっぷりに描かれている。 幼馴染に学生、人外や異世界人と設定も様々なら、その関係性も恋人から友人、ライバルまで多種使用である。ここでは、マガジン作品を彩ったヒロインたちを紹介する。

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カードキャプターさくら(CCさくら)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

カードキャプターさくら(CCさくら)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『カードキャプターさくら』とは、CLAMPによる日本の漫画作品である。1996年6月号から2000年8月号まで、少女漫画雑誌『なかよし』にて掲載され、単行本は全12巻まで発売された。アニメやゲーム化もされている大人気作品である。 主人公・さくらが父親の書庫で不思議な本を発見する。本を開くと封印が解かれ、中からケルベロスという封印の獣が現れ物語がスタートする。本に封印されたカードを取り戻すため、さくらは「カードキャプター」として奮闘する。

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