東京BABYLON(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『東京BABYLON』とは、CLAMPの漫画及び漫画を原作としたアニメ。伝奇ファンタジー作品でありながら、人々の悩みや孤独をリアルに描き出した社会派作品とも評される。1980年代を彷彿とさせる東京が舞台。そこで起こる怪奇現象に優しい心の持ち主である皇昴流が自らも傷つきながら陰陽術を使って立ち向かっていくストーリーでとなっている。主要人物としては他に昴流の双子の姉である北都と昴流に想いを寄せている獣医の桜塚星史郎がおり、この三人の行きつく悲劇的な結末は衝撃的なものである。

『東京BABYLON』の概要

『東京BABYLON』とは、CLAMPの漫画及び漫画を原作としたアニメ。ジャンルとしては伝奇ファンタジーにあたるが、人々が抱える悩みや孤独をリアルに描いた社会派作品でもある。新書館の漫画雑誌『サウス』、『月間ウィングス』で1990年から1993年の間に連載されていた。1980年代を彷彿とさせる東京で巻き起こる怪奇現象に主人公の皇昴流が自らも傷つきながら立ち向かっていく。
作中で描かれる主要人物は昴流に加え、昴流の双子の姉である皇北都と昴流に想いを寄せている桜塚星史郎の3人となっており、非常にミニマムな人物配置で物語は構成されている。昴流ははるか昔から霊的に日本を守ってきた皇一族の十三代目当主であり、歴代当主の中でトップを争うほどの術者。北都は昴流のサポート役として共に暮らしている。一方、星史郎は皇家とは敵対関係にある暗殺集団「桜塚護」の跡取りである。立場も価値観も異なる三人が行きつく悲劇的な結末は多くの読者に衝撃を与える。
クライマックスが描かれるエピソードのタイトルは「END」、最終話のタイトルは「START」となっており、後に連載される『X』へ物語は続く。
1992年と1994年にアニメOVA化、1993年には実写ビデオドラマ化されている。

2021年には時代設定を現代に変更し、『東京BABYLON 2021』としてテレビアニメが放送予定であった。
しかし2020年11月19日に発表したキャラクター衣装のイラスト2点に対してファンから「著作権を有しない既存の衣装デザインを使用しているのではないか」と指摘があった。アニメーション製作会社は「現存する衣装デザインを模倣し、作成していた事実を確認いたしました」と模倣を認め、それに伴い放送日の延期が決定した。
その後、キャラクターの衣装設定2点以外にも多数の模倣盗用があることが判明したため、「製作委員会内で協議を重ねました結果、現制作会社との信頼関係の欠如により制作続行は不可能と判断し、【東京BABYLON 2021】プロジェクトは制作中止とさせて頂きます。その上で、改めてCLAMP先生、製作委員会にて協議の上、全く新たな制作体制で再出発させて頂くこととなりました。」と2021年3月29日に制作中止が発表された。

『東京BABYLON』のあらすじ・ストーリー

皇家の13代目当主と桜塚護の跡取り息子

陰陽師家の当主である皇昴流がその日に行った除霊案件の内容を姉の皇北都に話をすると、新宿の歌舞伎町にある桜塚動物病院に北都の笑い声が響き渡る。
その案件とは、とある男性芸能人が一般女性と身体の関係だけもって別れたことが原因で相手の女性が自殺して彼を恨む霊となって寝室に現れるというものであった。あまりにも典型的な最低の行為に北都は笑いが止まらない。しかし突然真剣な顔をしてその男性に対する怒りを露にし始め、その男性芸能人は自業自得であり除霊してあげる必要なんてなかったと昴流を責め始める。「でも」と控えめに反論しようとする昴流に、何が言いたいのかと詰め寄る北都。
昴流が困っていると桜塚動物病院を営んでいる桜塚星史郎が部屋に入ってきて、「昴流君はその女の人のために除霊したんですよね」と声を掛ける。そして、いつまで恨む気持ちを抱えてこの世に留まることはとてもつらいことだから、昴流は女性の霊がこれ以上苦しまないように除霊したんだと北都をなだめる。

星史郎の言葉に納得した北都は「星ちゃんは昴流のことならなんでもお見通しね」と星史郎と昴流をからかい始める。勢いよく否定する昴流に星史郎は昴流に一目惚れしたと言っているではないかと話す北都。北都が二人の関係を楽しく見守っている理由は二人の立場の違いが理由であった。
昴流は日本を霊的に守ってきた「皇一族」の13代目当主であり、数少ない陰陽師の頂点に立つものであった。一方で星史郎は同じ陰陽師であるが陰から日本を支えてきた暗殺集団「桜塚護」の跡取り息子であるという。北都は本来であれば敵対する立場にある二人の恋愛関係を思い描き、楽しんでいるのであった。
星史郎は昴流との結婚も考えているような態度を見せて北都の高揚心を更に煽っている。昴流はからかわれていると思っており、そんな北都と星史郎にツッコミを入れている。

過去の記憶

昴流には幼少期から持ち続けているある日の記憶があった。それはまだ幼い昴流が満開の桜の下で学生服を着た青年と話している記憶である。その青年の顔は記憶から抜け落ちてしまっているが、その時の会話は覚えていた。
その青年は「桜の花はお好きですか?」と声を掛け、「はい」と答える昴流に「ご存じですか?桜の下にはしたいが埋まっているんです」と話す。桜の色は本来であれば白であるが、その下に埋まっている死体の血を吸って薄紅色になっているんだと言葉を続ける。残酷な話に幼い昴流は目に涙を浮かべ、「桜の下にいる人たちは苦しくないんですか?」と尋ねる。すると青年は一瞬驚いた表情をして、すぐ微笑む。そして昴流の目線に合わせてしゃがみ、「『賭け』をしましょう」と言う。そして「君と僕がまた会えたら」と言った瞬間、風の音で青年の声が遮られる。昴流が聞こえないといっても青年は話続ける。そして次に聞こえたのは「だから今日は見逃してあげますよ」という青年の言葉であった。
高校生になった昴流は今でもこの青年が誰であったのか疑問を持ち続けている。

桜がまだ五分咲きではあるが、昴流と北都と星史郎は3人でお花見に出かける。星史郎と北都が雑談をしながら歩いている後を昴流は一人で歩く。すると不思議と一本だけ満開の桜があった。何故この木だけ満開なのだろうとその木に近寄る昴流。すると過去の記憶が蘇る。そしてあの青年と会った時に咲いていた桜はどこにあるのか、あの人は何故あの桜の木の下に死体が埋まっていると知っていたのか、あの人は誰だったのかと次々と疑問が浮かんでくる。
満開の桜を見つめる昴流に星史郎が近づいてきてどうしたのかと昴流に尋ねる。昴流はこの木だけ満開なのが不思議であると答えると、星史郎は眼鏡を外しながらいつもとは異なる不敵な笑みを浮かべ、「昴流君もご存じでしょう、その桜の木の下には死体が埋まっているからですよ」と言う。驚きの表情を浮かべる昴流。記憶の中の状況と星史郎を目の前にした現状が重なる。固まっている昴流の頭の中に「セイシロウサンハチガウ、セイシロウサンハゼッタイニチガウ」という声が響く。
北都の早く来いと呼びかる声で昴流ははっと意識を戻す。星史郎はいつもの様子で昴流に北都の元へ行こうと声を掛ける。昴流が満開の桜を再度見上げると、自分が今何を考えていたのかの記憶が無くなっている。何事もなかったかのように昴流たちは花見を続けるのであった。

前当主の忠告

昴流は前当主である彼の祖母に会うため、京都の本宅に帰る。広い和室で昴流と祖母は向かい合い、昴流の仕事ぶりについて会話をする。一通り話終えると、祖母は昨日内閣調査室長が訪れてきて、先日起きたという政府要人の変死事件に桜塚護が関わっているのではないかと危惧していたこと昴流に伝える。そして桜塚護については皇家も実態を掴めていないが、昴流も何か妨害に遭う可能性もあるので気を付けるようにと忠告をする。昴流は桜塚という苗字を持つ者は全員桜塚護の関係者なのか尋ねる。祖母がそんな訳ないと答えると、そうですよねと昴流はおどけながら笑い、星史郎が桜塚護の跡取り息子というのはただの思い違いだと考える。祖母は桜塚護とは正確には一人しかいないのだと言葉を続ける。昴流は「ひとり?でも『暗殺集団』って」と祖母に疑問を投げるが、祖母はただ微笑んでそれ以上は桜塚護について何も言わなかった。話題を変え、昴流の東京での生活を案じ、体には気を付けるようにと言葉を掛ける祖母。そして「良ろしおすか?たとえ北都さんの前でもその手袋は取ってはなりまへんえ、絶対にお約束どすえ」と厳しく言い、昴流は静かに「はい」と答える。

逆凪

昴流の元にいたずら電話による霊障被害が多発しているのでどうにか解決してほしいとの依頼が入る。そのいたずら電話は自身の情報を明かさずに誰でも利用できるダイアルQシステムのパーティーラインから掛かってきており、犯人が特定できないのだという。昴流は実際にいたずら電話の相手たちと電話をし、彼女たちは術者としては素人で何のリスクも考えないまま様々な術を使っていることを確認する。その行為を禁忌だと話す星史郎に北都はその理由を尋ねる。星史郎は本来であれば一つの術を使うのもかなりの鍛錬が必要なことであり、術者の才能にも大きく影響されるものであると説明する。そして術の力が大きければ大きいほど万が一失敗した時のしっぺ返しも大きく、プロであればその怖さを知っているので、様々な術を使うことを禁忌としているのだという。昴流は彼女たちの身を案じる。

昴流は鳥の姿をした自身の式神を使い、いたずら電話の犯人である三人の女学生たちの家を特定する。式神を通して彼女たちの様子を伺っていると彼女たちは自分たちが作った不完全な結界の中で霊的なものに襲われている最中であった。結界が邪魔をするが昴流は自身の力を使いどうにか彼女たちを守る。事なきを得て、ひどく疲れた様子で術を解いた昴流は自分が何をしていたかを北都と星史郎に説明する。そしてその話と昴流の様子から星史郎は彼女たちがいたずらの罰を受けていたのだと推測する。「いたずらの罰?」と北都が聞き返すと、星史郎はその罰とは正式には「逆凪」と呼ばれるもので、例え術を使うことでその術者へ降りかかる反動のことだと説明する。そして術が大きければ大きいほど逆凪も大きくなるので、プロの術者は逆凪に対する独自の防御法を身に着けているのだと話す。

数日後、再度昴流は彼女たちのパーティーラインにコンタクトをし、正しい道へ導こうとしっぺ返しに苦しむ彼女たちに間違えたまま張っている結界を解いて自分に除霊をさせてほしいと伝える。三人のうちの一人は昴流を信用し結界を解き、昴流は電話越しに除霊をし始めるが、残りの二人は昴流が敵であり、且つ結界を解いた女学生に裏切られたと思い込み昴流を襲うために強い術を使い始める。昴流は咄嗟に自分の周りに結界を張り相手の攻撃を最小にしながら結界を解いた女学生の除霊を続けて彼女を守り切る。
力を使い果たした昴流が倒れ北都が駆け寄ろうとすると星史郎が北都を止めて、術で北都を気絶させる。そして昴流が張った結界を手で破り、昴流を襲っている二人の女学生にいい加減こんなことをするのはやめるように促す。話を聞き入れない女学生たちに、星史郎はあなたたちのことはどうでもいいが、昴流を傷つけたのは許せないと不敵な笑みを浮かべる。今度は星史郎を襲うために女学生たちは術を使う。星史郎は昴流のように攻撃を受けず、術を破り反撃をする。
倒れている昴流を星史郎は抱きかかえ、やろうと思えばいくらでも跳ね返せる攻撃を受け続けた昴流にもしものことがあったら北都が泣くと声を掛ける。そして「僕との『賭け』はまだ終わっていませんよ昴流君」と昴流の手を取り頬ずりするのであった。

星史郎から反撃を受けた二人は精神に異常をきたし入院、助かった一人は自身に起きたことを両親に説明すると頭がおかしいと勘違いされてしまい精神科医の治療を受けさせられることになる。誰も救えなかったと落ち込む昴流に北都は「この件は昴流の『仕事』だったんでしょう、じゃあくまでもデータとして蓄積して後は忘れなきゃ」と言葉を掛ける。北都の励ましに昴流は気持ちを立て直すことができたのであった。

星史郎の裏の顔

昴流が仕事の依頼人との待ち合わせ場所に行くと、そこにいたのは祖母であった。東京にでてきたついでに宮内庁に寄ったところ、昴流に依頼したい仕事があると言われ伝言を受けてきたのだと言う。その仕事はとある新興宗教団体を調査してほしいというものであった。その団体は会員のすべてが中高生を中心とした子供であるため、高校生の昴流が調査するのが適切であるという判断になり依頼する経緯になったらしい。
仕事の話を終えた祖母は昴流に最近特に変わったことはないか優しい顔で尋ねる。北都も自分も変わらず元気だという昴流の答えを祖母は目を閉じ聞いている。そんな様子に昴流が何かあったのか尋ねると、祖母は真剣な顔つきで目を開き、毎月九日に吉凶を占うために行っている火会で昴流のことを占ったことを伝える。そしてその占いで昴流が「桜」に捕らわれるという結果が出たのだと言う。祖母は昴流に手袋はきちんと常につけているかと昴流に確認する。そして桜の木の下にいる幼少期の昴流を思い浮かべ、あの時一人にしていなければと嘆く。そして「『桜』に惑わされてはなりません、『桜』には絶対に心を奪われてはなりません」と昴流に忠告をするのであった。

昴流は祖母経由で受けた新興宗教団体の調査のためにその団体に加入する。そしてその団体はあたかも普通の学校のようで教祖はいない。ただ先生と呼ばれる奈岐久美子という最高指導者がいた。彼女は自分を許し、他人を許し、強い人間になるように信者たちに穏やかな様子で声を掛けている。信者たちはその言葉に強く共感している様子である。奈岐が特別なことをしている様子がないにもかかわらず多くの信者たちが感動している様子に昴流は違和を感じる。
昴流と同時期に加入し、仲良くなった女子高生がいた。彼女はクラスメイト達からいじめを受けており、奈岐の言葉で自分は救われると信じていた。しかし、一向にいじめが収まらない様子に彼女は奈岐に状況が何も変わらないと訴えかける。しかし奈岐はつらいのは分かるが耐えられると信じることで人は強くなれるので、その強さでクラスメイトを許してあげてと言い続けるのであった。最終的にその女子高生はいじめっ子に歯向かい、その反撃で大けがを負ってしまう。
その出来事を奈岐は昴流に話し、彼女はクラスメイトからのいじめという些細な事さえ許せない弱い人間だったと言葉を続ける。その話を聞いた昴流は自分をいじめた人をどうして許せるのだと奈岐に対して憤りを見せる。そして、確かに人並み以上の霊力が奈岐にはあるかもしれないが、本人にしか分からないはずの他人の痛みを分かったふりしている貴方には誰も救えないと声を荒げる。

すると「その通りですね」と言って星史郎が部屋に入ってくる。昴流が驚いていると星史郎は術で昴流を気絶させ、抱きかかえる。奈岐がどなたかしらと尋ねると星史郎は「名乗る必要もありませんよ、貴方はすぐに死ぬんですから」と話す。自分が殺される理由を尋ねると、星史郎は彼女が六年後に三百万を超す新興宗教団体を作るのでそうならないようにするためだと答える。その団体を作られて困るのは星史郎ではない誰かであるという。そして星史郎の術で大量の桜の花びらが奈岐の周りを囲い彼女は殺される。
星史郎はソファで寝かせておいた昴流の顔を覗き込みながら、「やっぱりこの『賭け」は僕の勝ちのようですね」と話しかける。そして昴流の首を左手で掴み、右手で昴流の手袋を外そうとすると手袋から電流のような力が走る。昴流の祖母が手袋に結界を張っていたのである。星史郎は「今日は貴方のおばあさまに免じて『賭け』の最終期日は延期ということにしましょうか昴流くん」と冷たい目でいう。後から昴流は自分の部屋で目を覚まし、奈岐とのやりとりや星史郎が現れた記憶はなくなっていた。

昴流を案じる北都

昴流は熱を出したので病院で診察を受けロビーで北都を待っていると、小学生の勇弥という男の子に声を掛けられる。彼は腎臓に病気を抱えており、一日おきに人口透析を受けるため通院をしていたのであった。幼いながらに不自由な生活をしている勇弥に昴流は心を痛める。
昴流が住む部屋のリビングで北都と星史郎はソファに座り、勇弥について話している。そして、そんな勇弥の苦しみを自分のことのように心配してしまう昴流を北都は心配する。昔から人の痛みを自分の痛みとして抱え込んでしまう昴流を見てきた北都は、昴流はやさしくて心が「真白」すぎるのでこのままじゃきっと生きていけないと思っていたという。そして昴流に特別に好きな人ができて、もしその人に裏切られてしまったら昴流はきっと死んでしまうと言葉を続ける。
北都が飲み物を取りに席を立つと星史郎は不敵な笑みを浮かべながら、「『優しい人』に『真白』な心、僕には一番縁のないものですね」と言葉にする。そしてそろそろ賭けの最終期日も近いようだとつぶやくのであった。

右目を失明する星史郎

腎臓の病気が悪化していく勇弥と腎臓のドナーが見つからないことに焦って思い詰める勇弥の母親。彼女は早くに夫を亡くした後に、勇弥の姉に当たる女の子も腎臓の病気で亡くしていたのであった。勇弥の母は子供が二人とも腎臓の病気を患ってしまったこと、自分の腎臓の一つを娘に提供したがその拒否反応で娘が亡くなったこと、また勇弥にドナーが見つからないことに責任を感じ、どんどん情緒が不安定になっていく。

そんな勇弥の母親をみていた昴流は自身がドナーになることを決意する。そして勇弥の病室に向かうと、勇弥は危険な状態になり手術室に運ばれていくところであった。
病室で泣き崩れる勇弥の母親を心配そうに見つめる昴流。すると彼女は病室に置いてあった果物用の包丁を取り、笑みを浮かべ「勇弥に腎臓頂戴」といって昴流を切りつける。向かい合ってドナーになる意志があることを伝える昴流であるが、気が高ぶった勇弥の母親には聞く耳を持たない。勇弥の母が包丁を持った手を振りかぶると、昴流は気持ちを案じ刺されることを決意する。
すると星史郎が病室に入ってきて昴流の盾となり、目に重症を負う。星史郎はにやりと笑うと勇弥の母親から包丁を取り上げて取り押さえる。
そのまま星史郎はすぐに手術室へと運ばれる。昴流は手に血がついたたまま手術室の前で泣き狂う。そして手術室のドアを叩き、星史郎の名前を叫び続ける。北都が昴流を止めようと身体を抱いても、昴流は北都を突き放しドアの前で名前を呼び続ける。昴流の異常な様子に北都は戸惑いを隠せない。この怪我で星史郎は右目を失明する。

星史郎の失明に落ち込みを見せる昴流であったが、北都からずっとそうしていても星史郎の視力は戻らないと言われ落ち着きを取り戻す。そして星史郎に謝りに病室へ向かう。星史郎は自分が好きでやったことだから気にする必要は全くないと昴流に優しく言葉を掛ける。星史郎の言葉に安堵する昴流。
星史郎が所望するドーナツを買うために昴流が病室を出ていくと、入れ替わりで北都が病室に入る。明るく笑みを浮かべる星史郎の様子に衝撃を受ける北都であったが、星史郎の優しさを汲み取っていつも通り北都も明るく振舞うのであった。

昴流を許してくれた星史郎に北都は礼を述べ、星史郎のことが分かんなくなってきたと言い始める。星史郎は北都が何を言っているのか分からない様子でいると、北都は星史郎がいつも笑顔で優しいからこそ裏表のある人であると考えていたのだと説明する。どうしてそう思うのか星史郎が尋ねると、北都は眼鏡に隠されているが星史郎の「眼」が尋常な人のものではないと感じており、また上手く隠しているが星史郎からは「血」の匂いがすると真剣な表情で答える。そして昴流が今回の事件で自分を見失うくらい取り乱していたことを話し、それは相手が星史郎であったからだと話す。昴流は星史郎のことを特別な人だと認識したのだと悲しい表情を浮かべる北都。北都は「約束して、昴流をどこか遠くへ連れて行かないで」と言って小指を差し出す。
看護師が入ってきて会話は遮られ、北都はいつも通りの明るい様子で病室から出ていく。看護師が少ししたら戻ってくると言って部屋を離れると星史郎は北都の勘の良さに感嘆しながら「そろそろタイムリミットですね」とつぶやく。

賭けの決着

とある夢をみる昴流。それは自分が体験した幼少期の桜の木の下での出来事を客観的に見ているというものである。過去の記憶通りに青年と幼い昴流の会話は進んでいく。そしてやはり賭けの内容は風の音で聞こえない。その場面を見ていた昴流が幼少期の昴流と同じように「すみません。風の音でよく聞こえな」と言いかけると、後ろから男性が昴流の肩を掴んで賭けの決着をつけるときが来たと言う。昴流が振り向こうとすると桜吹雪で視界が遮られる。目を開けてみると男性が式服に身を包んで血を流している昴流を抱きかかえている。「せいし」と叫びながら昴流は目を覚ますが、自分が誰の名前を呼ぼうとしていたのか思い出せない。
昴流は星史郎のお見舞いに向かいながら、改めて自分は星史郎のことをどう思っているのか考える。手術室の前で取り乱した時、星史郎が失明するというこすること以外にも恐れていたことがあったと思い出そうとしている。すると盲導犬を連れた盲目の男性が若者に絡まれているところに遭遇する。彼を助けたことをきっかけに昴流は友人が片目を失明し、いずれ全盲になる可能性があることを男性に相談する。そんな昴流の話を聞いていた老人は昴流が本当にその人のことを好きなのだと伝わってきたと言う。その言葉に昴流はぼんやりと男性を見つめかえす。
そして星史郎の病室の前に立ち、星史郎が怪我をした時に自分は星史郎に嫌われてしまう事、もう会えなくなってしまうかもしれないことが怖かったのだとはっきりと思い出す。そして涙を流しながら自分が星史郎のことを好きであると自覚する。

昴流が病室の扉を開くとそこには記憶の中の桜があり花びらが散っている。木の下には星史郎が立っており「『賭け』の決着をつける時が来たようですね、昴流くん」と声を掛ける。この空間は星史郎の術によって作り出されてものであった。星史郎は昴流と再会してから一年経ち、今日は約束の日であると言葉を続ける。「再会」と言う言葉にも、「約束」という言葉にも心当たりのない昴流。星史郎は幼少期の昴流が桜の下で青年に会った日の一部始終を昴流の前で再生し始める。

再生される過去を第三者として見ている昴流。桜の木の下で青年と出会い記憶通りの会話をするのであったが、やはり青年がどんな賭けをしようと言ったのかは風の音で聞こえない。昴流が聞き返そうとすると星史郎が後ろから昴流の肩を掴み、あの時に出会った青年が誰かよく見ろと言う。すると幼少期の昴流と話していた青年が振り返り、その顔を見て若かりし頃の星史郎であることに気が付く。昴流と星史郎は七年前に会っていたのであった。すると昴流はその日は祖母と共に東京に来ており、祖母が宮内庁で用事を済ませている間に何かに呼ばれたような気がして一人でその場から離れ、記憶の中に出てくる桜の木に辿り着いていたことを思い出す。そこで若かりし頃の星史郎は桜塚護の仕事としてある少女を桜の木の上で殺しており、その場面を幼少期の昴流は目撃していたのであった。
仕事を見られてしまった星史郎は昴流を術で気絶させ、同じ陰陽師の力を持つこの子供をどうしようかと思案する。星史郎に術を解かれ目を覚ました昴流は急に倒れてしまったのかと焦った様子で、丁寧に迷惑をかけたことを星史郎に詫び、仕舞には助けてもらったお礼まで言うのであった。

一連のことを思い出した昴流は星史郎が暗殺者であることを認めようとしないが、星史郎は自分が桜塚護だとはっきりと伝える。昴流は桜塚護を見た者は必ず殺されると祖母から聞かされていたことから、それなら何故自分は殺されていないのだと尋ねる。すると星史郎は賭けをしたからだと言う。その賭けの内容とは、まず優しく純粋で誠実な心を持つ昴流と再会した時、星史郎は一年間昴流のことを好きになる努力をするという。そしてもし星史郎が昴流を特別だと思えたら昴流の勝ちで殺すことは止めるが、逆に特別と思えなかったら昴流を殺すというものであった。そしてその時、星史郎はまた昴流と会えるように昴流の両手の甲に桜塚護の獲物という事を示す印を刻んでその場を離れたのであった。その印を見つけた祖母は絶望し、昴流にずっと手袋をさせることになったのだ。

星史郎は昔から「人間」と「物」の区別がつかず、桜塚護を継承するために先代の桜塚護であった母親を殺した時でさえ何も感じなかったと話す。そしてこの一年は昴流を好きになろうと過ごしてきたがやはり昴流のことを特別には思えず、昴流の身体を蹴っ飛ばしても道の小石を蹴っているのと変わらないのだと昴流に暴力を振い続ける。そして「貴方は僕が殺します」と言い、術で昴流を桜の木に取り込み始める。抗う姿勢を見せない昴流に、星史郎は本気を出せば術から抜け出せるのに何故反撃しないのか問う。昴流はただ力なく星史郎の名前を呼ぶだけであった。
星史郎が昴流の息の根を止めようとした瞬間、昴流の祖母の力で星史郎の術が破られる。星史郎は一旦立ち去り、昴流は大怪我を負った状態のまま病室で発見される。

北都の死

一命を取り留めるも星史郎へのショックで身体から心が無くなってしまい、ただの人形のようになってしまう昴流。北都はそんな昴流に泣きながら星史郎を近づけたことを謝る。北都は何にも執着を持たず自分を犠牲にする昴流に何でもいいから心の底から特別だと感じられるようになって欲しかったのだという。そして、危険な人だと感じながらも昴流の特別になれると確信できる星史郎を昴流に近づけていたのであった。しかし結果的に星史郎は昴流の心を連れて去ってしまい、昴流に死ぬよりも辛い目にあわせることになってしまった。
涙を泣いた北都は星史郎に昴流を殺させないと決意し、昴流の式服を着て部屋を出ていく。

北都が姿を消して一か月経つ。心を失ったままの昴流の部屋で、皇一門で探しても北都が見つからないと祖母は悲しみに暮れる。すると昴流の頭の中に自分の名前を呼ぶ北都の声が響く。そして星史郎が昴流の式服を着て血だらけになっている北都を自身の前に浮かべている場面が浮かぶ。北都の名前を叫びながら昴流は意識を取り戻す。何度も涙ながらに北都の名前を叫ぶ昴流を祖母が身をもって制すると昴流の身体から力が抜ける。部屋でなり始めた電話を祖母が取ると、北都が桜塚護に殺されたことを知る。動揺する祖母に昴流は北都が殺されたことを言い当て、「あの人だけは僕が殺します」と宣言するのであった。昴流は高校を中退する。

昴流の決意

昴流は北都と星史郎が対峙した日のことを夢の中で見る。昴流の式服を着た北都は星史郎を探し、「昴流は絶対に殺させない」と言う。星史郎は北都の力では自分を殺せないと言い返すと、北都はそれは分かっているが自身にしか使えない術もあるのだと話し自分を殺しなさいと真剣な表情を見せる。星史郎は目を閉じて聞いていたが、目を開け微笑んで昴流の身体を腕で貫いて北都を殺す。そこで昴流は目を覚ます。

昴流の元に公団で多発している異常現象を解決してほしいという依頼が届く。昴流が公団内にある公園で事情の確認をしていると、近くにあったベンチが突然真っ二つに折れる。そこからは霊的な力は感じない。住人が集まってくると昴流の洋服の袖を引っ張る女の子に出会う。その子はブランコで遊ぼうと昴流を遊具に引っ張って行く。昴流がどうして自分を誘ったのか聞くと女の子はお兄ちゃんならあの子を助けてくれると思ったと言う。すると部屋に一室で爆発が起こる。昴流が慌てて力を感じる部屋に向かうとそこから疲れた様子の主婦が出てくる。その主婦のことを調べながら夜の公園に行くと、昼に会った女の子がブランコにいる。そしてあの子を助けてくれと言う。すると公園の地面が割れる。礼の主婦が住む部屋に駆け込むと彼女は赤ちゃんに虐待をしており、昴流は急いで彼女から赤ちゃんを離す。彼女の旦那は外に愛人を作ってそのまま出ていってしまい、その寂しさや苛立ちから虐待をしていたのであった。そして今まで起きていた異常現象は虐待されていた赤ちゃんの強い悲しみが原因で起きていたことが判明する。

一連の片づけを終え公園に戻ってきて女の子と話す昴流。そして彼女も何か辛い目をして亡くなった霊であると言い当てる。彼女は無理心中をするため母親に殺されたのだと話す。自分の母親も虐待していた主婦も寂しかったのかもしれないと言葉を続ける女の子。そして「悪いことする人はみんな『寂しい』のかもしれないね」と言う。女の子が成仏し、一人になった昴流の頭の中に女の子の言葉が残る。星史郎の顔を寂しそうに思い浮かべる昴流であったが、北都の遺体を抱きかかえている姿を思い出し、首を横に振って力強い表情を浮かべて、その場を立ち去るのであった。

『東京BABYLON』の登場人物・キャラクター

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X(エックス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『X』とは、CLAMPによって1992年から『月刊ASUKA』にて連載が開始された漫画。 劇場版やアニメが公開され、ゲーム等も発売された。不定期更新中で現段階では休止中。 劇中には他のCLAMP作品のキャラクターも登場している。 ストーリーの内容に生死の選択がありグロテスクなシーンやBL要素を含む描写もある。 主人公の神威は母の遺言により幼い頃に過ごしていた東京に戻ってきた。 神威は地球の未来を左右する運命を背負っており、幼馴染の封真や小鳥も戦いに巻き込まれていく。

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魍魎の匣(もうりょうのはこ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魍魎の匣(もうりょうのはこ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「魍魎の匣」とは、「京極夏彦」による長編小説。百鬼夜行シリーズの第二作目。2007年に実写映画化され、2008年にマッドハウス製作でアニメ化した。キャラクターデザインは漫画家「CLAMP」が担当。百鬼夜行シリーズは古本屋「京極堂」を営む陰陽師「中禅寺秋彦」が事件を解決するストーリー。「魍魎の匣」では、美少女「柚木加菜子」が人身事故に遭った所から事件が次々と起こっていく。

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カードキャプターさくら(クリアカード編)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

カードキャプターさくら(クリアカード編)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カードキャプターさくら』とはCLAMPの魔法少女漫画作品。ひょんな出来事から魔法少女となったさくらが身の回りに起こる不思議な出来事に立ち向かいながら成長していく物語。前編では主人公のさくらが魔法のカードを集めを完了し、すべて自分のカードにしたところで物語は完結している。本編ではその続きとして、自分のものとしたはずのカードが透明になって魔力を失い、また同時に不思議な出来事を解決する度に新たな透明の魔法のカードが現れ始めるという新たな現象を主軸に物語が描かれる。

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魔法騎士レイアース(第二章)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魔法騎士レイアース(第二章)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魔法騎士レイアース(マジックナイト・レイアース、Magic Knight Rayearth)とは、1993年11月から少女漫画雑誌「なかよし」にて連載が開始されたCLAMPによる漫画およびそれを原作としたアニメ作品。今回は第一章で主人公たち光・海・風が使命を果たした後、東京に戻ってきて再びセフィーロへ向かうところからの物語である第二章について紹介する。

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ちょびっツ(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ちょびっツ(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ちょびっツ』とはCLAMPによるSFラブストーリー漫画とそれを原作にしたアニメ作品。少女の容姿をしたパソコンと機械には疎い青年が織り出す恋愛模様を描いている。パソコンが人型で普及している東京で浪人生の本須和秀樹はバイト帰りにゴミ捨て場で人型パソコンの「ちぃ」を拾うがソフトが何もインストールされておらず、全てが謎に包まれていたパソコンだった。友人と共にちぃの素性に迫っていくうちに、プログラム通りに行動するパソコンとは違うChobitsという特殊なパソコンではないかという疑念が生まれる。

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こばと。(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

こばと。(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『こばと。』とはCLAMPによる人間界を舞台としたローファンタジー漫画、及びそれを原作とするアニメ作品。花戸小鳩が「行きたい所へ行く」という願いを叶えるため、人々を癒すことで得られる傷ついた心を集めようと奮闘する物語。後半では主要人物らによる三角関係も描かれておりラブストーリーの要素も強い。純粋なこばとは様々な人々と出会うことで、今の自分にとって一番大切なものは何なのか考えるようになる。登場人物それぞれに複雑な過去があり、それらのことを踏まえて最後にこばとが何を願うのかが見どころとなっている。

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カードキャプターさくら(CCさくら)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

カードキャプターさくら(CCさくら)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カードキャプターさくら』とは人気漫画家集団CLAMPによって講談社刊の月刊雑誌『なかよし』で、1996年~2000年に渡って連載されていた少女漫画および、それらを原作としたアニメ作品である。強大な魔力を秘めた「クロウカード」の封印を解いてしまった小学生・木之本桜が、クロウカードの守護者・ケルベロスと協力しながら、クロウカード集めに奔走する。

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『カードキャプターさくら』原作漫画とアニメの違いまとめ

『カードキャプターさくら』原作漫画とアニメの違いまとめ

カードキャプターさくらは1996年に、月刊少女雑誌「なかよし」で連載された。小学4年生のさくらがカードキャプターとして、身の回りに起こる不思議な出来事を解決していく話だ。20年経った今でも根強い人気を誇る。連載から2016年には、続編であるクリアカード編の連載がスタート。クリアカード編を機に、漫画を買った者も多い。アニメしか見たことしかない者には、漫画を読むと異なる点が多くある。カードキャプターさくらの原作漫画とアニメでの違いを解説していく。

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魔法騎士レイアース(第一章)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魔法騎士レイアース(第一章)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魔法騎士レイアース(マジックナイト・レイアース、Magic Knight Rayearth)とは、1993年に連載が開始された漫画家集団CLAMPによる漫画およびそれを原作としたアニメ作品。舞台は主人公、光・海・風が召喚された異世界「セフィーロ」。そこで世界の柱であるエメロード姫を捕らえた神官ザガートを倒すため数々の試練をくぐり抜けていく物語である。今回は漫画版1(アニメ第一章)について紹介する。

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カードキャプターさくら(クロウカード編・さくらカード編)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

カードキャプターさくら(クロウカード編・さくらカード編)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カードキャプターさくら』とはCLAMPの魔法少女漫画作品。ひょんな出来事から魔法少女となったさくらが、封印を解かれ様々な出来事を巻き起こす魔法のカードたちに立ち向かいながら成長していく物語。主人公のさくらは毎回違うバトルコスチュームを着ていたり、魔法を発動している様子が美しく描かれたりすることから、作品作りの細やかさに定評がある。また作中には性別や年齢による立場の違いなど一般的な価値観に捕らわれない恋愛が多く登場しており、前衛的な作品とも評される。

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テレビでは放送されなかったツバサ・クロニクルの物語

テレビでは放送されなかったツバサ・クロニクルの物語

かつてNHK教育放送で夕方の時間に放送されていたCLAMP原作の「ツバサ・クロニクル」。 しかし、結局多くの謎が解決されないまま、テレビアニメの放送が終了した。 原作漫画は28巻もあり、テレビで放送された部分はその半分にも満たない。 テレビで放送されなかった部分は、DVD化、あるいはネット配信となっている。 そんなツバサ・クロニクルの後半部分についての解説。

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CLOVER(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

CLOVER(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『CLOVER』とは、CLAMPが雑誌『Amie』に1997年から1999年にかけて連載したファンタジー作品および、それをもとにした映画作品である。機械技術が発達したサイバーパンク風の世界を舞台に「クローバー」と呼ばれる特殊能力を持つ少年少女達を巡る連作長編。この世で最強の能力を持つ「四つ葉」の少女スウ、「三つ葉」の双子兄弟CとA、自分の死んだ日が分かる「一葉」の歌姫織葉、そして「クローバー」と関わる人間達の物語である。時系列は現在から過去に遡るという構成になっている。

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Wish(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

Wish(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Wish』とはCLAMPの漫画であり、『月刊ミステリーDX』で連載されていた。連載期間は1995年~1998年まで。全4巻。病院で外科医をしている栩堂琇一郎(くどうしゅういちろう)が帰宅途中、琥珀(こはく)という名の天使をカラスにいじめられているところから助け出す。その御礼に琥珀は何でも願いを叶えると言い出し、そのまま琇一郎の家に居候することに。そこから多種多様の天使・悪魔達も交わり慌ただしく過ぎていく毎日だが、2人には衝撃的な運命が待ち構えていた。人間と天使のラブファンタジー漫画。

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カードキャプターさくら(CCさくら)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

カードキャプターさくら(CCさくら)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『カードキャプターさくら』とは、CLAMPによる日本の漫画作品である。1996年6月号から2000年8月号まで、少女漫画雑誌『なかよし』にて掲載され、単行本は全12巻まで発売された。アニメやゲーム化もされている大人気作品である。 主人公・さくらが父親の書庫で不思議な本を発見する。本を開くと封印が解かれ、中からケルベロスという封印の獣が現れ物語がスタートする。本に封印されたカードを取り戻すため、さくらは「カードキャプター」として奮闘する。

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聖伝-RG VEDA-(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

聖伝-RG VEDA-(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『聖伝-RG VEDA-』とは、女性漫画家集団CLAMPが1989年から1996年まで『月刊ウィングス』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。古代インドの神話の世界が基になっている。夜叉王と阿修羅王が「天を滅ぼす」との予言を実現させるため、六星を探す旅に出る。CLAMPの商業デビュー作でありながら、美麗な絵柄や壮大なストーリーが多くのファンを虜に、今もなお根強い人気を誇る作品である。

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魔法騎士レイアースの魔法・呪文・必殺技まとめ

魔法騎士レイアースの魔法・呪文・必殺技まとめ

『魔法騎士レイアース』とは、異世界に召還された少女達の戦いを描いたCLAMPによるファンタジー冒険漫画、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品。 日本の女子中学生・獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風の3人は東京タワーから異世界セフィーロに召還され、魔法戦士としてセフィーロを救うために戦いを始める。 セフィーロには魔法が存在しており、召還された魔法戦士やその世界に住む人々が戦いの中で使う。それぞれの属性に適した魔法があり、作中では様々な魔法の呪文や必殺技が登場する。

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カードキャプターさくら(CCさくら)の呪文・魔法まとめ

カードキャプターさくら(CCさくら)の呪文・魔法まとめ

『カードキャプターさくら(CCさくら)』とは、強力な魔力を持つ少女さくらを主人公とした、漫画家チーム「CLAMP」の漫画作品。大魔術師クロウ・リードが遺した魔法のカード「クロウカード」を封印するべく、魔法少女さくらが奮闘し、魔術師として、ひとりの人間として成長していく物語。 作中にはさくらを含めた様々な魔術師が登場し、魔法を使う。さくらが杖を解放する「レリーズ!」や、占い、攻撃、魔法を使った移動法など、あらゆる場面で魔法が使われることで物語が進んでいく。

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カードキャプターさくら(CCさくら)のカードまとめ

カードキャプターさくら(CCさくら)のカードまとめ

『カードキャプターさくら』とは、漫画家集団のCLAMPによる少女漫画およびそれを原作としたアニメ作品のことである。主人公の少女・木之本桜(きのもと さくら)が、強大な魔術師により作られたカード・クロウカードの封印を解いてしまった事をきっかけに起こるさまざまな問題を仲間達と共に解決しながら、散り散りになったカードを集めていく。作中にはクロウカード・さくらカード・クリアカードの3種類のカードが登場する。

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20面相におねがい!!(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

20面相におねがい!!(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『20面相におねがい!!』とは、CLAMPによって1989年から1991年まで『コミックGENKi』で連載された作品。 『CLAMP学園探偵団』、『学園特警デュカリオン』とともに「CLAMP学園三部作」の一つであり、シリーズ第一作目である。 「怪人20面相」の顔を持つ小学生の主人公・伊集院玲と偶然出会った幼稚園児の令嬢・大川詠心の二人を通して描かれるラブコメディ。 2012年には角川書店より愛蔵版が出版されている。

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合法ドラッグ/ドラッグ&ドロップ(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

合法ドラッグ/ドラッグ&ドロップ(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『合法ドラッグ』『ドラッグ&ドロップ』とは、主人公らが謎の依頼を解決していくCLAMPのサイキックサスペンス漫画。物語は栩堂風疾が家出をしてきて雪降る夜に街中で倒れていたところを火群陸王に助けられるところから始まる。風疾は陸王の下宿先であるみどり薬局に連れてこられたことで店主・花蛍と斎峨に出会い、住み込みで陸王と共同生活をしながらみどり薬局での仕事と摩訶不思議な依頼に対応するもう一つのバイトをし始める。謎の依頼をこなしていくとともに、風疾、陸王の抱える不吉な過去とその運命が描かれる。

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CLAMP学園探偵団(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

CLAMP学園探偵団(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『CLAMP学園探偵団』とはCLAMPの漫画及びアニメ。小学生3人が織りなす探偵コメディ漫画である。漫画は『月刊Asuka』、『ミステリーDX』で1992年1月から1993年10月まで連載。全3巻。気球で視察をしていたCLAMP学園初等部学生会会長・妹之山残(いものやまのこる)は、東京タワーの窓に涙を流している老婦人を発見。フェミニストである彼は彼女の涙の理由を解決すべく、書記・鷹村蘇芳(たかむらすおう)、会計・伊集院玲(いじゅういんあきら)を加えたメンバーで探偵団を結成する。

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新・春香伝(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

新・春香伝(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『新・春香伝』(しん・しゅんかでん)とは、CLAMPが雑誌『セリエミステリーSPECIAL』に1992年10月20日号から1994年2月20日号にかけて連載したファンタジー作品、およびドラマCD作品である。朝鮮に伝わる『春香伝』(しゅんこうでん / チュニャンヂョン)を下敷きに、武術が得意な少女春香(チュニャン)と旅人の青年夢龍(ムロン)の出会い、悪政を行う両班達に対し共に立ち向かう姿が描かれる。

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すき。だからすき(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

すき。だからすき(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『すき。だからすき』とは、女子高生・旭ひなたと臨時教師・麻生史郎の恋愛を描いたCLAMPの漫画。とある事情から一人暮らしをしている主人子のひなたは、隣に引っ越してきて更に彼女の高校の臨時教師となった麻生に好意を抱き始める。純粋無垢なひなたは想いが募ってくいくにつれてはっきりと自分の気持ちを麻生に伝えていく。しかし麻生は過去のトラウマが理由でひなたとの関係に一線を引いているのであった。最終的にクールでそっけないがどこか優しい麻生の心を開くことに成功し、ひなたの恋が実るのかが見どころとなっている。

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不思議の国の美幸ちゃん(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

不思議の国の美幸ちゃん(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『不思議の国の美幸ちゃん』とはCLAMP作品の漫画及びOVAアニメ。奇妙な世界に迷い込みやすい性質を持った主人公の美幸が、さまざまな異世界に迷い込み、不可思議な女性キャラクター達にひたすら服を脱がされそうになったりするなど、お色気要素や百合展開のあるファンタジー艶笑コメディ。初期の2エピソードはルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリスが』元ネタとなっており、美少女・美女化したキャラクターが次々と登場するパロディのほか、同一作者による別作品が題材になっているものもある。

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白姫抄(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

白姫抄(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『白姫抄(しらひめしょう)』とは、CLAMPが光文社から1992年に出版した全編描き下ろしのファンタジー作品である。雪を司る美しい女神「白姫(しらひめ)」の伝承をもとに、プロローグとエピローグを挟み、雪の季節を舞台にした三編のオムニバスの物語が収録されている。 雪の降る中、一人の男が白い着物姿の女性と出会うところから始まる。「雪が降る日は白姫が泣いている」という白姫の伝承と共に雪の季節を舞台に人間と獣の間で起こった物語、恋人達の悲恋の物語が綴られる。

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わたしのすきなひと(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

わたしのすきなひと(CLAMP)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『わたしのすきなひと』とは、『ヤングロゼ』(角川書店)にて休載を挟みながら連載されたアンソロジーコミック。作者は『カードキャプターさくら』などで有名な4人組の日本の女性漫画家グループ・CLAMP。1995年に同社からヤングロゼコミックスDXのレーベルで単行本が発売された。毎話異なる主人公が経験する恋愛エピソードを、短編漫画と作者のエッセイで綴った恋愛オムニバス作品となっている。コミック原作とエッセイは大川七瀬が、コミック作画は猫井椿が担当している。

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【着物好き必見!】和服イラスト・キャラが魅力的な漫画について

【着物好き必見!】和服イラスト・キャラが魅力的な漫画について

豪華な装飾が施された洋風ドレスなんかもうっとりするほど素敵ですが、見ていて心が落ち着くのはやはり昔ながらの日本を感じさせるイラストです。今回は主に着物を羽織っているキャラクターのイラストをまとめてみました。尚、筆者の好みによる偏りがあるのでそのへんはご了承ください。

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