ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-(ツバサ・クロニクル)のネタバレ解説・考察まとめ
『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』とは、CLAMPによる異世界冒険活劇漫画およびそれらを原作としたアニメ作品。考古学者の卵である小狼は、飛王・リードの陰謀により羽根となって様々な異世界へ飛び散ったサクラ姫の記憶を取り戻すべく、魔術師のファイ、忍者の黒鋼、記憶を失ったさくら、そして『xxxHOLiC』の主要人物でもある次元の魔女・侑子によって創られたモコナと共に次元を超えた旅を始める。一行を待ち受けていたのは、飛王の野望の為に用意された過酷な旅路であった。
『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の概要
『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』とは、CLAMPによる異世界冒険活劇漫画およびそれを原作としたアニメ作品。講談社から発刊されている『週刊少年マガジン』で2003年から2009年までの間に連載された。本編では主人公である小狼とその仲間たちが玖楼国の姫であるサクラが失った記憶の羽根を取り戻す旅を経て、黒幕である飛王・リードを打ち破った後まで描かれる。また『週刊少年マガジン』の増刊誌である『マガジンSPECIAL』に、続編として『ツバサ-WoRLD CHRoNiCLE-ニライカナイ編』が2014年から2016年の間に連載された。累計発行部数は2000万部を突破している。
また『ツバサ・クロニクル』としてテレビアニメ化しており、第一シリーズが2005年4月から10月まで、第二シリーズが2006年4月から11月まで放送された。
2005年8月には『劇場版ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君』として映画化も果たしている。
その他の映像作品としてはオリジナルアニメーションDVDがあり、『ツバサ TOKYO REVELATIONS』と『ツバサ 春雷記』が単行本の初回限定版に付属する形で発売された。
本作ではスター・システムとハイパーリンクが採用されており、小狼たちが様々な次元にある世界を旅する過程でCLAMPの他作品のキャラクター達が多く登場する。ただ他作品のキャラクター達はあくまでパラレルワールドの住人として描かれている。ある世界で出会った人物が他の世界ではその世界の住人として生活をしていることも多々あるが彼らは根源となる魂は同じでありながら、別の人物として生活しているのである。彼らのように魂を同じくする者同士の関係を作中では「異世界の同一人物」、「同じだけれど違う人」と表現しており、物語を読み解いていく中で重要な考え方となっている。
また並行して『週刊ヤングマガジン』で連載されていた『xxxHOLiC』とは物語がリンクしており、片方の作品での出来事がもう片方の作品に影響を与えていたり、術具でそれぞれの登場人物が通信しているシーンなどがそれぞれの作品で度々描かれている。
尚、続編の『ツバサ-WoRLD CHRoNiCLE-ニライカナイ編』は『xxxHOLiC』の続編である『XXXHOLiC・戻』と物語がリンクしている。
『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』のあらすじ・ストーリー
羽根となって飛び散るサクラの記憶
主人公の小狼(シャオラン)は考古学者の卵として玖楼国(くろうこく)で遺跡を調査している青年。彼は玖楼国の姫であるサクラと幼馴染であり、はっきりと伝え合っては居ないが、お互いに身分を越えて惹かれ合っていた。サクラには夢で未来を予言する夢見の素質があり、夢うつつの状態で自分と小狼に起こる危機を察する。
夢は現実になる。新しく発見された遺跡の中、魔術師の飛王(フェイワン)・リードによって、サクラの背中に翼が生える。サクラはその状態のまま攫われてしまいそうになる。小狼がそれを引き留めるが、翼が細かく砕け飛び散って、勢いよくどこかへ飛んで行ってしまう。飛び散った羽根はサクラの記憶(こころ)であり、羽根は異世界に飛び散っていた。取り戻さなければサクラは死んでしまう。サクラを救うため、小狼は別の世界に住む次元の魔女のもとに送られる。
記憶の羽根を探す旅のはじまり
サクラを救う手段を次元の魔女である侑子(ゆうこ)に求める小狼。そこへ小狼と同じく異世界から送られてきた忍者の黒鋼(くろがね)と魔術師のファイ・D・フローライトが現れる。三人の目的は皆、次元を超えることだった。一人では大き過ぎて支払えない対価を三人で支払う事になり、異次元を渡る生物装置のモコナ=ソエル=モドキを共有する。その中で小狼が支払った対価は「サクラとの関係性」。それはサクラが助かっても、彼女の中に小狼の記憶は無いと言うことだった。それぞれの願いを叶えるために、一行は終わりの見えない過酷な旅を始めた。
二人の小狼
幾つかの世界を渡った三人は砂の国・東京へと辿り着く。この国は酸性雨が降り注ぎ、水が貴重な資源となった荒廃した世界であった。そんな中、羽根の力で酸性雨から守られた都庁で、三人は神威(かむい)と言う男と彼をリーダーとする集団に遭遇する。彼らは「都庁」を縄張りとし、「タワー」を縄張りとする集団と敵対していた。
この国で今まで旅してきた小狼が「写見(うつしみ)」で、飛王に作られた存在であることが明らかになる。そして本物の小狼は飛王に囚われていた。しかし小狼は幽閉される前に自分の魔力と心を半分取り出し、写身の右目にねじ込んでいた。そのおかげで本来は羽根を集めるだけの冷酷な存在だった写身の小狼にも温かい心がはぐくまれれていたのであった。しかし本物の小狼が目覚めたことにより写身に託していた心が本物の小狼に戻ってしまい、もともとの冷酷な人格が現れ始めていたのであった。
写身の正体には気づいていたが、今までの旅で写身の小狼と絆を紡いできたファイは彼が冷酷な存在になってしまったことにショックを受ける。そして自身の魔力を使って、彼の心を取り戻そうとするが、失敗してしまう。小狼を思いやるファイとは裏腹に写身の小狼はファイの魔力の源である彼の左目を奪い取り、ファイの力を得るのであった。
更に写見はもう片方の目も奪おうとするが、そこで黒鋼が到着する。事態を察した黒鋼は小狼からファイを取り戻す。黒鋼は他人と関わろうとしなかったファイが小狼とサクラを幸せにするために変わったんだと訴えるが、写身の小狼の心は取り戻せないのであった。
そこへ、眼帯をつけた本物の小狼が次元を超え写身の前に現れる。彼は写見の右目を通してこれまでの旅を見てきていた。そして写見にも本当の心が目覚めている筈だと叫ぶが言葉は届かない。やむなく写見を攻撃しようとする小狼。しかしそれを目覚めたサクラが制止する。彼女の言葉で隙が出来てしまい、刀で足を貫かれてしまう小狼。写見は繭の中の羽根をサクラの身体に無理矢理戻す。そしてこの世界にもう用は無いと言い捨て、別の次元に行ってしまうのであった。
片目を奪われ死の淵をさまようファイ。自分が生きていると写身の小狼に取られた魔力も生き続けてしまうと朦朧とした意識の中でつぶやく。ファイの自ら死を選ぶようなその言葉に黒鋼は憤りを見せる。モコナは次元の魔女・侑子に連絡を取りどうにかファイを助けて欲しいと願う。また神威の双子である昴流(すばる)も自分が間接的な原因となって失われてしまった都庁の水を取り戻したいと侑子に話す。この2つの願いを聞き入れた侑子はそれぞれが対価を支払うことにより願いを叶える。ファイは吸血鬼であった神威の血と黒鋼の血を自身に取り込むことにより片目は失明したままであるが怪我の急回復に成功する。しかしファイはその代償として吸血鬼になり、黒鋼の血を吸わないと生きていけない体質になってしまうのであった。
昴流の願いで水は取り戻せたが、酸性雨から建物を守っていた羽根を失ったことにより都庁の人々の絶望的な状況は変わっていなかった。そこへタワーの代表、封真(ふうま)が現れ、都庁に移住させて欲しいと申し出る。タワーの水は残り僅かだったのだ。そして代償として彼は隠し持っていた羽根を差し出す。水はあるが羽根を失っていた都庁の人々は、共にないものを補って共存していくことを選択する。
本来であれば封真が持つ羽根も手に入れたい場面であるが、この国の人たちの未来のためにサクラは羽根を都庁の水に沈めるのであった。
今まで共に旅をしてきた小狼を失い、本物の小狼が加わった一行は大きな心の傷を抱えたまま東京を去り次の次元へ旅立つ。
ファイに掛けられた呪い
インフィニティに辿り着いた一行は賞金獲得の為にチェスのトーナメントに参加する。ここでチェスと呼ばれているゲームの内容は四人で一組として、一人がマスターとなり三人を駒として相手チームの駒たちと戦わせる非人道的なものであった。死の危険性のあるゲームだったが、サクラのチームは淡々と勝ち進んでいく。しかしチームの雰囲気は常に暗く、特にサクラはどこか小狼を避けている様子があり、打ち解けずにいた。
最終戦への出場が決まった後、サクラはこのトーナメントの主催者のイーグルから晩餐の誘いを受ける。サクラ一人を指名していることから小狼たちは不安を隠せないが、サクラは堂々とした様子でその誘いを受けるのであった。
会食の席でイーグルはサクラが異次元の姫であることを知っていることを伝え、サクラは大会の特別な商品である次元を渡る術が欲しいのだと語る。サクラは夢見の力でこの先の旅で一行にとある悲劇が起きることを知っていた。そしてその未来を変えるために自分は彼らの側から離れたいと考えており事前に侑子に相談し、商品の存在を伝え聞いていたのだ。
トーナメントでの最終決戦の相手はイーグルであった。死闘の末、勝利する小狼。優勝が決まった途端、空中に少女が現れる。彼女はファイがセレス国に留まらせていた魔法生物のチィとそっくりの姿をしていて、次元能力を備えたこの国唯一の機械人形だった。サクラがその機械人形の手を掴み次元を渡ろうとするが、小狼がそれを止める。機械人形の力でインフィニティに二つの次元の狭間が現れる。一つはセレス国でもう片方はサクラが次の行き先として望んでいた夢の世界へ通ずるものであった。
次元が繋がると、二体のチィに備わっていた羽根、サクラの元に還る。その瞬間、ファイは自らの意志とは反して手元にあった剣でサクラの身体を貫いてしまう。これは飛王の呪いによるもので、自分より強い魔力を持つものが現れた時、その相手を殺してしまうと言うものであった。
サクラを自らの手で刺してしまった状況に激しく取り乱すファイ。そこで身体から抜け出たサクラの魂がファイに語りかけた後、夢の世界へと去っていくのであった。負傷したサクラの身体はセレス国へ流れていき、小狼たちはインフィニティに取り残される。
その後、小狼たちは侑子からサクラが夢見の力でファイが仲間たちを殺してしまう未来を察知し、今回の行動をとったのだと知らされる。また侑子は写身が夢の世界にある羽根を手に入れるために現れることもサクラが予知していたことを打ち明けるのであった。
アシュラ王の悲劇
一行はセレス国のファイが昔住んでいた城に辿り着く。そこでアシュラ王が一行を迎え入れる。そしてファイが実はユウイという名で、本物のファイは幼くして亡くなったことが明らかになる。
ファイとユウイは今はもうない国の弟王の子供であった。その国では双子は不吉なものとされており、魔力を無効にする谷に二人は幽閉されることとなる。
ある日を境に谷底に国民たちの遺体が多く捨てられるようになる。兄王が乱心し国民たちを殺めたのだ。乱心した王は剣を持って谷底に落ちてくる。もうこの国に残っているのは自分と双子だけだと言った後、王は「生きてその罪を贖え」と言い、自害する。生きているだけで罪なのかと絶望する双子。そこに飛王が現れ、どちらかであれば助けてやると話し、どっちを助けて欲しいか問う。ユウイは思わず自分の身を守るためにファイのふりをして「ユウイを助けて」と頼む。それにより、ファイは死んでしまう。飛王はユウイの行為を責め立て、二つの呪いをかける。そして選択をやり直したいか問い、その為にはやってもらわなければいけないことがあると話す。時が来たら飛王が用意した仲間たちと旅をするようにと指示するのであった。
その後、ユウイのもとにアシュラ王が現れる。この日を境にユウイはファイの名を背負うのであった。アシュラはセレス国にファイを連れ帰り、ファイが望むように「本物のファイ」の遺体を朽ちないように城に封印する。そしてアシュラはファイを立派な魔術師として大切に育てるのであった。しかし彼らの幸せは長く続かない。アシュラは優しく聡明で強い魔術師であったが殺人衝動を持っていた。彼は飛王がファイに掛けた呪いによってファイに殺されることを願っていたのであった。そのことを知ってしまったファイはアシュラを殺さないようにセレス国を去っていたのであった。
サクラを刺したことによりアシュラが望んだファイの一つ目の呪いは解けているが、今もファイに殺されることを望むアシュラ。ファイは拒否するがさくらの身体を人質に取られ、黒鋼が攻撃されたことで覚悟を決める。しかし片目の彼ではアシュラには敵わなかった。代わりに黒鋼が、切り札を使いアシュラの身体を貫くのであった。
アシュラは死に際に本心を告げる。彼の目的は自分が殺されることでファイのもう一つの呪いを解くことだった。そしてそれは叶わなかったが、今の仲間たちとなら乗り越えられると言い残し、息を引き取る。もう一つの呪いはサクラを連れてセレス国に戻り、アシュラを自分の手で殺すことができなければ、ファイは自身の魔力によってできた牢に一生閉じ込められるというものであった。
アシュラが息を引き取った直後、ファイの遺体から羽根が浮かび上がりサクラの身体へ還っていく。その瞬間、ファイの意識にある一つの真実が流れ込んでくる。それは「ユウイを助けて」と言ったのは本物のファイであったと言うことだった。ファイが言った言葉を自分が保身のために言ったものと思い込まされていたのである。羽根を失った本物のファイの遺体は朽ちて消える。
そしてもう一つの呪いが発動する。ファイは自身に残った少ない魔力で何とか小狼とサクラの身体、そしてモコナを外に移動させることに成功する。しかし魔力不足で黒鋼とファイ自身はファイの魔力の中に取り残されたままであった。モコナが魔力でできた牢に小さな入り口を開ける。一人しか脱出できない状況であったが、黒鋼が自身の左腕を身代わりにすることでファイを牢から連れ出し、一行は急いで次の次元へと移動する。
小狼の戦いとサクラの真実
黒鋼の主である知世(ともよ)姫の助けもあり、セレス国から黒鋼の祖国である日本国へたどり着いた一行。そこで黒鋼とファイは改めて絆を結んだ。
一方小狼は侑子の店でバイトとして働いている四月一日君尋(わたぬき きみひろ)と夢の中で会う。そこで小狼は四月一日に「おれとおまえは誰よりも近いから」と伝えた。
傷ついたサクラの身体は治療を受け、日本国の神木である桜の木の下に寝かされていた。するとそこに東京で会った封真が現れる。侑子の依頼で黒鋼に義手を届けに来たのだと言う。その義手に対し、侑子に払われた対価はファイの残りの魔力全てであった。
そこでもう一人、別の次元から狩人の星史郎(せいしろう)が現れる。彼はサクラの羽根を1つ持っていた。それを返してもらうため、戦いを挑む小狼。その時、星史郎の持つ羽根が光り、夢の世界への入り口が開く。小狼はサクラとともに戻ってくるとファイたちに言い残し、その場から姿を消す。
夢の世界で再会を果たす小狼とサクラ。そこに更に写身の小狼が現れる、二人の小狼の戦いが始まる。もともとは互角だったが、ファイの魔力や過去に黒鋼の武器を奪い取っていた写身の小狼は更に強くなっており、激戦の末に小狼は気絶させられる。サクラが小狼を庇うが、飛王が目的のために必要なのはサクラの身体だけだったので、サクラの魂は殺してもいいと写身に指示を出す。しかしサクラの命を奪おうとしたその時、写見の身体は動かなくなる。
外で小狼の帰りを待つ黒鋼たち。すると突然神木が割れはじめ、夢の世界にいた人物たちが目の前に現れる。再度二人の小狼の戦いが始まり、剣で互いを突き刺そうする。そこで二人の間にサクラが割って入り、二人の剣に刺されてしまう。動揺する写見と小狼。しかしサクラは小狼に「貴方のさくらはわたしじゃない」と話す。彼女もまた飛王によって作られた写見であったのだ。サクラは小狼には「あなたのさくらが待ってる」と告げ、写身の小狼の胸へ飛び込む。そして「貴方が…す」と想いを伝えようとしたところで彼女の身体は花びらとなり散ってしまう。
写見の小狼が叫ぶ。そこで飛王の手下が現れ、魂を失った写身のサクラの身体を連れ去ってしまう。気づくと写身の小狼も日本国から消えているのであった。
一行は侑子に本物のサクラの居場所を聞き、彼女がいるとされている玖楼国へ向かうのであった。
小狼の罪
玖楼国へたどり着いた一行。そこで小狼はある遺跡に本物のさくらが居ると確信する。遺跡を前に「あの日のまま遺跡の中の時間は停止(と)まっている筈だから」と語る小狼。そして小狼はサクラの7歳の誕生日の7日前にサクラに出会ってから、現在の姿の年になるまでサクラとずっと一緒に居たと語る。それは飛王にずっと囚われていた事実と矛盾するが、彼は侑子に対価を払って一度時間を巻き戻していたのだった。
小狼は子供の時に両親に言われ、侑子のもとを訪れた。侑子はまずは七日間だけ小狼を玖楼国に居られるようにする。その後どうするかは自分で選ぶようにと小狼に言い聞かせるのであった。そして小狼は玖楼国の遺跡の中にある潔斎場でサクラと出会い、仲を深めていった。
サクラの七歳の誕生日、神官になるための特別な儀式。小狼は護衛として立ち会うことを特別に許される。儀式が始まると、飛王が現れサクラを捕らえようとする。小狼はサクラの手を掴もうするが、それは掟に反することで、躊躇ってしまう。その結果、サクラに黒い羽の模様をした刻印が刻まれてしまう。それは死の呪いだった。小狼は飛王の攻撃を受け、意識を失いかけたところで侑子の力で元の次元に帰ってくる。
意識を取り戻した小狼は、再度玖楼国へ渡り、サクラを死の刻印から解放する手立てを探す。しかし何も解決できないままサクラの十四歳の誕生日を迎える。死の刻印が広がってサクラを貫こうとする瞬間、サクラの母、撫子(なでしこ)が咄嗟に小狼以外の時間を止める。撫子が時間を稼いでいる間にサクラを助けようとする小狼であったが、ついサクラに刻印が刻まれた時のことを思い出し「あの時に戻れたら…」と考えてしまう。
小狼の願いに応えたのは飛王だった。しかし、小狼の母がそれを妨害する。そして侑子が小狼に時を戻すということは罪深い行為であり、対価も大きいと説明する。それを知っても時を戻すことを選ぶ小狼。この時、小狼が侑子にすでに支払っていた両親たちとの関係性の対価を代わりに埋める存在として四月一日が産まれる。四月一日は小狼が巻き戻した時間が生んだ存在であり、小狼自身であったのだ。四月一日は侑子に守られ、子供に戻った小狼は対価として時を戻した年齢になるまで飛王に囚われることになる。
自分の過去について全て語った小狼。彼は自分が時間を戻したことにより、ファイや黒鋼に本来よりもより過酷でつらい運命を辿らせているのかもしれないと語る。しかし二人は小狼を恨まず、自分一人の責任と考えるのは傲慢だと答える。三人は改めて飛王に立ち向かっていく意志を示した。
小狼は遺跡内の空間は、彼がもう一度やり直したいと願った瞬間で時が止まっていると話す。すると目の前に死の刻印により身体を貫かれる直前で固まったままのサクラが現れたのだった。
飛王との対決
写見の小狼とその背後の次元の裂け目には飛王が現れ、最後の戦いが始まる。写見がファイから奪った魔術は膨大なものとなっており、もはや本物の小狼を凌ぐ実力をつけてしまっていた。写見によって、三人は倒されてしまう。
写身は小狼の耳元でささやくと、小狼を引きずりながら飛王の元へ歩いていく。その姿を見て満足した飛王は結界を自ら破って写身から小狼を受け取ろうとする。そこで小狼が突然動き出し、マントの下に隠していた剣で飛王の身体を突き刺す。飛王の反撃に対し、写身が身を挺して小狼を守り、魔法を使用する。写身はサクラの写身が最期に伝えようとしていた言葉の続きが知りたかったから小狼を庇ったのだと言い、自分の目に宿していた羽根を取り出しサクラに渡してほしいと小狼に託す。そして薄れゆく意識の中で「黒鋼さん…ファイさん…モコナ…さくら…小狼…ごめんな…さい…ありがと」と言葉にし、小狼の腕の中で崩れ去ってしまうのであった。ファイの魔力の結晶だけその場に残り、ファイは望まぬ形で魔力を取り戻す。
写身が最後に施した魔法が飛王の空間とこちらの空間を繋げようとしていることに気づくファイ。彼らはこのチャンスを逃すまいと渾身の力で飛王に攻撃を仕掛け彼を両断する。しかしそれは影武者だった。本物の飛王は後ろに座っており、膝に写身のサクラの身体を抱えていた。時の停止があとわずかなことに気づき、刻印によって死を迎える直前で止まっているサクラのもとへ向かう小狼。
そこでモコナが玖楼国に存在しない筈の羽根の気配を感じると小狼に告げる。ここで玖楼国とは東京の未来の姿であることがわかる。過去の東京に残した羽根が今小狼たちがいる玖楼国に存在していたのであった。
飛王は長い時間を経て力を蓄えた羽根を使い、死者は生き返らないという最も強固な理を崩そうとする。世界が揺らぎ、サクラと写見のサクラが空中で一体化し一人のサクラとして姿を現す。
飛王の目的、それは侑子を生き返らせることだった。彼女は遠い昔に亡くなっているはずの魔女であったが、偉大な魔術師・クロウ・リードにより、サクラと同じように死の直前で時を止められすべての次元から切り離されていたのであった。飛王は生と死の間に留められた侑子を生き返らせることによってクロウよりも偉大な魔術師であることを証明し、また彼女に自分の気持ちを伝えたいと願っていた。それに対し、侑子はその夢は誰にも叶えることはできないと自分のいる世界で儚げに語り掛けるのであった。
侑子の元に、小狼の両親の存在があった。彼らは小狼の写身とサクラの写身が飛王に消された後に転生して産まれた存在であった。生まれ変わった彼等が小狼を産んでサクラ救出のため玖楼国へ送り出し、送り出された小狼とその先にいたサクラからまた写身が作り出されるといった閉じられた輪のように同じことが繰り返される。飛王が理を崩したことで世界はそのような状態になっていたのだ。
侑子は二人を玖楼国へ送り、自身の役目を終え動き出した時の中で死に向かっていく。写身の小狼と写身のサクラは、崩壊した世界を最大限の魔力を使って修復しようとする。そして黒鋼とファイはこの二人が共に旅をしてきた写身だと分かり再会を喜ぶ。
そんな中、飛王は侑子が死んでしまったことに気がつく。それに憤り、もう一度時間を巻き戻そうと、再び写身の二人を閉じ込めようとする。その時、サクラと小狼はそれぞれの写身の手を掴み四人まとめて閉じ込められてしまう。互いの絆を確認した四人は一人も欠けることなくここから出ようと決意する。
二人のサクラは自身に蓄えられていた時空を超える力を使い世界を元に戻そうとする。飛王はそんなことをしたら既に壊れた理が更に乱れお前たちの存在も無になるぞと脅すが、四人は前に進むことを選ぶのであった。世界が元に戻っていこうとしているのを食い止めようとする飛王。その隙をつき、黒鋼が飛王の身体を剣で両断するのであった。
飛王は消えていく前に小狼たちを真っ暗な空間に引きずり込む。そこから出るために二人が魔力を使おうとするが、かつて時を戻した対価として魔力が無効化されてしまう。小狼、写見、そして四月一日。3人の小狼が影響を受け、空間に閉じ込められるが、突然写身の小狼の姿が消え始める。それは玖楼国にいる写身のサクラにも同様だった。彼らは自分達を創った飛王が消えたことにより存在が保てなくなったのである。最初から覚悟の上であった。
写身は例え創られたものでもその存在が消えるときには世界が揺れて波立つと小狼と四月一日に説明する。そしてそこに亀裂が生じるはずなのでそこから抜け出せと話すのであった。彼は「ねじれた世界の輪の中だとしてもこうして生まれてこられて良かった、ありがとう」と伝え、彼の源となっていた小狼の羽根を残し消えてしまう。
取り残された四月一日と小狼は写身から与えてもらったタイミングを逃さぬように脱出を図るが、そこに飛王の「対価を払え」という声が響き渡る。二人はこの脱出に見合った対価は何か考えそれぞれあることを決意する。そして無事お互いのいるべき世界に戻るのであった。
小狼が玖楼国へ戻ってくるとサクラは涙を浮かべ、写身のサクラが残していった羽根を持っていた。写身のサクラはサクラと小狼の記憶があれば終わりじゃないと言い残したと話す。すると互いに持っていた羽根がそれぞれの元に還っていき二人は身体から力が抜けてしまう。ファイはサクラを支え、二人に優しく声を掛ける。黒鋼に支えられていた小狼は涙を流しながら「ありがとう」と礼を言い眠りにつくのであった。
小狼とサクラのこれから
飛王との戦いを終え、平和な時間を取り戻した小狼たち。小狼は、時空の狭間から脱出するために「旅をしつづける事」という約束を対価に支払っていた。小狼と四月一日の両親である写身の存在が消えた今、彼らを産んだ存在がいない、つまりは理に適わない存在となってしまっていた。彼らが世界に与える影響は未知数であった為、小狼は一つの場所に留まらないこと、逆に四月一日には一つの場所に留まり続けることを対価として選んだのである。その旅について行きたいがそれをすると辛いものになることが夢でわかっていたため、サクラは玖楼国に残ることを伝える。別れの前に小狼はサクラを抱きしめ、想いを伝えるのであった。
サクラに見送られ小狼一行が玖楼国から旅立つ時がやってくる。そこで二人は最後に互いの真の名を告げる。それは何と同じ名前で「ツバサ」であった。そして二人はまた会えることを確信し、物語は終わるのであった。
『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の主要人物・キャラクター
主要人物
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『ちょびっツ』とはCLAMPによるSFラブストーリー漫画とそれを原作にしたアニメ作品。少女の容姿をしたパソコンと機械には疎い青年が織り出す恋愛模様を描いている。パソコンが人型で普及している東京で浪人生の本須和秀樹はバイト帰りにゴミ捨て場で人型パソコンの「ちぃ」を拾うがソフトが何もインストールされておらず、全てが謎に包まれていたパソコンだった。友人と共にちぃの素性に迫っていくうちに、プログラム通りに行動するパソコンとは違うChobitsという特殊なパソコンではないかという疑念が生まれる。
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こばと。(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『こばと。』とはCLAMPによる人間界を舞台としたローファンタジー漫画、及びそれを原作とするアニメ作品。花戸小鳩が「行きたい所へ行く」という願いを叶えるため、人々を癒すことで得られる傷ついた心を集めようと奮闘する物語。後半では主要人物らによる三角関係も描かれておりラブストーリーの要素も強い。純粋なこばとは様々な人々と出会うことで、今の自分にとって一番大切なものは何なのか考えるようになる。登場人物それぞれに複雑な過去があり、それらのことを踏まえて最後にこばとが何を願うのかが見どころとなっている。
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カードキャプターさくら(CCさくら)のネタバレ解説・考察まとめ
『カードキャプターさくら』とは人気漫画家集団CLAMPによって講談社刊の月刊雑誌『なかよし』で、1996年~2000年に渡って連載されていた少女漫画および、それらを原作としたアニメ作品である。強大な魔力を秘めた「クロウカード」の封印を解いてしまった小学生・木之本桜が、クロウカードの守護者・ケルベロスと協力しながら、クロウカード集めに奔走する。
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魔法騎士レイアース(第一章)のネタバレ解説・考察まとめ
魔法騎士レイアース(マジックナイト・レイアース、Magic Knight Rayearth)とは、1993年に連載が開始された漫画家集団CLAMPによる漫画およびそれを原作としたアニメ作品。舞台は主人公、光・海・風が召喚された異世界「セフィーロ」。そこで世界の柱であるエメロード姫を捕らえた神官ザガートを倒すため数々の試練をくぐり抜けていく物語である。今回は漫画版1(アニメ第一章)について紹介する。
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CLOVER(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『CLOVER』とは、CLAMPが雑誌『Amie』に1997年から1999年にかけて連載したファンタジー作品および、それをもとにした映画作品である。機械技術が発達したサイバーパンク風の世界を舞台に「クローバー」と呼ばれる特殊能力を持つ少年少女達を巡る連作長編。この世で最強の能力を持つ「四つ葉」の少女スウ、「三つ葉」の双子兄弟CとA、自分の死んだ日が分かる「一葉」の歌姫織葉、そして「クローバー」と関わる人間達の物語である。時系列は現在から過去に遡るという構成になっている。
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カードキャプターさくら(クロウカード編・さくらカード編)のネタバレ解説・考察まとめ
『カードキャプターさくら』とはCLAMPの魔法少女漫画作品。ひょんな出来事から魔法少女となったさくらが、封印を解かれ様々な出来事を巻き起こす魔法のカードたちに立ち向かいながら成長していく物語。主人公のさくらは毎回違うバトルコスチュームを着ていたり、魔法を発動している様子が美しく描かれたりすることから、作品作りの細やかさに定評がある。また作中には性別や年齢による立場の違いなど一般的な価値観に捕らわれない恋愛が多く登場しており、前衛的な作品とも評される。
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聖伝-RG VEDA-(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『聖伝-RG VEDA-』とは、女性漫画家集団CLAMPが1989年から1996年まで『月刊ウィングス』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。古代インドの神話の世界が基になっている。夜叉王と阿修羅王が「天を滅ぼす」との予言を実現させるため、六星を探す旅に出る。CLAMPの商業デビュー作でありながら、美麗な絵柄や壮大なストーリーが多くのファンを虜に、今もなお根強い人気を誇る作品である。
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東京BABYLON(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『東京BABYLON』とは、CLAMPの漫画及び漫画を原作としたアニメ。伝奇ファンタジー作品でありながら、人々の悩みや孤独をリアルに描き出した社会派作品とも評される。1980年代を彷彿とさせる東京が舞台。そこで起こる怪奇現象に優しい心の持ち主である皇昴流が自らも傷つきながら陰陽術を使って立ち向かっていくストーリーでとなっている。主要人物としては他に昴流の双子の姉である北都と昴流に想いを寄せている獣医の桜塚星史郎がおり、この三人の行きつく悲劇的な結末は衝撃的なものである。
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Wish(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『Wish』とはCLAMPの漫画であり、『月刊ミステリーDX』で連載されていた。連載期間は1995年~1998年まで。全4巻。病院で外科医をしている栩堂琇一郎(くどうしゅういちろう)が帰宅途中、琥珀(こはく)という名の天使をカラスにいじめられているところから助け出す。その御礼に琥珀は何でも願いを叶えると言い出し、そのまま琇一郎の家に居候することに。そこから多種多様の天使・悪魔達も交わり慌ただしく過ぎていく毎日だが、2人には衝撃的な運命が待ち構えていた。人間と天使のラブファンタジー漫画。
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20面相におねがい!!(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『20面相におねがい!!』とは、CLAMPによって1989年から1991年まで『コミックGENKi』で連載された作品。 『CLAMP学園探偵団』、『学園特警デュカリオン』とともに「CLAMP学園三部作」の一つであり、シリーズ第一作目である。 「怪人20面相」の顔を持つ小学生の主人公・伊集院玲と偶然出会った幼稚園児の令嬢・大川詠心の二人を通して描かれるラブコメディ。 2012年には角川書店より愛蔵版が出版されている。
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合法ドラッグ/ドラッグ&ドロップ(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『合法ドラッグ』『ドラッグ&ドロップ』とは、主人公らが謎の依頼を解決していくCLAMPのサイキックサスペンス漫画。物語は栩堂風疾が家出をしてきて雪降る夜に街中で倒れていたところを火群陸王に助けられるところから始まる。風疾は陸王の下宿先であるみどり薬局に連れてこられたことで店主・花蛍と斎峨に出会い、住み込みで陸王と共同生活をしながらみどり薬局での仕事と摩訶不思議な依頼に対応するもう一つのバイトをし始める。謎の依頼をこなしていくとともに、風疾、陸王の抱える不吉な過去とその運命が描かれる。
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CLAMP学園探偵団(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『CLAMP学園探偵団』とはCLAMPの漫画及びアニメ。小学生3人が織りなす探偵コメディ漫画である。漫画は『月刊Asuka』、『ミステリーDX』で1992年1月から1993年10月まで連載。全3巻。気球で視察をしていたCLAMP学園初等部学生会会長・妹之山残(いものやまのこる)は、東京タワーの窓に涙を流している老婦人を発見。フェミニストである彼は彼女の涙の理由を解決すべく、書記・鷹村蘇芳(たかむらすおう)、会計・伊集院玲(いじゅういんあきら)を加えたメンバーで探偵団を結成する。
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新・春香伝(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『新・春香伝』(しん・しゅんかでん)とは、CLAMPが雑誌『セリエミステリーSPECIAL』に1992年10月20日号から1994年2月20日号にかけて連載したファンタジー作品、およびドラマCD作品である。朝鮮に伝わる『春香伝』(しゅんこうでん / チュニャンヂョン)を下敷きに、武術が得意な少女春香(チュニャン)と旅人の青年夢龍(ムロン)の出会い、悪政を行う両班達に対し共に立ち向かう姿が描かれる。
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不思議の国の美幸ちゃん(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『不思議の国の美幸ちゃん』とはCLAMP作品の漫画及びOVAアニメ。奇妙な世界に迷い込みやすい性質を持った主人公の美幸が、さまざまな異世界に迷い込み、不可思議な女性キャラクター達にひたすら服を脱がされそうになったりするなど、お色気要素や百合展開のあるファンタジー艶笑コメディ。初期の2エピソードはルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリスが』元ネタとなっており、美少女・美女化したキャラクターが次々と登場するパロディのほか、同一作者による別作品が題材になっているものもある。
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すき。だからすき(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『すき。だからすき』とは、女子高生・旭ひなたと臨時教師・麻生史郎の恋愛を描いたCLAMPの漫画。とある事情から一人暮らしをしている主人子のひなたは、隣に引っ越してきて更に彼女の高校の臨時教師となった麻生に好意を抱き始める。純粋無垢なひなたは想いが募ってくいくにつれてはっきりと自分の気持ちを麻生に伝えていく。しかし麻生は過去のトラウマが理由でひなたとの関係に一線を引いているのであった。最終的にクールでそっけないがどこか優しい麻生の心を開くことに成功し、ひなたの恋が実るのかが見どころとなっている。
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白姫抄(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『白姫抄(しらひめしょう)』とは、CLAMPが光文社から1992年に出版した全編描き下ろしのファンタジー作品である。雪を司る美しい女神「白姫(しらひめ)」の伝承をもとに、プロローグとエピローグを挟み、雪の季節を舞台にした三編のオムニバスの物語が収録されている。 雪の降る中、一人の男が白い着物姿の女性と出会うところから始まる。「雪が降る日は白姫が泣いている」という白姫の伝承と共に雪の季節を舞台に人間と獣の間で起こった物語、恋人達の悲恋の物語が綴られる。
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わたしのすきなひと(CLAMP)のネタバレ解説・考察まとめ
『わたしのすきなひと』とは、『ヤングロゼ』(角川書店)にて休載を挟みながら連載されたアンソロジーコミック。作者は『カードキャプターさくら』などで有名な4人組の日本の女性漫画家グループ・CLAMP。1995年に同社からヤングロゼコミックスDXのレーベルで単行本が発売された。毎話異なる主人公が経験する恋愛エピソードを、短編漫画と作者のエッセイで綴った恋愛オムニバス作品となっている。コミック原作とエッセイは大川七瀬が、コミック作画は猫井椿が担当している。
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カードキャプターさくら(CCさくら)の呪文・魔法まとめ
『カードキャプターさくら(CCさくら)』とは、強力な魔力を持つ少女さくらを主人公とした、漫画家チーム「CLAMP」の漫画作品。大魔術師クロウ・リードが遺した魔法のカード「クロウカード」を封印するべく、魔法少女さくらが奮闘し、魔術師として、ひとりの人間として成長していく物語。 作中にはさくらを含めた様々な魔術師が登場し、魔法を使う。さくらが杖を解放する「レリーズ!」や、占い、攻撃、魔法を使った移動法など、あらゆる場面で魔法が使われることで物語が進んでいく。
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魔法騎士レイアースの魔法・呪文・必殺技まとめ
『魔法騎士レイアース』とは、異世界に召還された少女達の戦いを描いたCLAMPによるファンタジー冒険漫画、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品。 日本の女子中学生・獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風の3人は東京タワーから異世界セフィーロに召還され、魔法戦士としてセフィーロを救うために戦いを始める。 セフィーロには魔法が存在しており、召還された魔法戦士やその世界に住む人々が戦いの中で使う。それぞれの属性に適した魔法があり、作中では様々な魔法の呪文や必殺技が登場する。
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カードキャプターさくら(CCさくら)のカードまとめ
『カードキャプターさくら』とは、漫画家集団のCLAMPによる少女漫画およびそれを原作としたアニメ作品のことである。主人公の少女・木之本桜(きのもと さくら)が、強大な魔術師により作られたカード・クロウカードの封印を解いてしまった事をきっかけに起こるさまざまな問題を仲間達と共に解決しながら、散り散りになったカードを集めていく。作中にはクロウカード・さくらカード・クリアカードの3種類のカードが登場する。
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カードキャプターさくらに込められた裏テーマと作者CLAMPの想い
プロ女性漫画家集団CLAMPの代表作ともなったカードキャプターさくら。 アニメ化され、大人のファンも多いこの作品ですが、最初は小中学生向けの「なかよし」で連載されていた漫画でした。子ども向けだったからこそ伝えたかったCLAMPの想いとは!?今回はそこに注目してみたいと思います。
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『カードキャプターさくら』原作漫画とアニメの違いまとめ
カードキャプターさくらは1996年に、月刊少女雑誌「なかよし」で連載された。小学4年生のさくらがカードキャプターとして、身の回りに起こる不思議な出来事を解決していく話だ。20年経った今でも根強い人気を誇る。連載から2016年には、続編であるクリアカード編の連載がスタート。クリアカード編を機に、漫画を買った者も多い。アニメしか見たことしかない者には、漫画を読むと異なる点が多くある。カードキャプターさくらの原作漫画とアニメでの違いを解説していく。
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カードキャプターさくら(CCさくら)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『カードキャプターさくら』とは、CLAMPによる日本の漫画作品である。1996年6月号から2000年8月号まで、少女漫画雑誌『なかよし』にて掲載され、単行本は全12巻まで発売された。アニメやゲーム化もされている大人気作品である。 主人公・さくらが父親の書庫で不思議な本を発見する。本を開くと封印が解かれ、中からケルベロスという封印の獣が現れ物語がスタートする。本に封印されたカードを取り戻すため、さくらは「カードキャプター」として奮闘する。
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アニメ最終回のその後に注目!原作漫画「ツバサ クロニクル」衝撃展開・ネタバレまとめ
アニメを見ていると、尺の関係や原作の進み具合が影響して伏線が未回収のままに終わってしまう事がよくあります。「結局あのシーンは何だったの?」「どういう意味だったの?」と、モヤモヤしているそこのあなたへ!『ツバサ・クロニクル』アニメ終了後の衝撃エピソードについて、簡単な解説付きでご紹介していきます。
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【着物好き必見!】和服イラスト・キャラが魅力的な漫画について
豪華な装飾が施された洋風ドレスなんかもうっとりするほど素敵ですが、見ていて心が落ち着くのはやはり昔ながらの日本を感じさせるイラストです。今回は主に着物を羽織っているキャラクターのイラストをまとめてみました。尚、筆者の好みによる偏りがあるのでそのへんはご了承ください。
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ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE- 東京編。圧倒的なクオリティ作品を見逃すな!!
NHKアニメでは尺と規制の関係もあって描かれなかった「東京編」。今回はその導入部分をご紹介。異次元を渡る旅を続ける一行を待ち受ける衝撃の新事実とは?物語の核心に迫るストーリーと謎に包まれていた主人公の正体が明かされる!
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目次 - Contents
- 『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の概要
- 『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』のあらすじ・ストーリー
- 羽根となって飛び散るサクラの記憶
- 記憶の羽根を探す旅のはじまり
- 二人の小狼
- ファイに掛けられた呪い
- アシュラ王の悲劇
- 小狼の戦いとサクラの真実
- 小狼の罪
- 飛王との対決
- 小狼とサクラのこれから
- 『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の主要人物・キャラクター
- 主要人物
- 写身の小狼(ウツシミのシャオラン)
- 小狼(シャオラン)
- 写身のサクラ(ウツシミのサクラ)
- サクラ
- ファイ・D・フローライト
- 黒鋼(くろがね)
- モコナ=ソエル=モドキ
- 飛王・リード(フェイワン・リード)
- 壱原侑子(いちはら ゆうこ)
- 四月一日君尋(わたぬき きみひろ)
- 玖楼国
- クロウ・リード
- 藤隆(ふじたか)
- 撫子(なでしこ)
- 桃也(とうや)
- 雪兎(ゆきと)
- 星火(しんふぉ)
- 日本国
- 知世姫(ともよひめ)
- 蘇摩(そうま)
- 天照(あまてらす)
- 黒鋼(くろつな)
- 諏倭姫(すわひめ)
- セレス国
- ファイ
- アシュラ王
- チィ
- 阪神共和国
- 有洙川空汰(ありすがわ そらた)
- 有洙川嵐(ありすがわ あらし)
- 浅黄笙悟(あさぎ しょうご)
- 斉藤正義(さいとう まさよし)
- 木之本桃矢(きのもと とうや)
- 月城雪兎(つきしろ ゆきと)
- 蟹夫(かにお)
- 高麗国
- 春香(チュニャン)
- 春香の母
- タンバル
- ブルガル
- 秘妖(キイシム)
- 暗行御吏(アメンオサ)
- 霧の国
- 光る魚
- ジェイド国
- グロサム
- 町長
- 自警団団員
- 酒場の店主
- エメロード
- 桜花国
- 猫依護刃(ねこい ゆずりは)
- 志勇草薙(しゆう くさなぎ)
- 龍王(りゅうおう)
- 蘇摩(そうま)
- 絵里衣(えりい)
- 威(たけし)
- 健多朗(けんたろう)
- カルディナ
- 織葉(おるは)
- 千歳(ちとせ)
- 桜都国
- すぐやる課職員
- すもも
- 琴子(ことこ)
- 紗羅ノ国
- 鈴蘭(すずらん)
- 火煉太夫(かれんだゆう)
- 蒼石(そうせき)
- 修羅ノ国
- 阿修羅王(あしゅらおう)
- 夜叉王(やしゃおう)
- 倶摩羅(くまら)
- ピッフル国
- 知世=ダイドウジ(ともよ=ダイドウジ)
- 笙悟=アサギ(しょうご=アサギ)
- 妹之山残(いものやま のこる)
- 鷹村蘇芳(たかむら すおう)
- 伊集院玲(いじゅういん あきら)
- ドラゴンフライレーサー(1)
- ドラゴンフライレーサー(2)
- レコルト国
- 司書(1)
- 司書(2)
- 東京
- 遊人(ゆうと)
- 颯姫(さつき)
- 草薙(くさなぎ)
- 牙暁(かきょう)
- 那たく(なたく)
- 霞月(かづき)
- 空汰(そらた)
- 嵐(あらし)
- 護刃(ゆずりは)
- 火煉(かれん)
- 征一狼(せいいちろう)
- 砕軌玳透(さいき だいすけ)
- インフィニティ
- イーグル
- ランティス
- ジェオ
- ザズ
- ヒカル
- 次元の旅人
- カイル
- 神威(かむい)
- 昴流(すばる)
- 封真(ふうま)
- 星史郎(せいしろう)
- その他
- 光
- 海
- 風
- アニメオリジナルキャラクター
- キーファ
- シャルメ
- ケルベロス
- カオス
- 『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の用語
- 国名
- 玖楼国(くろうこく)
- 日本(にほん)
- 阪神共和国(はんしんきょうわこく)
- 高麗国(コリョこく)
- 霧の国(きりのくに)
- ジェイド国
- 桜都国(おうとこく)
- 桜花国(エドニスこく)
- ピッフルワールド
- 沙羅ノ国(しゃらのくに)
- 修羅ノ国(しゅらのくに)
- レコルト国
- 東京(砂の国)
- インフィニティ
- セレス国
- 日本国(にほんこく)
- その他
- 神官(しんかん)
- 夢見(ゆめみ)
- 写身(うつしみ)
- 『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『xxxHOLiC』で侑子と四月一日視点の描写
- 編集長は当初『カードキャプターさくら2』と勘違い
- 『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 黒鋼「そんなに死にたきゃ俺が殺してやる、だからそれまで生きてろ」
- アシュラ王「ファイの笑顔で私の心は十分癒された、これも魔法だよ」
- ファイ「君が…帰って来てくれたほうが…ずっとずっと良かったよ」
- 小狼「4人ひとりも欠けずにここから出る!」
- 『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の主題歌・挿入歌
- アニメ
- OP(オープニング):キンヤ『BLAZE』(第1期)
- OP(オープニング):キンヤ『IT’S』(第2期)
- ED(エンディング):坂本真綾『ループ』(第1期)
- ED(エンディング):坂本真綾『風待ちジェット』(第2期)
- 挿入歌:伊藤恵理『a song of storm and fire』(第1期)
- 挿入歌:伊藤恵理『endlessly』(第1期)
- 挿入歌:伊藤恵理『I talk to the rain』(第1期)
- 挿入歌:伊藤恵理『ship of fools』(第1期)
- 挿入歌:FictionJunction KAORI『tsubasa』(第1期)
- 挿入歌:伊藤恵理『voices silently sing』(第1期)
- 挿入歌:伊藤恵理『you are my love(英語版)』(第1期)
- 挿入歌:牧野由依『you are my love(日本語版)』(第1期)
- 挿入歌:牧野由依『ユメノツバサ』(第1期)
- 挿入歌:FictionJunction KEIKO『風の街へ』(第1期)
- 挿入歌:FictionJunction YUUKA『aikoi』(第2期)
- 挿入歌:FictionJunction KAORI『dream scape』(第2期)
- 挿入歌:伊藤恵理『moebius』(第2期)
- 挿入歌:伊藤恵理『once upon a time there was you and me』(第2期)
- 挿入歌:伊藤恵理『optimistic』(第2期)
- 挿入歌:伊藤恵理『prove yourself』(第2期)
- 挿入歌:伊藤恵理『requiem for the evil』(第2期)
- 挿入歌:伊藤恵理『ring your song』(第2期)
- 挿入歌:伊藤恵理『sacrifice』(第2期)
- 挿入歌:伊藤恵理『siren song』(第2期)
- 挿入歌:坂本真綾『スピカ』(第2期)
- 挿入歌:牧野由依『つきのしじま』(第2期)
- 映画
- OP(オープニング):キンヤ『aerial』
- OP(オープニング):牧野由依『アムリウタ』
- オリジナルアニメーションDVD
- OP(オープニング):牧野由依『synchronicity』(『ツバサ TOKYO REVELATIONS』)
- OP(オープニング):坂本真綾『SONIC BOOM』(『ツバサ 春雷記』)
- ED(エンディング):坂本真綾『さいごの果実』(『ツバサ TOKYO REVELATIONS』)
- ED(エンディング): FictionJunction『記憶の森』(『ツバサ 春雷記』)