岸辺露伴(ジョジョの奇妙な冒険)の徹底解説・考察まとめ
岸辺露伴(きしべ ろはん)とは、『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』及びスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』に登場するスタンド使いにして人気漫画家である。自己中心的かつ尊大な一面が目立つが、プライドが高い分決して他者に媚びない強さもある。漫画に対する真摯な姿勢や、自分が認めた人物への敬意など、傲慢なだけの人物ではない描写も多い。高いプライドに見合う実力やクセの強さが独特の魅力となり、読者からも「露伴先生」と呼ばれ親しまれている。作者も気に入っているキャラクターである。
最終戦
吉良は、川尻家の屋根裏でこっそり猫と草の中間のような生物「猫草(ねこぐさ)」を飼っていた。空気を操作し、空気の弾丸を飛ばすスタンド能力を持ったこの生物を使い、早人は父に化けた吉良を倒そうと考えたのだ。通学路で空気弾を使い吉良を倒そうとした早人だが、吉良は朝にコーヒーをこぼした際胸元に腕時計を入れていたため致命傷を受けなかった。運が自分に味方をしたと勝ち誇る吉良は、自分の本名を口にする。
早人は、吉良吉影の名を言ったのは吉良自身であることを指摘する。早人が言ったわけではない為、バイツァ・ダストは作動しない。「吉良吉影」という名乗りは、早人だけではなく通りがかった仗助も聞いていた。早人は朝、電話帳で仗助の家の電話番号を調べて電話をかけて仗助を起こし、仗助が自分たちと同じ時間に同じ通りへ来るように仕向けていたのだ。吉良は仗助たちとの戦いの為、バイツァ・ダストを解除する。これにより運命が変わり、露伴は爆破時間を過ぎても皆を待っていた。
母を守るという早人の精神力と共に、仗助たちは吉良を止める為に戦う。一進一退の攻防の果て、吉良は戦闘で出た音を聞いて集まってきたスタンド使いに囲まれる。重傷を負いながらも吉良は偶然側にいた女性にバイツァ・ダストを発動させようとした。しかし康一の能力で右手を重くされたことでスイッチが押せなくなり、承太郎の能力で時を止めたられた瞬間激しいラッシュを受け、吉良は救急車に轢かれて死んだ。顔の皮は救急車のタイヤにはぎとられ、女性に名乗った「吉良吉影」の名前で事故死として処理される。露伴は「あいつは法律で裁くことはできない。これが一番いいんだ」と口にする。
吉良の魂は鈴美のいる小道に現れた。突如目の前に現れた少女が、かつて自分が殺した相手だと知った吉良は、鈴美とアーノルドによって小道で振り向かせられ、無数の手により「安心なんかない所」へと送られる。
吉良は町によって裁かれた。あの世へと向かう鈴美に対し、露伴は初めそっけない態度を取ったが、「ああ!わかったよ!最後だから本心を言ってやるッ!さびしいよ!ぼくだって行ってほしくないさ!!」と本音を言った。
皆と共に鈴美とアーノルドの成仏を見届け、露伴は他の住民と同じく日常へと帰っていく。
『岸辺露伴は動かない』
『週刊少年ジャンプ』を始め、色々な雑誌に掲載された露伴のスピンオフ作品が『岸辺露伴は動かない』シリーズである。露伴は主に取材などの中で奇妙な事象に巻き込まれる形でストーリーに絡み、怪異の原因を倒すようなことはない(倒せるようなものでもないことが多い)。
『懺悔室』
怪我で連載を中断していた露伴は、休載期間を利用し、イタリアへ取材旅行に出かける。教会の懺悔室に入ると、「懺悔をしたい」と男が入ってきた。自分が神父側の部屋に入ってしまったことに気付いた露伴は、リアルな体験談を聞き出すべく神父のフリをして男の話を聞く。
懺悔に来た男は若い頃、トウモロコシを加工する工場で下働きをしていた。いつものように残業をしていると、浮浪者が現れ食べ物を恵んでほしいと言う。浮浪者の態度に腹を立てた男は自分の残業を押し付ける。倒れた浮浪者を「怠けている」と口にした途端、浮浪者がいきなり男の足元に現れ「お前の人生の幸福の絶頂期に迎えに来る」と言って消えた。浮浪者は本当に空腹状態であり、男に残業を押し付けられたことで死んでいた。
その後、男は異常なまでの幸運に見舞われる。使いきれない収入、美しい妻、妻に似たかわいらしい娘に恵まれるが、浮浪者の言葉が頭の片隅にあった。そんなある日、娘と執事と出かけた男は愛らしい娘を見て「自分は何て幸福なんだろう」と感じる。
途端、浮浪者の霊が娘の体を借りて現れた。約束通り、男の幸福の絶頂期に迎えに来たと言う浮浪者の霊に対し、男は「逆恨みだ」と口にした。浮浪者の霊は、「逆恨みだと思われたままなのもシャクだ」とあるゲームを提案した。
娘がやっていたようにポップコーンを高く投げ上げ、手を使わずに口に入れる。3回連続でキャッチできれば自分の死は運命と思ってあきらめると浮浪者の霊は言う。男は恐怖しながらそれに従い、何とか2回成功した。しかし、2度目の時にポップコーンをばらまいたのが元でハトが集まって来ていた。男はポップコーンに火をつけ、ハトが寄ってこないようにしたが、火の光りに溶け込んでしまいポップコーンが見えなくなる。結果3度目に失敗し、浮浪者の霊によって首を刎ねられた。
男はここまで話し、「何故殺されたのに、ここにいるのかとお考えでしょう」「恐ろしいのはここからなんです」と言った。奇妙な音に気付いて露伴が懺悔者の部屋を覗くと、自分の首を抱えた若い男と、その足元にまとわりつく浮浪者の霊がいた。懺悔者は使用人を金で釣って騙し、若い頃の自分の姿に整形させ影武者にしたのだった。
「旦那様の娘が人生の幸福の絶頂の時、迎えに来ます」という使用人の霊に対し、関係ない者を殺してしまった浮浪者の霊は「迎えに行くのはダメだ。今度は騙されねえよう、四六時中このクソ野郎を見張ってねえとよぉー!」と忌々しげに叫んだ。
『六壁坂』
新人編集者の貝森稔(かいがもり みのる)との打ち合わせの際、露伴は「破産をした」と言って原稿料の前借を要求した。先日露伴が山を六つも買ったという話を聞いていた貝森は驚き、何故なのかと尋ねる。
妖怪の取材をしていた露伴だが、「取材地の周辺が開発されるというので山ごと買い取ったのだ」と口にする。しかし、リゾート計画で急騰していた地価が暴落し、露伴は家も机もすべての所持品を失い、今は康一の家に寝泊まりをしていた。
山を買ったのもリアリティのある作品作りの為に仕方ない事であり、「それだけの価値はあった」「妖怪はちゃんといた」と露伴は話を始める。
その土地は六壁坂(むつかべざか)村といい、300年前から味噌作りで成功した大郷家という家があった。一人娘の大郷楠宝子(おおさと なおこ)は大学を卒業したら婿養子と結婚して家を継がなくてはならない身だった。大郷家で働く庭師の釜房群平(かまふさ ぐんぺい)と交際していた楠宝子だが、結婚を控えている為彼に手切れ金を渡して別れようとした。
群平は納得しきれず楠宝子に食い下がるが、彼女に突き飛ばされ、打ち所が悪く死んでしまう。このままでは身の破滅と感じた楠宝子は遺体を隠すが、どうしても群平の血は止まらなかった。
その後、婚約者の修一(しゅういち)と結婚した楠宝子だが、夫には何の愛情もなかった。結婚後、一度も一日以上家を空けない楠宝子には、父にも夫にも言えない秘密があった。それは、天井裏に隠した群平の遺体の世話だった。死して尚群平の体は腐らず、血も止まらない。楠宝子は、世話の焼ける群平をいつしか愛おしいと思うようになっていた。
楠宝子の記憶を読んだ露伴は群平に会おうとしたが、その途中で楠宝子の娘に声を掛けられる。露伴の近くで転んで頭を打った彼女は、群平と同じ経過をたどろうとしていた。露伴は娘の父親が楠宝子の夫・修一ではなく群平であること、群平が人間ではなく子供を残す為に存在する妖怪であることを推測。楠宝子が群平にしているように、ずっと楠宝子の娘の止まらぬ血の世話をし続けることを危惧した露伴は、娘が死んでしまう前に自分に関する記憶を消し、自分のことにも気づかないようにして難を逃れた。
『富豪村』
露伴は、読み切り漫画の打ち合わせの時漫画編集者の泉京香(いずみ きょうか)から山奥の別荘を買う話を漫画にしないかと言われる。露伴自身は『六壁坂』の一件で破産しているが、実際に別荘を買うのは泉であり、その購入の過程を漫画にしてはどうかと提案される。
別荘地のある村は杜王町から北西に80キロの山奥にあり、道路は一切なく交通手段はヘリコプターくらいであった。別荘を購入した者は親の代からの金持ちではなく、皆25歳で土地を買い、それを機に世界屈指の大富豪になったという共通点を持っていた。
今回、別荘地の一区画が800坪300万円で売りに出されることを知った泉は、自身が25歳ということもあって購入を検討した。11人いる別荘の主たちが本当に土地を買った為に富豪になったのかを調べたいとの意図もあり、まずは購入の意図があることを示す為に村に行くと言う。露伴はいぶかしげにその話を聞いていたが、泉に背中を押される形で同行する。
登山の果て村に行きつくと、「富豪村の者はマナーにうるさいから気を付けてほしい」と言われる。購入希望者のみならず、同行者もマナーが悪いと追い返されるという。
大きな門をくぐると、一究(いっきゅう)と名乗る子供が現れて露伴たちの応対をした。売り主が来るまでと和室に通された露伴と泉だが、出された茶を飲むまでの間に三つもマナー違反をしていた。「マナーを知らぬ者に土地を売ることはできない」と一究に言われるが、泉がもう一度試験をしてほしいと言うと一究は再トライを受け入れる。この時、泉が門の入り口で拾ったひな鳥に百足が巻き付き、泉の母と婚約者が交通事故に遭ったとの報せが入る。
露伴は何かを感じ取り、一究を本にした。一究自身はスタンド使いでもないただの子供だが、売り主は山の神で、「マナー違反をした者は違反一回につき、一つ大切なものを失う」というルールが存在していた。三回の違反により、泉は三つ大切なものを失ったのだ。
他者の心を読むヘブンズ・ドアーもマナー違反に当たり、露伴の違反によって泉も心臓発作を起こした。露伴は泉の命を助けてほしいと言い、一究は再トライをさせた。
再トライの内容は、トウモロコシの正しい食べ方であった。トウモロコシを置いた皿の周りに、ナイフ、フォーク、箸、調味料が置かれる。「この岸辺露伴を舐めるなよ」と口にし、露伴はトウモロコシを両手でつかんで食べた。そして、一究に「畳のヘリを踏んでいる」と付け加える。
ヘブンズ・ドアーで一究に畳のヘリを見えなくさせていたのだった。一究は「神の怒りに触れるぞ」と言い、再トライをするかこのまま帰るかと尋ねる。マナー違反をしたのは一究であり、露伴は何の罰も受けずに「二度と来るつもりはない」と言って蘇生した泉、ひな鳥と共に帰って行った。
『密漁海岸』
杜王町内のイタリアンレストラン「トラサルディー」で食事をしていた露伴は、店主のトニオ・トラサルディーから「密猟を手伝ってほしい」と言われた。杜王町のヒョウガラ列岩で採れるクロアワビは世界中のどこにもない特別なもので、それがあれば自身の生涯で最高の料理ができると言う。
余りに貴重なものである為地元の漁師に売ってもらえず、杜王町の歴史書で調べた「芸術」ともいえる密漁法を実行することになる。漁場が荒らされたことも、アワビが盗まれたことさえもバレない日があるという。それは、真夏の天気の良い日で水温は25度、8月のお盆前後の満月の夜に数時間だけ潮の流れが変わる時間帯だった。岩にくっついているアワビが上下の間隔を失い、岩から離れて泳ぎ出したところを捕まえる、という方法だった。
露伴は、トニオがそこまでしてアワビを捕まえるのは単に自分の料理の為だけではないことを看破する。トニオには、ヴェルジーナという恋人がいた。彼女の脳には、グレープフルーツ大にまで大きくなった腫瘍がある。食べることで体の悪い所を治すスタンド「パール・ジャム」を持つトニオだが、ヴェルジーナを回復させることはできなかった。神々の食べ物と言われるクロアワビなら彼女を救える。そう踏んで、トニオは密漁を計画したのだった。
海に到着し、露伴たちは岩からはがれたアワビを採り始める。気が付くと、トニオが沈んでいた。彼の体にはおびただしい数のアワビがついており、あまりの重さで抱えて浮上することができなくなっていた。露伴は、歴史書に記された密漁法が密漁者を捕らえる為の罠だったと悟る。海底には密漁者の成れの果てと思しき無数の骨が沈んでいた。
露伴は、アワビの天敵であるタコに「アワビを攻撃しろ」と書き、トニオと共に生還した。
後日、露伴はトラサルディーでタコのトマトソース煮を食べていた。「アワビ料理はないのか」と文句をつけながらも、厨房に立つトニオ、回復したヴェルジーナを微笑ましげに見つめるのだった。
『望月家のお月見』
露伴は、最近取材に行けていないと前置きをし、近所に住む「望月(もちづき)家」の月見の話をする(露伴はその月見に参加していない)。
望月家には奇妙なジンクスがあった。それは、「中秋の名月の日に死ぬ」というもので、可能な限り調べられる先祖は皆中秋の名月に当たる日に亡くなっている。その日に家族揃って月見をすることが死を免れる条件で、現当主の昇(のぼる)は自分の父や弟を引き合いに出し、「逆に言えば、中秋の名月の日以外は不死身」だとして家族にどこにも出かけず月見をするように言う。妻の晴瑠子(はるこ)は子宮頸がん検診で陽性が出ていたが、望月家に嫁いでいる以上は中秋の名月を乗り越えれば助かるとの夫の言葉に従う。
不満を言っていた子供たちも家族での月見パーティーを楽しんだ。
家族が寝静まった頃、長女の亜貴(あき)の携帯に恋人からの連絡が入る。彼と会う為に家を出た亜貴を、ウサギを思わせる奇妙な男がつけていった。ウサギのような男は亜貴を殺そうとスズメバチをけしかけるが、亜貴が恋人からプロポーズされるのを見るや彼女が身も心も「望月家の人間ではなくなった」と憤り、「数合わせ」と称して通りすがりのライダーを殺すと「そのうち月見を忘れる者も出るだろう」と意味深なことを呟きながら月へと昇って行った。
『月曜日 天気ー雨』
編集者との打ち合わせで、露伴は雨の降る駅を訪れる。構内は歩きスマホをする人であふれかえっており、露伴は前方不注意の通行人に何度もぶつかられ憤るが、あまりに周囲が見えていない人々に違和感も持っていた。
露伴は、ホームで電車を待っている際にぶつかりそうになった肥満の男に問いただすが、別の通行人がぶつかってきて露伴と男は線路に落ちてしまう。男は「昼間から携帯を持った人が次々自分にぶつかってくる」と言い、救助しに来た駅員にも警戒した。
次の列車が到着しようとする中、露伴はヘブンズ・ドアーで駅員を確認した上で男をホームへ上げようとするが、今度はホームにいた人々が押し出されるように次々と線路に落ちてきた。
歩きスマホをしている者たちは周囲に関心を持っていないようで、転倒した老婆や線路に落ちた露伴たちを写真に撮るなどしていた。それら一連の行動は、「ロレンチーニャ」という虫の仕業であった。電子機器の集積回路に卵を産み付け、電磁波を餌に生きるこの虫は、たくさん集まると外部の生物を攻撃する性質を持っていた。ロレンチーニャは、心臓の弱った者を標的とする。露伴と話した肥満の男は心臓病を患っており、ロレンチーニャに狙われていた。人々が線路に落ちた露伴たちを撮影していたのは、ロネンチーニャに操られてのことだった。
肥満の男は死亡し、露伴はその日の打ち合わせを中止した。
『D・N・A』
露伴は知人である山岸由花子(やまぎし ゆかこ)から、自分の母の知人である片平真依(かたひら まい)の相談に乗ってほしいと持ち掛けられる。片平の相談とは、精子バンクを利用して授かった娘・真央(まお)のことだった。真央は普通の子と異なる特徴を多く持ち、中でも触れることで全身が保護色となり周囲に溶け込んでしまう尻尾が真依の悩みの種であった。
由花子は真央を普通にしてあげてほしいと言うが、ヘブンズ・ドアーで真央を読んだ露伴は「尻尾があるだけで、誰も困っていない。誰も悪くないし、問題もない」「精子バンクで子供を産んだのはあなた(真依)が選択したことで、その結果である真央のことまで自分が関わるつもりはない」と言って話を終わらせて去る。
露伴の態度に由花子は憤るが、スタンド使いであるためヘブンズ・ドアーの記述が見え、真央の父親に関する情報を真依に教えた。それは至極漠然としたものでしかなかった。そんな折、真依は由花子に聞いた特徴と合致する男性を見かける。
山形県とS市(杜王町のある市)を結ぶ電車から降りて来た彼は真央の通う保育園に向かい、真央を連れ去ろうとした。慌てて真央を引きはがそうとした真依だったが、実際に男が抱き上げたのは彼の息子で、真央は近くで遊んでいた。
男は顔にある傷のせいで真依を怖がらせてしまったと思い込み謝罪し、真依も勘違いしたことを謝る。その男・尾花沢(おばなざわ)は15年前に崖から落ちて顔に傷ができたと語る。「一度死んだ命が返ってきた」と両親に言われて、以降彼は車の運転など危険なことはしなくなった。真依は、15年前交通事故で亡くなった夫を思い出しながら会話を続ける。「大丈夫。君は何も心配しなくていいんだ」という口癖、小指で缶のプルトップを開ける癖などが夫と酷似していた。
後日、露伴は由花子から真依が尾花沢と結婚したと報告した。由花子は、二人の出会いは真央が呼び寄せたものを推測し、露伴は「そういうこともあるか」と口にした。
『ザ・ラン』
右手を骨折した露伴は、骨折の経緯に関する自分の行いを珍しく反省していた。「超えてはいけないデッドラインを見落とし、人の性格を見抜けるとうぬぼれていた」と語り、露伴はそこに至る過程を読者に語り出す。
俳優を志す青年・橋本陽馬(はしもと ようま)とスポーツジムで出会った露伴は、室内用ランニングマシンであるトレッドミルで勝負をした。2台のトレッドミルに対し、操作するリモコンは1台。リモコンは2台の中央に置き、時速が最高速度の25キロに達したらリモコンを奪い、緊急停止ボタンを押した方が勝ち。25キロに達していない状態でリモコンに触れたら負けとのルールで、以前に勝負した時は露伴が勝った。
リベンジに燃える陽馬は、露伴に再戦を申し込んだ。時速16キロに達した時、陽馬はトレーナーを脱いだ。普通の鍛え方では付かないような筋肉の状態に露伴は驚く。陽馬は、「露伴は前回の勝負で自分の方にリモコンが行くように不正をした」「勝ち負けには公正さが必要」と言い、トレッドミルの背後にある窓ガラスを破壊した。トレッドミルが窓際にある為、リモコンで停止しなければ窓から落下してしまう。陽馬のその覚悟には、漆黒の意思と呼べるほどに狂気じみたものがあった。露伴は異様さを感じ、21.4キロに達したところでリモコンを取ろうとしたが、陽馬に指を折られる。勝負の公正さのため、ボタンを押すのに必要な指は残していた。
露伴はヘブンズ・ドアーで陽馬を本にした。彼は自分を鍛えるために「トレーニングの邪魔」をした者を、恋人のミカも含め3人も殺していた。陽馬はもはや、あらゆる意味で超えてはいけない領域を超えてしまっていた。
25キロに達し、二人同時にリモコンに手を伸ばすが、陽馬はヘブンズ・ドアーで「露伴のリモコンに向けてボタンを押す」と書き込まれていた。その為、陽馬は8階の高さから転落する。露伴は陽馬がどうなったかは確認しなかった。窓の外にしがみついている可能性があるからだった。
陽馬の体やふくらはぎの筋肉は、まるで翼の形に見えた。その形状に筋肉の神ヘルメスの化身を意味する印を思い起こし、陽馬がヘルメスの化身となり、超えてはいけない神の領域・デッドラインを超えたのだと推測して露伴はスポーツジムを後にする。
『岸辺露伴 グッチへ行く』
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フー・ファイターズとは、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第6部に当たる『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』に登場するプランクトンの集合体。通称「F・F」。スタンド能力を得てからはスタンドと融合しており、プランクトンというより新生物である。プランクトンの増殖に必要な水があればほぼ制限なく活動可能。主人公・空条徐倫(くうじょうジョリーン)と行動を共にするようになってからは基本的に死亡した女囚人・エートロの身体を使用し、略称「F・F」で呼ばれる。
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エルメェス・コステロ(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
エルメェス・コステロとは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーンオーシャン』の登場人物で、主人公である空条徐倫の相棒とも呼べる女性。男勝りの台詞や義理堅い性格、刑務所で会って間も無い徐倫への面倒見の良さ等もあいまって、女性でありながら「頼れる兄貴」的なキャラとして『ジョジョ』ファンの間でも親しまれている。
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広瀬康一(ジョジョの奇妙な冒険)の徹底解説・考察まとめ
広瀬康一(ひろせこういち)とは、『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』及びPart5『黄金の風』冒頭に登場するスタンド使いにして主人公の東方仗助の友人であり、語り部でもある。気弱な面もあるが、成長するスタンド「エコーズ」が目覚めてからは勇気を振り絞って敵に立ち向かうようになる。その姿勢は、戦い慣れしている空条承太郎にも一目置かれるものであった。普段は優しい性格で、読者を含めて共感を得やすいキャラクター。そのためか作中では癖の強い人物にも好かれる傾向にある。
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川尻早人(ジョジョの奇妙な冒険)の徹底解説・考察まとめ
川尻早人(かわじり はやと)とは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第4部『ダイヤモンドは砕けない』の登場人物であり、杜王町に住む川尻家の長男で、11歳の小学生。 父親の浩作を殺人鬼である吉良吉影に殺害され、なりすまされた事にビデオカメラ撮影による観察を重ねて見抜くが、吉良吉影のスタンド能力「バイツァ・ダスト」により過酷な運命に巻き込まれていく。 スタンド能力を持たない非力な一般人であるが、実は家族想いで芯が強い性格。母親を殺人鬼から守ろうと孤軍奮闘し、最終的には運命に打ち勝つ事になる。
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キラークイーン(ジョジョの奇妙な冒険)の徹底解説・考察まとめ
「キラークイーン」とは、荒木飛呂彦の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』Part4に登場する殺人鬼吉良吉影(きら よしかげ)のスタンドである。何でも爆弾に変え、好きな時に起爆する能力を持つキラークイーンは、平穏に生きたいという願望と強い殺人衝動を併せ持つ吉良の精神の具現化といえる。指定したものを無に帰す恐ろしい能力だが、無機質ながらもスタイリッシュなキャラデザインと後に得る無敵の能力「バイツァ・ダスト」も相まって、Part4のスタンドの中でも人気が高い。
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ロメオ・ジッソ(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
ロメオ・ジッソとは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーンオーシャン』の物語の冒頭で主人公・空条徐倫の恋人として登場する男性。徐倫とふたりでドライブを楽しんでいたとき、ヒッチハイカーを轢いてしまう。助手席にいた徐倫はロメオを庇おうと彼が運転していたことは喋らず、弁護士に「司法取引」を持ち掛けられて合意する。しかしロメオは弁護士に金を払い、轢き逃げと殺人の罪を徐倫に着せる。結果、徐倫は無実の罪で15年の懲役刑となる。
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リキエル(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
リキエルとは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーンオーシャン』の登場人物であり、未確認生物「ロッズ」を操り、体温を奪うスタンド「スカイ・ハイ」の使い手。 DIOの息子のひとりにして、プッチ神父の刺客。パニック障害を持ち人生に希望を抱いていなかったが、スタンド能力に目覚め、徐倫たちとの戦いを通じ、敵でありながら精神的に成長していくキャラクターである。
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サヴェジ・ガーデン(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
サヴェジ・ガーデンとは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーンオーシャン』に登場する伝書鳩で、主人公・空条徐倫の要請を受けてスピードワゴン財団が用意したDISCの受取人。徐倫の父、承太郎を蘇生させるのに必要なスタンド「スタープラチナ」のDISCを財団に運ぶため、徐倫が収監されている「州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所」の中庭へ飛んできた。徐倫はぎりぎりまで「サヴェジ・ガーデン」の正体を知らないままプッチ神父の刺客との激闘を潜り抜け、DISCを託す。
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ミューミュー/ミュッチャー・ミューラー(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
ミューミュー/ミュッチャー・ミューラーとは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーンオーシャン』の登場人物であり、犠牲者に3つの物事しか記憶できなくさせるスタンド「ジェイル・ハウス・ロック」の使い手。25歳女性。 「グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所」主任看守(正面ゲートおよび面会室担当)にして「ホワイトスネイク」の手先。 たとえスタンド使いであろうと脱獄させない「真の看守」であり、職務に忠実。脱獄を企む者は容赦なく追い詰める。
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吉良吉影(ジョジョの奇妙な冒険)の徹底解説・考察まとめ
吉良吉影(きら よしかげ)とは、荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』の敵キャラクターで、スタンド使いである。高い知能を持つが、目立つことを嫌いひっそりと生きてきた。その一方で強い殺人衝動を持ち、特に美しい手を持つ女性を殺すことに異常な執着を見せる。触れたものを爆弾に変えるスタンド「キラークイーン」を持ち、15年前から誰にもバレずに殺人を続けてきた。異常殺人鬼ではあるが、性癖を抜きにすれば「平穏に生きたい」という吉良の人生観に共感する読者も少なくない。
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グェス(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
グェスとは、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第6部に当たる『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』に登場する女囚人のスタンド使いであり、主人公空条徐倫が収容された監房のルームメイト。 他人を縮小させる能力を持つスタンド「グーグー・ドールズ」のスタンド使い。この能力でクビになった元看守にインコの死体を着せ「ピーちゃん」と名付けてペット化していたという異常性を持つ。 小心者で他人を信用しない性格をしており、徐倫を利用して脱獄を目論む。
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ウンガロ(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
ウンガロとは『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第6部『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』の登場人物で、絵画やコミックのキャラクターを実在化させ、そのキャラクターに心惹かれた者の魂を物語の世界へ引きずり込むスタンド「ボヘミアン・ラプソディー(自由人の狂奏曲)」のスタンド使い。 DIOの息子のひとりにして、プッチ神父の刺客。 将来に絶望して麻薬中毒になっていたが、覚醒したスタンド能力で世界中のキャラクターを実在化させ、パニックを引き起こして希望のない社会に変えようとする。
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ドナテロ・ヴェルサス(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
ドナテロ・ヴェルサスとは『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第6部に当たる『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』に登場するジョースター家の宿敵であるDIOの息子の一人で、不幸な生い立ちから強い向上願望を持つ敵スタンド使い。地面の記憶を再現するスタンド「アンダー・ワールド」という能力を持つ。エンリコ・プッチ神父と出会いプッチの指示に従い主人公・空条徐倫を始末しようとするが、次第にプッチを疎ましく感じるようになり、プッチの目的である「天国へ行くこと」を自分が遂げようとする。
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ペルラ・プッチ(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
ペルラ・プッチとは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーンオーシャン』に登場する女性で、ラスボスであるエンリコ・プッチ神父の妹だが本編の時点では既に死亡している。学生のときウェス・ブルーマリンという名前の恋人ができ、そのことを兄のエンリコに打ち明けるが、ウェスはエンリコの生き別れた兄弟だった。つまりペルラは自分の兄と恋に落ちたのだ。エンリコはペルラに何も知らせないままふたりを別れさせようとするが、悲劇としか言いようのない出来事が重なり、ペルラは死んでしまう。
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サンダー・マックイイーン(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
サンダー・マックイイーンとは『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第6部に当たる『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』に登場する敵スタンド使いで、ネガティブな性格と利己的な性格を併せ持つ男囚である。4年前に暴発したショットガンで飛び降り自殺していた女性の胸を偶然撃ち抜いたため殺人罪に問われた。些細なことで自殺を図るほど気が弱く、本体が自殺を図ると道連れにしたい相手を本体と同じ状況にするスタンド「ハイウェイ・トゥ・ヘル」で主人公・空条徐倫の仲間であるエルメェス・コステロを苦しめる。
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東方仗助(ジョジョの奇妙な冒険)の徹底解説・考察まとめ
東方仗助(ひがしかた じょうすけ)とは、荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』の主人公で、特定の幻像を持つ「スタンド」と呼ばれる超能力の使い手である。能力は傷を癒し、壊れた物を直す「クレイジー・ダイヤモンド」。基本的にお調子者かつ温厚で優しい性格だが、憧れの人を真似た自身の髪形を貶されると激怒する一面もある。時にはズルもするが強い正義感を持ち、自分の怪我を治せないのを承知で友のために体を張る。スタンド使いの仲間と共に街に潜む殺人鬼と戦うこととなる。
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緑色の赤ん坊(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ
緑色の赤ん坊とは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーンオーシャン』に登場する、植物から生まれた赤ん坊のような生物。第6部のラスボスであるプッチ神父はDIOの目指した「天国」へ行くため、厳正懲罰隔離房の囚人38人の魂とDIOの骨を使って儀式を行い、その結果、植物になった囚人たちの遺体から生まれたのが緑色の赤ん坊。徐倫と同じ星型のアザがある。うまれつきスタンドを持っており、赤ん坊に触ろうとして近づくとどんどん体が縮んでいき、決して到達できない。
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目次 - Contents
- 岸辺露伴の概要
- 岸辺露伴のプロフィール・人物像
- 岸辺露伴の来歴・活躍
- 幼少期の悲劇
- 「スタンド」の存在を知る
- 杉本鈴美との再会
- ジャンケン小僧戦
- 仗助とのチンチロリン勝負
- ハイウェイ・スター戦
- チープ・トリック戦
- 川尻早人に接触する
- 最終戦
- 『岸辺露伴は動かない』
- 『懺悔室』
- 『六壁坂』
- 『富豪村』
- 『密漁海岸』
- 『望月家のお月見』
- 『月曜日 天気ー雨』
- 『D・N・A』
- 『ザ・ラン』
- 『岸辺露伴 グッチへ行く』
- 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
- 『岸辺露伴は叫ばない』
- 『くしゃがら』
- 『Blackstar.』
- 『血栞塗(ちしおりみどろ)』
- 『検閲方程式』
- 『オカミサマ』
- 『岸辺露伴は戯れない』
- 『幸福の箱』
- 『夕柳台』
- 『シンメトリー・ルーム』
- 『楽園の落穂』
- The JOJOLands
- 岸辺露伴のスタンド:ヘブンズ・ドアー(天国への扉)
- スタンドとは
- ステータス
- 能力:他者を本にして記憶を呼んだり命令を書き込んだりできる
- 岸辺露伴の関連人物・キャラクター
- 広瀬康一(ひろせ こういち)
- 東方仗助(ひがしかた じょうすけ)
- 虹村億泰(にじむら おくやす)
- 山岸由花子(やまぎし ゆかこ)
- 小林玉美(こばやし たまみ)
- 音石明(おといし あきら)
- 杉本鈴美(すぎもと れいみ)
- 懺悔者
- 貝森稔(かいがもり みのる)
- 泉京香(いずみ きょうか)
- 一究(いっきゅう)
- トニオ・トラサルディー
- 藤倉奈々瀬(ふじくら ななせ)
- 露伴の祖母
- 通訳の女性
- グッチの職人
- 望月昇(もちづき のぼる)
- 肥満の男
- 片平真依(かたひら まい)
- 片平真央(かたひら まお)
- 橋下陽馬(はしもと ようま)
- 志士十五(しし じゅうご)
- エージェント・ガブリエル
- スパゲッティ・マン
- 司書の女性
- 近森優斗(ちかもり ゆうと)
- 近森の恋人
- 坂ノ上誠子(さかのうえ せいこ)
- タクシーの運転手
- 五山一京(ござん いっけい)
- 五山千波(ござん ちなみ)
- ケンちゃん
- 夕柳台の老人たち
- 黒く干からびた老人
- 唐沢徹(からさわ とおる)
- 土山章平(つちやま しょうへい)
- 移季年野(うつろぎ としや)
- 移季羊(うつろぎ よう)
- 屋宜沼猩造(やぎぬま しょうぞう)
- 岸辺露伴の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 岸辺露伴の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ペンをあしらった露伴アイテムの数々
- 名前の由来は作家の幸田露伴
- Part6でも驚異的な漫画の能力を発揮
- 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』とミケランジェロの彫刻の関係