ウンガロ（ストーンオーシャン）の徹底解説・考察まとめ

ウンガロのプロフィール・人物像

名前：ウンガロ
性別：男
年齢：24歳
スタンド名：ボヘミアン・ラプソディー（自由人の狂想曲）

ウンガロとは『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第6部『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』の登場人物で、絵画やコミックのキャラクターを実在化させ、そのキャラクターに心惹かれた者の魂を物語の世界へ引きずり込むスタンド「ボヘミアン・ラプソディー（自由人の狂奏曲）」のスタンド使い。プッチを護る刺客のひとりとして、糸を操る能力を持つスタンド「ストーン・フリー」の使い手で主人公の空条徐倫（くうじょう じょりーん）とその仲間たちの前に立ちはだかる。
『ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース』にて徐倫の父親である空条承太郎（くうじょう じょうたろう）が倒したスタンド使いの吸血鬼・DIOの息子であり、ウンガロと同時に病院へ搬送されてきたリキエル、ドナテロ・ヴェルサスの2人は異母兄弟である。プッチは3人と出会う前にDIOの魂と融合しており、ウンガロ、リキエル、ヴェルサスの3人は運命に引き寄せられるように病院に搬送される形でプッチと出会った。これを「”3”の引力」と呼ぶ。
※尚、『ジョジョの奇妙な冒険 part5 黄金の風』の主人公であるジョルノ・ジョバァーナも異母兄弟であるがPart6本編には登場せず、「"3"の引力」にジョルノは含まれない。ただし、単行本13巻の注釈ではジョルノについて、「すでにフロリダ近隣のどこかに来ていたのかもし知れない」と近くにいたことを示唆するような記述が掲載されている。

1988年生まれで、母親はDIOの餌になった女性。
将来に絶望して麻薬中毒になっていたが、オーバードーズによって運ばれてきた病院でDIOの魂と一体化したプッチ神父と出会い、スタンド能力に覚醒。
絵画やコミックのキャラクターを実在化させ、そのキャラクターに心惹かれた者の魂を物語の世界へ引きずり込むスタンド「ボヘミアン・ラプソディー（自由人の狂奏曲）」の能力を得る。
能力は全世界に影響を及ぼすため、実体化させたキャラクターで人々をパニックに陥らせ、希望のない社会に変えようとする。
しかし徐倫の仲間のひとりであるウェザー・リポートがゴッホの肖像画を実体化させ、全てのキャラクターを元に戻すヒーロー「プット・バック・マン」を描かせて実体化させたことで目論みは失敗。
再び世界に希望を失って廃人同然と化した。

ウンガロの来歴・活躍

搬送先の病院でプッチ神父と出会う

オーバードーズで病院へ搬送されたウンガロ。担架に乗せられて意識を失っていたが、意識を取り戻した途端ハサミを持ち、居合わせたプッチを人質に取る。ウンガロはプッチの首をハサミで刺し殺そうとするが、ハサミは偶然致命点を避けて突き刺さり、プッチは生存。
周囲にいた警官はウンガロがプッチを刺したのを見て銃を抜き、ウンガロの顔の前にあった立ち入り禁止の標識もろともウンガロを射撃した。
倒れ込んだウンガロであったが、ウンガロと一緒に撃たれた標識からは人のマークが抜けており、実在化してウンガロを引きずって行った。このときウンガロの絵画やコミックのキャラクターを実在化させ、そのキャラクターに心惹かれた者の魂を物語の世界へ引きずり込むスタンド能力「ボヘミアン・ラプソディー（自由人の狂想曲）」が覚醒していたのである。
ウンガロと出会う前にプッチはDIOの骨から生まれた「緑色の赤ちゃん」と融合しており、DIOの魂と融合している形となっていたため、DIOの息子であるウンガロはプッチ神父に引き寄せられて他の異母兄弟と集まり、ウンガロのスタンド能力も覚醒していた。DIOは主人公・空条徐倫の父親が倒したスタンド使いの吸血鬼で、プッチの友人であった。
またDIOは徐倫の先祖であるジョナサン・ジョースターの肉体に自分の首を繋げていたため、ジョースター家の証である星型のアザが首の後ろにあった。そのDIOの魂と融合したプッチにもアザが現れ、プッチに引き寄せられるように集まったウンガロ、リキエル、ドナテロ・ヴェルサスの3人にもアザが現れていた。このアザを持った人物同士は、離れていてもお互いの存在を認識できる。
同じ頃、刑務所を脱獄した徐倫たちを追い、徐倫の仲間の男囚であるウェザー・リポートとナルシソ・アナスイも刑務所を脱していた。転んでしまった老人の荷物を拾ってあげるウェザーに、アナスイは「顔を覚えて通報される」と警告。またアナスイはウェザーがセンサー式の水道の使い方を知らないこと、何故かウェザーの首の後ろに星型のアザがあったことからウェザーが何者なのか問い詰める。
ウェザーはプッチに記憶を奪われており、プッチについて「言えることはヤツは敵だってことだ」と返して2人はまた徐倫たちを追って動き出した。

アナスイが物語の世界に引きずり込まれる

ウェザーが荷物を拾ってあげた老人の好意で、ウェザーとアナスイは老人のトラックの荷台に乗せてもらって移動を始める。アナスイは荷台に積んであったテーマパークのガイドブックや絵本、また道路の看板からキャラクターが消えていることに気づいた。「ミッキーがいなきゃあディズニーじゃねえッ！」と怒るアナスイであったが、荷台に何かがいるのを目撃して警戒を強める。そして「物体に潜行する」という能力を持つスタンド「ダイバー・ダウン」でその「何か」をつかむことに成功。
アナスイがつかんだものを見て、「星型のアザ」によってプッチが自分たちの接近を知っており、刺客を送り込んでいると確信した2人。ウェザーは「このじいさんがスタンド使いの可能性はゼロだ まわりくどい方法で姿を見せてオレたちに接近する意味がない」とトラックを運転している老人がスタンド使いである可能性を否定。それを聞いたアナスイはつかんだものに「なに者だ！？きさまーッ」と首を締めて問い詰める。
アナスイの質問に嘘をついて答えると鼻が伸びるそれは、荷台にあった『ピノキオ』の絵本から実在化した本物のピノキオであった。また『白雪姫』の絵本から白雪姫とりんごを持った七人の小人も実在化しており、トラックの荷台には絵本のキャラクターが溢れ返っていた。
小人たちが持っていたりんごを食べながら呑気に『白雪姫』の絵本を読み、ピノキオと話すウェザーに対して「そんなもん食ってんじゃあねーッ 本もだッ！」と怒るアナスイであったが、ウェザーは「どこだアナスイ！？」とアナスイを見つけられない。
不審に思ったアナスイがトラックの下を見ると、アナスイ自身の体がトラックに引きずられていた。
これはアナスイがピノキオに心惹かれて精神が肉体と分離しており、ウンガロのスタンド「ボヘミアン・ラプソディー（自由人の狂想曲）」の「キャラクターを実在化させ、キャラクターに心惹かれた者の魂を物語の世界に引きずり込む」という能力にアナスイがかかってしまったためであった。

ピノキオを倒してアナスイが元に戻る

アナスイの肉体がトラックから落ちているのを発見し、老人にトラックを止めるよう指示するウェザー。しかし老人は既に物語に引きずり込まれており、肉体と精神が分離していて肉体は精神の意思に関係なく動くため、トラックは電柱にぶつかって転倒。ウェザーは「天候を操る」能力を持つスタンド「ウェザー・リポート」でエアバッグを作り、老人とアナスイの肉体を助ける。
しかし相変わらずウェザーにはアナスイの精神は見えておらず、アナスイの精神はピノキオを問い詰める。
「君の魂がこれを望んでいるから分離しているんだ」と話すピノキオに対し、アナスイは「やかましいぞ……答えになってねえんならこうするまでだ」と自身のスタンド「ダイバー・ダウン」をピノキオに潜行させ、内側からバラバラにする。
ピノキオを倒すとアナスイの精神は肉体に戻り、アナスイはウェザーに今スタンド攻撃を受けていたこと、自分の精神は肉体から分離していたこと、ウェザーは記憶喪失のため白雪姫もピノキオも知らなかったことで攻撃を受けずに済んだことを伝える。
他のキャラクターも倒そうと提案するアナスイであったが、ウェザーは「たたくのは本体だ」「そのピノキオはスタンドではないような気がする」「それほど遠くないところに敵とその能力の存在を感じる」と話し、「とにかく徐倫は「北」だ……「北」へ進むしかない バスに乗ろう」と徐倫を追うことを選択。
するとトラックを運転していた老人がアナスイに「待って」と話しかける。老人は助けてくれたウェザーとアナスイに感謝するために近づいて欲しいと話すが、次第に体がけむくじゃらになり、口が耳まで裂けていく。そして「そうさッ！おまえを食べるためにさあぁー赤ずきん！」と叫んでアナスイに襲いかかる。老人は『赤ずきん』の世界に引きずり込まれていた。
スタンドで対抗しようとするアナスイであったが、スタンドを出すことができない。アナスイもまた物語に引きずり込まれて魂が分離しており、精神はウェザーと一緒にバスに乗ってしまっていた。

アナスイ、『ママヤギと七ひきの子ヤギ』の物語に引きずり込まれる

バスから降りたアナスイの精神は、肉体を探すために街を走り回る。チョコレート屋の前で店主に「よくもぬけぬけと戻って来られたなきさまッ！」と声をかけられ、肉体がチョコレート屋にいて店のテーブルやショーケースを壊したことを知ったアナスイであったが、店主が呼んだ警察に見つかってしまう。
アナスイは振り向くときに口にチョコレートを含み、口内の構造を作り替えて皮膚下にチョコレートを埋め込む。これにより顔面の形を変えてなんとか乗り切ったアナスイは振り子時計の中に何かが動く気配を感じる。
アナスイが振り子時計を壊すと、出てきたのは小さな子ヤギであった。子ヤギは「よくもぼくの兄さんたちを食い殺してくれたなぁあああああああああ」と泣きながらアナスイを睨み、『ママヤギと七ひきの子ヤギ』の絵本を読み始める。このとき先ほどアナスイがいたチョコレート屋の店主は『白雪姫』の王子になって白雪姫と白馬に乗っており、「ストーリー通り」に物事が進行していた。
アナスイも例に漏れず「ストーリー通り」に物事が進行し、子ヤギたちを食い殺した悪役の狼に姿が変わりつつあった。
『ママヤギと七ひきの子ヤギ』では狼を腹をママヤギがハサミで切り、内臓の代わりに石を詰めて糸で縫ってしまう。アナスイの元にもハサミを持ったママヤギが現れ、アナスイの腹を切ってしまった。「ダイバー・ダウン」で鉄扉と壁を融合させ、普通なら追って来られないようにしたアナスイであったが、「ストーリー通り」に物事が進むためキャラクターたちには関係なく、アナスイは逃げるしかなくなってしまった。
一方ウェザーはこのとき敵（ウンガロ）が北に向かって車に乗って移動しているのを感じて焦っていた。しかしウェザーはゴッホの肖像画に襲われ、耳を切り落とされてしまう。
「ウェザー・リポート」を使って北に向かう車を全て止めさせるが、ウンガロは飛行機に乗って移動を始めており、ウェザーはウンガロに追いつくことができなくなってしまった。

ゴッホに描かせたヒーローが能力を無効化、ウンガロは再起不能に

飛行機に乗って移動するウンガロは、今まで自分は人生に希望を見出せなかったため、自らの能力によって社会がパニックに陥って希望のないものになっていくのを見て自分の能力に存在意義を感じ、充実感を覚えていた。
その頃ウェザーはウンガロを追えないことを察しながらゴッホと対峙していたが、パトカーに乗ってママヤギから逃げていたアナスイと合流。
2人とも「ストーリー通り」の結末が間近となり、アナスイは溺死寸前、ウェザーはピストルで自分を撃って自殺させられそうになっていた。
しかしウェザーがゴッホを脅して「全てのファンタジー・ヒーローを元に戻す」能力を持つヒーロー、「プット・バック・マン」を描かせる。
これにより全てのキャラクターは元の作品に返り、スタンド能力は無効化された。
ウンガロは飛行機に乗っていた女の子が読んでいた『ピーターパン』の絵本にキャラクターが戻っているのを見てスタンド能力が無効化されているのを知り、希望のない人生に戻ったことを悟って再起不能となった。

ウンガロのスタンド：「ボヘミアン・ラプソディー（自由人の狂想曲）」

スタンドとは

スタンドとは、その人を守る守護霊のような能力。「幽波紋」と表記されることもある。「側に立つ」という意味の「スタンド・バイ・ミー」から名付けられた。本体の精神のヴィジョンであり、その能力は各人につき1つまでである。この能力保持者を「スタンド使い」と呼び、スタンド使い同志はなぜか惹かれ合う運命にある。
スタンド使い以外はスタンドを見ることができない。しかしスタンドの能力は現実に作用するので、一般人にはポルターガイストのような現象になる。
基本的にスタンドには射程距離があり、本体から離れれば離れるほどそのパワーは弱くなる。
稀に本体とスタンドが融合しているものやヴィジョンがなく能力だけが発現するものもある。

ステータス