アヴェンジャー/アンリマユ(Fateシリーズ)の徹底解説・考察まとめ

アヴェンジャー(アンリマユ)は『Fateシリーズ』に登場する復讐者のサーヴァントの1人。『Fate/stay night』では直接は登場しないものの、作品に大きく関わるキャラクターとして描かれている。
真名はアンリマユ。作中世界において創作された悪魔であり、その正体は「この世全ての悪であれ」と願われて一身に呪いを受けた平凡な青年である。冬木市の第三次聖杯戦争にてアインツベルンによって召喚されたものの、早々に敗北して聖杯を汚染した。

アヴェンジャー(アンリマユ)の概要

アヴェンジャー(アンリマユ)は『Fateシリーズ』に登場する復讐者のサーヴァントの1人。サーヴァントとは願いを叶える大釜・聖杯の助けを得たマスターによって召喚・使役される「英霊」であり、アヴェンジャーは復讐者のクラスを指す。『Fate/stay night』では直接は登場しないものの、物語の真相に関わる重要なキャラクターである。
真名はアンリマユ。「この世全ての悪」とも称される拝火教に伝わる悪魔の王である。しかし実際には悪魔の王ではなく、とある村において「この世全ての悪」という役割を背負わされたごく普通の青年である。彼は「私たちの生活がいっこうに楽にならないのは、原因となる悪がいるからだ」という考えのもと、村の人々から生贄として選ばれ、ありとあらゆる罪科を負わされた。いつしか青年はそういうものとして扱われ、結果として村人たちを悪から救った「功績」により英霊となったのだ。

アヴェンジャーは冬木市の第三次聖杯戦争にて、魔術師の家系アインツベルンによって召喚された。アインツベルンはルールを破って「殺す事だけに特化した英霊」としてアヴェンジャーを召喚したが、実態は罪を背負わされたただの平凡な青年だったがゆえに、最初期に敗退して大聖杯に収められた。だがアヴェンジャーは「この世全ての悪であれ」と摸造された「願い」その物であったため、願いを叶える大釜である聖杯がその願いを受け取り、呪いで汚染されることとなった。これが『Fate/Zero』の第四次聖杯戦争、『Fate/stay night』の第五次聖杯戦争にも影響を及ぼしていく。

アヴェンジャー(アンリマユ)のプロフィール・人物像

身長:167cm
体重:58kg
属性:混沌・悪・人
スキル:復讐者A / 忘却補正A / 自己回復(魔力)E / 右歯噛咬C / 左歯噛咬C / 死滅願望A / 四夜の終末EX
CV:寺島拓篤
身長・体重・CVは衛宮士郎(えみやしろう)の殻を被った際のもの。

アヴェンジャーは『Fate/hollow ataraxia』にて、全身くまなく刺青の施された、少年めいた姿の英霊として描かれる。これは主人公の衛宮士郎殻を被った際の姿である。アヴェンジャーは本質的には生前とも呼べる人間性が剥奪された文字通りの「顔のない誰か」であり、「本名」も呪術によって剥奪されている。それゆえに「自己」という概念が殆ど存在せず、決まった姿や人格を持たない人型の影が本質となっている。『Fate/stay night』では聖杯に満ちる「力」を養分に現界しようとして「器」に応じて「泥」、「肉塊」、「60億の人間を呪う宝具を持ったサーヴァント」として受肉しようしていた他、黒い影を生み出していた。

能力的には本人曰く「この世界すべてを探してみても俺より弱い英霊は存在しない」最弱の英霊。しかし「英霊クラスの超人であろうと、人間である限り俺には勝てない」とも豪語している。これは霊長の絶対殺害権を有するためとされる。武装は「右歯噛咬(ザリチェ)」と「左歯噛咬(タルウィ)」という奇形の短剣。

アヴェンジャー(アンリマユ)の宝具・必殺技

無限の残骸(アンリミテッド・レイズ・デッド)

『Fate/hollow ataraxia』にて、繰り返される4日間の中で出現した知性を持たない怪物。アヴェンジャーの変異体であり、彼が望む「繰り返される4日間」を延々と続けようとする。

偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)

ランク:D
種別:対人宝具
レンジ:無制限
最大捕捉:1人
由来:ゾロアスター教経典「アヴェスター」の写本

ゾロアスター教の教典・アヴェスタの偽書で、自身が受けた傷をそのまま相手に返す「報復」という原初の呪いである。自分の傷を、傷を負わせた相手の魂に写し共有する能力であり、条件さえ満たせばすべての相手に適用可能。発動は対象1人に対して一度きりで発動は任意。はまれば強力だが、発動するタイミングが難しい宝具といえる。
この宝具は『Fate/hollow ataraxia』の際に手に入れたもので、第三次聖杯戦争の時には持っていなかった。

アヴェンジャー(アンリマユ)の来歴・活躍

「この世全ての悪であれ」と望まれた青年

アヴェンジャーとなる人物は、とある村で生まれた平凡な青年だった。彼の住む村では日々の苦しさ、貧しさに耐えるために悪を定める教えを必要とした。すなわち、「私たちの生活がいっこうに楽にならないのは、原因となる悪がいるからだ」というものである。青年は何も悪いことをしていないにもかかわらず、生贄に選ばれて村人から山の頂に幽閉され、ありとあらゆる罪を背負わされる。片目や喉を潰され、四肢は指を全て切り落とされ、残った目も閉じないように目蓋を固定されるという体験を味わった青年は死亡したが、理不尽に対する憎しみから名もない亡霊となった。そして村が消えた後も残り続けた。
青年はそういうものとして扱われ、結果として、村人たちを悪から救った「功績」をもって英霊となったのだ。

聖杯の汚染

冬木市で行われた第三次聖杯戦争で、アインツベルンはルールを破って「殺す事だけに特化した英霊」としてアヴェンジャーを呼び出した。そして召喚されたのが、アンリマユである。しかし本質的には特別な人間でもなく宝具も持たなかった彼は序盤で敗退し、聖杯に取り込まれた。そしてアヴェンジャーが周りからの身勝手な願いで「この世全ての悪であれ」と摸造された「願い」であったため、聖杯がその願いを叶え、呪いで汚染されてしまった。

『Fate/Zero』

『Fate/Zero』でおきた第四次聖杯戦争では、聖杯に満ちる「力」を養分に、「泥」として現界しようとする。しかし聖杯が汚染されていることを知った魔術師の衛宮切嗣(えみやきりつぐ)が聖杯を破壊したために現界できずに終わった。それでも聖杯からは「泥」が漏れ、冬木市では未曾有の大火災が発生した。これにより、衛宮士郎は両親を失い、切嗣の養子となった。

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『Fate/stay night』

"Fate"(セイバールート)・"Unlimited Blade Works"(遠坂凛ルート)

『Fate/stay night』で起きた第五次聖杯戦争でもアヴァンジャーは「泥」、「肉塊」として現界しようとする。しかし"Fate"(セイバールート)・"Unlimited Blade Works"(遠坂凛ルート)では士郎とそのサーヴァントのセイバーに破壊され、またしても受肉できずに終わる。

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