ワイルド・ヒーローズ(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ワイルド・ヒーローズ』とは、2015年に日本テレビ系列で放送されていた全10話のテレビドラマ。同局で新設された、日曜22:30からの「日曜ドラマ」枠の第一弾作品。仲違いしたかつての不良たちが、当時の絆を取り戻しながら1人の少女を救うために力を合わせて活躍するアクション・エンターテイメントとなっており、人気ダンスボーカルグループ、EXILEのメンバーであるTAKAHIROや青柳翔など、豪華俳優陣でも注目を集めた。

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『ワイルド・ヒーローズ』の概要

『ワイルド・ヒーローズ』は、2015年4月19日から同年6月21日まで、日本テレビ系列で放送されていた全10話のテレビドラマ。同年2月に同局で毎週日曜日の22時半からの新設が発表された、「日曜ドラマ」枠の第一弾となった番組である。
この時間帯でテレビドラマが放送されるのは、1991年10月13日までに放送された『新スパイ大作戦』以来約23年半ぶりとなり、日本で制作されたテレビドラマとしては1968年7月21日までに放送された『特別捜査本部』以来46年9か月ぶりとなることや、更に人気ボーカルダンスグループ、EXILEのTAKAHIROらが主演を務めることでも大きく話題を呼んだ。
ドラマ放送終了から間もなくの2015年9月25日には、本作のDVD-BOX、Blu-ray BOXも併せて発売された。
「主人公と、高校時代の悪ガキ仲間による7人の友情」をテーマとし、かつてヤンキーだった主人公が、仲間とともに1人の少女を救うというストーリー展開で、突然巻き込まれた危機的状況の中での絆や友情、仲間愛や親子愛を描いている、スリルと感動のアクション・エンターテインメント作品となっている。

また、本作はEXILEのボーカルであるTAKAHIROが連続ドラマ初主演を飾った作品でもあり、その新たなスタートに華を添えるかのごとく、系列グループのEXILE TRIBEからもメンバーが集結し、出演している。日本テレビの松原浩プロデューサーは、本作に寄せて「TAKAHIROさんは、優しさ・誠実さと、熱さ・武骨さを両方表現できる、稀有な存在です。“少女を守りぬく元ヤン”を演じ、“仲間との絆と友情”を伝えるのに、これ以上の人はいません。初主演のフレッシュさも加わって、新しいドラマ枠の第1弾であるこのドラマに、まさにぴったり!」と期待のコメントを残していた。

『ワイルド・ヒーローズ』のあらすじ・ストーリー

希一と日花里の出会い

医療機器メーカーの営業マンを務める瀬川希一(せがわきいち)は、転勤で10年ぶりに地元に帰っていた。かつて悪ガキだった希一には仲間たちがいたが、ある出来事から彼らと疎遠になっていた。
ある日、希一はヤクザに追われている少女と出会う。少女は記憶を失っており、なぜか警官を恐がる様子を見せたため、希一はしかたなく少女を家に泊めてやることにする。
しかしヤクザの田川(たがわ)が希一のアパートを見つけ出し、少女を連れ戻しにきた。希一は、少女にカラオケボックスのチラシを渡し、「ここに自らの仲間がおり、必ず助けてくれるはず」と伝える。
ヤクザから少女こと日花里(ひかり)を救出した希一。だが日花里は刑事の赤城(あかぎ)に連れ去られて姿を消してしまう。赤城に不信感を抱いた希一は仲間の洸介(こうすけ)らに「彼女の無事を確かめたい」と訴えるが、昔から赤城に世話になってきた仲間たちは取り合わない。そんなとき希一は日花里の決死のSOSを受け取り、ついに彼女の居場所を突き止めた。
そこで目にしたのは、田川と一緒にいる赤城の姿だった。希一は、赤城は田川と通じているのか、何のために日花里を追うのか、と疑念を持つ。
その後、希一は日花里をアパートにかくまい、しばらく一緒に暮らそうと考えた。だがそこにいきなり刑事がやってきて、希一を連行してしまう。実は希一たちが日花里を奪還した後、赤城は何者かに殺害されており、発見された遺体のそばに希一の名刺があったというのがその理由だった。
希一は警察で厳しい尋問を受けるが、弁護士が現れて彼を助け出す。しかしそれは、執念深く日花里の居場所を探す田川の差し金だった。偶然居合わせた仲間の透(とおる)とともに、希一は再び田川たちに捕まってしまい、厳しい拷問を受ける。
希一たちが拷問を受けていたそのころ、日花里の背後には、赤城を殺した人物が忍び寄っていた。

事件の背後にあった「かがやきの方舟」の存在

日花里が担任のさわこ先生(さわこせんせい)に引き取られたことでようやく人心地つけるはずの希一だったが、さわこに電話してもいつも留守電で、日花里と連絡が取れないことが気がかりだった。
それもそのはず、日花里はさわこの住む団地で軟禁されていたのだ。そして彼女のそばには赤城刑事を殺した青年の姿があった。青年を使って赤城を手に掛けていたのはさわこだったのだ。
希一はようやく日花里と電話をつないでもらうが、「元気だよ」と話す彼女の様子がどこかおかしいことに気が付く。洸介たちと日花里の通う小学校に赴いた希一は、そこでさわこが教師でもなんでもないことを知ってしまう。 希一たちが囚われた日花里を追う一方で、彼らのその後を、柳原と田川も追っていた。

日花里の過去を調べた希一は、日花里の父親が新聞記者だったことを突き止める。だがここまで多くの死に触れてきた仲間たちは、これ以上この件に深入りすることを拒んだ。結局、希一は日花里と二人だけで東京の新聞社を訪ね、日花里の父をよく知る記者・松井に出会い、彼女の父が「ある事件」を調べたことでトラブルに巻き込まれたのではということを聞かされる。
その事件は日花里の母親が事故死したというものだったが、他殺を疑って調べを続けていた日花里の父は、ある宗教法人の存在に行き当たっていた。
希一は松井に教えられ、日花里の自宅マンションを訪れる。だがそれ以降、希一と日花里に次々と衝撃的な出来事が襲いかかる。仲間の助けがない東京で、孤立無援の二人は逃げ惑うことになる。

生きていた日花里の父

希一の仲間の春太郎(しゅんたろう)が何者かに狙撃された。その場に居合わせた美史が応急処置を施したことで、春太郎は一命を取りとめる。
日花里はその銃撃のショックで記憶のすべてを取り戻し、父に誘われ愛犬とドライブに行ったこと、山中で父が誰かと待ち合わせをしていたがその相手は既に殺されていたことなどを語り始める。
そして父は、日花里に自分の携帯電話を託した。どうやら中に大事な画像データが収められているらしい。だが日花里は追われる中で一人逃げる途中で崖から落ち、記憶を失ったというのが顛末だった。
日花里は希一たちと共に、自分が落下した崖下へ携帯電話を探しに行く。ようやく携帯電話を見つけ出したその時、希一の胸には、狙撃手のターゲットを示す赤いポインターが光っていた。
追われながらも、自ら海に飛び込んで日花里のデータを守った希一は、データを警視庁の大島に解析してもらおうと科捜研を訪ねる。
そこに突然、警視副総監の福井が現れ、データを強奪しようとする。洸介や典明の助けでなんとか逃げ出したが、大島は希一たちに、この件に関われば全員の命が危ないこと、そして、家族も巻き込まれる危険性があることを告げる。それを聞いた洸介たちは家に戻り、それぞれ大切な人と最後になるかもしれない一時を過ごした。
同じ頃、ヤクザの会長の千駄木の命を受けた田川が希一を訪ねる。
田川は。宗教団体である「かがやきの方舟」に日花里の所持しているデータが渡れば大変なことになると話し、「データをこちらにくれたら人質を解放する」と条件を出した。その人質とは、死んだと思われていた日花里の父、幸雄だったのだ。
とうとう日花里は幸雄と対面するが、幸雄は「違う」と叫ぶ。日花里が偽物である可能性を察し、動揺する希一。しかしそれが娘を守るために幸雄が吐いた嘘であることを察し、話を合わせる・そんな彼らの目の前で、千駄木は田川に日花里を殺すよう命じる。だが田川は手渡された銃を千駄木に向け、希一たちを逃がすための決死の反逆に打って出た。
一方その頃、美史は姉の双葉を呼び出し、双葉が「かがやきの方舟」を脱会すれば本物のデータを渡すと告げていた。彼女は「かがやきの方舟」にのめり込んだ姉を救い出すため、洗脳されたふりをして潜入していたのだ。双葉の心は揺れるが、その時、信者が美史と双葉に銃を向けた。

最後の戦い

日花里と幸雄を空港で見送った希一だが、その夜、2人が空港のホテルで火災に巻き込まれて死亡したというニュースを聞いて動揺する。
遺体安置所で、希一たちは大島から、遺体の歯の治療痕が日花里のものと一致したと告げられる。ずっと守ってきた日花里が偶然の火事に巻き込まれて死んだという事実に耐えられず、希一はアパートの部屋で慟哭する。
それから三日後。剛(つよし)はテレビに映った「かがやきの方舟」のセミナー映像のなかに、希一を発見する。一体なぜ、と疑問を抱いた洸介たちは、かがやきの方舟に様子を見に行くことを決意した。
かがやきの方舟に向かうことなく残った春太郎はあることに思い当たり、大島に会うため病院に向かっていた。
かがやきの方舟を牛耳る代表者「レインマン」に囚われた日花里と幸雄をついに見つけ出す希一。だが幸雄は「あと1日だけ日花里を守ってほしい」と希一に日花里を託し、自らおとりとなって二人を逃がす。希一と日花里は洸介たち仲間と合流し、USBメモリに保存されていた映像を見た。
そこに映っていたのは、幼い日の日花里の母親・陽子らしき少女が、泣きながら一人の男を射殺している儀式の模様だった。
そして希一たちは、保存文書からこの「儀式」とレインマンという存在の全容を知る。日花里の11歳の誕生日である明日、執り行われる予定の異様な「儀式」。
明日1日、絶対に日花里をレインマンの手に渡してはいけないと決意した希一たちは、機動隊とかがやきの方舟に包囲された中での決死の「立てこもり戦」という最後の戦いに出た。

『ワイルド・ヒーローズ』の登場人物・キャラクター

「風愛友(フー・アー・ユー)」のメンバー

風愛友

Who are you

お前は誰だ

瀬川 希一(せがわ きいち/演:TAKAHIRO)

出典: pbs.twimg.com

瀬川希一役 TAKAHIRO

キー坊

本作の主人公。医療機器メーカーの営業を務める29歳。通称は「キー坊」。
地元のヤンキーグループ「風愛友」に属し、高校時代は喧嘩に明け暮れていたが、ケンカ相手だった田川とのトラブルから「伝説のヘタレ」という汚名を被ることとなってしまい、かつての仲間たちとの間に長らくしこりができていた。それから10年後、転勤で地元に戻ってきた際に助けを求めてきた謎の少女・日花里を救うべく奮闘する。
過去の出来事のせいで周りから弱く見られ、侮られがちだが、実際は刑事やプロの軍人も素手で倒せるほど腕っぷしが強い。また、他者の心の内を見抜く冷静な目も併せ持っており、理屈抜きで人を信じ抜くことができる一本気な心を持っている。
10年前に仲間と共に成し得なかった100人相手に勝つという死闘を勝ち抜いて日花里を守り抜き、自分の持つ過去のわだかまりにも決着を付けた。
事件後は元の日常に戻り、日花里との再会を楽しみにしている。風愛友のメンバーの愛称は殆ど彼が付けたものだが透からはダサいと評されており、ネーミングセンスは良くない。

佐伯 春太郎(さえき しゅんたろう/演:岩田剛典)

出典: pbs.twimg.com

佐伯春太郎役 岩田剛典

チョコ

28歳。現在はカラオケボックス「ウララ」の店長をしている。通称は「チョコ」。
田川との一件で希一に強い恨みを抱いており、当初は彼の危機にも力を貸すことを拒んでいた。しかし、仲間たちが徐々に彼に対する考えを改めているのに心を動かされ、希一へのわだかまりを解き、以降は協力的な姿勢で接するようになる。
幼い頃に家族を全員亡くしてから刹那的な生き方をしていたが、この戦いを通して自身の生きる意味を見出すようになった。

林田 典明(はやしだ のりあき/演: 黒木啓司)

出典: pbs.twimg.com

林田典明役 黒木啓司

テンテン

31歳。通称は「テンテン」。家業のクリーニング屋を経営している。
何事にも疑心暗鬼になりがちな節があり、一時期本当に妻の子供が自分と血縁関係があるのか不安になり家出をしたこともあるが、その心配は杞憂に終わっていた。

三木 洸介(みき こうすけ/演: 青柳翔)

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