今牛若狭／ワカ（東京卍リベンジャーズ）の徹底解説・考察まとめ

今牛若狭／ワカの概要

今牛若狭（いまうしわかさ）とは『東京卍リベンジャーズ』の登場人物。通称・ワカ。東関東を仕切る12チームの煌道連合（こうどうれんごう）総大将として君臨しており、白豹としての異名を持っていた。当時西関東を仕切っていた螺愚那六（ラグナロク）の総長・荒師慶三（あらしけいぞう）とは敵対していた。しかし、黒龍（ブラックドラゴン）初代総長・佐野真一郎（さのしんいちろう）の登場により、今牛・荒師ともにまとめられ、黒龍の創設メンバーとして、黒龍を日本最強のチームへと導いた。その後、瓦城千咒（かわらぎせんじゅ）が首領を務める梵（ブラフマン）の大幹部を務めている。
自身の恩人である、元・東京卍會総長、佐野万次郎（さのまんじろう）を助けるべくタイムリープした花垣武道（はながきたけみち）をスカウトしにやってくる。そこで寺野南（てらのさうす）が総代を務める六破羅単代（ろくはらたんだい）と梵の戦いが勃発。今牛は喧嘩屋の異名を持つ作中屈指の実力派である鶴蝶（かくちょう）の背後を取り、彼を怯えさせた。
佐野が総長を務める関東卍會（かんとうまんじかい）と梵、六破羅単代がぶつかった三天戦争後、解散した梵から関東卍會へ移籍、遊撃隊・隊長の座に就いていた。これついては、瓦城が疑問を抱く描写はあるものの、理由については明確化されていない。
真一郎がタイムリープ能力を手に入れるきっかけを作った男であり、その事や、佐野自身の中の黒い衝動について、彼に教えた。

今牛若狭／ワカのプロフィール・人物像

生年月日：1980年11月28日
星座：いて座
性別：男性
血液型：A型
身長：160cm
体重：53kg
通称：白豹
イメージカラー：白銀
好きなもの：トローリング
嫌いなもの：虫、特に毛虫とかゲジゲジは言葉にするだけで気が遠くなる
特技：ライテク
所属：煌道連合→初代黒龍→梵→関東卍會
尊敬する人、憧れの先輩：佐野真一郎、荒師慶三、松方弘樹
夢：麦芽になってビールに溺れたい
お気に入りの場所：五条ジム

紫色の瞳とたれ目が特徴。髪色は金と紫色で、各色1房ずつサイドから出し、残りはハーフアップにしている。初代黒龍の時代では、白髪で、左目だけを見せるような髪型。ピアスは初代黒龍の時代から変わらず、左耳に赤い玉が3つ連なったデザインのものをつけている。また、いつも口に棒をくわえているが、その正体は謎。ファンの間では棒付きの飴や団子、焼き鳥のクシなど様々な考察がされている。

黒龍創設前は、東関東の12のチームが集まってできた煌道連合（こうどうれんごう）を率いる総大将として、西関東を仕切っていた螺愚那六（ラグナロク）の総長である荒師慶三（あらしけいぞう）と対立していた。しかし、初代黒龍の総長である佐野真一郎（さのしんいちろう）に惹かれ、黒龍の創設メンバーとなり、荒師ととも黒龍を日本最強のチームへと導いた。

最後の世界線では、荒師と共に格闘技ジム・五条ジムを経営している。そして、海外の総合格闘技・ヘビー級王者となった寺野南（てらのさうす）は、帰国すると五条ジムに入り浸っている。

今牛若狭／ワカの能力・必殺技

抜群の格闘センス

蹴りを使った攻撃をメインとしている。また、荒師とのコンビネーション技として、今牛が止め荒師が仕掛ける逆落というものがある。喧嘩屋の異名を持つ鶴蝶の背後を簡単に取り、気配で動けなくする描写もあることから、強さがうかがえる。

また、戦闘時には寺野南（てらのさうす）の強い拳をスレスレで避けたり、空中で数回回転し蹴りを繰り出すなど身体能力の高さが分かる描写がされている。

作中屈指のタフな男

寺野との戦いの最中、1度ダウンしてしまったが、すぐに何ともなかったかのように起き上がるシーンが描かれており、タフさもうかがえる。

戦闘センスや、荒師とのコンビネーション技に加え、ダウン後すぐ起き上がるなどタフな姿も見られることから、今牛はフィジカル・スピード・タフさが作中でもトップクラスであると言われている。

今牛若狭／ワカの来歴・活躍

三天戦争前日まで

東京卍會（とうきょうまんじかい）総長である佐野万次郎（さのまんじろう）が自ら悪の道を歩み始めたことを知った主人公・花垣武道（はながきたけみち）は佐野を救うべく過去へと戻った。
過去ではすでに東京卍會は解散しているため、佐野を救うためチームを作ろうと仲間集めをしようとする。だがかつての仲間たちは皆、自分の人生を歩んでいるため花垣は、自分のワガママに彼らを巻き込めないと考えた。そこへ龍宮寺堅（りゅうぐうじけん）からバイク修理が終わったと連絡が入る。花垣は、龍宮寺に再びタイムリープした事やその理由を話すが、彼は佐野は花垣殺害も厭わないと苦言を呈した。そんな2人の前に六破羅単代（ろくはらたんだい）総代・寺野南（てらのさうす）が現れ、花垣たちに乾青宗（いぬいせいしゅう）を投げつけてきた。
寺野の目的は龍宮寺の勧誘だったが、龍宮寺はそれを一蹴する。寺野は一方的に攻撃を続け、龍宮寺が膝をついたため、ターゲットは花垣へと移った。しかし、そこへ瓦城千咒（かわらぎせんじゅ）が首領を務める梵（ブラフマン）が現れ、No.2の明司武臣（あかしたけおみ）は花垣に向かって「オマエをスカウトしに来た」と告げる。現在関東で台頭する3つのチームのうち2チームが現れた上、梵が自分をスカウトしに来たことに驚いた花垣。しかし、そのスカウトに待ったをかけたのは六破羅単代の鶴蝶（かくちょう）だった。鶴蝶に続き斑目獅音（まだらめしおん）や灰谷蘭（はいたにらん）、灰谷竜胆（はいたにりんどう）ら元・天竺（てんじく）のメンバーが続々と登場した。花垣は実力者揃いの六破羅単代に焦るが、明司は依然余裕な態度を見せ「千咒」と呟いた。すると寺野の元に傘が飛び、間髪入れずに瓦城が寺野にかかと落としを決めた。寺野よりもはるかに小柄な人物に攻撃をされたことに斑目は怒りを見せるが、「9代目黒龍…」と名乗ったところで荒師慶三（あらしけいぞう）に瞬殺された。
荒師は班目を「黒龍のツラヨゴシ」と呼び、乾は荒師を「初代のベンケイ君」と花垣に説明した。しかし、鶴蝶は荒師の不意を突き殴り飛ばし「不良の世界に戻ってくるなら、オレら六破羅単代だ」と宣言した。その発言に驚く花垣に対し、明司は鶴蝶が一発で荒師を殴り飛ばしたことに感心し「血が躍るだろ？ワカ」とつぶやく。すると鶴蝶の後ろから「踊らない」と今牛若狭（いまうしわかさ）が登場し、鶴蝶は驚いてその場を飛びのく。乾は今牛と荒師の姿を見て「あれが生きる伝説、初代黒龍の最強コンビ。ワカとベンケイ」と説明し、続けて明司についても「初代黒龍副総長」であると紹介した。両チーム強者が揃い、大乱闘が始まろうとしたが、遠くからパトカーのサイレンが聞こえたためその場は収まった。
両チームが解散した後、花垣は梵について乾から「暴走族よりももっとヤクザに近い、大人の愚連隊」という事や「黒い噂も付きまとう」という事を教えられる。しかし、梵の目的である関東卍會を潰すことが、花垣の目的である佐野をぶっ飛ばすことと共通であったため、花垣は晴れて梵のメンバーへと迎え入れられた。花垣は、瓦城に荷物持ちに任命され、翌日原宿での買い物に付き合うことになる。そこで花垣は少し先の未来を見られる未来視の力が開花した。花垣は突如開花した力に困惑しつつも、梵の集会へ参加、そこで7月14日に六破羅単代と関東卍會を同時に潰す三天戦争決行が宣言された。

三天戦争

三天戦争の宣言後、瓦城は明司が梵を大きくする前に「三天時代に決着をつける」ために三天戦争を宣言したことを花垣に打ち明ける。
そんな2人は、ジェットコースターを降りた後に見つけた短冊を書いた。初めての経験に「友だちって思ってもいいか？」と問いかける瓦城に、花垣は「もちろん」と笑って握手をした瞬間、未来視が発動し瓦城が血を流す姿を見た。鮮明に見えた光景に戸惑いながらも、瓦城を守るために周りに気を配る花垣。瓦城がトイレに行った後、彼女を追いかける花垣の前に数人の男が現れ、そのうちの1人が自分に銃口を向けた事で初めて自分がターゲットであることを悟った。花垣は、自分を守ろうとする瓦城を押し倒す形で1発目の銃弾をかわすが、すぐに次の銃弾が放たれたが、龍宮寺の登場により花垣たちは守られた。2発目の音により、無関係の人々たちが騒ぎ始めたために男たちはその場を後にした。しばらくして救急車が到着したが、龍宮寺はその場で死亡が確認された。龍宮寺の死を知った明司は、荒師にメンバー招集を命じ、六破羅単代を潰すと息巻いていた。そこへ「こっちから出向いてやったぜ」と寺野ら六破羅単代と、佐野ら関東卍會が現れた。3チームが揃ったことにより、龍宮寺の弔い合戦と三天戦争が始まった。
梵、六破羅単代、関東卍會の3チームが入り乱れ戦う中、瓦城は怒りに身を任せた明司を止めようと走り出そうとしていた。しかし「この戦争は異常だ。まだ死人が出る」と今牛が止め、龍宮寺という男の死が及ぼす影響の大きさを瓦城に伝えた。そして花垣へ瓦城を頼むと告げ、荒師と共に戦場へと姿を消した。怒り心頭の明司は真っ先に寺野へ向かっていったが、寺野の前に立ちはだかる六破羅単代メンバーに阻止され、そのまま寺野に殴られようとしていた。それを荒師が防ぎ、間髪入れずに今牛が寺野の後頭部へ蹴りを入れた。今牛はその後も寺野に蹴りを数発入れた後、荒師が寺野を殴り飛ばす。しかし、寺野は猛攻を受けてもなお立ち上がったかと思えば、収まらない自身の内側にある衝動に任せ、今牛と荒師を瞬殺した。瞬殺された生きる伝説コンビの後を瓦城が引き継ぐも、寺野と大きな体格差があり、押されてしまう。寺野は収まらぬ衝動のまま、佐野の元へとたどり着き黒い衝動を解放した佐野と対峙した。佐野の攻撃に寺野はボロボロになっていくも、本人は全く気付かずとうとう花垣が2人の間に割り込み止めようとするも佐野に腕を折られ、戦いは続いた。寺野が攻撃できなくなっても佐野は一方的に寺野を殴り、とうとう殺してしまう。花垣は血まみれの寺野に駆け寄るも、彼は呼吸をしておらず「死んでる」と呟いた。花垣の言葉に九井は焦り、関東卍會の勝利を宣言し「立てねぇ奴には肩貸してやれ！」と叫び、迅速な解散を促した。
寺野が死んだ後も黒い衝動を解放したままの佐野は、花垣を一方的に殴り続けた。このままでは花垣が死んでしまうと焦った瓦城は、2人の間に割って入り、梵の解散を宣言し、2名の死者を出した三天戦争が終結した。

最終決戦

死者2名、梵の解散という悲惨な結果に終わった三天戦争終結からしばらく経ち、花垣は自分が総長、相棒である松野千冬（まつのちふゆ）を副総長に置いた2代目東京卍會を結成。8月31日に元・東京卍會メンバーらに声をかけた花垣は、9月9日に旧湾岸貨物操車場にて、関東卍會と最終決戦を行う事を宣言した。
9月9日、決戦の場にて対峙した関東卍會には、三天戦争により六破羅単代を吸収したため、鶴蝶や灰谷兄弟の姿や、なぜか今牛と荒師の姿もあった。かつて明司と共に自分のチームとして戦っていた今牛と荒師が、なぜ関東卍會側にいるのかと瓦城は驚きを隠せなかった。そんな関東卍會は500人という大人数、対する2代目東京卍會はわずか50人。人員的にも戦力差が明らかだったが、2代目東京卍會は誰1人として怯むことなく関東卍會へと向かっていった。
戦いの最中、乾は幼馴染で10代目黒龍としてともに柴大寿（しばたいじゅ）の下にいた九井一を（ここのいはじめ）を必死に追いかけていた。そんな2人の元へ貨物コンテナ上から今牛が姿を現し、乾と今牛の戦いが始まった。一方、花垣の友人である千堂敦（せんどうあつし）が斑目に勝利。2代目東京卍會の隊員たちは、幹部が全勝している事に対し「東卍」と声を上げ活気づいていた。乾は今牛になぜ関東卍會に居るのかと尋ねるが、今牛は「さぁね。後ろにいる奴に聞いてみな」とはぐらかす。今牛の言葉に慌てて振り返った乾は、荒師の平手打ちにより倒された。初代黒龍のメンバーで、生きる伝説コンビと称される2人を相手にしていた乾はすでにボロボロ、一方の今牛と荒師は乾がいくら攻撃を打ち込んでも倒れることはなかった。そんな乾に対し「終わりだ、青宗」と荒師が拳を繰り出した瞬間、味方であるはずの九井が荒師を殴った。味方の裏切りに驚く荒師だったが、九井は関東卍會脱退を宣言し、乾と共に戦う事になり2対2の戦いへと移った。しかし、相手は生きる伝説コンビとして名を馳せ、実力差もあった。そんな今牛らの攻撃に防戦一方だった乾と九井は2人そろって倒れた。
次々と幹部が倒され、関東卍會が優勢になる中、自身の計画を阻止された三途春千夜（さんずはるちよ）は花垣に刀を向けるが、単走してきた大寿のバイクが三途へと突っ込んだ。予想外の人物の参戦に場が驚きを隠せずにいる中、、大寿は佐野までの道を切り開くと言い、花垣はその後を付いていった。しかし、目の前に今牛と荒師が立ちはだかり、抜群のコンビネーションで大寿に攻撃を打ち込んでゆく。そしてついに今牛が止め、荒師が仕留める逆落（さかおとし）と言う技を繰り出す態勢に入った。瓦城は、道場破りが来た時に1度その技を見たことがあると告げ、大寿が死んでしまう事を恐れた。しかし大寿はそんな2人を簡単に止め、地面にたたきつけた。
花垣はついに佐野の元へたどり着き、未来視の力を使い佐野の攻撃を避けながらとうとう1発食らわすことに成功した。そんな花垣に対し、ビデオレターなどで自身から遠ざけたはずなのにと怒りを見せる佐野は、今牛から三天戦争の数日後に黒い衝動が何なのかを教えられたと告げた。佐野は、黒い衝動は愛から生まれたことや、自身の兄・佐野真一郎（さのしんいちろう）がタイムリーパーであることを花垣に打ち明けた。

最初の世界線

ある日、真一郎は妹の佐野エマ（さのえま）や佐野にお土産を買って帰ろうと考え、ぬいぐるみとコンコルドのプラモデルを2人にプレゼントした。しかし、その1か月後に佐野は階段から落下、植物状態となってしまう。真一郎は自分が与えたプラモデルが原因だと考え、帰宅後にプラモデルを破壊する。
事故から4年後、真一郎は介護資格を取るために、佐野の入院する病院で働き、彼のそばを離れなかった。しかし、祖父・佐野万作（さのまんさく）が死に、エマも家出し佐野家はすでに崩壊していた。そこへ追い打ちをかけるように、7月20日、佐野が死亡した。
佐野が死んでから4年間、真一郎は様々な宗教や怪しい療法などに手を出したと今牛に話した。今牛はそんな真一郎を見て、自分の店で朝まで飲もうと誘ったが、肝心のキャストは皆先に入った団体に取られてしまった。そこで路上生活をするタイムリーパーの情報を手に入れた真一郎は、彼の元を尋ね「どうやったら過去へ戻れる」と問いただす。常軌を逸したその雰囲気に、今牛は止めようとするも聞く耳を持たない真一郎の姿に踵を返しその場を後にした。今牛が去った後、ホームレスの男へ詰め寄る真一郎に対し男は「オレはこの力が欲しくて欲しくて、前の奴を殺して手に入れた」と告げた。その言葉に真一郎は鉄パイプで男を殴りつけ殺してしまう。
翌日、人を殺した罪悪感や佐野の死の重みに耐えきれなくなり、橋の上から投身自殺を試みた真一郎。しかしなぜか死んでおらず、4年前で目を覚ました真一郎。驚きながらも元気な姿の佐野を見て、彼の死を阻止することを決意。結果的に佐野は死なずに済んだ。そんなある日、佐野は友人である春千夜の口元を裂いてしまう。一生残るような傷をつけた弟の許されない行為を承知の上で、真一郎は春千夜に友人でいてほしいと頼み、彼も了承し、握手を交わす。すると真一郎は2003年の現代へ戻ってきていた。現代でも佐野は生存しており、真一郎はその姿を見て泣き崩れた。一方、春千夜は自分の中に佐野が死んで、真一郎が介護士になった記憶と、現在の記憶の2つがある事を真一郎に相談した。真一郎は、春千夜がタイムリープするための自分のトリガーだったことを悟り、自分がタイムリーパーであり、その力は人を殺して手に入れたものであると打ち明ける。
ある日、複数の中学生に立ち向かう花垣を見かけた真一郎は喧嘩を仲裁。ヒーローのような真一郎の姿を見た花垣は真一郎のようになりたいと告げ、それに対し真一郎は「君にいつか本当に守りたい人が出来て、どうしようもなくなった時、この力を使うといい」と伝え握手をした。こうして真一郎がホームレスの男から奪った力は、花垣に譲られた。そしてその翌日、真一郎は場地圭介（ばじけいすけ）と共に窃盗に入った羽宮一虎（はねみやかずとら）に殺害された。

最終決戦／黒い衝動の解放

タイムリープの能力を手に入れるため、前の能力保持者を殺した真一郎が受けた最初の世界線での呪いが黒い衝動の正体だった。それは佐野の周囲の人にも影響を及ぼしながら、年々抑えることが難しくなっていった。そんな佐野の告白に、花垣は黒い衝動を解放していいと告げる。
花垣の言う通りに黒い衝動を解放した佐野は、近くに落ちていた春千夜の刀を手に取った。そして躊躇なく花垣を斬りつけ、とうとう刺されてしまう。それを受け、正気に戻った佐野は焦るが、花垣は握手をしてもう1度過去へ戻ろうとする。しかし、何度も攻撃を受けてきた花垣は、その場に座り込んでしまう。佐野は泣きじゃくりながら花垣の手を握った。最終決戦はどちらのチームの勝敗もなく、強制的に幕を閉じた。

最後の世界線

佐野の持っていた刀で刺された花垣だったが、絶命する寸前にさらに過去へタイムリープした。
目覚ましの音で目を覚ました花垣は、時計が表示した1998年の日付を見て、混乱しつつも佐野家へ向かい、インターフォンを鳴らそうとした。するとそこへ芭流覇羅（バルハラ）との抗争で命を落とした元・壱番隊隊長である場地が声をかけてきた。場地は花垣を怪しみ、殴ってしまい、騒ぎを聞きつけ真一郎や佐野の妹であるエマもやってきた。自身の状況についてどう説明しようか悩んでいた花垣だったが、そこへ佐野本人が登場し「マイキー君」「タケミっち？」と名前を呼び合ったことで、花垣は自分だけでなく佐野もタイムリープしていることを知った。佐野と花垣は、東卍結成以前にタイムリープしたことを利用し、花垣の彼女・橘日向（たちばなひなた）死亡や他の抗争などを回避すべく奔走した。はじめに、日向死亡の原因であった稀咲鉄太（きさきてった）を東卍へ引き入れたり、羽宮が真一郎殺害を回避するようにと先回りした。そして、以前歩んだ世界線で対立していたチームを取り込み、一大勢力へと成長した東卍は、花垣と佐野のリベンジが終わったこともあり解散した。

それから11年後、花垣と日向の結婚式が開かれ、式には東卍メンバーや真一郎、エマらが参列した。皆それぞれ自分の人生を歩んでおり、今牛は荒師と共に五条ジムを経営していた。そんな五条ジムには、世界総合格闘技ヘビー級王者となった寺野が帰国するたび入り浸っている。

今牛若狭／ワカの関連人物・キャラクター