草摩楽羅(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩楽羅(そうま かぐら)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する、亥(猪)の物の怪に取り憑かれた人物である。猫憑きである草摩夾の妻になると公言し、可憐な美少女ながら、猪さながらの猛アプローチを繰り返す。夾を追いかけ始めた本当の理由は、彼の「真の姿」に怯えて逃げた過去をなかったことにする為だった。辻褄合わせで始まった恋だが、いつしか本当に夾を愛するようになっていた。夾の気持ちが主人公の本田透に向いていることもあり、最終的に身を引く。

ある日、街を歩いていた楽羅は突如呪いから解放された。生まれた時から楽羅の心に住んでいた物の怪が去っていく。完全な人間になれた喜びがあったが、ずっと自分の一部であった物の怪との別離の寂しさもあり、楽羅は人目を憚らず声を上げて泣いた。
楽羅だけではなく、全員が呪いから解放された。後日、十二支だった者たちが本家に集められる。
慊人は、振り袖を着て現れた。物の怪憑き出会った者たちが本来の姿に戻れたので、自分もそうすると慊人はいう。慊人を男性だと思っていた楽羅たちは驚く。もう神ではなくなったが、当主として十二支たちを守ると慊人は言った。
正式な十二支の一員ではなかったが、夾もいた。未だに気まずさはあったが、楽羅はいずれいい人を見つけると決めた。その時には大いに自慢をするから、夾たちには幸せでいてほしいと楽羅は望む。

草摩楽羅の関連人物・キャラクター

楽羅の母

CV:木村亜希子(新アニメ版)

極端に過保護になるか、我が子を拒絶することが多い物の怪憑きの親の中でも過保護型に相当する。楽羅を心配し、物の怪憑きである娘のことで夫と度々衝突していた模様。

草摩夾(そうま きょう)

CV:関智一(旧アニメ版)、池田恭祐(旧アニメ版幼少期)、近野桂介(旧アニメ版中1頃)、内田雄馬(新アニメ版)、泊明日菜

猫憑きの少年。歴代の猫憑きと同じくオレンジ色の髪を持ち、本来の姿を封じる数珠をしている。猫憑きの常で一族中から疎外されており、高校を卒業すれば幽閉される身。ぶっきらぼうではあるが根は優しい。幼い頃に母が自殺しており、先代猫憑きの孫である藉真に引き取られた。楽羅より2歳年少。
母が存命中他者との接触を禁じられており、楽羅は「自分も物の怪憑きだから」と夾を遊びに誘った。数珠を外した姿を見た楽羅は怯えて逃げてしまうが、その後は夾の妻になると言い、夾を追い回すようになる。
楽羅が夾に最初に声を掛けた本当の理由が自分への優越感であること、押しかけ女房のような行動も全て猫憑きである夾を化け物と見なしていたが故の辻褄合わせだとの懺悔を聞く。理由はどうでも一緒に遊んでくれた楽羅には感謝しており、自分を責めるようなことは言わなくていいと言った。この時、楽羅を異性として好きになることはないと断言。楽羅をフッた形にはなるが、彼女がいつしか自分に対し本気の恋心を抱いていたことを知った時は、楽羅が泣き止むまでその場にいることで涙を受け止めた。

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草摩依鈴(そうま いすず)

CV:桑島法子(旧アニメ版)、豊崎愛生(新アニメ版)

午(馬)の物の怪憑き。クールな印象の妖艶な美少女。他者に冷たい態度を取るが根は優しく、恋仲である草摩潑春(そうま はつはる)を呪いから解放するため1人で行動する。幼い頃両親の虐待を受け、捨てられてしまう。その後は楽羅の家に引き取られた。機能しなくなった自身の家とは違い、平穏な楽羅の家にはなじめずにいた。
楽羅の夾に対する想いが辻褄合わせであることに気付いており、「もうやめたら」と声を掛けた。後に透に心を開く。夾に惹かれながらも想いを伝えない透を楽羅が殴った時、依鈴は楽羅に抗議をした。

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本田透(ほんだ とおる)

CV:堀江由衣(旧アニメ版)、石見明日菜(新アニメ版)

主人公。草摩家とは何の関りもない一般人。母子家庭で育ち、母を失った後はテントで生活をしていたが、崖崩れでテントが土砂に埋まってしまった為に紫呉の家で暮らすことになった。少し変わった敬語で話す。
夾と1つ屋根の下にいることから初めは楽羅に警戒されるが、「誰かを愛せるのは素晴らしい」と言ったこともあり、仲良くなる。十二支になれなかった猫への同情心から「猫年ファン」になったものの、夾に対しては本心から一緒にいたいとの思いを抱く。
しかし、1番大切なのは母だと思おうとしており、夾への想いを否定し続ける。ようやく自身の気持ちを自覚し、口にした際楽羅から「そういうことは本人に言いなさい」と説得された。

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草摩楽羅の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「会いたかったぁ!心配しただろがぁ!」

紫呉の家で夾と再会した楽羅は、「会いたかったぁ!心配しただろがぁ!」と言って夾を文字通り振り回す暴挙に出る。登場時の清楚な印象とは異なる暴走ぶりには透のみならず、読者も驚いた。猪らしい猪突猛進ぶりの描写である。

「大好きだよぉ」

夾への求愛が本心ではなく、彼を見下していたことへの罪悪感と辻褄合わせから来るものだったと楽羅は告白する。夾はそれでも一緒にいてくれたことに礼を言い、自分を責めるなと口にした。
全てを話してすっきりしたと言う楽羅だったが、いつの間にか本気で夾に恋心を抱いていたことを自覚。涙ながらに「夾ちゃん」と連呼をし、楽羅は「大好きだよぉ!」と叫んだ。
辻褄合わせにせよ本物であったにせよ、楽羅の夾への想いは決して成就しない。それを分かった上でこの言葉を吐いたのは、自身の想いにけりをつける為でもあった。夾は楽羅の想いを受け入れることはできないものの、「ありがとな」と言って涙を受け止める。

えどまち
えどまち
@edono78

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