草摩綾女(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ
草摩綾女(そうま あやめ)とは、高屋奈月の漫画作品『フルーツバスケット』に登場する巳(蛇)の物の怪憑きで、主要人物の1人の草摩由希の兄である。女性と見まがうロングヘアと美貌、詩的かつ大仰な口調と振る舞いが特徴。学生時代、己の自由と引き換えに由希を無視していたことを後悔しており、関係改善に努める。同級生の草摩紫呉と草摩はとりとは「真のマブダチトリオ」を自称する。洋裁店を営んでおり、店員の倉前美音とは恋仲でもある。
倉前美音(くらまえ みね)
CV:高橋美紀(旧アニメ版)、井口裕香(新アニメ版)
綾女の店の従業員であり、理解者。登場時からメイド服を着ているが、これは店の制服ではなく美音自身の趣味。明朗な性格で振る舞いも軽快。その一方で気配りに長け、綾女と由希を2人きりにする為に「服を選んであげる」と透と共に別室に入った。かわいい女性にかわいい服を着せるのが好きで、綾女たちを兄弟水入らず目的こそあったが透に着せる服をノリノリで選んだ。
綾女のことは「テンチョ」と呼ぶ。呪いのことは知っており、綾女に対して「ゾッコン」な為、たとえ呪いが解けずとも彼のそばに居続けると決めている。
終盤、呪いが解けた綾女から改めてプロポーズを受け、涙を流した。
草摩綾女の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「聞いてくれたまえとりさん!」
由希との距離が縮まる、由希に褒められるなどすると、綾女は「聞いてくれたまえとりさん!」と電話やメールで尊敬するはとりに報告を始める。短い言葉ではあるが、由希やはとりへの愛情、喜びが見受けられる。
「カンドラ様の説明がまだです」
高校時代、校長に長髪を咎められた綾女は「僕は王族の人間なんです」と言い、「何故王族が長髪なのか」についての神話めいた物語を語り出す。矢継ぎ早に紡がれる内容に慄いた校長は急用を思い出したとその場を逃れようとしたが、「カンドラ様の説明がまだです」と言った綾女に止められてしまう。
真面目な由希と同じ容姿と、真逆の性格を持つ綾女の破天荒な一端が現れたシーンであり、大仰なストーリーも相まって笑いを誘う。
「何かをね。作ってみたくなったんだ」
由希は進路のことで悩んでいた。三者面談に両親を呼ぼうにも、由希は彼らから道具扱いされていると感じていた。綾女は、そんな弟に何故自分が服飾店を始めたのかを話す。「王のカリスマ性を持つボクでも、自信がなくなることはあるのさ」と前置きをし、綾女は「何かをね。作ってみたくなったんだ」と続けた。「形あるものをこの手でからも生み出せるということを。自分なしでは存在しない何かがあるんだということを、知りたかったのかもしれないね」と綾女は言い、その上で大事なのは由希がどうしたいかであり、彼が親の道具でもなければ、自分で思うほど独りぼっちでもないと諭す。
自信家で浮世離れした印象すらある綾女だが、自分が見えない愚か者ではない。今の由希と同じくらいの年には自由の為に弟を無視し、拒絶した。そんな過去を悔い、自信を失った時に洋裁を始め、今では客の希望する服を作るまでになった。美音というパートナーと出会えたのも洋裁のお陰である。
自身の経験から、弟を1人の人間として励ますセリフ。尚、由希も小さいながら家庭菜園を持っている。兄の言葉に励まされたこともあり、由希は三者面談に母を呼ぶ決意を固めるのだった。
由希の三者面談に現れた綾女
由希は三者面談の際、自身を道具のように思っている母を呼んだ。由希の予想通り、母は彼の進路を一方的に決め、話を進めようとする。はっきりとした希望があるわけではない由希だが、自分で決めた道を行きたいと言おうとする。しかし、過去のトラウマもあって言い出せなかった。そこに、綾女が現れる。
主要人物の1人である由希の葛藤や苦しみは、度々描写されてきた。その中に、両親に関するトラウマもある。由希にとって自身の母は、自分の地位の為に息子を産み、利用する人物であった。母や、彼女に見捨てられることへの怖れから由希は口をつぐませてしまった。この場面での綾女の登場は、由希にとって自分の意志を述べる為のきっかけであり、読者にも大きな安心感を与える。
「僕は君を愛したくて生まれてきたんだ。やっとそう言える」
呪いが解けた綾女は、恋人でもある美音に「僕は君を愛したくて生まれてきたんだ。やっとそう言える」と言った。
物の怪憑きの中では自由に見える綾女だが、神との絆が愛する者への告白を妨げていた部分もある。物の怪が「神を裏切るな」と声を上げていた為、真に美音だけを愛していると言えない状態にあったのだ。
美音への素直な気持ちと、綾女自身誰に遠慮することなく彼女に気持ちを伝えられる喜びが分かる。
草摩綾女の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
名前の由来は5月の異名「菖蒲月」
綾女の名前は、5月の異名「菖蒲月」から来ている。
本編で描かれなかった綾女と美音の物語
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目次 - Contents
- 草摩綾女の概要
- 草摩綾女のプロフィール・人物像
- 草摩綾女の能力
- 巳憑き
- 洋裁
- 草摩綾女の来歴・活躍
- 神の誕生
- 弟の由希
- 本田透との会話
- はとりの幸福を願う綾女
- 由希の来店
- 由希の三者面談
- 縮んでいく兄弟の距離と変わりゆく由希
- 呪いからの解放
- 草摩綾女の関連人物・キャラクター
- 綾女と由希の母
- 草摩由希(そうま ゆき)
- 草摩紫呉(そうま しぐれ)
- 草摩はとり(そうま はとり)
- 倉前美音(くらまえ みね)
- 草摩綾女の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「聞いてくれたまえとりさん!」
- 「カンドラ様の説明がまだです」
- 「何かをね。作ってみたくなったんだ」
- 由希の三者面談に現れた綾女
- 「僕は君を愛したくて生まれてきたんだ。やっとそう言える」
- 草摩綾女の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 名前の由来は5月の異名「菖蒲月」
- 本編で描かれなかった綾女と美音の物語
- 神や両親に怖れられる綾女