草摩綾女(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩綾女(そうま あやめ)とは、高屋奈月の漫画作品『フルーツバスケット』に登場する巳(蛇)の物の怪憑きで、主要人物の1人の草摩由希の兄である。女性と見まがうロングヘアと美貌、詩的かつ大仰な口調と振る舞いが特徴。学生時代、己の自由と引き換えに由希を無視していたことを後悔しており、関係改善に努める。同級生の草摩紫呉と草摩はとりとは「真のマブダチトリオ」を自称する。洋裁店を営んでおり、店員の倉前美音とは恋仲でもある。

ある日、綾女は土産の桃を持って紫呉の家に行く。誤って由希の服を破いた上、直した際好意で縫い付けた「兄命」との刺繍を嫌がられてしまい、相変わらず兄弟の仲は進展しないと思われた。しかし、意外にも由希が綾女の「店に来るといい」という誘いに賛同。少しでも兄のことを理解したいとの由希の歩み寄りだった。早速はとりに報告し、次の日曜店に来るよう言うと綾女は帰って行った。
日曜、由希は透と共に綾女の店にやってきた。美音の計らいで兄弟水入らずになった綾女は、由希の担任でもある繭子から三者面談を控えているとの情報を仕入れており、自分が行くと申し出る。それに対し、由希は両親を呼ぶと答えた。由希は、自分たちの利益のために自身を本家に売った両親には期待も希望も持っていない。ただ、三者面談などに呼べば、また息子を飼い馴らそうとすることは目に見えている。それが由希には億劫であった。
由希の言葉を聞き、綾女は過去に自分が弟を拒絶したことを思い出す。進路を決めてはいないが、逃げていても仕方がないから両親を呼ぶと言った由希に、綾女は自分が何故この仕事を始めたのかを話す。過剰なほどの自信家の綾女だが、自信を失ってしまうこともある。そんな折、何かを作ってみたくなった。それは、自分なしでは存在しえないものがあると知りたかったからかもしれない。そこまで語り、綾女は「大事なのは、君の気持ちだ。大丈夫だ。君は道具なんかじゃない」と由希を諭す。
手前勝手な自分でも、美音という傍にいてくれる人ができた。由希にもいずれそんな人が現れる。そんな思いを込め、綾女は「君は一人なんかじゃない」と言った。

由希の三者面談

後日、由希の三者面談が行われた。母を呼んだ由希だが、彼女は予想した通り、息子の意向を無視して一方的に話を進めようとする。綾女は少し遅れて三者面談の場に現れた。繭子に花束を渡し、「僕が来たからには、もう安心だ」と言うと綾女は腰かける。
動揺する母に、綾女は冷静に対処する。由希の進路を決める大事な話し合いを邪魔するなど愚の骨頂であった。母は、「今まで放ったらかしにしていたくせに、今更口を出すな」と綾女に抗議する。「あなたと一緒にいたら、由希までろくでもない人間になってしまうわ!」との母の言葉に、由希は「頼りになる人だよ。兄さんは。そりゃ、メチャクチャな所も多いけど…ろくでもなくなんかないよ」と言った。
母の目には、綾女と由希の仲がそれまでになく縮まって見えたようだった。綾女は「分からないのかい?由希はやり直すチャンスをくれたんだよ。あなたに対しても無だったものが有に転じはじめているんだ。あなたはまるで昔の僕みたいだ。どれほど大切なものを踏み荒らし生きてきたか、分からずにいる」と言う。
母は、親である自分に説教をするかのような綾女の物言いに怒り、部屋を後にする。由希は慌てて後を追った。部屋を去り際、由希は綾女に「来てくれてありがとう」と口にする。部屋に残された綾女は、由希に礼を言われたことの喜びなどをはとりへのメールにしたためる。同時に、共に残された繭子と会話をした。
母はあの通り、金や地位を好む人物であり、綾女とは反りが合わなかった。だからこそ、母の期待が次男の由希に行ってしまい、彼を苦しめることにもなったと綾女は言う。それでも頼りになると言われたことを繭子に指摘され、改めて綾女は微笑んだ。

縮んでいく兄弟の距離と変わりゆく由希

高校の文化祭で、由希のクラスは演劇をすることになった。そのことを聞いた綾女は、美音共々高校に乗り出し全員分の衣装を手掛けると宣言。『シンデレラ』がモチーフの演劇で王子役の夾に、見事な衣装を用意した。
その年の正月、綾女たちは本家に戻る。卯年から辰年に代わる年であったため、該当する十二支のはとり、卯(兎)憑きの草摩紅葉(そうま もみじ)が舞を舞った。綾女ははとりの舞の素晴らしさを語り、辰年から巳年に変わる来年は自分も一緒に踊ると張り切り出す。
突如、由希と話していた慊人が怒り、彼を硬いもので殴りつけた。頭部から出血する由希を、綾女は抱える。「死んではいけない!」「気をしっかり持つのだ!」と弟の名を呼ぶ綾女だが、由希の傷自体は大したことがなかった。
はとりはそんな綾女を大袈裟と評するが、由希もはとりも綾女の心配する気持ちは分かっていた。慊人が怒ったのは、由希が「慊人を許す」と言った為だった。それは、自分の不幸を誰かのせいにするのをやめるとの意味であった。しかし、慊人は由希の言葉から彼が自分から離れていくと感じ、激昂したのだ。
綾女は、治療が終わるまでずっとはとりの診療室の外にいた。

呪いからの解放

新しい生活を送る由希たちの為に準備をする綾女(右)と美音(左)。

春になろうかという頃、突如呪いが解けた。巳の物の怪が去っていくのを感じた綾女は、美音を呼び止める。「僕は君を愛したくて生まれて来たんだ。やっとそう言える」そう言って、美音を抱きしめた。神と十二支の絆は、一見自由奔放に見える綾女のことも見張っていた。その枷が消えた今、ようやく綾女は愛する人を抱きしめることができるようになったのだ。
後日、十二支に取り憑かれていた者たちが本家に集められる。由希は、呪いが解けたら自分たちの関係がぎこちなくなるとの不安があったようだ。そんな由希に、綾女はぎこちなくなったりはしないと声を掛ける。
十二支の神でなくなった慊人がその場に現れた。それまで「神だから価値がある」と思い込んでいた慊人だが、透は一個人として彼女を受け入れた為、神をやめる決意ができたようだった。皆が本来の自分に戻れたからと、慊人は振り袖姿で現れる。神ではなくなっても、当主として皆を守るとの決意を述べた。
由希たちが高校を卒業し、皆それぞれの道を歩み始める。綾女は、夾と相思相愛になり彼と共に遠方に行く透の為に衣装を段ボールに詰めていた。子供の巣立ちは寂しいものだが、だからこそ大人は鬱陶しいほどの愛を込めて段ボールにカップ麺やメイド服などを入れるのだと綾女は語る。遠くの大学へ行く由希に送る為の衣装も、既に考えてあった。

草摩綾女の関連人物・キャラクター

綾女と由希の母

CV:大原さやか(新アニメ版)

綾女、由希という2人の物の怪憑きを産んだ。20代後半の息子がいるとは思えない若々しい外見をしている。綾女曰く地位や金を好む人物で、息子たちに親らしい愛情を見せたことはない。子憑きを産んだために一族でも破格の地位と財力を得、夫共々豪遊三昧の日々を送る。
自由奔放な綾女を「馬鹿」と称し、彼に対しては期待をしていない。というより苦手意識すら抱いており、由希の三者面談に綾女が現れた時は錯乱。親である自分に説教するかのような物言いをした綾女に怒り、その場を後にする。
夫共々綾女からは「あの者たち」と呼ばれており、彼からはある種見限られている。

草摩由希(そうま ゆき)

CV:久川綾(ドラマCD/旧アニメ版)、島﨑信長(新アニメ版)、島袋美由利(新アニメ版幼少期)

子(鼠)憑きの物の怪憑きで、綾女の弟。兄と同じく秀麗な容姿を持ち、文武に優れることもあって学校では「王子様」と呼ばれており、ファンクラブまである。性格は兄と真逆で真面目な常識人。「羨ましい」と評される容姿も女顔だからとコンプレックスに感じており、自信は皆無。幼い頃神である慊人に虐待されており、夾や他の物の怪憑きから拒絶の言葉を浴びせられたことも人格形成の一因となっている。
綾女のことは、彼の登場時より「こいつ」呼ばわりするほど苦手に感じていた。紫呉や綾女自身が語る兄の過去を聞いても、尊敬の念を抱けない破天荒なエピソードばかりで、溝は深まる一方だった。
それでも透のとりなしもあり、兄の店に赴くなど距離を縮めようとし始める。三者面談の際、母への苦手意識から自身の希望する進路の中々言えなかった。そこに現れた綾女により、由希は母に自分の望む道について口にすることができた。この時、「兄さんは馬鹿じゃない」「頼れる人」と言った。

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草摩紫呉(そうま しぐれ)

CV:置鮎龍太郎(旧アニメ版)、中村悠一(新アニメ版)、日野まり(新アニメ版幼少期)

戌(犬)の物の怪憑き。通称は「ぐれさん」、「しーちゃん」など。爽やかな美男子で飄々とした振る舞いが多いが腹黒く、慊人を自分だけのものにする為の謀を巡らせる。綾女、はとりとは同い年で「真のマブダチトリオ」を自称する。複数のペンネームを使い分ける小説家で、作家らしく含蓄のある言葉で若者たちを導くこともある。
綾女と仲が良く、互いに「ぐれさん」、「あーや」と呼び合う。綾女のテンションについていける数少ない人物で、彼と会う度他者が立ち入りがたいい会話をし、お互い親指を上げて「よしっ」と言い合っている。

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草摩はとり(そうま はとり)

CV:井上和彦(旧アニメ版)、興津和幸(新アニメ版)、長谷川育美(新アニメ版幼少期)

辰(龍)の物の怪憑き。「真のマブダチトリオ」の1人だが、そのことを自称したことはない。綾女からは「とりさん」と呼ばれる。はとり自身はクールで落ち着いた性格をしている。一族の人間しか診ない草摩家の主治医で、半分は病弱な慊人の世話。十二支の秘密を知った者に記憶の隠蔽を施すこともあり、自身の婚約者だった佳菜から大切な思い出を消す羽目にもなった。
他者に対し冷たいとも取れる言動をとることもあるが、根は優しく思いやりを持つ。さりげない気配りもでき、綾女は自分にはない特性を持つはとりを尊敬し、「やっぱりとりさんには敵わない」と口にしている。綾女を制御できる唯一の人物。綾女からの「報告」を一応聞いてやる描写がある。
綾女は佳菜が他の男性と結婚したことに関し、はとりだけが全てを背負わされていると感じ、「彼女より2000倍も幸せになってもらわないと困る」と口にした。

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えどまち
えどまち
@edono78

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