王様のレストラン(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『王様のレストラン』とは、三谷幸喜脚本、松本幸四郎(現:松本白鸚)主演のテレビドラマである。1995年にフジテレビ系列で放送された。オーナーシェフの死によって経営難に陥り、スタッフもやる気がない、料理も不味い散々な状態の三流フレンチレストラン「ベル・エキップ」。新しくオーナーになった原田禄郎(演:筒井道隆)に頼まれて、かつて伝説のギャルソンとして活躍していた千石(演:松本幸四郎)が「ベル・エキップ」で復活し、スタッフや客を巻き込みながら一流レストランへの再建を目指すドラマである。
本作の主人公。「ベル・エキップ」でかつて伝説のギャルソンとして働いていたが、初代オーナーと対立し店を去った過去を持つ。オーナーの息子である禄郎に会うまでは給食センターで働いていた。「ベル・エキップ」に呼び戻されてからはかつての一流レストランの活気を取り戻すべく奔走する。
思慮深く落ち着いた性格である。理不尽なことを言う客に「お客様は王様。だが王様の中には、首を刎ねられた奴も大勢いる。」と毅然と言い放ち追い返すこともできれば、客の髪にボタンをひっかけてしまった禄郎のミスを「奥様の美しさに若いツバメが引っかかってしまいました。ローストにいたしますか?ソテーにいたしましょうか?」とウィットにとんだジョークで返し場を収めるなど、対応力も高い。
ギャルソンやフランス料理の豊富な知識を持っているが、それ以外の知識に関しては「EUを知らない」「女性の恋愛心理がわからない」など、疎いところもある。「素晴らしい!」が口癖である。好きな歌はつのだ☆ひろの「メリー・ジェーン」であり、ウォークマンで聴いている。
稲毛の処遇を巡り禄郎たちと対立して、店を去る。
原田禄郎(はらだろくろう/演:筒井道隆)
「ベル・エキップ」初代オーナーの愛人の息子。支配人の範朝の腹違いの弟である。オーナーの遺言で突然「ベル・エキップ」のオーナーとなる。それまでは商社の経理で働いていた。
人がよく優しい性格だが、「オーナーだから」とスパンコール付きのジャケットを急にはおりだしたり、朝礼で店を運営するうえで大事な「3つのW」を話しだし、「ひとつめはワッショイ」とするなど、天然なところもある。
経理の知識を活かしながら従業員のクビを切らずに経費削減を実現し、徐々にスタッフの信頼を勝ち取っていく。趣味は電動玩具集めで、範朝と共通している。政子のことが好きになるが、範朝と政子の愛人関係に気が付いていなかった。
稲毛の処遇を巡って千石と意見が対立するが、「稲毛をやめさせるなら一流レストランにならなくてもいい」と啖呵を切り、スタッフを守り抜いた。
磯野しずか(いそのしずか/演:山口智子)
「ベル・エキップ」のシェフ・ド・キュイジーヌ(料理長)。アルバイトで見習いであるスーシェフをやっていたが、オーナーの死後そのまま昇格した。煙草を吸ったり、やる気のない態度で勤務していたが、かつてパリで修行をしていた際に客として通っていた有名レストランの「サーモンの臓物パイ」の味を再現し、千石に才能を見出される。
EU代表の料理を担当した際、その料理に感動した代表がパリの有名店へ引き抜きを持ちかけるが、迷った挙句「ベル・エキップ」で働くことを選択する。サバサバした明るい性格で、好きな歌手は橋幸夫。大ファンでよくウォークマンを聴きながら歌っている。
三条政子(さんじょうまさこ/演:鈴木京香)
「ベル・エキップ」のバルマン(バーテンダー)。範朝のいきつけのクラブのホステスだったのを引き抜かれた。範朝とは愛人関係だった。自他ともに認める「愛人顔」の持ち主である。
千石達に触発されてバーテンダーとしてカクテルの新作づくりに挑むがセンスはイマイチであった。EU代表が料理に口をつけなかった際に「早く食べなさい」と啖呵を切るなど、仲間思いの一面がある。範朝と一度別れ話もあがったが、最終話では結婚し、マダムとして接客にあたるようになる。
水原範朝(みずはらのりとも/演:西村雅彦)
「ベル・エキップ」のディレクトール(支配人)。禄郎の腹違いの兄である。オーナーシェフだった父の店を引き継いだもののすぐに経営が傾いてしまった。そのほかにもカラーひよこやベランダで飼える牛を育てるビジネスなど怪しいことに店の金をつぎ込もうとするなど、ビジネスセンスは皆無である。大学は8年かけて卒業するも、卒論の盗作がばれて除籍処分になる。その後歌手デビューしたが鳴かず飛ばずだった。
ビジネスに才覚はないがひよこをかわいがって育てたり、弟である禄郎の身を案じるなど優しい一面も持っている。
妻との間に実朝(さねとも)という名前の息子がいるが、最終話では別れて愛人だった政子と結婚している。
梶原民生(かじはらたみお/演:小野武彦)
「ベル・エキップ」のメートル・デ・テル(給仕長)。ギャルソンの責任者として勤務しているが、予約客の名前を間違えたり、料理について説明できないなど職務怠慢が目立つ。アダルト雑誌の切り抜きをスクラップにしていて、スケベな話をよくしている。
禄郎に対し、自分は初代オーナーに信頼されていた(実際はそんなことはない)と言ったり、自分の妻と子が店を訪ねてきた際は総支配人(ディレクトール)としてふるまったり、虚勢を張りたがる性格。息子に嫌われていたが、仲間の機転により、総支配人として悪い客を追い返して見直させることができた。
稲毛成志(いなげせいじ/演:梶原善)
「ベル・エキップ」のパティシエ。デザートを作っているが実力は平凡。しずかにも「スポンジケーキは粉っぽいし、ババロアはかたいし、ガトーショコラは艶が悪いし、アイスクリームはざらつくし」など酷評されている。しずかのことが好きで2回告白しているが2度ともフラれている。雑誌でデザートが酷評されてしまい、千石にも辞職を促されたときに動揺してワインセラーに隠れてしまった。その後修業を積み「フルーツのグラタン」を考案し、独創性を千石に認められた。
大庭金四郎(おおばきんしろう/演:白井晃)
「ベル・エキップ」のソムリエ。自分の実力に自信をもっているが第11回ソムリエコンテストでは「最優秀残念賞」を受賞している。ワインについては詳しく、勉強熱心だが自分の好みを客に押し付ける傾向がある。クールな素振りで他にスタッフと一線を画そうとする。しかし千石と禄郎に他のスタッフが反発して協力しなくなったとき、ワインの場所を咳払いで教えたり、梶原の妻と息子が来店する際は寸劇に協力しようとするなど心優しい一面もある。最終話ではバルマン(バーテンダー)も兼任するようになる。
和田一(わだはじめ/演:伊藤俊人)
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目次 - Contents
- 『王様のレストラン』の概要
- 『王様のレストラン』のあらすじ・ストーリー
- 伝説のギャルソンと「ベル・エキップ」の再会
- 見出された才能
- 個性豊かなスタッフたち
- しずかの引き抜き
- 千石の失踪
- 千石との再会
- 『王様のレストラン』の登場人物・キャラクター
- 千石武(せんごくたけし/演:松本幸四郎)
- 原田禄郎(はらだろくろう/演:筒井道隆)
- 磯野しずか(いそのしずか/演:山口智子)
- 三条政子(さんじょうまさこ/演:鈴木京香)
- 水原範朝(みずはらのりとも/演:西村雅彦)
- 梶原民生(かじはらたみお/演:小野武彦)
- 稲毛成志(いなげせいじ/演:梶原善)
- 大庭金四郎(おおばきんしろう/演:白井晃)
- 和田一(わだはじめ/演:伊藤俊人)
- 畠山秀忠(はたけやまひでただ/演:田口浩正)
- 佐々木教綱(ささきのりつな/演:杉本隆吾)
- ジュラール・デュヴィヴィエ(演:ジャッケー・ローロン)
- 前オーナーシェフ(演:中村嘉葎雄)
- ナレーション(声:森本レオ)
- ゲスト出演者
- 失礼な客(演:金田明夫)
- 代議士の奥さんたち(演:島ひろこ、池田のり子、和智恵子、市川眞知子、尾崎ひろみ、金子早苗)
- 西谷藤吉郎(にしたにとうきちろう/演:森廉)
- 西谷美代子(にしたにみよこ/演:松本留美)
- 借金取り(演:六平直政)
- 猿渡大臣(さるわたりだいじん/演:村井国夫)
- 犬丸(いぬまる/演:近藤芳正)
- 馬場(ばば/演:野仲功)
- 迎えに来た人(演:藤村俊二)
- 運転手(演:久保亨)
- 橋幸夫(本人役)
- エキストラ(演:服部幸應)
- エキストラ(演:坂井宏行)
- 謎の中国人(演:三谷幸喜)
- 『王様のレストラン』の用語
- アペリティフ
- アミューズ
- アラカルト
- 「シルブプレ」「ウィ」
- 『王様のレストラン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ミッシェル・サラゲッタの格言
- 「人生で起こることは、すべて、皿の上でも起こる」
- 「まずい食材はない、まずい料理があるだけだ」
- 千石武
- 「お客様は王様である、しかし王様の中には首をはねられた者も大勢いる」
- 「この店は最低ではあるが、素晴らしい!」
- 三条政子
- 「Alors、 mon bebe .Ta bouche ne marche pas」
- 『王様のレストラン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「ベル・エキップ」のモデルは代官山のレストラン「マダム・トキ」
- 「すべてレストランの中で完結させる」という三谷幸喜のこだわり
- レギュラー陣の名前の由来は戦国武将
- 『王様のレストラン』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):服部隆之「Bon courage!! 〜勇気〜」
- ED(エンディング):平井堅「Precious Junk」