あさが来た(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『あさが来た』とは、幕末から明治にかけて活躍した実業家・教育者の広岡浅子をモデルとしたNHKの連続テレビ小説。2015年9月から2016年4月にかけて放送された。平均視聴率は23.5%で、朝ドラとしては2016年当時の最高記録となって話題に上った。
女性の社会進出が難しかった幕末から大正の時代に、女性起業家のパイオニアとして奔走した主人公・白岡あさの物語。銀行、生命保険会社、女子大学の設立という一大事業に邁進するあさと、彼女を支える家族、変化していく社会が描かれる。
山崎の助力により、銀行開設へ向けて順調に準備が進んでいく。そんな中、あさと新次郎は山崎の大蔵省時代の元上司・渋沢栄一(しぶさわ えいいち)に会う。渋沢は銀行経営のことだけでなく、人の教育についても語り、新次郎は大いに感銘を受けた。
ついに加野銀行開設の日を迎える。雁助はあさと徐々に距離を置き始めた千代に、母の働く姿をよく見るよう助言し、加野屋から去っていった。
加野銀行は創業から3年で大阪屈指とも言えるほど成長した。
女性の社会進出について考えたあさは、加野銀行で日本初の女性行員を募集し、4人の女性を採用する。
ある日、加野銀行で働くために藍之助が和歌山から家出してきた。数日間だけ銀行で丁稚奉公をした藍之助だが、知らせを聞いて迎えにきたはつと、祖母のように接してくれたよのの説得によって和歌山に帰っていく。
千代は京都にある女学校へ進学し、家を出て寄宿舎での生活を始めた。
新次郎はこの機にあさと初めての二人旅を提案し、はつのいる和歌山へ向かう。はつや惣兵衛は二人を大いに歓迎した。
その後、どうしても加野銀行で働きたいという藍之助の思いを受け、はつと惣兵衛は3年の期限付きで藍之助に加野銀行で働くことを許した。
女子大学の夢
ある日、加野銀行の行員たちから要注意人物と見なされる成澤泉(なるさわ いずみ)が、あさに面会を求めてやってくる。あさを見つけた成澤は空腹のあまり気を失ってしまい、あさは訳の分からぬまま介抱することになった。後日、改めて訪問した成澤は日本初の女子大学設立について語るが、不審がるあさはその場を去ろうとする。成澤はあさに自分が書いた論文を渡して帰っていく。女子教育の大切さを説いたその論文を読んだあさは、女子の教育をここまで考えてくれる人がいるのかと感激し、成澤への支援を決断する。
あさは大学設立に必要な大金を加野銀行から融資しようとするが山崎から猛反対され、成澤の希望もあり、資金は有志者から寄付を募ることになった。
あさは東京の高名な教育者・大隈重信(おおくま しげのぶ)を訪ね、寄付金を集めるために各地を奔走するが、その努力が空回って銀行に預けた顧客の金を大学設立資金に使っているという噂が立ってしまう。大勢の客が加野銀行に押し寄せて取引をやめると騒ぎ出し、あさは榮三郎と山崎から叱責される。
命の危機
その頃、千代は過去にあった炭坑の落盤事故の折、子育てのために現場を離れたことが原因だとあさが公言していたことを知る。学校が休みに入り大阪へ帰省した千代は、あさと話し合おうとするが、あさは銀行の騒動でショックを受けており、千代との会話を後回しにしてしまう。千代はあさが自分よりも仕事が大切なのだと激昂し、二人は大喧嘩になる。その後、千代に謝ろうとするあさだったが、あさに融資を断られたことを恨む客に包丁で刺され、意識不明の重体になる。長く昏睡状態に陥ったあさだが、千代や新次郎の献身的な看病の末、奇跡的に意識を取り戻す。目を覚ましたあさは、幼かった千代との思い出を大切に思っていることを語り、千代と和解した。
和歌山のはつ夫婦や九州の亀助など、たくさんの人々がお見舞いに訪れる。東京からは大隈重信の妻・綾子(あやこ)が訪れ、女子大学設立の賛同者から署名を集めてきて、多くの女性があさの活動に心動かされていることを伝える。退院したあさは通院しながら治療を続け、また活動を再開した。
眉山家では、加野銀行で働く藍之助に山王寺屋復活の望みを抱いていた菊だったが、銀行は両替屋のようにのれん分けすることはできないと知り、山王寺屋復活の道を絶たれてショックを受け転倒する。腰を骨折した菊は寝たきりになり、はつに看病されるうち心を通わせるようになるが、家族に見守られながら息を引き取った。
眉山家へ弔問に訪れたあさは、今度ははつたちを連れ、体調が優れない東京の両親のもとへ行く。身体を壊した忠興の看病をしていた梨江も体調を崩しており、ほどなくして梨江が息を引き取った。葬儀の後、忠興は幼少のあさに学問を禁じたことを詫び、あさが取り組む女子大学の予定地にするよう今井家の別荘地を寄付した。
生命保険会社の設立
千代が女学校を卒業し、花嫁修業のために大阪に帰ってきた。千代の同室だった親友・田村宜(たむら のぶ)は、あさに憧れ加野銀行で秘書見習いとして働き始める。
そんな折、雁助の妻から雁助が倒れたという知らせが届く。さらには雁助が倒れたことで工場の経営が傾いてしまい、金を用立ててほしいともあった。あさとうめが見舞いに行くと、頭部を負傷して意識不明だった雁助が奇跡的に目を覚ます。話を聞いた雁助は妻の申し出た借金話を取り消して詫びたのだが、榮三郎は雁助や同じような境遇の人を救えないかと思案する。榮三郎は新たに生命保険の事業を始めることを決意し、加野生命を新設する。
眉山家の次男・養之助(ようのすけ)は藍之助に代わりみかん農業を継ぐことにしたが、幼馴染と祝言を挙げた直後、新兵証書を受け取る。養之助が徴兵されることによる人手不足を懸念し、惣兵衛の父・栄達(えいたつ)が加野銀行の藍之助に会いにくる。藍之助は家族のため、銀行を辞めて和歌山に帰る決断をする。
千代の結婚
千代はあさの入院先で偶然知り合った青年・東柳啓介(ひがしやなぎ けいすけ)への想いを募らせていた。東京から恩師の見舞いに来ていた啓介とは二度と会えないと諦めていたが、旅行ついでに加野銀行を訪れた啓介と再会する。
千代の気持ちに気付いたよのは、千代と啓介の縁談をあさに相談する。あさは大隈綾子を通し、子爵家の東柳家に正式に縁談を申し込み、承諾を得た。そのまま順調に見合いの話が進んでいたのだが、内務省への就職を希望していた啓介から断りの連絡が来る。千代の悲しむ様を見て体調を崩したよのは、謝罪に来た啓介にすがりついて懇願する。あさと新次郎は啓介を責めるでもなく、かつて政府官僚を辞めて商業によって国を動かした五代の思い出を語って聞かせる。心を動かされた啓介は悩み抜いた末、千代との縁談を受け入れることにした。千代と喜びを共有したよのは、心穏やかに息を引き取った。
女子大学の設立
女子大学は忠興から譲渡された土地に創設することが決まり、発起人大会を開催する。ついに目標の入学者数を大きく上回る180人の入学者を受け入れ、日本初の女子大学である日の出女子大学校が創立された。
あさは不況が来るのではないかと危惧し、大きく成長した加野炭坑の事業を売却して資金を確保する。
あさの予想どおり大阪恐慌が始まると、預金の支払い停止や倒産を余儀なくされる銀行が相次ぐ中、加野銀行はかつての銀目停止のことを教訓に預金者への支払いを敢行した。あさはこの機に改めて生命保険の重要性に着目し、加野生命を事業拡大・合併させて淀川生命を新設させた。
その後、政府からの救済融資により大阪恐慌は収束した。
新次郎との別れ
千代の祝言が終わった頃、惣兵衛が急に体調を崩してしまう。死期を悟った惣兵衛は家族を集めて感謝を伝えたあと、静かに息を引き取る。弔問に訪れたあさは、はつと悲しみを共有する。
一方、千代が長女を出産し喜びに沸く中、あさは新次郎の異変に気付いて病院へ行くよう懇願する。新次郎は余命幾ばくもないと宣告され、あさは新次郎と残りの時間を過ごすため、すべての仕事から手を引くことを決断する。
女子大学の一期生たちが卒業し、宜は欧米留学へ動き出した。加野銀行を結婚退職した女性行員の一人は、夫から女子大学への進学を許されたと嬉しそうに報告に来た。徐々にあさの努力が実を結び、女性たちが社会に出ることを許されるようになってきたことに新次郎は安堵する。新次郎は自分があさに「ぱちぱちはん」というきっかけを贈ったように、あさもこれから多くの人に「ぱちぱちはん」を届けることを願う。そのまま新次郎は突然倒れて危篤に陥ってしまった。あさは一報を聞いて駆け付けた千代に、新次郎が幼かった自分にかけてくれた言葉を語り、その言葉が嬉しかったあまり新次郎を顧みず、仕事に没頭し過ぎてしまったことを悔いる。医師から新次郎が長くないことを聞いたあさたちは、家族みんなで新次郎を囲んだ。新次郎は一人ずつに感謝の気持ちを述べた後、あさと二人きりになって最期の想いを告げ、静かに息を引き取った。
女性の未来
新次郎の四十九日を終え、あさとはつがこれまでの人生を振り返る。共にできることを尽くしてきたと称え合い、今後はつは家を守り続けること、あさは女性の教育支援を続けることを語る。
それから6年後、あさは別荘で女性のための勉強会を開催することにした。その第1回目、白岡家の女性たちや宜、成澤を招いて女性の生き方について語ったあさ。
話し終えると遠くに亡くなったはずの新次郎の姿を見つける。足を悪くしていたあさだが、新次郎の元へ駆け寄るうちに杖を捨てて若い姿になり、若かりし頃の新次郎との再会を喜んで抱き合うのだった。
『あさが来た』の登場人物・キャラクター
加野屋の人々
今井 あさ(いまい あさ)→白岡 あさ(しろおか あさ/演:波瑠)
本作の主人公。京都の豪商・今井家の次女。
好奇心旺盛で、よく「なんでだす?」と素直に疑問を投げかける。驚いたことがあると「びっくりぽん」と表現する。
幼い頃から女の子らしいことより木登りや相撲が好きで、学問にも興味がある。新次郎と結婚してからは白岡家の家業・両替屋について学び、次第に働き手として認められていく。
石炭に目をつけて炭坑を買収したり、銀行を開設しようとしたり、先見の明がある。また、女子教育にも力を入れ、銀行員として女性を雇ったり、日本初の女子大学の設立を目指したりした。白岡家に訪れた女子大学の女生徒を受け入れ、簿記や裁縫など日常に役立つ生きた学問を教えることにも努めた。
銀目停止や大阪恐慌など、正念場でも諦めない胆力の持ち主。後に「大阪実業界の女傑」と呼ばれるようになる。
趣味は鉄道のテケツ(切符)を集めること。
白岡 新次郎(しろおか しんじろう/演:玉木宏)
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『ON異常犯罪捜査官・藤堂比奈子(猟奇犯罪捜査班)』とは、内藤了が執筆したミステリー小説『猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』シリーズを原作に制作したフジテレビ系列のドラマで、2016年に火曜夜10時ドラマ枠で放送された。新米刑事の藤堂比奈子は異常犯罪者にとても興味をもっていた。どんな気持ちで殺人をしどこでそのスイッチが入るのか興味深いと捜査するが、そこには自分の生い立ちなど関わっており、物語が進むにつれて比奈子の過去や現在の謎にも迫っていくストーリーになっている。
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素敵な選TAXI(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『素敵な選TAXI』とは2014年10月~12月まで放送されたフジテレビの連続テレビドラマである。タクシー運転手の枝分が過去に戻れるタクシーで、いろいろな乗客と一緒に何度も過去に戻ってやり直すストーリー。お笑いタレントのバカリズムが脚本を書いた1話完結のドラマになっている。主演は竹野内豊、メインキャストにバカリズム、清野菜名、南沢奈央、升毅などが出演していて、各話ごとに有名な俳優が登場する。当時、人気ドラマだったため、2020年5月に夜のゴールデンタイムに再放送された。
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キングダム2 遥かなる大地へ(実写映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『キングダム2 遥かなる大地へ』とは、古代中国で“天下の大将軍”となることを目指す少年の活躍を描いた、原泰久の同盟漫画作品の実写映画シリーズ第2弾である。公開翌年となる2023年には、同シリーズ第3弾となる『キングダム3』の公開が決定している。 500年もの間戦乱の中にある古代中国。魏国の軍勢の侵攻を受けた秦国は、これを迎撃するための軍を編成する。ひょんなことから秦国王宮内の人々と知り合った奴隷の少年信は、天下の大将軍になるという夢を叶えるためここに参戦。本物の戦場の中で剣を振るう。
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目次 - Contents
- 『あさが来た』の概要
- 『あさが来た』のあらすじ・ストーリー
- あさと新次郎の結婚
- 家業の危機
- 新たな事業の発見
- 炭坑での攻防
- あさの妊娠
- 炭坑の落盤事故
- 心の友
- それぞれの決意
- 銀行設立と五代の死
- 加野銀行の始まり
- 女子大学の夢
- 命の危機
- 生命保険会社の設立
- 千代の結婚
- 女子大学の設立
- 新次郎との別れ
- 女性の未来
- 『あさが来た』の登場人物・キャラクター
- 加野屋の人々
- 今井 あさ(いまい あさ)→白岡 あさ(しろおか あさ/演:波瑠)
- 白岡 新次郎(しろおか しんじろう/演:玉木宏)
- 白岡 正吉(しろおか しょうきち/演:近藤正臣)
- 白岡 よの(しろおか よの/演:風吹ジュン)
- 白岡 榮三郎(しろおか えいざぶろう/演:桐山照史(ジャニーズWEST))
- 白岡 千代(しろおか ちよ/演:小芝風花)
- 東柳 啓介(ひがしやなぎ けいすけ)→白岡 啓介(しろおか けいすけ/演:工藤阿須加)
- 山本 雁助(やまもと がんすけ/演:山内圭哉)
- 亀助(きすけ/演:三宅弘城)
- うめ(演:友近)
- ふゆ(演:清原果耶)
- 山崎 平十郎(やまさき へいじゅうろう/演:辻本茂雄)
- 田村 宜(たむら のぶ/演:吉岡里帆)
- 山王寺屋の人々
- 今井 はつ(いまい はつ)→眉山 はつ(まゆやま はつ/演:宮﨑あおい)
- 眉山 惣兵衛(まゆやま そうべえ/演:柄本佑)
- 眉山 栄達(まゆやま えいたつ/演:辰巳琢郎)
- 眉山 菊(まゆやま きく/演:萬田久子)
- 眉山 藍之助(まゆやま あいのすけ/演:森下大地)
- 眉山 養之助(まゆやま ようのすけ/演:西畑大吾(なにわ男子))
- 今井家の人々
- 今井 忠興(いまい ただおき/演:升毅)
- 今井 梨江(いまい りえ/演:寺島しのぶ)
- その他の人々
- 五代 友厚(ごだい ともあつ/演:ディーン・フジオカ)
- 成澤 泉(なるさわ いずみ/演:瀬戸康史)
- サトシ/松造(まつぞう/演:長塚圭史)
- 土方 歳三(ひじかた としぞう/演:山本耕史)
- 玉利 友信(たまり とものぶ/演:笑福亭鶴瓶)
- 大久保 利通(おおくぼ としみち/演:柏原収史)
- 福沢 諭吉(ふくざわ ゆきち/演:武田鉄矢)
- 渋沢 栄一(しぶさわ えいいち/演:三宅裕司)
- 大隈 重信(おおくま しげのぶ/演:高橋英樹)
- 大隈 綾子(おおくま あやこ/演:松坂慶子)
- 『あさが来た』の用語
- 銀目停止
- 加野屋
- 山王寺屋
- 加野炭坑
- 加野銀行
- 加野商店
- 加野生命
- 日の出女子大学校
- 『あさが来た』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 白岡あさ「なんでだす?」
- 白岡あさ「びっくりぽん」
- 『あさが来た』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 大同生命がイメージキャラクターとして波瑠を起用
- 人気すぎて脚本が変更された五代
- 山本耕史が再び演じた土方歳三
- 航空自衛隊も動かす人気ぶり
- 多数投稿されたファンアート「あさ絵」
- 『あさが来た』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):AKB48「365の紙飛行機」