ドラえもん のび太とロボット王国(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ドラえもん のび太とロボット王国』とは、2002年3月9日に公開されたアニメ映画作品である。ドラえもんやのび太達は少年ロボットのポコと遭遇する。ポコを助ける事となったドラえもん達は、ロボットが支配する星へ向かう。人間とロボットの共存や、ロボット視点での描写があり、人間とロボットの関係が作品のテーマになっている。また一部シーンでのデジタル加工や、セル画制作が最後である等、制作面における変化が見られる。
『ドラえもん のび太とロボット王国』の概要
『ドラえもん のび太とロボット王国』とは、2002年3月9日に公開されたアニメ映画作品である。劇場作品第23作で、キャッチコピーは「いっしょが、いちばん強い。」である。『月刊コロコロコミック』(小学館)2002年2~3月号にかけて大長編ドラえもんシリーズの漫画作品として連載された。
ドラえもんやのび太達は一体の少年ロボット・ポコと遭遇する。ポコを助ける事となったドラえもん達は、ポコの故郷・ロボット王国へと向かう。そこは王女ジャンヌによりロボット達が支配されていた。
本作品は、人間とロボットとの共存やロボットの視点による描写が描かれている。またドラえもん劇場作品では最後のセル画制作となり、一部場面においてデジタル処理やCGの導入も行われ、よりクリアな映像へと変化していった。他にも、初の公式ウェブサイトの開設等が行われた。1990年代終盤より発売された犬型ペットロボット・aibo(アイボ)のパロディーを取り入れるといった、時事ネタも見られる。また、タレントや役者として人気を集めていた新山千春やKONISHIKI(現:小錦八十吉)が声優として出演したことも話題となった。
『ドラえもん のび太とロボット王国』のあらすじ・ストーリー
ロボット少年ポコとの出会い
とある星にロボット王国と呼ばれる国が存在した。そこに住むロボット達はロボット改造命令により、工場で感情を抜き取られていた。同国に住む少年ロボットのポコは母親ロボットのマリアと逃走を試みるが、ポコは途中で謎の光に包まれ消え去る。
その頃、小学5年生ののび太は、同級生のスネ夫から新しく購入したロボット犬アソボを自慢される。帰宅して二階の部屋にいたネコ型ロボットのドラえもんにペットロボットが欲しいと話す。自分というものがありながら何故そんな事を言うのかとドラえもんは答えつつ、部屋を出て行った。それでものび太は諦め切れず、四次元ポケットのスペアを押し入れから出す。そこから22世紀の未来デパートの商品購入が可能な未来デパート通販マシンを取り出し、大量のロボットを注文・購入する。ロボット達が部屋で大騒ぎをしたのを聞きつけた母親・玉子は二階へ来て驚き、ロボット達へ出て行けと怒鳴った。
外へ出たロボット達は、のび太の同級生のジャイアン達につきまとい、大騒ぎしていた。路上でロボット達を見たドラえもんは、一連の騒ぎについてのび太へ尋ねる。ドラえもんは直ぐに未来デパートへ返品手続きをし、ロボット達は22世紀へ返される。しかし、少年ロボットのポコだけ残されていた。空き地で倒れたポコの体をドラえもんが調べると、別の星で作られたロボットである事が分かる。ドラえもん達はポコを助ける事を決め、タイムマシンに乗り込み出発する。途中でドロイド兵の襲撃や時空間の台風・タイムホールに遭遇し、危機的状況に見舞われるも、ロボット王国へ到着し、同国に住むロボット専門医のチャペックに出会う。チャペックは、伝送マシンの実験を行っており、その際の時空間の誤作動でポコが地球へ送られたのではと話す。ポコはチャペックに修理してもらい、ドラえもん達もチャペックの家に泊まっていく事にした。そこでドラえもん達はロボット王国の成り立ちや、人工知能が搭載されたロボットのジャンヌが女王になったこと、ジャンヌがロボット改造命令を出してロボット達を奴隷として扱う様になったことなど、チャペックからロボット王国について情報を得る。
一方、ジャンヌは、工場で収監されているポコの母マリアのもとへ向かう。唯一改造されていないマリアがロボット改造命令は止めろと訴え、ジャンヌはマリアの言葉に動揺しつつその場を去った。
ロボット同士の戦い
翌朝、ポコがマリアを探そうと姿を消す。ドラえもん達は、チャペックの助手ロボットのクルリンパと後を追う。ドロイド兵に追われているポコを助け出したものの、今度はドラえもんが捕まってしまった。工場へ連行されたドラえもんは、この国のロボットではない為に改造を免れたものの、性能を試そうとロボット同士を闘技場で戦わせる鋼鉄バトルへ出場させられる事となった。またドラえもんは、収監先でポコの母親・マリアと出会い、マリアからジャンヌがロボット改造命令を発令した経緯を聞かされる。ジャンヌの父親だった前国王は国の為に貢献してきたが、不慮の事故により亡くなる。その直後に、軍司令官デスターがジャンヌに歩み寄り、前国王は人間と同じ心があったロボットを見捨てられなかったから亡くなったのだと囁く。その言葉を信じたジャンヌは国王の座を継いだ際、ロボットから感情を抜く命令を出したのだ。ドラえもんが鋼鉄バトルに出場する事を聞いたのび太達は、鋼鉄バトルが行われる闘技場へ救出に向かう。ドラえもんは、巨体の持ち主であるコングファイターと対戦する事となり、四次元ポケットから幾つか出した道具で対抗し、苦戦しつつも勝利する。のび太達がドラえもんのもとへ駆け寄り助けようとした矢先、ジャンヌからコングファイターへロボット改造命令が告げられる。それに憤慨したのび太がジャンヌのもとへ行き、ロボット改造命令は止めろと訴える。のび太の行動に心を動かされたコングファイターから力を借りて、デスター率いるドロイド兵の攻撃を逃れつつ、ドラえもん達は闘技場から脱出する。
ロボット王国救出の道へ
チャペックのもとへ戻ったドラえもん達だったが、既にドロイド兵による追っ手が迫っていた。チャペックから西の位置にある人面岩へ向かう様に指示されたドラえもんは、ドロイド兵から逃げる様にそこへ向かう。その道中でポコは以前、母マリアから聞かされた虹の谷について話し始める。それは、ある星にロケットが不時着し、搭乗していたロボットと少年が西を目指して旅をしていた話。ロボットと少年は力を合わせ、ロボットと人間の理想郷を作り上げた。その理想郷が、虹の谷となったというものであった。チャペックやポコから聞いた人面岩や虹の谷を目指したドラえもん達だったが、行く先で激しい砂嵐が生じる等、旅路は容易ではなかった。ドラえもん達を追跡していたジャンヌも砂嵐に見舞われたうえ、ドロイド兵により崖から突き落とされてしまう。砂嵐の向こうからデスターが現れ、不敵な笑みを浮かべていた。デスターは密かに、ジャンヌからロボット王国の王権を奪おうとしていた。
のび太達が幾ら歩いても先が見えず疲れ切ってその場で動けなくなった矢先、クルリンパが人面岩を発見する。ドラえもんやポコ達がのび太らを人面岩まで運んだ後、ドラえもん達は水がある場所を探しに行く。ドラえもんは湧水を発見し、四次元ポケットから普通のやかんを取り出し水を入れる。ドラえもんは人面岩にいるのび太達のもとへ持っていき飲ませた。そこへポコが負傷していたジャンヌを背負ってやって来た。ドラえもん達がクルリンパに連れられて向かった先にあったのは、とても広い草原だった。そこは虹の谷と言われる場所であり、ロボット改造命令に反対するロボットや人間達が住んでいた。虹の谷まで運ばれたジャンヌは、ポコや住人達との生活を通して徐々に心を開き、マリアを助けて前国王が目指したロボット王国を作る意思を示した。
デスターの本当の姿
ロボット王国の新たな主権者にデスターが君臨していた。王宮へやって来たドラえもん達に対しデスターは、王宮内の操縦席を動かし巨大ロボットとして襲撃を始める。攻撃を避けながら、のび太は取り付けたものを操縦できる秘密道具「何でも操縦機」をドラえもんに出してもらう。そして、近くの建物を巨大ロボットとして動かし、デスターへの抵抗を試みる。慣れない操縦でおかしな動きをしつつも、デスターのロボットを破壊する。すると今度は、ドラえもんがマリアを助けようと走っていき、デスターに頭突きを食らわせ気絶させる。しかし、デスターが気を失う間際にレバーを引き、ドラえもんやマリアがいた場所がロケットとして発射される。惑星に衝突するロケットの中でドラえもんは、衛星中継を通してのび太達に別れを告げる。突然のドラえもんからの別れに悲しむのび太とは対象に、しずかちゃんが伝送マシンで助けられないかとチャペックに尋ねる。対象の居場所が判明しないと使えないと言うチャペック対し、ポコが居場所は分かると言って伝送用の機械を頭に取り付け、ドラえもんやマリア達を意識する。その瞬間、伝送機からドラえもんとマリアが送られて来た。同時に気絶していたデスターも送られて来て、その際に仮面が割れて、中からチャペックそっくりの男の顔が現れる。彼はチャペックの双子の弟で双子の弟で科学者だったが、科学技術を間違った方向に使い、悪の道に進んでいた。チャペックの弟が捕縛された後、ポコとマリアは再会を喜ぶ。その様子を見たのび太達が自分の親に会いたくなったと言い、ポコやロボット王国の住民に別れを告げた。元の世界へ帰ったのび太達は、各々の家に帰宅し親達との再会を喜び、物語は幕を閉じる。
『ドラえもん のび太とロボット王国』の登場人物・キャラクター
メインキャラクター
ドラえもん
出典: catimage.net
CV:大山のぶ代
のび太の世話をする為に22世紀からやって来たネコ型ロボット。のび太の家族と共に暮らしている。お腹の四次元ポケットにはひみつ道具が入っており、様々な場面で活躍する。どら焼きが好物。耳部分をかじられて以来、ネズミが大の苦手である。
ペットロボットが欲しいとねだるのび太に対して、自分があるじゃないかと呆れた様子を見せる。のび太が未来デパート通販マシンで購入した大量のロボット達と外で遭遇する。のび太が勝手に注文したことに気付き、急いで返品手続きをして騒ぎを収束させた。ケガをしている少年ロボット・ポコと遭遇し、彼が地球で作られたロボットでない事が分かると、彼の故郷の星へ助けようとのび太達とロボット王国へ向かった。
ロボット王国にて、ジャンヌやデスターのもとへ捕まり、鋼鉄バトルへ出場させられる。対戦相手のゴングファイターへ四次元ポケットの道具で対抗し、使うタイミングを間違える等して苦戦するも、何とか勝利する。また、日常生活においては冷静さを保つ一方、感情のままに行動をする一面がある。マリアを助けようと単独で一人デスターのもとへ駆け込んだり、元の世界へ帰りのび太の母・玉子と再会した際は号泣したりしていた。
野比のび太(のびのびた)
出典: www.siamzone.com
CV:小原乃梨子
「のび太」と呼ばれる本シリーズの主人公。ドラえもんと一緒に暮らす小学5年生の少年である。ドラえもんと一緒に暮らす小学校5年生の少年である。勉強、スポーツ共に大の苦手である。
同級生のスネ夫が購入した犬型ロボットを見て欲しくなり、母・玉子やドラえもんにねだっていた。ドラえもんのスペアポケットを無断で使用し、大量のロボットを購入する後先考えない行動に走る。一方で、正義感の強さを感じさせる行動も見せる。ロボット王国の鋼鉄バトルへ出場させられたドラえもんを助けに向かい、敗北したコングファイターへ改造命令を出した事に怒り、ロボットの改造は止めろと訴えた。また、デスターが王宮を巨大ロボットとして操縦し襲撃してきた際、自らドラえもんに秘密道具を出すよう頼み、操縦機を使って近くの建物をロボットとして操作してデスターと闘った。
源静香(みなもとしずか)
出典: s1.dmcdn.net
CV:野村道子
「しずかちゃん」と呼ばれる本シリーズの主要キャラクター。同じ小学校のクラスメイトであるのび太から好意を寄せられている。動物のコアラを好み、空き地でスネ夫から犬型ロボット・アソボを見せられた際、自分だったらコアラ型のロボットが欲しいと答えていた。ポコを助ける為にドラえもん達とロボット王国へ向かった際は、ジャンヌのロボット改造命令には異議を唱える等、意見をしっかり持つ。マリアやドラえもんが、惑星に衝突するロケットに乗せられた時は、伝送マシンが使えないかとチャペックに伝える等、咄嗟の機転を利かす。
剛田武(ごうだたけし)
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映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)のネタバレ解説・考察まとめ
『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』とは、藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』を原作とした劇場版映画作品の一つ。2023年3月に公開された。「映画ドラえもん」シリーズ通算第42作目。ユートピア(理想郷)に憧れを抱いた主人公ののび太は、空に浮かぶ三日月型の島を目撃する。しかしその島はすぐに消えてしまった。のび太はその島こそがユートピアだと信じ、ドラえもん達と共にユートピアを探しに、飛行艇「タイムツェッペリン」で時空移動の旅に出るのだった。
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映画ドラえもん のび太の月面探査記のネタバレ解説・考察まとめ
映画ドラえもん『のび太の月面探査記』とは、2019年公開のアニメ映画。日本の国民的人気アニメ映画ドラえもんは今作で第39作品目。物語の舞台は月とカグヤ星。のび太はジャイアンたちクラスメイトを見返すために、月のクレーターにウサギ王国を建設する。そこで偶然月の地下に住む人工生命体エスパルのルカと出会う。ルカと交流を深めていたドラえもん達の前に、エスパルを狙うカグヤ軍が突如現れ、ルカたちをさらってしまう。のび太たちはエスパルたちを救うため、カグヤ星を目指してドラえもんが改造した宇宙船に乗り込む。
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STAND BY ME ドラえもん(スタンドバイミー)のネタバレ解説・考察まとめ
『STAND BY ME ドラえもん』とは、国民的アニメのドラえもん。漫画家の藤子・F・不二雄の作品で、1969年に漫画の連載が始まり、1973年に初のテレビアニメが放送される。1980年に初めて映画化され、これまでに37作品が公開されている。映画「STAND BY ME ドラえもん」は初めての3D映像で作成され2014年に映画公開されており、ストーリーは、ドラえもんとのび太の出会いや幻の最終話などの7種類の原作エピソードが描かれている。
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キテレツ大百科(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『キテレツ大百科』とは、発明好きの小学生が先祖が残した書物『奇天烈大百科』を基に発明道具を作り騒動を起こす、藤子・F・不二雄原作のSFコメディー漫画作品。1988年からフジテレビ系列でテレビアニメ化版(1987年にも特番アニメとして放送)が、2002年にはNHK総合・教育(現・Eテレ)にて実写ドラマ版が放送された。テレビアニメ版は日曜夜18~19時枠(現在は18時枠のみ)のアニメ放送時間枠を盛り上げ、本編やエンディングテーマを楽しみながらも、日曜日が終わる寂しさを感じた視聴者も多い。
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ドラえもん のび太の宇宙開拓史(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』は、1981年3月公開の、藤子・F・不二雄原作『ドラえもん』の長編アニメ化第2作目作品。小学5年生の野比のび太(のびのびた)や同居するネコ型ロボットのドラえもんの部屋と、開拓移民のロップルやチャミーが住むコーヤコーヤ星がつながったことから冒険が始まっていく。本作はベテラン声優がゲストキャラクターを演じたことで知られており、2009年にはリメイク作品となる『映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』が公開された。
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目次 - Contents
- 『ドラえもん のび太とロボット王国』の概要
- 『ドラえもん のび太とロボット王国』のあらすじ・ストーリー
- ロボット少年ポコとの出会い
- ロボット同士の戦い
- ロボット王国救出の道へ
- デスターの本当の姿
- 『ドラえもん のび太とロボット王国』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- ドラえもん
- 野比のび太(のびのびた)
- 源静香(みなもとしずか)
- 剛田武(ごうだたけし)
- 骨川スネ夫(ほねかわすねお)
- ロボット王国の住人
- ポコ
- ジャンヌ
- マリア
- チャペック
- クルリンパ
- オナベ
- ロビー
- アリス
- コニック
- トロイ
- 敵ロボット
- デスター
- ドロイド兵
- コングファイター
- その他
- 野比玉子(のびたまこ)
- ゴンスケ
- 『ドラえもん のび太とロボット王国』の用語
- タイムスペースラビリンス
- タイムホール
- ロボット改造命令
- アソボ
- 未来デパート
- 時限バカ弾
- 本物コピー機
- くすぐりノミ
- 何でも操縦機
- 『ドラえもん のび太とロボット王国』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- スネ夫「僕だってやる時はやるんだ」
- のび太「ドラえもんは道具じゃない、友達だ」
- 玉子「ドラちゃんだって私の子供よ」
- 『ドラえもん のび太とロボット王国』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 異なる作品タイトル
- シリーズ最後のセル画作品
- レジェンド揃いの声優陣
- 『ドラえもん のび太とロボット王国』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):山野さと子「ドラえもんのうた」
- 挿入歌:KONISHIKI with 新山千春「ひとりじゃない 〜I'll Be There〜」
- ED(エンディング):KONISHIKI「いっしょに歩こう 〜Walking Into Sunshine〜」