ドラえもん のび太のワンニャン時空伝(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』とは、2004年3月6日から公開された、漫画・アニメ『ドラえもん』映画化作品である。
ドラえもんやのび太達は、川で拾ってきた子犬のイチや捨てられていた多くの犬や猫をどうにかできないか考えた末、生物が存在する以前の3億年前の世界へ連れて行こうとする。
劇場版第25作であると同時に、長年ドラえもん等のキャラクターを務めた、大山のぶ代ら声優陣が演じた最終作でもある。

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』の概要

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』とは、2004年3月6日から公開された、漫画・アニメ『ドラえもん』の映画化作品である。劇場版第25作(テレビアニメ版第一期シリーズ最終作)であり、小学館・てんとう虫コミックス『ドラえもん』第22巻に収録された短編作品『のら犬「イチ」の国』を原案として製作された。また、『月刊コロコロコミック』2004年2~3月号にて長編漫画版が掲載された。
物語の主人公である猫型ロボット・ドラえもんや小学5年生であるのび太達は、川で拾った子犬のイチや空き地で捨てられていた犬や猫達を引き取る。そして、犬や猫達の安全の為に、生物が存在する以前の3億年前の世界へ連れて行こうと試みる。
本作品にて、CGを用いたり登場キャラクターの動きや表情を豊かに表現する演出が高く評価された。その高評価もあり、商業成績は2001年に公開された『のび太と翼の勇者たち』以来、3年ぶりに30億円越えの大ヒット作となった。更に、本作品の製作委員会は、第22回ゴールデングロス賞特別大賞を受賞した。

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』のあらすじ・ストーリー

突然の出会いと別れ

のび太は、彼と同じ小学校に通う同級生であるジャイアン、スネ夫(すねお)らと河原で野球をして遊んでいた。のび太がボールを受け損ねて川に落とし、ジャイアンとスネ夫が帰っていくなかでボールを探しに行く事となる。のび太は、川の中でボールをくわえた一匹の子犬と遭遇する。のび太はその子犬が溺れそうになったところを助けるが、それにより子犬に慕われて後をついてこられる。その子犬を放っておけなかったのび太は、子犬を連れて帰る事にした。そこでドラえもんとも遭遇し、母・玉子(たまこ)がペットを飼うのを嫌がる事を知っていたので、内緒で子犬を連れて二階へ向かう。ドラえもんが壁かけ犬小屋を出してそこで子犬を飼い始める。のび太はその子犬にイチと名付け、イチとはより親しくなっていった。そんななか、家の屋根に一匹の猫がいるのをのび太が発見し、その猫を窓から中へ連れてきてミルクを与える。雨でずぶぬれだったその猫に対し、ズブとのび太が名付けた。のび太と同じ小学校へ通う同級生のしずかちゃんが空き地の土管に捨てられていた子猫を見つけて、その子猫達も引き取ったのび太達だったが、家で飼う事に限界を感じていた。ドラえもんが犬や猫達の食料の為に未来から無料フード製造機を購入してきた矢先、犬や猫の鳴き声や冷蔵庫から食べ物が減っていた事に異変を覚えていた玉子が二階ののび太の部屋に上がって来る。やむなく犬や猫を連れて、どこでもドアで山奥へ向かったドラえもん達だった。しかしその山奥でも、ペットとして捨てられた多くの犬や猫達がいた。山奥では開拓工事が進められ、数台のブルドーザーを見て危険を感じてその犬達も連れて行き、一旦は空き地の壁に貼られた壁かけ犬小屋の中で住まわせる。そこへ、ジャイアンとスネ夫がゼンマイ仕掛けのおもちゃのネズミを使ってイタズラを仕掛けた事により、ドラえもんは逃げ出してしまう。けれどもジャイアンとスネ夫は事情を知ると、のび太に協力する事にした。そして、犬や猫達を生物が存在しない3億年前へ連れて行く事にして、タイムマシンで向かう。のび太は、ドラえもんが胸につけていて様々な道具を出せる四次元ポケットと同性能のものであるスペアポケットを拝借しており、そこから無料フード製造機を取り出す。これが操作できる様に、進化退化放射線源(しんかたいかほうしゃせんげん)を使う。この道具から発する光を浴びた生物は、進化または退化した姿となる。イチは二足歩行で知能が高くなり、簡単に無料フード製造機を使えるまでとなった。のび太達は、イチを含む他の犬や猫達が食料と住む場所が確保できた事に安心する。そして、また会いに来ると約束して帰って行く。

都市繫栄の光と影

のび太達がスペアポケットを勝手に持ち出して3億年前へ向かった事に、ドラえもんは怒っていた。その怒りを宥めるのび太やしずかちゃん達と共に、結局そのまま彼等とイチ達のもとへ向かう事となったドラえもんである。しかしその際に、時空間のねじれゾーンが発生する。その影響で幼少化(のび太、ジャイアン)や成人化(しずかちゃん、スネ夫)といった現象が起き、ドラえもんが制御ボタンを押した事でねじれゾーンから逃れた。ねじれゾーンの余波により、3億年前から1000年後の世界へたどり着く。
着いた場所は、ワンニャン国という発展都市であり、街では服を着用し二足歩行している犬や猫達が生活をしていた。わずか1000年程でここまで発展するのかと動揺しつつも、のび太はイチらと別れる前に、生物の進化や退化を操作する光を放つ事ができる進化退化放射線源(しんかたいかほうしゃせんげん)を置いていった事を思い出した。それにより、犬や猫達も次々と進化していき、短い時間で街としても栄えていた。一方で、ドラえもん達がこの世界へ不時着した際、タイムマシンが故障していた。それでも、ここまで発展した都市でなら直ぐにでも修理できるだろうとドラえもんは前向きだった。タイムマシンが直る間、この街にいる事にしたドラえもん達はわんにゃんごっこつけ耳をつけ犬や猫に扮して、街中へ入る事にした。ドラえもん達が街のレストランに入ると、歌のショーが始まる。歌を披露する猫のシャミーにドラえもんが一目惚れをして、その場で花束や鈴等を取り出し、プレゼントしようとする。その時、犬のダクがドラえもんの鈴を盗み去っていく。のび太達は後を追うが、ダクには他にもチーコやブルタローら仲間がいて、彼等が連携をして鈴をパスする等をして逃亡を続ける。ドラえもんは、超能力の様に目の前のものを操れる念力目薬(ねんりきめぐすり)を使い鈴を持ち去ろうとしたチーコの動きを止め、ジャイアンとブルタローが力比べを行っていた。一方ののび太はダクの仲間の一人であるハチがイチに似ている事に気付き、思わず声を掛ける。盗んだ鈴がワンニャン国のエネルギー源・ノラジウムでなかったので、それをのび太に返したハチだったが、イチであるという事は否定した。またハチ達は、街の娯楽施設・ネコジャーランドへ遊びに行った時に親達が失踪してしまった事を話し、それ以降ハチ達は街の片隅で一緒に暮らしているとの事。ネコジャーランドを作った大富豪ネコジャラは大統領選挙に出る程の権力を持っており、警察も手が出ない。それでも、ハチ達は失踪した親やネコジャーランドの秘密を探ろうとしていた。ドラえもん達は力を貸すと話す。
ハチは街の警察に追われるなかノラジウムの原石を盗み、それを止めようとするのび太だったが、ハチを見失ってしまう。しかし、ハチ達がネコジャーランドへ向かったのではと考え、同施設へ向かったドラえもん達だった。のび太やジャイアン達はネコジャーランド内でアトラクションを楽しんだりしていた。またシャミーによる歌のショーも行われ、ドラえもんはまたも観客を押しのける如く、シャミーの目の前に向かっていた。その矢先に突如、隕石が落ちて来て、施設全体が破壊される。この際にシャミーをかばおうとしたドラえもん、近くにいたのび太達が地盤が崩れて地下に落ちる。ドラえもん達が落下すると、その地下でネコジャーランドについて探ろうと穴を掘っていたハチ達と遭遇する。地下で落盤が起こりそうになった直前で、のび太がハチをかばう。一同が、がれきの山をドラえもんの道具・もぐら手ぶくろで掘り進むと、地下にある研究施設まで辿り着く。そこで働かされていたダクやチーコらの両親を見つける。チーコが思わず親のもとへ歩み寄った事で警備員に見つかる。ドラえもんがポケットから即席落とし穴や暗くなる電球等の道具を出して、警備員達に対抗するもシャミーの事を思い出して、のび太達を置いて一人で駆け出す。取り残されたのび太達は、警備員に取り押さえられてしまう。ドラえもんはというと、ネコジャラの側近ニャーゴに連れて行かれているシャミーを見つける。ドラえもんがシャミーを助けようとした弾みで、ニャーゴからの攻撃を受けてその場で失神する。

地球滅亡の危機

ドラえもんが気が付くと、ネコジャラの屋敷内で拘束されており、目の前にネコジャラ本人がいた。ネコジャラの祖先はのび太がイチらと共に拾ったネコのズブであり、イチと同じく進化退化光線銃で知能が発達していた。しかしイチとは違い、犬や猫達を捨てた人間達への恨みを持ち続け、それを闇の黙示録と呼ばれる書物に記していた。闇の黙示録の内容をネコジャラが受け継いでいた。そして、かつてイチが開発したタイムマシン・時の方舟を改良したうえで、未来へ向かい、現代社会の人間に復讐しようと企てていた。また闇の黙示録にはドラえもんの事も記載されており、ネコジャラはドラえもんを復讐の道具として利用しようとする。更にネコジャラは、現代の世界に向かい、進化退化光線銃で人間を退化させて自らのペットにしようとも考えていた。ただ時が経過して、進化退化光線銃は既に壊れていた。ネコジャラはドラえもんに進化退化光線銃を直す様に要求する。それを拒否したドラえもんだが、ネコジャラはシャミーを人質に取り彼女をネコジャーランドのジェットコースターで轢くと脅す。ドラえもんは仕方なく要求を受け入れ、被せた物を新しくしたり古くしたりできるタイムふろしきで進化退化光線銃を直すと、ジェットコースターが止まる。同時にネコジャラはシャミーも仲間である事を話す。その事実にドラえもんはショックを受けつつ、ネコジャラに抵抗しようとするも、逆にネコジャラから攻撃を受けて再び失神。
その頃、ワンニャン国国民に向けて大統領による演説があり、36時間後に地球上の生命体が死に絶える程の隕石が落下する、地球脱出用の宇宙船を用意してあると告げる。大統領の演説をスクリーンで見ていたのび太やダク達だったが、ニャーゴは警備員が取り押さえていたダク達の親や研究員達を檻で囲った。時の方舟が完成し用済みと考えたネコジャラが、彼等を地球で処分する様にニャーゴに指示していた。更にネコジャラは時の方舟を動かす為に、ニャーゴへエネルギー省の貯蔵庫を襲撃させ、地球脱出用の宇宙船に使うエネルギー源であるノラジウムを盗み出す。ノラジウムが盗まれた事を聞いた大統領は幹部達へ、直ぐにノラジウムを取り戻す様に指示する。
檻の中にて、スネ夫がおもちゃのネズミを取り出し警備員を追い払った時、唯一収監を逃れたハチがやって来て檻のカギを開ける。檻にいた一同が逃走した事をニャーゴから聞きつけたネコジャラだったが、どうせ助からないだろうと気にしない様子だった。檻から出た後、ハチはネコジャラの秘密を大統領に話す様に母親に言い、親や研究員達はその場を去って行く。その直後、ネコジャラの屋敷の屋根から時の方舟が出てくる。ネコジャラの悪行を止める方法はないかと考えた末、のび太とハチはネコジャーランドのジェットコースターと小型飛行機を使い時の方舟へ突っ込む。その弾みで意識を取り戻したドラえもんは名刀電光丸を取り出し手下達と戦い、ネコジャラのもとへ向かう。ネコジャラはその場にいたシャミーに時の方舟の発射レバーを押せと命令するも、シャミーはそれをためらう。するとネコジャラは自らの電動剣でシャミーに斬りかかった。その場で倒れ込んだシャミーを見たドラえもんは激怒し、名刀電光丸でネコジャラに連続して攻撃する。ネコジャラがその場で倒れ込んだ様子を見ながら、ドラえもんは進化退化光線銃を足で踏み壊す。のび太やハチ達も時の方舟のエンジンへ向かい、操作していたニャーゴを撃退、彼はその場で気を失う。

地球脱出に向けた試練

隕石の落下は激しさを増し、それにより時の方舟が噴水へ落ちて浸水する。浸水によりハチとのび太が溺れる。水の中でのび太は、ハチの首にけん玉の玉の部分がネックレスの様にぶらさがっているのを目にする。一方のハチは、イチだった時の遠い記憶を徐々に取り戻して行く。
イチは1000年前、また必ず来ると告げられたのび太と再び顔を合わす事はなかった。その後、イチはワンニャン国を建国するまでとなる。一方で、のび太に会いたい思いは変わらなかった。体も老いていくなか、長年をかけてタイムマシン・時の方舟を完成させる。これに乗り込み、現代にいるのび太のもとへ向かうが、ねじれゾーンに巻き込まれてしまう。イチは体が若年化し、それまでの記憶も失い、自分がいた時代から1000年後のワンニャン国へ落下した。記憶を失くし子犬の状態となったイチは、その世界ではハチとして成長していった。
のび太がハチを連れて浸水から引き上げたと思いきや、その場で意識を失い水の中へ入って行ってしまう。薄れゆく意識の中でのび太は、かつてイチと過ごし彼にけん玉を教えていた時が脳裏をよぎっていた。のび太が気が付くと目の前にハチがいて、彼により地上へ引き上げられていた。ハチは自分がイチだった事を思い出したとのび太に話し、持っていたけん玉の玉を取り出す。のび太もけん玉の柄の部分を出して、互いにけん玉を合わせて、長い年月をかけて再会できた事を実感したのだった。その二人の様子を見たドラえもんやジャイアン達は思わず涙した。
そこへダクやチーコらもやって来て、ノラジウムが浸水し、水に触れると使えなくなってしまうと話す。一方でこの時、のび太のわんにゃんごっこつけ耳が既に取れており、その姿を見たダクやチーコらがのび太を「神様」と告げその場でひざまずく。するとハチはある事を思い出し、ダク達に先に地球脱出用の空港へ向かう様に言う。そしてのび太達はハチにより、普段使っている空き地とそっくりな神殿に連れて行かれる。そこにはのび太の顔をした巨大な像があり、ワンニャン国ではのび太が「神様」として崇められていた。この像は、ワンニャン国のエネルギー源であるノラジウムで作られており、これを宇宙船の燃料に利用する事をハチが提案する。
この像を大型車に積み、空港まで運んで行く途中で、巨大ロボットに搭乗したネコジャラの襲撃に遭う。ネコジャラとの激しいチェイスが繰り広げられるなか、のび太はハチと共にネコジャラに向けてけん玉を振り回す。同時にドラえもんが、ビッグライトでけん玉を大きくし、ネコジャラに当てる。ネコジャラはその場で悶絶し、彼が所持していた闇の黙示録も燃えて消失した。

エピローグ

ネコジャラや手下達は結局、宇宙船内にある収容所に収監され、そこで働かされる事となった。
ノラジウムが無事に手に入り宇宙船出発の準備が整うも、のび太はハチと別れたくなかった。のび太は一緒に現代の世界に来ないかと誘うが、ハチはそれを断る。ハチは、新しい場所において国を作る使命がある事を話す。のび太のみならずジャイアンやスネ夫達も、共に過ごしたダクらに涙ながらの別れを告げるのだった。そして、ハチやワンニャン国の住民達は宇宙船に乗り、新しい星を目指して旅立って行った。彼等を見送ったドラえもん達がタイムマシンで帰って行った後、ワンニャン国があった地球に次々と隕石が落ちて行った。タイムマシンで現代へ帰りながらドラえもんは、地球では色々な生物が消えたり誕生を繰り返してきた事を告げた。現代に戻り、ドラえもんとのび太が家の前で、ジャイアン達と別れる場面で物語は幕を閉じる。

『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

ドラえもん

出典: mag.moe

CV:大山のぶ代
のび太の世話をする為に22世紀からやって来たネコ型ロボットで、のび太や彼の家族と共に暮らしている。胸に付けているポケットから出す道具に、のび太が頼ってばかりいる。どら焼きが好物である一方で、ネズミが大の苦手である。本作品の序盤で、猫のミーちゃんと一緒にいたところへ、野球の帰りだったスネ夫とジャイアンがやって来る。スネ夫が背後からゼンマイ仕掛けのおもちゃのネズミを走らせ、おもちゃとはいえネズミが苦手な故に、ミーちゃんそっちのけでその場から逃げ去ってしまう。そのまま帰宅した際に、一匹の子犬を連れて来たのび太と遭遇する。のび太の母親・玉子がペットを飼う事を止めていたので、玉子には黙って子犬を家の二階まで連れて行く。ポケットから壁かけ犬小屋を出し部屋の壁に貼り、のび太がイチと名付けた子犬を飼い始める。しかしその後、家の屋根から拾った猫のズブやしずかちゃんが空き地の土管に捨てられていた子猫数匹も引き取る事となり、家で飼う事に限界を感じ始める。更に玉子が子犬達の鳴き声を聞きつけて、二階の部屋へやって来る直前に、のび太やしずかちゃんらと共に子犬を連れて、どこでもドアで山奥へ向かう。向かった先にもペットとして捨てられた犬や猫達が沢山いた。更にそこへ開拓工事のブルドーザーがやって来て、危険を感じて犬達をスモールライトで小さくして、一旦は空き地の壁に壁かけ犬小屋を貼り住まわせる事にする。そうした矢先、またもジャイアンとスネ夫がおもちゃのネズミで驚かしてきた事により逃げ出してしまう。ただ、ジャイアンとスネ夫は犬や猫達の事情を知ると、のび太に協力すると告げる。のび太達はタイムマシンで、子犬のイチを含む犬や猫達を生物が存在しない3億年前へ連れて行った。この際にドラえもんがいなかった為、のび太はスペアポケットを拝借していた。のび太はポケットから無料フード製造機や進化退化放射線源を出し、イチ達が彼等だけでも生活ができる様にする。のび太は、イチにまた会いに来ると約束してジャイアンと共にタイムマシンで帰って行く。
イチ達の行き場を確保したとはいえ、スペアポケットを勝手に持ち出したのび太の行為を怒る。しかし、のび太やしずかちゃんらにその怒りを流される如く、イチ達がいる3億年前へ向かう事となる。タイムマシンに乗っている時にねじれゾーンへ巻き込まれる。その影響で、のび太達の体が幼少化や成人化したりする。彼等の姿を見て、慌てて制御ボタンを押し、どうにかねじれゾーンから逃れる。ドラえもんはロボットだった故に、ねじれゾーンの影響は無かった。ねじれゾーンの影響で、タイムマシンはイチと別れた時から1000年後の世界へ着いていた。そこは進化退化光線銃の影響もあり、二足歩行する犬や猫達が生活をする発達した都市・ワンニャン国だった。着陸した際にタイムマシンは故障しており、焦るスネ夫達に対し、これだけ発展した都市なら直ぐに修理できるのではと前向きな意思を見せた。タイムマシンが直るまでの間、街にいる事にして、わんにゃんごっこつけ耳を付けて周りと馴染む事にした。街中にあるレストランに向かうと店内で歌のショーが行われており、歌を披露するシャミーに一目惚れする。一目散にシャミーの前に駆け寄り、ポケットから花束や鈴を取り出しプレゼントしようとする。そこへ犬のダクが現れ、鈴を盗み去って行く。直ぐにのび太達が後を追うが、その先にはダクの仲間チーコやブルタローらがいた。彼等は連携をして鈴をパスし合って逃げようとする。すると、ドラえもんは念力目薬を取り出し、チーコらの逃亡を止める。またのび太は、ダク達の仲間である犬のハチが、イチに似ている事に気づく。一息ついた後に、のび太達はダクやチーコらから、彼等の家族がいなくなってしまった事を聞く。科学者や数学者であるダク達の家族達の失踪は、街の娯楽施設ネコダーランドの発展に関与していたからではないかとハチはにらむ。
娯楽施設ネコジャーランドにてのび太達が遊具で楽しむなか、施設内で行われた歌のショーにてシャミーと再会する。そこでまたも観客を押しのける様に、シャミーの目の前にやって来る。その時、隕石が落ちて来る。施設内が崩れるなか、シャミーをかばおうとするが、近くにいたのび太達と地下へ落下する。落下した先で、ネコジャーランドを探ろうとしていたハチ達と遭遇する。彼等と共に地下にある研究施設まで辿り着くが、チーコが思わず親のもとへ歩み寄り、警備員に見つかる。警備員達に対し、即席落とし穴や暗くなる電球等の道具で対抗するが、その際にシャミーの事が脳裏に浮かんでのび太達を置いて一人で駆け出してしまう。取り残されたのび太達は、警備員に取り押さえられた。駆け出した先でネコジャラの側近ニャーゴに連れられているシャミーを見つけ、シャミーを助けようとするも、ニャーゴからの攻撃を受けてその場で失神する。気が付くとネコジャラの屋敷内で拘束され、そこにはネコジャラ本人がいた。ネコジャラは、犬や猫達を捨てた人間達に復讐する為に、タイムマシン・時の方舟で未来へ向かおうとしていた。人間を退化させる為の道具である進化退化光線銃が既に壊れていた為、直す様に要求される。それを拒否したところ、ネコジャラはシャミーを人質に取っており、彼女をネコジャーランドのジェットコースターで轢くと脅す。仕方なく要求を受け入れると答えた瞬間、ジェットコースターが止まると同時に、ネコジャラはシャミーも仲間である事を話す。シャミーの本性にショックを受ける間もなく、ネコジャラから攻撃を受け気を失う。その頃、捕まっていたのび太達がどうにか檻から脱出し、屋敷の屋根から時の方舟をどうにか止めようとする。そして、のび太とハチがネコジャーランドのジェットコースターを利用し、ネコジャラの屋敷へ突っ込む。これにより意識を取り戻し、名刀電光丸で手下達と戦う。再びネコジャラのもとへ向かうが、ネコジャラはシャミーに時の方舟の発射レバーを押す様に促すが、シャミーはそれをためらう。すると、ネコジャラが電動剣を取り出し、シャミーに斬りつける。その場で倒れ込み気を失ったシャミーを見て激怒し、名刀電光丸を使いネコジャラに容赦なく攻撃する。ネコジャラがその場で倒れ込む姿を見ながら、進化退化光線銃を足で踏み壊した。のび太やハチ達と遭遇し、彼等と共に地球から脱出する為の宇宙船がある場所へ向かおうとする。その矢先、ネコジャラが巨大ロボットに乗り襲撃して来る。彼からの逃亡を続けるなか、ビッグライトを取り出し、ハチが持っているケン玉を大きくする。大きくなったケン玉をのび太とハチが振り回しネコジャラに当て、ネコジャラはその場で悶絶した。ネコジャラや手下達は、宇宙船内にある収容所で囚人として働く事となった。宇宙船出発を前に、ハチと別れたくなかったのび太は現代の世界に来ないかと誘うも、ハチは断る。ドラえもんも、自分達が暮らす世界でハチ達が生活する事は無理だろうと話す。新しい国を作る使命を持ちつつ、ハチ達は宇宙船で旅立って行った。ハチ達を見送りタイムマシンで帰った直後、地球へ次々と隕石が落下する。タイムマシンでの帰路にて、地球で様々な生物が消えては誕生を繰り返すのだと話す。現代に戻り、のび太の家の前にて、ジャイアン達と別れを告げた。

ドラえもんを演じた大山のぶ代は、1960年代より声優としての活動を開始、テレビアニメ『ハッスルパンチ』(1965年)や『無敵超人ザンボット3』(1977年)等の主人公を務める。そして『ドラえもん』のドラえもん役は当たり役となり26年担当した。

野比のび太

出典: i0.wp.com

CV:小原乃梨子、大本眞基子
ドラえもんと一緒に暮らす小学校5年生の少年である。勉強、スポーツ共に大の苦手である。
ジャイアンやスネ夫と野球をしていた時に、ボールを川へ落としてしまう。ジャイアン達が帰っていくなか、一人でボールを探す。そこでボールをくわえた一匹の子犬と遭遇、その子犬が川で溺れそうになったところを助ける。すると子犬に慕われて、自宅前まで後をついて来て、そこでドラえもんとも遭遇する。ペットを飼う事を止めていた母親・玉子には内緒で子犬を連れて二階へ向かう。ドラえもんがポケットから出した壁かけ犬小屋で飼い始め、その子犬をイチと名付けた。しかしその後、猫のズブや空き地の土管に捨てられていた子猫達も引き取る事となる。家で飼う事に限界を感じていた矢先、犬や猫の鳴き声を聞きつけた玉子が二階へ上がってくる。急いでドラえもんと共に犬や猫達を連れて、どこでもドアで山奥へ向かうが、その先でも捨てられた犬や猫達が沢山いた。更には、開拓業者が工事を始めブルドーザーを動かしていた為、ドラえもんのスモールライトで犬達を小さくして連れて行く事にした。そして、空き地の壁に貼った壁かけ犬小屋の中で住まわせる事にする。そこへ、ジャイアンやスネ夫が現れ、おもちゃのネズミでドラえもんを脅かす。ドラえもんは驚いてその場を立ち去るが、ジャイアンとスネ夫は犬や猫達の事情を知ると態度を改める。彼等と共に犬や猫達を連れて、タイムマシンで生物が存在しない3億年前の世界へ向かう。事前にドラえもんのスペアポケットを拝借しており、到着時にポケットから無料フード製造機を取り出す。また進化退化放射線源を使い、イチの知能が高くして、無料フード製造機を使える様にする。更に、持っていたけん玉を教えて、イチはそれが簡単にできる様になる。イチら犬や猫達が、食料や住む場所が確保できた事に安心し、また会いに来ると約束して帰って行く。
スペアポケットを勝手に使う等の勝手な行動に対し、ドラえもんが怒っていた。ドラえもんの態度をよそに、しずかちゃんらと共に再びイチら犬がいる世界へ向かう様子を見せ、結局ドラえもんも同行する事となった。その矢先、時空間の狭間にあるねじれゾーンに巻き込まれ、肉体が幼年化する。ドラえもんが慌てて制御ボタンを押した事で元に戻る。しかし、ねじれゾーンの影響によりハチ達と別れた時代から1000年後の時代へ不時着したうえ、タイムマシンは故障してしまう。タイムマシンが直るまで、一同でその世界にいる事となった。ネコジャーランドとして繫栄した街にあるレストランにて歌手のシャミーの歌を聴いていた時、そこで犬のダクと遭遇する。彼は、ドラえもんがシャミーにプレゼントしようとしていた鈴を盗み、その場を立ち去る。のび太達と後を追うが、ダクにはチーコら仲間がおり鈴をパスし合いながら逃亡を続ける。そんななか、ダクの仲間ハチが、イチに似ている事に気付き、思わず声を掛ける。ハチはイチという名前など知らないと否定、しずかちゃん達も1000年も経っているからイチがいるはずはないと言う。ダクがドラえもんから盗んだ鈴が、ネコジャーランドのエネルギー源であるノラジウムでない事が分かり、のび太に返したハチであった。一方で、以前よりハチやダクらの親達が蒸発してしまっている事を打ち明けられる。これは、街にある娯楽施設ネコジャーランドが関係しているのではとハチは考えていた。
ネコジャーランド内の遊具や、施設内で開かれたシャミーの歌のショーを楽しんだりしていた時、隕石が落下して施設全体が崩壊する。その際に地盤が崩れて、地下へ落下する。そこで、ネコジャーランドの秘密を探ろうとしていたハチ達と遭遇する。この時ハチの頭上へ落盤が落ちそうになったところを助けるが、その落盤が壁の様に塞がりハチと共に身動きが取れなくなる。しかしドラえもんがモグラ手ぶくろを出した事により、間もなく助け出される。ドラえもんやハチ達ら一同で地下を歩いていると、研究施設まで辿り着き、そこで働かされていたダクやチーコらの両親に遭遇する。その直後に警備員に見つかり、捕まり檻の中へ入れられる。唯一捕まらなかったハチの力もあり、檻から脱出できた。その後、現代社会へ向かい人間達に復讐しようとしていたネコジャラの行動を止めようと立ち上がる。そしてネコジャーランドのジェットコースターを利用してネコジャラがいる屋敷へ飛び込み、ネコジャラが使おうとしていたタイムマシン・時の方舟の使用を止める。ネコジャラのもとで捕まっていたドラえもんと共に、ネコジャラや手下達と対抗する。
しかし隕石の落下が激化し、その影響で浸水しハチは溺れる。その状況のなかで、ハチを助けようとする。ハチは、かつて自分がイチだった記憶を思い出す。ダクやチーコらとも遭遇した時には犬耳が取れていて、彼等はその姿を見て「神様」と言いながらその場でひざまずく。それが何の事か分からなかったが、ハチにより土管がある空き地の様な神殿へ案内される。そこには、のび太の顔そっくりの巨大な像があり、ワンニャン国ではのび太が「神様」として崇められていた。また、この像がワンニャン国のエネルギー源・ノラジウムでできており、ハチはこれを宇宙船の燃料に使おうと話す。その像を大型車で運び一同で脱出用の宇宙船がある場所に向かおうとするが、ネコジャラが巨大ロボットに乗り阻止しようとする。ネコジャラから逃亡するなか、ハチが持っていたケン玉をドラえもんのビッグライトを使い大きくし、それをハチと共に振り回しネコジャラに当てる。ネコジャラはその場で悶絶した。
ワンニャン国国民が地球からの脱出準備が備わったなか、ハチとの別れを惜しんでいた。現代の世界に来ないかと誘うが、ハチはそれを断る。そして、新しい国を作るという使命を持ちつつ、宇宙船に乗り旅立って行く。ハチ達を見送った後、タイムマシンで現代へ帰り、自宅前でしずかちゃんやジャイアン達と別れを告げた。

野比のび太を演じた小原乃梨子は、テレビアニメ『タイムボカンシリーズ』での三悪の女ボス役や『未来少年コナン』(1978年)等、数多くの作品で声優を務める。一方で1990年代以降は、講演活動や童話の朗読活動を開始した。
幼少期ののび太を演じた大本眞基子は、『星のカービィシリーズ』のカービィ役や『戦国無双シリーズ』の稲姫役等、人気ゲームのキャラクターを務める。

しずかちゃん

出典: pbs.twimg.com

CV:野村道子
本名:源静香(みなもとしずか)で、同じ小学校のクラスメイトであるのび太から好意を寄せられている。
のび太が子犬のイチを飼い始めた際に、空き地で捨てられていた数匹の子猫の事も話す。のび太とドラえもんは、その子猫達や、家の屋根にいた猫のズブも引き取る。しかし、やはり多くの犬や猫達を家の中で飼う事には限界があった。そのうえ、犬や猫達の鳴き声をのび太の母親・玉子が聞きつけ、二階ののび太の部屋へ上がって来る。その直前にのび太やドラえもんと共に、犬達を連れてどこでもドアでとある山奥へ逃げ込む。しかし、向かった先でも沢山の犬や猫達がいたうえ、そこでは開拓工事が行なわれていた。次々とやって来るブルドーザーを見て危険と感じて、そこにいた犬や猫達を連れて、一旦は空き地にて壁かけ犬小屋で住まわせようとする。そこへジャイアンやスネ夫達がやって来て、彼等も協力すると告げる。そして犬や猫達を連れて、タイムマシンで生物いない3億年前の世界へ向かう。ドラえもんの道具により、犬や猫達が3億年前の世界で生活できる様になり、現代へ帰る。再び3億年前の世界へ行こうとタイムマシンに乗っていた矢先、時空間の狭間にあるねじれゾーンに巻き込まれ、その影響で肉体が成人化する。同乗していたドラえもんが、慌てて制御ボタンを押した事で元に戻る。一方でタイムマシンはねじれゾーンの影響で、以前向かった世界から1000年後の時代へ不時着する。その際にタイムマシンは故障しており、修理が完了するまでその世界にいる事となる。そこはネコジャーランドとして繫栄した街になっており、ドラえもんの道具・進化退化光線銃により二足歩行をし会話をする犬や猫達が生活をしていた。その街の片隅に暮らすダクやチーコらと出会い、彼等の両親が蒸発してしまっている事を打ち明けられる。
ワンニャン国の街にある娯楽施設ネコジャーランドで遊具等を楽しんでいた時に隕石が落下、施設全体が破壊される。この際に地盤が崩れて地下へ落下、その場でダク達と遭遇する。彼等は、ワンニャン国の大富豪ネコジャラが経営するネコジャーランドの秘密を探ろうとしていた。ダク達と共に地下の奥へ進むと、ダクやチーコらの親達が働かされていた研究施設まで辿り着く。そこへ警備員に見つかり、捕まって檻に入れられる。しかし、唯一収監から逃れたダクの仲間ハチの手により脱出をすることができた。
隕石の落下が激しくなり、ハチ達やドラえもんらと共に地球を脱出する為の宇宙船がある場所へ向かう。その途中で、巨大ロボットに乗ったネコジャラがやって来て追いかけて来る。ドラえもん達と共に大型車に乗り、ネコジャラから逃走する。この時、ネコジャラに対抗するドラえもん達に変わり、自ら大型車の運転を一時的に行っていた。結果的に、ドラえもんやのび太達の活躍によりネコジャラの悪行は止められ、ネコジャラや彼の手下達は宇宙船内の収容所に収監された。地球からの脱出準備ができて、ハチやダクらワンニャン国国民全員が次なる星を目指して、宇宙船に乗り旅立って行く。その後、タイムマシンで現代へ帰り、のび太の自宅前で一同で別れを告げた。

しずかちゃんを演じた野村道子は、『ドラえもん』の他に、テレビアニメ『サザエさん』の磯野ワカメ役を29年間担当した。

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