映画ドラえもん のび太の月面探査記のネタバレ解説・考察まとめ

『映画ドラえもん のび太の月面探査記』の概要

映画ドラえもん『のび太の月面探査記』とは、2019年公開のアニメ映画。日本の国民的人気アニメ映画ドラえもんは今作で第39作品目。
原作は藤子・F・不二雄。脚本が辻村深月、八鍬新之介が監督を務める。本作興行収入50.2億円は、日本映画の歴代興行収入ランキング第58位。ドラえもん映画シリーズでは、「STAND BY ME ドラえもん」「ドラえもん のび太の宝島」についで興行成績第3位。本作は2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞を受賞した直木賞作家、辻村深月が映画ドラえもんの脚本に挑んだことで話題となった。「今、作家としていられるのもこの作品があったから」と語るほど思い入れある物語となっている。

物語の舞台は月とカグヤ星。
のび太は、「月にウサギがいる」と主張して学校で笑いものにされた。ジャイアンたちクラスメイトを見返すために、月のクレーターにウサギ王国を建設する。
そこで偶然月の地下に住む人工生命体エスパルとその一人ルカと出会う。ルカはのび太たちと仲良くなり一緒に月面でカート遊びをしていたところ、ルカはジャイアンとスネ夫を救うため超能力エーテルを使ってしまい、エスパルを狙っているカグヤ星軍に察知されて攻められてしまう。
何とか地球に逃げてきたのび太たちだったが、ルカたちエスパルがカグヤ星軍にさらわれてしまった。のび太たちはエスパルたちを救うため、カグヤ星を目指してドラえもんが改造した宇宙船に乗り込む。

『映画ドラえもん のび太の月面探査記』のあらすじ・ストーリー

物語は月面探査機ナヨタケのニュースから始まる。探査機は謎の白い影を発見したまま消息を絶ったのだ。衝撃のニュースにのび太の学校でも話題となっていた。のび太は白い影の正体を「月のウサギ」と発言したことで、クラス中の笑いものになる。ジャイアンをはじめクラスメイトを見返すためにドラえもんに相談する。ドラえもんから「のび太くんらしい」と言われ、真面目に話を聞いてくれず、のび太は「いないという証明もなされていない。」と声を荒げる。のび太の訴えに対して、ドラえもんは仕方なく、異説クラブメンバーズバッジを使い、月の裏側に月の王国を作り出した。異説クラブメンバーズバッジとは、現実には起こらない異説が現実化してしまう道具だ。月の裏側に光、植物、大気など、生物が生活できる環境を創った。ドラえもんは、動物ねんどで作りだした丸いピンクのウサギの姿をした生き物ムービットを作り出した。
のび太もねんどでウサギを作るが、大型の凶暴なウサギを作りだしてしまうがこれを破棄する。
一応の大国創りを完了したことで、のび太たちは再び地球に戻ってくる。
その日の夕方、ママのお使いを頼まれて出かけたのび太は、偶然見慣れない不思議な雰囲気を持った少年ルカを見かける。
次の日、いつものように投稿したのび太も前に、転校生として昨日見かけた少年ルカが転校生として現れた。
同時刻、ルカ仲間のモゾは月に行っており不在中ののび太の部屋に侵入していました。

そうとも知らぬドラえもんとのび太は増殖したムービットたちに文明的な生活を教えていたその頃、デス・スターのような月を持つ荒れ果てた惑星“カグヤ星”では、支配者のディアボロ（吉田鋼太郎）が腹心のゴダート隊長（柳楽優弥）に“エスパル”という種族とその力の源である“エーテル”を探すよう命じていました。
翌日。
学校に転校生がやってきました。
月野ルカが前の日、原っぱで見かけた少年だとのび太は気づきます。
ルカは走るのが速く、ルカの周囲では不思議なことが起こりました。
学校が終わってから、のび太はドラえもんとともに、再び月へ行きます。
月面ではムービットが増えており、ムービットは仲間と協力し、生活を豊かにしようとしていました。
ドラえもんが餅つきの道具を出すと、ムービットは大喜びし、ドラえもんを神様のように扱います。
同じころ。
地球と離れた別の銀河系、カグヤ星では、ゴダート隊長がディアボロという統治者に叱られていました。
ディアボロはゴダート隊長に、星を守るためにエスパルを捕らえ、エーテルの力を得るようにと言われています。
のび太はジャイアン、スネオ、しずかちゃんに声をかけ、月のウサギ王国へ招待します。

ドラえもん のび太の月面探査記のネタバレあらすじ：承
ドラえもんとのび太は“しずかちゃん”こと源静香（かかずゆみ）、骨川スネ夫（関智一）、そして“ジャイアン”こと剛田武（木村昴）、そしてルカ（とモゾ）を月の王国へ誘いました。王国はドラえもんたちの予想を超えて目覚ましい発展を遂げており、ドラえもんたちは眼鏡をかけたムービット“ノビット”（渡辺明乃）に王国を案内してもらいますが、そこにかつてのび太が創った失敗作“ウサギ怪獣”（寺島拓篤）が襲い掛かってきました。のび太は怪獣からノビットを救い出すものの谷底に転落してしまい、ウサギの耳のようなものを付けたルカに助けられました。
そこへルカがやってきて、一緒に連れていってくれと頼みました。のび太は引き受けます。
ジャイアン、スネオ、しずかちゃん、ルカに異説バッジを渡してから、ドラえもんとのび太はどこでもドアで月面へ行きました。
（ルカがもう1つバッジをくすねて、モゾに渡す）
月面へ行くと、ムービットはさらに増加し、高度な文明を築いていました。
前の日にのび太の眼鏡を見ていたうさぎが、自分用の眼鏡を作っており、「ノビット」と名付けます。
しずかちゃんはノビットに、月面を案内してくれと頼みました。
ノビットはしずかちゃんにくっついて、月を案内します。
楽しそうに生活するムービットのところへ、のび太が先に作ったウサギ怪獣が乱入しました。
ウサギ怪獣は映画館に現れると、暴れ始めます。
のび太はノビットを助けた際に、バッジが外れるハプニングがありました。

ルカは自らの正体を打ち明けました。ルカは宇宙に11人しかいない、カグヤ星からやってきた超能力“エーテル”を操る種族“エスパル”であり、ゴダール博士夫婦なる人物によって生み出された不老長寿の種族だったのです。ルカは姉のルナ（広瀬アリス）やジャイアンに匹敵する歌声を持つアル（大谷育江）らをドラえもんたちに紹介、以前に地球を訪れたことのあるルナこそが“かぐや姫”のモデルになったことを知ります。
がけから落ちてしまいます。
ドラえもんは「わすれろ草」の匂いをかがせて、ウサギ怪獣を鎮めます。
のび太のバッジを見つけたドラえもんは、あせりました。
空気が吸えなくなって、のび太が死んでしまうのではないかと心配します。
がけの下に移動すると、ルカがドラえもんたちに正体を明かします。
ルカの頭には、ウサギの耳のようなものがついていました。
ルカは月に住処を持っており、自分たちの兄弟も紹介します。
ルカはカグヤ星からやってきた、エスパルという11人しかいない種族でした。
ルカたちはエーテルという、特殊なエネルギーを作り出しています。
ウサギの耳に見えるものは、エーテルを操るアンテナのようなものでした。

ドラえもん のび太の月面探査記のネタバレあらすじ：転
ジャイアンとスネ夫はアルと月面レースに興じていましたが、搭乗していたマシンが危うく事故に遭いそうになり、思わずアルはエーテルを発動させて危機を逃れました。ところが、エーテルを察知したゴダート一味が月に襲来、“エーテルミューター”という装置を使ってエスパルたちを無力化すると次々に捕らえていきました。
ルカは少年に見えますが、1010歳です。若いうちに肉体の成長が止まるので、少年に見えるだけでした。
エスパルは永遠の命を持っています。
かつて地球へ降りたのですが、地球ではすでに人間がいたため、ルナたちは月に住む場所を作りました。
地球に降り立ったときに目撃され、かぐや姫の伝説ができています。
ルカには姉のルナや、アル、ペッコル、モール、ヌルたちがいます。
アルは未来を予言する力を持ち、ジャイアンみたいに強烈な声を出せます。
ルは、そろそろ自分たちの存在を人類に明かしたいと思い、それで地球へやってきていたのだと、ドラえもんやのび太に話しました。
ドラえもんたちとルカたちは、月で親交を深めます。
月面で機械を使い、レースをしている最中に、事故が起きそうになりました。
アルがとっさにエーテルの力を使いました

実は今から約千年前、エーテルの力を利用した兵器を開発したカグヤ星人が月に向けて発射したところ、月の破片が星に降り注ぎ、カグヤ星はすっかり荒れ果ててしまったのです。これ以上エーテルを悪用されるわけにはいかないと判断したゴダール博士夫妻はエスパルたちを星から脱出させていたのです。するとルカとルナはあせります。
…ルカたちは、カグヤ星人から逃げていました。
エーテルの力は便利なため、カグヤ星で軍事利用されそうになったのです。
ルカたちの生みの親、ゴダール博士と夫人がルカたちを逃がしていました。
エーテルの力を使うと、カグヤ星人にばれるため、ルカたちは使わないようにしてひっそりと暮らしていました…。
ルカの心配が的中します。
ゴダート隊長とキャンサー、クラブ、タラバがエーテルの力に反応し、月へやってきました。
ルカはドラえもんたちをどこでもドアのところまで逃がすと、自分はとどまります。
直後、ゴダート隊長の攻撃でどこでもドアが破壊されたため、月へ移動できなくなりました。

ドラえもんたちはルカと共にどこでもドアで地球に避難しようとしましたが、ルカは仲間を残してはいけないと一人月に残り、ドラえもんたちは何とか地球に帰り付くもどこでもドアが破壊されてしまい、月に行く手段を失ってしまいました。そこに密かに地球に逃れていたモゾが現れ、ルカと地球へ飛来した時に使用した宇宙船の存在を告げました。宇宙船は一人乗りであることから、ドラえもんは気球型に改造して多人数乗れるようにし、1日かけて再び月へと向かいました。
ドラえもんたちは、ルカのことが心配ですが、どうしようもありません。
ルカを心配するドラえもんたちは、ツキノワリクガメのモゾを見つけます。
モゾは、1000年前にルカが地球へ降りたった時に、使った宇宙ポッドの場所を知っていました。
のび太はそれが、ススキの原っぱで最初にルカを見かけたところだと気づきます。
宇宙ポッドを見つけたドラえもんは、修理をすると言いました。
ジャイアン、スネオ、しずかちゃんは、月へもう1度行くための荷造りをします。
夜、再び集まったのび太たちは、宇宙ポッドに乗り込みました
ドラえもんがポッドを気球にし、地球から月へ移動します。

ドラえもん のび太の月面探査記の結末
月にはルカからバッジを貰って王国に逃げ込み、難を逃れたルナの姿がありました。ドラえもんはしずかとルナを月に残し、ルカたちを助けるためにカグヤ星へと乗り込みました。
ディアボロはカグヤ星を見捨て、代わりに地球をエーテルの超兵器で侵略しようと目論みますが、その事を知ったゴダートはディアボロを裏切ってエスパルたちを逃がそうとしますが捕らえられてしまいます。ゴダートは自分がゴダール博士夫妻の子孫であることをルカに明かし、博士夫妻やエスパルたちの記録が収められている青い石を渡しました。
ディアボロのアジトに潜入したドラえもんたちはルカたちを救出、その際に予知能力を持つアルが「1000年の時を経て友と一緒に舞い戻らん。1000のウサギが降り注ぎ光の台地を取り戻さん」と予言を発しました。
ドラえもんたちの前に現れたディアボロは、自らの正体が人工知能を搭載した破壊兵器そのものであることを明かし、ドラえもんたちを捕らえて処刑しようとしました。その時、しずかが大勢のムービットたちを引き連れて加勢、一気に反撃に転じたドラえもんたちは死闘の末にディアボロを倒しました。
月面へたどりついたドラえもんたちは、右足を負傷したルナを見つけます。
ルナは、異説バッジをルカから受け取っており、ゴダート隊長には見えない場所に、月の王国を隠していました。
しずかちゃんはルナの手当てのために、とどまります。
その際、ノビットが異説バッジに興味を示しました。
ノビットはあべこべの「定説バッジ」を作ります。
ドラえもんたちは、捕らえられたルカを奪回に行きます。
ルカはディアボロの前に連れられていました。
ディアボロは地球を見つけており、地球を自分のものにしようと考えています。
その話を聞いたゴダート隊長は、ショックを受けました。
故郷のカグヤ星を元通りにするために、エーテルを使うはずだったのに、ディアボロがカグヤ星を見捨てて地球を手に入れようとしていると知り、落胆します。
ゴダート隊長はルカや他のエスパルを逃がそうとしますが、ディアボロに知られて反撃されました。
ゴダート隊長も牢屋に放り込まれます。
ゴダート隊長は、自分がゴダール博士の子孫だとルカに告白します。
先祖から受け継いだ石を見せると、ルカも納得します。
ドラえもんたちはカグヤ星に到着し、ルカを助けようとしました。
助けているときに、アルが突然、予言を始めます。
「千の時を経て友といっしょに舞いもどらん 千のウサギが降り注ぎ、光の大地を取り戻さん」
ディアボロの正体は、人工知能を持った機械でした。破壊をつかさどる神です。
カグヤ星人が作った兵器でした。
ディアボロの力にかなわず、ドラえもんもエスパルも負けそうになります。
そこへしずかちゃんとムービットが乱入しました。
彼らは「定説バッジ」をつけています。
異説の世界が定説となるさまは、予言どおりでした。
ディアボロは劣勢になり、ルナを人質にして逃げようとします。
ところが、モゾのかたいコウラを利用して、のび太が宇宙船に打ち込みました。
この攻撃が決定打となり、ディアボロは倒れます。
ディアボロが倒れると霧は晴れて、カグヤ星に光が差し込みました。
ピッカリゴケに似ています。
ゴダール博士の石が、エーテルの能力と互いに反応し、光っているようでした。

そして青い石はエーテルと融合、闇に閉ざされていたカグヤ星は千年ぶりに光を取り戻しました。ルカはカグヤ星で共に暮らそうというゴダートの提案を断り、ドラえもんに頼んで超能力を持たない一般人にしてもらうことにしました。その後、ドラえもんたちは異説バッジを裏山に埋めて封印、いつもの日常へと戻っていきました。
ゴダール博士がこのときのために、準備していたのではないかと、のび太は言います。
カグヤ星に平和が戻りました。
ゴダート隊長はルカたちに留まるよう言いますが、ルカは丁重に断ります。
わすれろ草を部下たちに使い、エスパルはただの人間と教えましたが、ルカはゴダート隊長だけは、記憶を残しておいてほしいと頼みました。
月の裏に戻ったルカは、異説バッジでエスパルが超能力を持たない、ふつうに年を取って死寝る人間になりたいと言い出します。
そのことばを聞いたドラえもんは、異説バッジの設定をエスパルが人間になるものに替えました。
そして異説クラブの解散を告げます。
ルカたちと別れをすませたドラえもんたちは、地球へ戻りました。
ドラえもんたちは裏山の原っぱのところへバッジをうめると、ルカの思い出をふりかえります。
テレビでは、探査機『ナヨタケ』が復活したことが告げられます。
（エンド後）恐竜に追われるドラえもん。
首長の竜に乗っているドラえもん。
2020年春の予告。

『映画ドラえもん のび太の月面探査記』の登場人物・キャラクター

ドラえもん

CV：水田わさび

22世紀からやってきた猫型ロボット。のび太の孫にあたるセワシという少年に頼まれ、彼を成長させるために現代へとやってきた。立場上のび太のお目付け役だが、家族にして悪友といった関係を築いている。
腹についた四次元ポケットには様々な未来の道具「秘密道具」が収納されており、状況に応じてこれを取り出してのび太やその友人たちに貸し出し、あるいは自分で使用し、彼らが事件を解決したり騒ぎを起こしたりするのが『ドラえもん』という作品の骨子である。

野比のび太（のび のびた）

CV：大原めぐみ

小学5年生の少年。勉強もダメ、スポーツもダメの劣等生だが、非常に優しい性格。その優しさ（甘さ）を自分に対しても発揮して、普段は向上心の欠片も持たないのが欠点。ドラえもんとは家族にして無二の親友という関係を築き、互いに何かあれば全力で助けようとする。
あやとりと射撃に関しては超一流のプロとも張り合う桁外れの才能の持ち主で、映画作品では時にそれを披露して窮地を切り抜ける。

ジャイアン

CV：木村昴

本名剛田武（ごうだ たけし）。のび太のクラスメイトにして友人。仲間内ではもっとも体が大きく、体力と運動神経に優れる。「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」で有名な“ジャイアニズム”の元となったキャラクターで、実際に作中でもたびたびそのように振る舞う傲慢な気質。日頃からのび太を振り回し、時には暴力を振るってでも従わせようとするため、彼からは苦手に思われている。
一方で友情に厚く、特に映画作品では折りに触れて男気を見せる。音響兵器に匹敵するレベルで壮絶な音痴であり、これで敵を退かせる姿もしばしば描かれる。

骨川スネ夫（ほねかわ すねお）

CV：関智一

のび太のクラスメイトで友人。父親が社長をしており、実家は非常に裕福で、一般の子供ではなかなか手に入らないような高価なオモチャを買ってもらっては友人たちの前で自慢するなどそれを鼻にかけた言動を繰り返している。
仲間内でもっとも発言力の強いジャイアンと行動を共にしていることが多い。

源静香（みなもと しずか）

CV：かかずゆみ

のび太のクラスメイトで友人。レギュラーメンバーでは紅一点。
可憐にして優しく聡明な少女で、のび太とは異性の友人といった間柄。ジャイアンたちに振り回されて散々な目に遭わされているのび太を気遣い、気付いた時には彼を庇っている。のび太はそんな静香に淡い慕情と憧れを抱いており、彼女に関することとなると非常に前向きになる。
一見完璧な優等生だが、実はジャイアンの歌に匹敵するレベルでヴァイオリンの演奏が恐ろしく下手という欠点を持つ。

ルカ

CV：皆川純子

本作のゲストキャラクター。人口生命体エスパルの1人。地球に赴いた際、「月の裏側には兎が住んでいる」というのび太の話を聞いて興味を持ち、「月野ルカ（つきの るか）」という偽名を名乗って彼のクラスに転校する。地球での日々と月での冒険の中でのび太たちと友情を気付き、彼と共にカグヤ星軍と戦った。

『映画ドラえもん のび太の月面探査記』の用語