緋村剣心(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

緋村剣心(ひむらけんしん)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物であり、同作の主人公。左頬の十字傷と後ろで一つ結びにした長い赤髪が特徴的な単身痩躯の男。赤い着物に白い袴姿で腰には刃と峰が逆になっている刀「逆刃刀」を差している。一見物腰穏やかな優男だが、その正体はかつて幕末最強と謳われた「人斬り抜刀斎」。
動乱の中で多くの者を殺めた過去を抱えており、その償いと太平の世を生きる人々を守るため「不殺(ころさず)」の信念を掲げて旅をする「流浪人(るろうにん)」を名乗っている。

高荷 恵(たかに めぐみ)

東京で出会った女性。当初は剣心に想いを寄せていたが、紆余曲折を経て薫や剣心の為に彼への想いを断ち切る。以降も剣心達の治療に尽力する。

会津出身の美人女医で、女子供問わず医者として医学を学ぶ一族・高荷家の出身。気丈な性格で高飛車かつ蓮っ葉な物言いと、人をからかうのが大好きなことから薫や斎藤一などから「女狐」「狐女」と言われている。

高荷家は身分差別はせずに、どんな患者も平等で看るという信念で知られており、医者の間では「生ける理想」と尊敬の眼差しを向けられている。元々は会津出身だったが、父・隆生が蘭学を学ぶために一家総出で会津藩を脱藩し長崎へ学びに行く。脱藩が許された高荷一家が会津に戻ると同時に会津戦争が始まってしまう。高荷一家は戦地で医者としての使命を果たすべく負傷者の救護にあたったが、父は戦死、母と兄2人は行方不明になり孤独の身になる。なお、彼女の言動は高飛車かつ蓮っ葉な物言いは言語の訛りを隠すためである。

剣心と出会う前は、上京してある医者の助手となるが、実はその医者は裏で武田観柳と結託して阿片(アヘン)を精製していた。その医者は、3年前に新型阿片「蜘蛛の巣」の 利益を巡って観柳に殺害され、精製に携わっていた助手ということで、観柳に監禁され無理矢理阿片を作らされる羽目になる。なお、阿片の精製には全く事情を知らされておらず、自身が作った阿片が原因で中毒者が出ていると知った時には自殺を考えるほど思い詰めていた。

観柳のもとを脱走してからは賭場で出会った剣心の腕を見込みボディーガードを依頼。彼が居候している神谷道場に匿ってもらう。自身を追跡していた御庭番衆の襲撃をやり過ごすも、癋見の毒で倒れた弥彦の治療を行ったことで出自や立場が知られる。しかし後日、観柳に道場の人達を人質に脅しをかけられ彼の屋敷に戻る。その後、観柳邸に乗り込んだ剣心達に救出され、自責の念から自害する寸前の所を左之助に阻止され剣心にも生きて償うことを諭される。なお、救出後に阿片密造の件を自首しようとしたが、密造が死罪であることを理解している剣心達から庇われることでお咎めなしとなった。阿片騒動以降は神谷道場の侍医である小国玄斎の診療所で働き、医者になってより多くの患者を助けることを生きる道としている。

自身を救ってくれた剣心に恋心を抱いており、神谷薫とは恋敵の関係。しかし、京都編では剣心に別れを告げられ寝込んでいる薫を叱咤し立ち直らせたり、薫が剣心の生きて帰ると強く思えるような存在になるようにと告げ、剣心への想いに区切りをつけた。

剣心達の負傷の治療も彼女が担当しており、剣心の体が「飛天御剣流」に適していないことも理解している。物語終盤では、あと4、5年以内で「飛天御剣流」が使用できなくなると診断した。剣心と縁の決着を見届けてからは、診療所を開くために会津へ帰郷している。

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四乃森 蒼紫(しのもり あおし)

御庭番衆頭領。「幕末最強」という証を手に入れるため剣心に挑むが二度の敗北を経て仲間になる。

江戸幕府の本拠たる江戸城で影の守りを預かった御庭番衆の幕末時点における最後の御頭。13歳時点ですでに江戸城の護衛をしており、先代の死後は15歳にして御庭番衆最後の御頭の座を継いだ。彼が守るはずだった将軍・徳川慶喜は鳥羽・伏見の戦いの敗北をきっかけに降伏し大政奉還が成立。幕府存亡の危機という一番の見せ場に参戦できず、動乱の終結に伴って戦う場所を失ってしまった蒼紫は、御庭番衆に残り続けた癋見、ひょっとこ、般若、式尉の四人と共に武田観柳の用心棒となる。

東京編では、高荷恵奪還のため観柳邸を訪れた剣心と応戦。幕末最強と言われた「人斬り抜刀斎」を倒すことで、御庭番衆こそが最強と証明する為に彼に挑む。戦闘序盤は、流水の動きと回転剣舞で剣心を追い詰めるも、技を見切られた上に喉を強打され敗北。さらに、剣心もろとも皆殺しを目論んだ観柳のガトリング砲で部下四人を喪ってしまい、騒動終結後に部下達の首を持ち去り姿を消してしまう。その際、剣心に対し「俺が倒すまで、誰にも殺されるなよ」とセリフを残している。その後、とある山に四人の首を埋葬した蒼紫は、絶望と孤独の中、唯一残った「抜刀斎を殺し、部下たちへの花として添える」という目的を果たすべく独り樹海で修練を積むのだった。

京都編では、「花を添えるなら、早い方がいい」と剣心を追うため京都へ向かう。そこで、彼の強さに目を掛けた志々雄と「抜刀斎の情報」を対価に同盟を結ぶ。また、剣心の居場所を知るために、自身がかつて身を寄せていた「葵屋」を襲撃しており、前代頭領・柏崎念至に瀕死の重傷を負わせるなど、打倒剣心のため手段を選ばないようになっている。
その後、志々雄のアジトにて剣心と再戦。剣を抜くよう求めるが「再戦を誓ったのは”四乃森蒼紫”であり、修羅であるお前ではない」と拒否する剣心の言葉を詭弁と一蹴し猛攻を仕掛けて無理矢理刀を抜かせる。しかし、蒼紫の命を捨てて戦いに挑む姿勢に激怒した剣心の「生きる意志」の前に徐々に押され始める。さらに剣心から「四人の部下のためでなく、四人の部下のせいにして凶剣を振るっている」と指摘され動揺。失ったかつての誇りを取り戻すように諭され、本来の「御庭番衆御頭・四乃森蒼紫」を取り戻す。
「それでも俺はこの闘いに決着をつけねば前に進めぬ」と決着を望み、晴れてお互いの奥義を撃ち合う。結果は蒼紫の敗北であったが、どこか清々しい表情で負けを認めるのだった。

人誅編では、剣心の亡妻である巴の日記を持ってくる操の付き添いとして再登場。神谷道場の決戦には間に合わず、剣心と縁の初戦に立ち会っていない。また、薫の死にも直面していないため人から聞いただけだったので、「薫を剣心の目の前で殺すのが一番剣心の心にダメージを与える事が出来るはずなのに、何故剣心はおろか仲間の誰一人にも殺害の瞬間を見せなかったのか」と縁の行動に疑問を呈す。さらに御頭を引き継いだ際に読破した書物に屍人形に関するものがあった事を覚えていたため、薫の死体は屍人形であったという可能性を提示。薫の墓を掘り起こし、彼女の死が偽装だったと暴く。
剣心と縁との決着を見届けた後は剣心との茶の約束を果たし、亡くなった仲間たちを改めて埋葬するため、「みんな」と一緒に京都へと帰っていった。

北海道編では戦いから身を引き「葵屋」の主になっていたが、御庭番衆内部で不祥事が起きたらしく、始末をつけるべく「葵屋」を離れており、剣心の支援要請に応えられない状況にあるが、遠くないうちに北海道には向かうことが示唆されている。

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斎藤 一(さいとう はじめ)

新撰組・三番隊組長。幕末時からの宿敵で幾度にも渡って死闘を繰り広げた。かつて敵同士だったが「明治の世を守る」という信念は同じで志々雄一派との闘いや「人誅」時には協力し合っている。

元新選組の三番隊組長。剣心とは幕末からの宿敵関係で、幕末時に幾度にも渡る死闘を繰り広げた。維新後は藤田五郎と名を改め警部補として奉職している。表向きは警部補として働いているが、裏では政府の密偵として暗躍しており、明治に害をなす者、権力を私物化する者の暗殺に従事している。
己の信念である「悪・即・斬」を絶対的な正義としており、敵と言えど同じ志を持っていた剣心に少なからず仲間意識を持っていたが、彼が「人斬り抜刀斎」から不殺の流浪人と化したことに失望している。

東京編では、暗殺組織の元締めである元老院議官の渋海から「人斬り抜刀斎」の暗殺を依頼され、自身の存在を剣心に示すため左之助を襲撃。彼に重傷を負わせた。その後、渋海の部下の暗殺者である赤末有人を唆して剣心と戦わせ、自分は神谷道場に向かう。そして、赤松を返り討ちにし道場に戻ってきた剣心と数十年ぶりに再会。「流浪人」と化した彼の弱さを指摘し、剣心のすべてを否定するべく死闘を繰り広げる。斎藤の圧倒的な実力は剣心を瞬く間に追い詰め、彼を「人斬り抜刀斎」として覚醒させる。彼が抜刀斎に覚醒してからは、ほぼ五分五分の勝負となり本気の殺し合いにまで発展しかけた所を、内務卿・大久保利通によって阻止される。
その際、斎藤が明治政府の密偵であり、大久保利通の命令で志々雄真実の暗殺の為に現在の剣心の力量を測るのが真の目的だったと判明した。大久保に「緋村”剣心”は全く使い物にならないが、緋村”抜刀斎”ならそこそこ行ける模様」と報告。任務後は、自身に剣心の暗殺を依頼した渋海と赤松を抹殺している。
また、剣心は斎藤との戦いで不殺の「流浪人」のままでは志々雄たちには到底かなわない事、自身の中には「人斬り」が潜んでいる事を思い知り、彼が単独で京都へ向かうきっかけとなった。

京都編では、別々のルートで京都へ向かうが道中の新月村で合流し、共に志々雄と邂逅を果たす。剣心と志々雄の部下・瀬田宗次郎との闘いにも立ち会っており、刀を折られた剣心に対し「人斬り」に戻ることを期待し京都へ向かった。
京都へ到着してからは、現地の警察を指揮し志々雄が計画した京都大火と東京湾砲撃の阻止に貢献。そして、志々雄と決着をつけるべく剣心と共に志々雄のアジトである比叡山へ向かい、十本刀の二番手“盲剣”の宇水と対峙する。
その後、単独行動をとっていたが、剣心と志々雄の戦いに乗じ不意打ちで志々雄を倒そうとするも見破られ敗北。剣心と志々雄の決着を見届ける。決着後、志々雄が死んだことで狂った十本刀の一人“百識”の方治によって、剣心達共に、鉄の門によってアジトに閉じ込められる。鉄の門を牙突で破壊するも、出口への橋が崩壊し炎上するアジトの中、斎藤は姿を消した。なお、死んだと思われていた彼だが、京都編終盤では生存が判明。生きていることをあえて剣心達に明かさず、志々雄事件の後処理にあたった。

人誅編では、志々雄事件の背後にある縁率いる武器組織に目をつけ、剣心と緑の関係を問いただしに赴いた神谷道場で剣心と縁らの戦いに遭遇する形で姿を現す。その際、六人の同志の一人である八ツ目無名異を撃退している。戦闘の中、薫が惨殺され廃人と化した剣心に対しては何の感慨も抱いておらず、引き続き縁らの調査を進め、縁の部下のアジトから彼の居所を掴む。復活した剣心達と共に、縁のアジトの孤島に上陸し待ち受けていた呉黒星の部下・青龍を撃破。その後の剣心と縁の戦いを見届ける。
最終決戦の後、今までの戦いによる負担の蓄積で剣が振るえなくなると知った剣心から、剣が振るえなくなる前に、最後の心残りにケリをつけるため決闘を申し込まれるが、結局のところ「人斬り」ではなかった剣心との決着をつける気になれず、彼との決闘をすっぽかし、何も言わず人事異動という形で剣心達の前から姿を消した。剣心は斎藤のこの行動を「愛想を尽かれた」と語っている。

北海道編では、人事異動で北海道に勤務しており、道内に潜伏しているとされる逆賊・「劍客兵器」を殲滅するため派遣される。剣客兵器・凍座と単独で応戦するも刀を折られ左腕を負傷。その際、別の用事で北海道に来て一連の騒動を知った剣心の元に自ら現れる。剣心と左之助らに加えて元・十本刀の生き残りのメンバーと、かつての新選組時代の仲間で自身と同じく幕末の動乱を生き延びた永倉新八と共に対「剣客兵器」のための部隊を結成する。

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志々雄 真実(ししお まこと)

京都編における大ボス。同じ「人斬り」という経歴を持つが両者の信念は真逆で、剣心は志々雄を食い止めるべく彼との闘いに臨む。

京都編におけるラスボス。元長州藩の維新志士でミイラの如く全身を包帯に巻かれた風貌が特徴的な男。剣心を知る桂小五郎は、剣心と同等の剣の腕と頭の回転を持つと語っており、剣心が「人斬り抜刀斎」から遊撃剣士となった際に影の人斬り役を志々雄に任せている。言わば「人斬り抜刀斎」の後継者。一方、彼が行ってきた暗殺は明治政府の弱みとなるものであり、また、その野心深さを警戒した維新志士達に、動乱に乗じて騙し討ちに遭う。昏倒させた後、全身に油を撒き火をつけるほどの徹底した方法が取られたが、それでもなお志々雄は生き延び逃亡。以降は戦闘狂や政府に恨みを持つ者などを統率し、反政府組織・志々雄一派と呼ばれるまで勢力を拡大させる。

「所詮この世は弱肉強食。強ければ生き弱ければ死ぬ」という信念を持っており、その信念のもと日本を乗っ取り国を強くすることが自分の正義だと語っている。京都編では、志々雄一派と明治政府の国を二分する戦争を引き起こし「国盗り」を計画するが、彼らの暗躍を阻止しようとする剣心一行と衝突する。

新月村で初めて邂逅を果たした際には「不殺」を貫く剣心に失望するが、京都大火計画やその計画を囮にした戦艦での東京湾砲撃を見破られた上に阻止されたことで、彼を「国盗りの前に真っ先に倒すべき相手」だと評価を改める。
比叡山にある自身のアジトでは剣心と死闘を繰り広げており、斬撃と炎の組み合わせで剣心を圧倒。弐の秘剣「紅蓮腕」で彼を戦闘不能にまで追い込むが、仲間達の時間稼ぎで再び目覚めた剣心と再戦。再戦時には剣心に押し返され始めた志々雄は終の秘剣「火産神霊(カグツチ)」にて決着をつけようとするも、飛天御剣流奥義「天翔龍閃」の真髄である二撃目を受け、さらに自身に課せられた戦闘可能時間を上回ったことで深刻なダメージを受ける。

一方、剣心も既に瀕死の状態であり、互いに最後の一撃を放とうとした際に突然志々雄の身体が発火。限界を超えた体温が、自身の脂と燐ブンを燃焼させ人体発火を引き起こす。自身の状況を悟った志々雄は、高笑いを上げながら炎と共に消滅。剣心はこの姿を複雑な表情で見届けており、左之助に「勝ったな」と言われた際にも「いや…」と言葉を濁している。また、同じく志々雄の最期を見届けた斎藤は「時代が勝つべき者を選んだ」と語っている。

京都編以降は、人誅編で剣心の前に幻として姿を現す。縁に薫を殺害され廃人と化した剣心を嘲笑うが、発破をかけるような言葉もかけている。また、彼の元部下・明日郎が志々雄の愛刀・無限刃を持ち剣心の前に現れており、北海道編では共に行動しているなど、死後も間接的に剣心との因縁は続いている。

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瀬田 宗次郎(せた そうじろう)

志々雄の配下。剣心と志々雄のどちらが正しいか分からず精神的に不安定になっていたところを剣心に諭される。以降は「人生の答え」を探すため剣心同様、流浪の旅に出ている。

志々雄直属の戦闘部隊「十本刀」の一員であり、構成員の中でも最強の男。”天剣”の宗次郎と呼ばれている。幼少期、米屋の主人の妾の子として生まれた出自から家族内から虐待を受けており感情が欠落。その時、明治政府から追われていた志々雄と偶然出会ったことで救われており、彼の「弱肉強食」の信念ともらった脇差で一家全員を斬殺。以降、志々雄の「弱肉強食」が絶対に正しいと盲信し、志々雄の右腕として彼直々の命令を遂行している。馬車に追いつけるほどの脚力を持っており、志々雄に剣心を差し向けようとした大久保卿暗殺も彼が実行している。その際、事件現場を訪れた剣心に「志々雄に歯向かわない方がいい」と助言し、彼の行動を牽制している。剣心が京都への道中に訪れた新月村では剣心を志々雄のもとまで案内しており、志々雄に代わり剣心と対決。彼の逆刃刀を真っ二つに折っている。

宗次郎の強さは、感情による先読みをさせない「感情欠落」と脚力から繰り出される「縮地」であり、アジト内での再戦でもその速さで剣心を翻弄。さらに、回避も防御もできない飛天御剣流突進術「九頭龍閃」を回避している。しかし、確実に仕留めたと思った所をギリギリで食らいつく剣心に対し動揺し始め、徐々に困惑と苛立ちといった感情が戻り始める。それが原因で「あの時守ってくれなかったじゃないですか」と錯乱状態に陥り、剣心の「今からでもやり直しは効かないのか?」という問いについに発狂。縮地と抜刀術の組み合わせによる最強の技「瞬天殺」で剣心を倒そうとするが飛天御剣流奥義「天翔龍閃」に敗北。

勝敗が決した後、正しいのは志々雄ではなく剣心だったと結論付けようとするが「勝った方が正しいというのは志々雄の考えが正しいということ」、「本当の答えは今までの罪を償いながら自分の人生の中で見つけるように」と諭される。その後、剣心を志々雄のいる場へ向かわせる。剣心が出て行った後、由美に「天翔龍閃」の正体を伝えると共に志々雄から貰った脇差を志々雄に返すように依頼。人生の答えを見つけ出すため旅に出ることを決意するのだった。

以降は京都から東北、北海道と旅を続けており、北海道編では「剣客兵器」との戦いに参戦し剣心に協力している。

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比古 清十郎(ひこ せいじゅうろう)

剣心の師匠。一見ドライな性格だが実際はかなり弟子想いな師匠。奥義伝授を通し、剣心に「生きる意志」の重要さを説いた。

剣心の師匠であり13代目の飛天御剣流後継者。天保7年(1836年)10月生まれの43歳。その性格は剣心曰く「自信家、陰険、ぶっきらぼう、(剣心の恥ずかしい過去も知っているという点で)斎藤より数倍たちが悪い」。さらに人間嫌いであり、京都の山の中にある小屋に一人で暮らしている。本編の明治10年頃には陶芸も嗜んでおり、新津覚之進という名で陶芸家の間では知られている。また己の天才性を自画自賛するナルシストでもある。

剣心もだが、顔と年齢が一致しない。彼の容姿を見た弥彦と操は「飛天御剣流には不老不死の秘密でもあるのか」と疑っていたほど。一方、剣心と比べ体格に恵まれており身長も高い。そのため、比古の使う飛天御剣流の技は力・技術・速さ・経験のいずれも剣心を上回っている。そのあまりに強い実力から、剣心の修行を除き一度しか戦闘シーンが描かれていない。

「比古清十郎」の名前と白外套は先代より受け継いでいて、これを常に着ている。白外套は重さ10貫(約37.5kg)の肩当と筋肉の逆さを反るバネが仕込まれ本来の力を抑えている。普通の人間ではまず身動きが取れなくなる代物だが、比古はそれを着込んでもなお剣心を軽く圧倒している。剣心に奥義を伝授した際に譲り渡そうとしたが、「似合わないから」という理由で拒否されている。なお、その際に剣心は事実上破門とされている。

幼い剣心(当時の名前は”心太”)が野盗に襲われそうになったところを偶然救出したのが彼との出会い。無数の死体を見て呆然とする剣心に対し、「弱者が暴力の犠牲になるのは世の常、自分が助かっただけでもよしとしろ」と告げ、近くの村に助けを求めるように助言してその場を立ち去る。しかし、剣心の動向が気がかりだったらしく、一週間後に酒を買うついでに村を訪ねた時に剣心が来ていないと知る。「世を儚んで自害したか」と思い弔うべく剣心が襲われていた場所へ行くと、そこには無数の墓を立てた剣心が佇んでいた。「野盗の墓まで作ったのか」と彼に問いかけると、剣心は「死ねば誰もただの骸だから」と答える。また、剣心は自身を守ろうとして犠牲となった3人の少女に対しても「男は俺1人だったし、命を捨ててでも守らなきゃと思ったんだ」と呟く。その優しさと気概を見込んだ比古は、剣心に飛天御剣流を伝授することを決意。その際に「心太」という名を優しすぎて剣客に向かないという理由から「剣心」と名付けている。

剣心には「飛天御剣流はいかなる組織にも属さない自由の剣であるべき」だと諭しているが、幕末の動乱で苦しむ人々がいると知った剣心は「動乱を終わらせたい」と逸る気持ちから比古と喧嘩別れしている。その後、数十年音沙汰が無かったが、志々雄に対抗するため奥義伝授を頼み込みに来た剣心と再会。剣心が維新志士に加勢したことが志々雄を生み出した遠因であると指摘し伝授を拒否するが、剣心を追ってきた弥彦や薫から剣心が流浪人として人助けをしながら全国を回っていたと聞かされ飛天御剣流の理に辿り着いたことを認め奥義伝授を承諾。一週間に渡り再修業を施し総仕上げとして奥義「天翔龍閃」を伝授した際に、飛天御剣流の伝統通りに「天翔龍閃」の直撃で死にかける。だが、伝授の際に剣心が使用した逆刃刀・真打ちの目釘が緩んでいたおかげで一命を取り留め翌日には復活。剣心を見送る際、飛天御剣流継承者の座を彼に譲ろうとしたが「俺が受け継ぐのは飛天御剣流の理だけです」と拒否され彼を破門。また、その際に剣心から「志々雄と闘っている間、葵屋の皆を守って欲しい」と依頼される。「甘ったれんのもいい加減にしやがれ」と悪態をつくが最終的に依頼を了承。約束通り、葵屋の窮地に駆け付け彼らを守った。

剣心の「命を捨ててでも守らなきゃと思ったんだ」という自己犠牲的な姿勢は比古も危惧しており、修行の中で何度も言及している。奥義伝授も剣心だけでなく己の死も覚悟して臨んでおり、その気迫から「死」を覚悟した剣心は土壇場で「生きようとする意志」に目覚めるなど、剣心の生死観を大きく変えている。

一見ドライな性格だが、だいぶ弟子想いで、飛天御剣流を教えたことで闘いに巻き込まれる剣心に負い目を感じている節もあり、剣心を見送る際には「お前を不幸にするために飛天御剣流を教えたわけじゃない」と言ったり、破門後も剣心の巴の墓参りに顔を出したり、彼が東京へ帰る際に狼煙を上げて見送るなど何かと気にかけている。

雪代 巴(ゆきしろ ともえ)

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るろうに剣心(るろ剣)の武器・兵器・防具・装備・道具まとめ

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『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん)とは、人斬りとしての過去を悔いる剣士の緋村剣心が弱者を守るために剣を振るう様を描いた和月伸宏による漫画作品である。 本編には多くの武器、兵器、防具や装備、道具が登場する。不殺を誓う剣心が人を斬れない「逆刃刀」を、弱肉強食を唱える志々雄真実が刀身の燃える「無限刃」を使うように、武器や兵器、防具、装備、道具には各々の信念が垣間見える。 ここでは、『るろうに剣心』に登場する武器、兵器、防具、装備、道具を紹介する。

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るろうに剣心(るろ剣)の歴代OP・ED主題歌・挿入歌まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の歴代OP・ED主題歌・挿入歌まとめ

『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』とは、和月伸宏による和風バトルアクション漫画及びそれを原作としたアニメや実写映画などのメディアミックス作品。この記事では、『るろうに剣心』のアニメで使用された歴代オープニング・エンディング主題歌・挿入歌と、実写映画の主題歌を紹介する。当時アニメの主題歌といえばその内容に沿って作られたものが主流だったが、本作ではアニメの内容に関係なく流行のJポップが取り入れられ、その結果多くのヒット曲を生み出した。

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るろうに剣心(るろ剣)の料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ

『るろうに剣心』とは和月伸宏によって『週刊少年ジャンプ』に連載されていた、幕末から明治にかけて活躍した剣客たちを主人公にした漫画、およびアニメ作品である。作中では主人公の緋村剣心や神谷薫たちは、「赤べこ」という料理屋で食事をしているシーンがよく登場する。また薫や高荷恵の手料理、剣心のライバル・斎藤一の好物の蕎麦、剣心の師匠・比古清十郎があおっている酒など様々な料理・飲み物が登場しているのだ。当記事では『るろうに剣心』に登場した食べ物や飲み物を紹介する。

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るろうに剣心(るろ剣)の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

『るろうに剣心』とは和月伸宏によって描かれた、幕末から明治にかけてを舞台にした剣客漫画、およびそれらを原作としたアニメ作品だ。主人公である緋村剣心はかつて「人斬り抜刀斎」として暗躍し、幾人もの人を切り殺してきた伝説的な人物である。その後「人斬り」をやめて「不殺」の誓いを立てた剣心は、流浪の旅の途中神谷薫と知り合い、様々な事件や出来事を乗り越えて夫婦となる。作中では剣心・薫を含めて様々なカップルや夫婦が登場する。この記事では『るろうに剣心』に登場したカップルや夫婦をまとめた。

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ジャンプの歴代ヒロインまとめ

ジャンプの歴代ヒロインまとめ

日本でもっとも発行部数の多い漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』は、人気でも知名度でも漫画という文化の頂点に位置する存在であり、幾多の傑作を生み出してきた。少年漫画であるだけにほとんどの作品の主人公は男性キャラクターだが、彼らを盛り立てるヒロインもまた魅力的な造形の人物ばかりである。 大人に子供、主人公に守られるだけの存在から共に戦う相棒、正規のヒロインを蹴散らして主人公と結ばれた者、“少年漫画”の常識を超えたヒロインかつ女性主人公というタイプ。ここでは、ジャンプ作品を彩ったヒロインたちを紹介する。

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るろうに剣心(るろ剣)の原作・新旧アニメ・劇場版・OVA・実写版・舞台・ゲームの違い・相違点まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の原作・新旧アニメ・劇場版・OVA・実写版・舞台・ゲームの違い・相違点まとめ

人斬りだった過去を悔い、弱き人々を守る贖罪の旅を続ける剣士の活躍を描いた漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん)は、様々なメディアミックスを果たした人気作品である。しかしこれらのメディアミックス作品には、媒体ごとの特徴の違いなどから原作との相違点が存在する。 オリジナル長編エピソードが作られた旧アニメ版。少年漫画風アクションが排されたOVA版。エピソードが整理された実写映画版。ここでは、『るろうに剣心』の媒体ごとの相違点を紹介する。

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るろうに剣心(るろ剣)の流派まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の流派まとめ

贖罪のため、弱き人々を守るため不殺の剣を振るう伝説の人斬り緋村剣心の活躍を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん)には、チャンバラ活劇としての魅力に溢れる数々の流派が登場する。 神速の古流剣術飛天御剣流。活人剣を掲げる神谷活心流。催眠術で相手の動きを封じる二階堂平法。調査、潜入、戦闘までをこなす御庭番忍術。少年漫画的なアレンジが加えられた一刀流。破壊の極意二重の極み。ここでは、『るろうに剣心』に登場した流派を紹介する。

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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 相楽左之助」戦のネタバレ解説・考察まとめ

るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 相楽左之助」戦のネタバレ解説・考察まとめ

「緋村剣心 vs. 相楽左之助」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。剣心と左之助の過去が明かされるボリューミーな内容となっている。 剣心に退治された悪党が、仕返しのために名うての喧嘩屋“斬左”こと左之助に仕事を依頼。相手が維新志士と聞いて左之助がやる気になる一方、剣心はなぜ彼が維新志士を憎むのか分からず戸惑う。秘められた過去を背負い、左之助は剣心に真っ向勝負を挑む。

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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 鵜堂刃衛」戦のネタバレ解説・考察まとめ

るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 鵜堂刃衛」戦のネタバレ解説・考察まとめ

「緋村剣心 vs. 鵜堂刃衛」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。作品のテーマにも深く関わる人斬り同士の対決であり、剣心の心に苦いものを長く残す決着となったことでも知られる。 明治政府の高官の下に刃衛から斬奸状が送りつけられ、剣心はこの護衛を依頼される。やがて現れた刃衛は、剣心の正体に気付くと標的を彼に変更。剣心が世話になっている神谷道場の神谷薫を拉致し、彼の内に潜む人斬りとしての本性を暴こうとする。

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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 般若」戦のネタバレ解説・考察まとめ

るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 般若」戦のネタバレ解説・考察まとめ

「緋村剣心 vs. 般若」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。般若の実力と狂気にも等しい忠誠心を描くことで、隠密御庭番衆の力を剣心と読者に知らしめるものとなった。 剣心が出会った女医の高荷恵は、悪徳商人の武田観柳に強要されて阿片作りに加担していた。囚われた恵を救うべく観柳の屋敷に乗り込んだ剣心の前に、隠密御庭番衆の般若が立ちはだかる。不可思議な伸腕の術と絶対の忠誠心を武器に、般若は剣心に襲い掛かる。

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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 四乃森蒼紫」戦のネタバレ解説・考察まとめ

るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 四乃森蒼紫」戦のネタバレ解説・考察まとめ

「緋村剣心 vs. 四乃森蒼紫」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。物語序盤の勝負ではあるが、人気キャラクターである蒼紫の最初の戦いとして高い知名度を誇る。 江戸城の守備を担っていた隠密御庭番衆は、維新の成立と共に戦うことなく敗者となる。その長である蒼紫は、部下たちと共に自分たちに見合う戦場を探し続けていた。伝説の人斬り緋村剣心と戦う機会を得た蒼紫は、我らこそ幕末最強との証明のため死力を尽くす。

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るろうに剣心(るろ剣)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

るろうに剣心(るろ剣)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

明治時代を舞台に幕末の人斬り緋村剣心の生き様を描く時代劇漫画。宿敵志々雄誠との死闘を描いた「京都編」では、少年漫画の王道である「正義は勝つ」というセオリーに対し「勝負に勝った者が正義、というのは正しいのか」という疑問を読者に投げかけた。様々な信念を持って生きる魅力的なキャラクターたちが残した名言は少年漫画ならではの「かっこよさ」に留まらず「正義とは何か」を考えさせるものも多い。

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瀬田宗次郎(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

瀬田宗次郎(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

瀬田宗次郎とは、『るろうに剣心』に登場するキャラクターであり、主人公の緋村剣心と相対する志々雄真実が擁する十本刀の中でも、トップの実力を誇る剣客である。武力ににおいては志々雄一派の実質ナンバー2である。齢16にして“天剣の宗次郎”の異名で敵味方に恐れられている。見た目は主人公である緋村剣心とも負けず劣らずの優男であり、常に穏やかな表情である。生い立ちが原因で感情欠落しており、表情とは裏腹に平然と仲間を捨て駒にするなど冷酷な面もある。作中最速といわれる剣術で、剣心たちの前に立ちはだかる。

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斎藤一(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

斎藤一(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

斎藤一(さいとう はじめ)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場する帯刀の警察官である。明治に入ってからは警視庁の密偵として活動しており、職位は警部補。公には藤田五郎と名乗っている。元新選組三番隊組長であり、これらの経歴も史実に沿っている。妻の時尾がおり、妻帯者である。平突きの昇華技である「牙突」を軸に戦い、作中でも屈指の実力を誇る。元は維新志士だった主人公の緋村剣心とは因縁があったが、明治政府転覆を目論む志々雄真実討伐のため、「悪・即・斬」の信条のもと剣心と共闘する。

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雪代巴(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

雪代巴(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

雪代巴(ゆきしろ ともえ)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターであり、本作の主人公、緋村剣心の前妻である。元々は闇乃武の差し金であり、幕末当時、維新志士・人斬り抜刀斎として暗殺を請け負っていた剣心の弱点を探ることが目的で剣心に近づいていた。しかし、巴自身も剣心と籍を入れて暮らしている中で、惹かれていく。このことが災いし、闇乃武の戦いの中に自ら身を投じ、不運にも剣心の剣によって斬殺されてしまう。この一件はその後の剣心の運命を大きく変えた。

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悠久山安慈(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

悠久山安慈(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

悠久山安慈(ゆうきゅうざんあんじ)とは、『るろうに剣心』の登場人物で志々雄真実一派・十本刀の一人。明王の安慈という異名を持ち、十本刀の中でも瀬田宗次郎、魚沼宇水に並ぶ実力を誇り、志々雄から高く評価されている。鍛え抜かれた肉体を持つ巨漢であり、10年の修行の末編み出した破壊の極意「二重の極み」はあらゆる物体を粉々に粉砕する凄まじい威力を持つ。元々は心優しい瘦身の僧侶であったが、過去の悲惨な事件以来、明治政府を激しく憎んでおり、政府の打倒という共通の目的から、志々雄一派に協力することとなった。

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相楽左之助(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

相楽左之助(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

相楽左之助(さがらさのすけ)とは、『るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー』に登場するキャラクターで、主人公・緋村剣心の友人であり戦友である。馬ごと切り倒すほどの巨大刀剣、斬馬刀を使用して戦うことから、裏社会での異名は斬左。少年期に所属していた隊がニセ官軍汚名を着せられた絶望から、喧嘩に興じることで日々を過ごしていた。剣心と出会うまで喧嘩では負け知らずであったが、剣心に敗北し明治維新はまだ途中と諭される。それからは明治維新が生んだ軋轢に巻き込まれながら剣心らと共闘し、その中で戦術を身に付け成長していく。

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神谷薫(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

神谷薫(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

神谷薫(かみやかおる)とは『るろうに剣心』シリーズのヒロインであり主人公緋村剣心の妻、亡き父・越路郎が創り上げた神谷活心流の師範代である。あるとき、神谷活心流が人斬り抜刀斎を生み出した剣術である、と容疑がかけられていたときに剣心と出会う。剣心とともに父の生み出した流派の再建をするべく奮闘し、弟子となる明神弥彦を迎える。師範代として教えを説く日々であったが、ある日喧嘩屋の相楽左之助と出会い仲間となる。出会った仲間たちとともに剣心の命を狙ってくる刺客たちを倒すべく成長する。

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明神弥彦(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

明神弥彦(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

明神弥彦(みょうじん やひこ)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターで東京府士族の少年。明治維新の混乱によって孤児となった。集英組というヤクザに拾われ、スリ等雑用をさせられていたが、緋村剣心(ひむら けんしん)達と関わり、士族としてのプライドを取り戻し、ヤクザと手を切った。その後剣心の計らいで神谷道場に入門、神谷薫(かみや かおる)の下、神谷活心流を学び剣心達と共に戦う。幼いながらも常人離れした精神力や身体能力、剣才を発揮し成長していく。

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志々雄真実(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

志々雄真実(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

志々雄真実(ししお まこと)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターであり、主人公の緋村剣心(抜刀斎)と相対する志々雄一派の首魁にして剣客。剣の力量は剣心と互角で、その内に強大な野心と支配欲を秘める危険人物。かつて自身を裏切った維新志士への復讐を兼ねて明治政府転覆を目論み、大久保利通暗殺など様々な事件を主導する。「弱肉強食」を信念としており、一番の強者である自分が国の覇権を握り、国を強くすることが「正義」だと信じている。京都編の大ボスとして剣心達と激しい闘いを繰り広げる。

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石動雷十太(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

石動雷十太(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

石動雷十太(いするぎ らいじゅうた)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物で、実戦剣術流派「真古流」の隆盛を目論む剣豪。 次々と新しい兵器が生まれる中、剣術の意義が失われていくことを憂い、「兵器に負けないほど強力な剣士」たちによる剣術の再興を目論む。自身も古流剣術「飯綱」を修得した凄腕の剣士だが、言動のわりに中身は小物で、作中では「愚物」と吐き捨てられている。真古流のパトロンにするために刀剣商の塚山由左衛門に近づき、やがて主人公緋村剣心と対峙する。

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エルダー=ピーベリー(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

エルダー=ピーベリー(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

エルダー=ピーベリーとは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 第零幕』の登場人物で、外国人居留地に在住する西洋人の女性医師。 若輩かつ女性ということで、西欧では信用も仕事も得られず、やむなく自分の技術を活かせる場所、必要としている人を求めて日本にやってきた。困窮する者からは金を取らない高潔な医師だが、日本においても“若い娘”というだけで色眼鏡で見る者が少なくないため、普段は男装している。主人公緋村剣心と交流し、協力して外国人居留地で起きた事件を解決した後、アメリカへと渡っていった。

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武田観柳(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

武田観柳(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

武田観柳(たけだかんりゅう)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場する悪徳実業家。 表向きは町外れに住む青年実業家だが、裏では医師と結託し「蜘蛛の巣」という阿片を売りさばいていた。仲間割れにより協力者であった医師を殺害してしまい、その助手を務める高荷恵を監禁し無理矢理阿片の製造に協力させた。四乃森蒼紫を御頭とする御庭番衆や私兵団を従え、阿片で得た利益を利用して武器商人となり、更なる財を築こうと企む。実写や舞台の要素を取り入れて深みが増していったキャラであり、『北海道編』で再登場する。

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魚沼宇水(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

魚沼宇水(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

魚沼宇水(うおぬま うすい)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターで、明治政府転覆を目論む志々雄真実配下の精鋭部隊「十本刀」の一員。その中でも最強格の戦闘能力を持つ剣士で、盲目であることから「盲剣の宇水」と呼ばれている。琉球王家秘伝の武術の使い手であり、かつて対人斬り用暗殺者として腕を振るっていた。志々雄に敗れて光を失い、「隙あらばいつでも斬りかかって構わない」という条件で彼の仲間になっている。しかしすでに復讐を断念していることを斎藤一に見抜かれ、死闘を繰り広げる。

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四乃森蒼紫(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

四乃森蒼紫(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

四乃森蒼紫(しのもりあおし)とは、『るろうに剣心』の登場人物でかつて江戸城の警護を務めた御庭番衆(おにわばんしゅう)最後の御頭であり、15歳という若さでその座に就いた天才である。小太刀を用いた防御力に優れる剣術と御庭番式の格闘術を融合させた戦法で戦う。整った顔立ちの美男子だが、幼い頃より隠密として厳しい修行を受けていたため、冷静沈着な性格で表情の変化に乏しい。幕末最強と言われていた人斬り抜刀斎(現在の緋村剣心)を倒し、御庭番衆こそが真の最強である事を証明する為、剣心の前に立ちはだかる。

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高荷恵(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

高荷恵(るろうに剣心)とは【徹底解説・考察まとめ】

高荷恵(たかに めぐみ)とは『るろうに剣心』シリーズの登場人物であり、会津出身の美人女医である。悪徳商人の武田観柳に命じられアヘンの精製・密造を行っていた。その後、本作の主人公・緋村剣心に助けられ、剣心たちの仲間となる。戦闘へは参加しないが、その医療技術で剣心たちの怪我を治療をしたり、客観的な立場からアドバイスを送るなど裏方的な立ち回りが多い。恵は自分を助けてくれた剣心に恋心を抱いていたが、同じ剣士という立場から彼を支えていた神谷薫には勝てないことを悟り自ら身を引いた。

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