緋村剣心(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
緋村剣心(ひむらけんしん)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物であり、同作の主人公。左頬の十字傷と後ろで一つ結びにした長い赤髪が特徴的な単身痩躯の男。赤い着物に白い袴姿で腰には刃と峰が逆になっている刀「逆刃刀」を差している。一見物腰穏やかな優男だが、その正体はかつて幕末最強と謳われた「人斬り抜刀斎」。
動乱の中で多くの者を殺めた過去を抱えており、その償いと太平の世を生きる人々を守るため「不殺(ころさず)」の信念を掲げて旅をする「流浪人(るろうにん)」を名乗っている。
緋村剣心の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「剣は凶器、剣術は殺人術。どんな綺麗事やお題目を口にしてもそれが真実」
剣心が薫を助けに来た際、比留間兄弟は剣心に薫同様「活人剣」という甘い戯れ言をほざくのかと問う。その問いに対し剣心は「剣は凶器、剣術は殺人術。どんな綺麗事やお題目を口にしてもそれが真実」と答える。彼女の流派・神谷活心流は人を活かす「活人剣」を掲げていたが、剣術を殺人術として扱ってきた剣心にとっては「甘っちょろい戯れ言」だった。しかし剣心はこのセリフの後に「けれども拙者は、そんな真実よりも、薫殿の言う甘っちょろい戯れ言の方が好きでござるよ」と続けている。幕末時に何度も剣を振るい、多くの人の命を奪ってきた剣心だからこそ、薫の信じる理想を彼もまた信じたかったのだろうとわかる。剣心の本心と過去を垣間見ることのできる名セリフ。
「剣一本でも、この瞳に止まる人々くらいなら、なんとか守れるでござるよ」
かつて一緒に戦ってきた長州派維新志士・山形有朋に向けて放ったセリフ。剣心が横暴な警官隊を返り討ちにした際、騒ぎを聞きつけた有朋が現場に駆け付ける。多くの維新志士達が剣心の帰参を待っていると、剣心を陸軍要職につくように勧誘するが、剣心は「人斬り働きで栄職につく気は毛頭無いんですよ」と彼の誘いを断る。そして「官憲の栄職や権力を守るためでなく人が幸せになれる世を創り守るため剣を取って戦ったことを忘れたら維新志士(我々)はただの成り上がり者ですよ」と告げる。しかし有朋は、時代は変わり剣一本ではもはや何もできないのだと剣心を諭す。しかし剣心は有朋に対し「剣一本でも、この瞳に止まる人々くらいなら、なんとか守れるでござるよ」と告げるのだった。今は自分にとって大切な人のために力を使いたいという彼の心情を表した発言。
「俺が殺すと言った以上、お前の死は絶対だ」
暗殺者・鵜堂刃衛との決闘の際に放ったセリフ。「影技 憑鬼の術」で自身の潜在能力を引き出した刃衛に対し剣心は「俺が殺すと言った以上、お前の死は絶対だ」と宣言する。強敵との闘いと神谷薫が人質に取られた極限状態で、剣心は自身の中に封印していた「人斬り抜刀斎」に立ち戻りかける。目つきは鋭くなり、一人称は「拙者」から「俺」に変わり、言葉遣いも優しい口調から一変。奥義を使う鵜堂に対し、どんな技を使ってもお前の死は絶対だと「抜刀術」の構えを取る。「抜刀斎」の名は伊達ではないという剣心の絶対的自身と「人斬り抜刀斎」時代の剣心の様子が窺えるセリフ。なおこの際、本当に鵜堂を殺しかけるが薫の必死の呼びかけで「人斬り抜刀斎」から剣心に戻っている。
「今までありがとう。そして…さようなら。拙者は流浪人。また…流れるでござるよ」
京都編の始まりへと繋がる名セリフ。斎藤一との激闘で自分の中には「人斬り」が棲んでいることを自覚し、志々雄一派と闘うにつれ「人斬り抜刀斎」に戻ってしまうかもしれない。また、志々雄一派との戦いに薫達を巻き込みたくないと思った剣心は、彼らを遠ざけるべく再び流浪人に戻ると決意。それでも、薫にだけは別れを言っておきたいと彼女の前に姿を現し「今までありがとう。そして…さようなら。拙者は流浪人。また…流れるでござるよ」と告げる。別れを告げた人が薫だけということから剣心が彼女を大事に想っていたことが窺える。感謝の言葉とは裏腹に、どこか別れを惜しむ寂しげな笑顔を浮かべる剣心の表情が印象的な場面。
「時代を創るのは『刀』ではなくそれを扱う『人』でござる」
京都編において、「十本刀」の一員”刀狩り”の張に放ったセリフ。赤空最後の一振りを求め、彼の息子・青空の家族を人質にとった張。剣心を倒し志々雄と共に赤空の「殺人奇剣」で新しい時代を創ると宣言する張に対し剣心は「お前には到底無理」だと一蹴し「時代を創るのは『刀』ではなくそれを扱う『人』でござる」と反論。幕末時に斬り合いを通し、多くの剣士達の想いに触れてきた剣心だからこそ重みのあるセリフ。このセリフは父・赤空を嫌っていた青空の心情を変化させ、青空は剣心に賭けてみようと赤空最後の一振りを託すのだった。
「死ねない。俺はまだ死ぬわけにはいかない」
飛天御剣流の師匠・比古清十郎との奥義伝授の際のセリフ。命を捨てでも奥義を伝授しようとする剣心。比古は剣心の捨て身な姿勢を非難。今のままでは志々雄に勝てても己に潜む「人斬り」には勝てないと指摘。これ以上剣心が己の罪で苦しまないように引導を渡すと告げ剣心に本気の「九頭龍閃」を放つ。目の前に迫りくる確実な「死」を覚悟した時、剣心の脳裏に自分の帰りを待つ仲間達がよぎる。そして「死ねない。俺はまだ死ぬわけにはいかない」と土壇場で「生きる意志」に目覚め「天翔龍閃」を会得する。今まで自分自身の命を軽視していた剣心が初めて「生きたい」と望んだ名場面となっている。
「終わっているんだ。拙者がこの逆刃刀を手にした時に…」
志々雄戦終盤のセリフ。志々雄は剣心に「終わりはしねえさ。俺がこの無限刃を手にしている限り」と人斬りの時代は終わらないと告げるが、剣心は「終わっているんだ。拙者がこの逆刃刀を手にした時に…」と反論。同じ幕末の動乱を潜り抜けた人斬り同士だが、志々雄には「弱者を糧にする」という信念と剣心には「弱者を守る」信念という決定的な違いがあった。両者の対比になった信念を刀で表す名場面となっている。
「勝負に勝った方、つまり強い方が全て正しいというのは、それは志々雄の方が正しいということでござる」
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目次 - Contents
- 緋村剣心の概要
- 緋村剣心のプロフィール・人物像
- 緋村剣心の必殺技
- 使用した武器
- 逆刃刀(さかばとう)
- 逆刃刀・真打(さかばとう・しんうち)
- 飛天御剣流(ひてんみつるぎりゅう)
- 龍槌閃(りゅうついせん)
- 龍槌閃・惨(りゅうついせん・ざん)
- 龍翔閃(りゅうしょうせん)
- 龍槌翔閃(りゅうついしょうせん)
- 龍巣閃(りゅうそうせん)
- 龍巣閃・咬(りゅうそうせん・がらみ)
- 双龍閃(そうりゅうせん)
- 双龍閃・雷(そうりゅうせん・いかづち)
- 龍巻閃(りゅうかんせん)
- 龍巻閃・旋(りゅうかんせん・つむじ)
- 龍巻閃・凩(りゅうかんせん・こがらし)
- 龍巻閃・嵐(りゅうかんせん・あらし)
- 土龍閃(どりゅうせん)
- 飛龍閃(ひりゅうせん)
- 龍鳴閃(りゅうめいせん)
- 九頭龍閃(くずりゅうせん)
- 天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)
- 原作本編に登場しない技
- 飛天無限斬(ひてんむげんざん)
- 雷龍閃(らいりゅうせん)
- 緋村剣心の来歴・活躍
- 「人斬り抜刀斎」編
- 比古清十郎との出会い
- 人斬り抜刀斎の誕生
- 十字傷の真相 一本目の傷と雪代巴との出会い
- 十字傷の真相 二本目の傷と雪代巴との死別
- 「人斬り」から「流浪人」へ
- 東京編
- 明治十一年 東京での出会い
- 鵜堂刃衛との決闘
- 御庭番衆との闘い 高荷恵奪還戦
- 宿敵との再会
- 京都編
- 再び「流浪人」へ
- 志々雄との邂逅
- 折れた逆刃刀
- もう1つの逆刃刀
- 奥義伝授
- 京都大火
- 約束
- 比叡山アジトにて
- 四乃森蒼紫との再戦
- 剣心VS宗次郎
- 最終戦開始
- 闘志衰えず
- 時代の選びし者
- 十本刀始末
- 東京への帰還
- 人誅編
- 不穏な影
- 人誅
- 絶望の淵にて
- 緋村剣心の復活
- 剣と心を賭して
- 次の世代へ
- 北海道編
- 北海道へ
- 緋村剣心の関連人物・キャラクター
- 神谷 薫(かみや かおる)
- 明神 弥彦(みょうじん やひこ)
- 相楽 左之助(さがら さのすけ)
- 高荷 恵(たかに めぐみ)
- 四乃森 蒼紫(しのもり あおし)
- 斎藤 一(さいとう はじめ)
- 志々雄 真実(ししお まこと)
- 瀬田 宗次郎(せた そうじろう)
- 比古 清十郎(ひこ せいじゅうろう)
- 雪代 巴(ゆきしろ ともえ)
- 雪代 縁(ゆきしろ えにし)
- 新井 赤空(あらい しゃっくう)
- 緋村 剣路(ひむら けんじ)
- 緋村剣心の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「剣は凶器、剣術は殺人術。どんな綺麗事やお題目を口にしてもそれが真実」
- 「剣一本でも、この瞳に止まる人々くらいなら、なんとか守れるでござるよ」
- 「俺が殺すと言った以上、お前の死は絶対だ」
- 「今までありがとう。そして…さようなら。拙者は流浪人。また…流れるでござるよ」
- 「時代を創るのは『刀』ではなくそれを扱う『人』でござる」
- 「死ねない。俺はまだ死ぬわけにはいかない」
- 「終わっているんだ。拙者がこの逆刃刀を手にした時に…」
- 「勝負に勝った方、つまり強い方が全て正しいというのは、それは志々雄の方が正しいということでござる」
- 「ただいまでござる」
- 「覚えているでござるか。京都の戦いから道場に帰ってきた時拙者が『ただいま』といったこと。あの言葉を口にしたのは流浪人になってからは初めてでござった」
- 「『剣と心を賭してこの闘いの人生を完遂する!』それが拙者の見い出した答でござる!!」
- 緋村剣心の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 緋村剣心のモデルは河上彦斎(かわかみげんさい)
- 剣心の年齢は28歳
- 実写版の緋村剣心を演じたのは佐藤健
- 原作とかけ離れた内容の星霜編
- 新作アニメが2023年に放送予定