真夏の方程式（小説・映画）のネタバレ解説・考察まとめ
『真夏の方程式』とは、2010年から連載されていた東野圭吾の『ガリレオ』シリーズが原作の、2013年公開の日本映画である。監督は西谷弘。夏休みを玻璃ヶ浦の川畑（かわはた）家で過ごすことになった柄崎恭平（つかさききょうへい）は、仕事で来ていた湯川学（ゆかわまなぶ）と出会う。しかし同じ時期に玻璃ヶ浦に来ていた元警視庁の刑事が遺体で見つかったことにより、川畑家が抱える秘密が次第に明るみになっていく。この物語は海を臨む美しい町で湯川が少年とともに事件解決に進む様子と、血を超えた家族の愛が描かれている。
警視庁捜査一課の刑事で、岸谷の先輩にあたる。帝都大学社会学部卒業で、湯川とは大学時代からの友人。上司の多々良から塚原の事件を捜査するように直々に依頼され、岸谷と共に調査を進めることになる。本作で草薙自身は警視庁で湯川らとリモートでやり取りをすることが多く、現場に足を運ぶのは岸谷の役目となっていた。湯川の推理に的確に相槌をうちながら、事件の解決に尽力する。
川畑家の人物
川畑 成実（かわはた なるみ／演：杏）
玻璃ヶ浦で環境保全のために活動する女性。緑岩荘という旅館を経営する、重治と節子の一人娘である。実の父親は仙波であり、その秘密に気づいた伸子を中学生の時に東京で刺殺する。伸子を殺したことを節子と仙波によって隠され、東京から玻璃ヶ浦に家族で移住する。育ててくれている重治に感謝しつつも、実の父親である仙波がいつ故郷に戻ってきても良いように玻璃ヶ浦の海を守る活動をしている。
幼少期の川畑 成実（演：豊嶋 花）
画像手前が幼少期の成実
本作では、東京の川畑家で夜に寝ている様子が見られる。飲み会から酔っぱらって帰ってきた重治に「（飲み会でまわりから、重治と成実は）似てないって言われたよ」と、寝顔を眺めながら言われる。
15年前の川畑 成実（演：青木 珠菜）
東京の私立中学校に通う。テニス部に所属していたが、伸子を刺殺してしまったことにより学校を退学して玻璃ヶ浦に移住する。伸子に言われるまで、自分の父親は重治であると信じていた。突然現れた伸子に自らの出自の根幹を揺るがすようなことを言われ、今の家族の形が壊れてしまうことがこわくなり衝動的に犯行に及ぶ。
川畑 重治（かわはた しげはる／演：前田 吟）
画像中央が重治
玻璃ヶ浦で緑岩荘を節子と営む。緑岩荘はもともと節子の両親が営んでいたが、重治らが玻璃ヶ浦に移住したことで継ぐことになる。成実が自分の子ではないことと伸子を殺したことに気づいていたが、実の娘のように愛情を注ぐ。塚原が緑岩荘にやってきたことで15年前の伸子の事件が明るみになることを恐れ、塚原を殺害する。その際、犯行の工作に甥の恭平を本人の知らないうちに参加させる。
川畑 節子（かわはた せつこ／演：風吹 ジュン）
重治と共に、玻璃ヶ浦で緑岩荘を営む。若い頃に玻璃料理の店で仲居として働いており、その美貌と気立ての良さからお客に人気があった。客として来ていた仙波や重治、伸子とも顔見知りで、特に仙波に好意を寄せていた。その後重治と結婚するが、仙波との子である成実を妊娠し出産する。重治には、成実が仙波との子だということは隠し通しているつもりだった。夫婦仲は良好で、足の悪い重治のかわりに車を運転するなどしている。
警視庁に関係のある人物
塚原 正次（つかはら まさつぐ／演：塩見 三省）
元警視庁捜査一課の刑事で、現役時代は「名刑事」であると言われていた。多々良管理官の先輩にあたる。今作で重治に殺害され、緑岩荘近くの堤防に遺棄される。15年前に三宅伸子殺害の疑いで逮捕した仙波が冤罪であることに気づき、退官後に仙波の行方をさがし始める。伸子を殺害した真犯人を探す過程で行きついた緑岩荘に宿泊し、塚原が成実にたどり着くのを恐れた重治に殺害されることとなる。警察官を退官する際に、妻に「（伸子の事件は）悔いが残る」とこぼしていた。
多々良管理官（たたら／演：永島 敏行）
画像左が多々良
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目次 - Contents
- 『真夏の方程式』の概要
- 『真夏の方程式』のあらすじ・ストーリー
- 事件の始まり
- 追いかけてくる過去
- 湯川と恭平
- 川畑家の秘密
- 明らかになる過去
- 事件の真相
- 『真夏の方程式』の登場人物・キャラクター
- 主人公とその周辺の人物
- 湯川 学（ゆかわ まなぶ／演：福山 雅治）
- 岸谷 美砂（きしたに みさ／演：吉高 由里子）
- 草薙 俊平（くさなぎ しゅんぺい／演：北村 一輝）
- 川畑家の人物
- 川畑 成実（かわはた なるみ／演：杏）
- 幼少期の川畑 成実（演：豊嶋 花）
- 15年前の川畑 成実（演：青木 珠菜）
- 川畑 重治（かわはた しげはる／演：前田 吟）
- 川畑 節子（かわはた せつこ／演：風吹 ジュン）
- 警視庁に関係のある人物
- 塚原 正次（つかはら まさつぐ／演：塩見 三省）
- 多々良管理官（たたら／演：永島 敏行）
- 塚原 早苗（つかはら さなえ／演：根岸 季衣）
- 玻璃ヶ浦に関係のある人物
- 仙波 英俊（せんば ひでとし／演：白竜）
- 柄崎 恭平（つかさき きょうへい／演：山﨑 光）
- 柄崎 敬一（つかさき けいいち／演：田中 哲司）
- 三宅 伸子（みやけ のぶこ／演：西田 尚美）
- その他の人物
- 中川 雅人（なかがわ まさひと／演：神保 悟志）
- 鵜飼 継男（うかい つぐお／演：綾田 俊樹）
- 米山先生（よねやま／演：筒井 真理子）
- 『真夏の方程式』の用語
- 海底資源
- 脳挫傷
- 不完全燃焼
- 業務上過失致死
- 『真夏の方程式』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 湯川 学「ある人物の人生が大きく捻じ曲げられる可能性がある」
- 互いを想い合う川畑家
- 湯川 学「忘れるな、君は1人じゃない」
- 『真夏の方程式』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 原作と映画、それぞれの強味
- 成実の資質を持った杏
- あえて距離を保った湯川と恭平の関係
- 『真夏の方程式』の主題歌・挿入歌
- 主題歌：「vs.2013～知覚と快楽の螺旋～」福山雅治