ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』とは、映画三部作の興行収入が全世界で3,000億円を超える大人気シリーズ『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』三部作の完結編で、2003年に公開された。原作はJ・R・R・トールキンの小説『指輪物語』で架空の種族や架空の地が舞台である。すべての指輪を統べる強大な力を持つ「一つの指輪」を葬る旅に出たフロドは目的地の滅びの山があるモルドールの目の前まで来ていた。アラゴルン達は人間の国ゴンドールに加勢し、サウロン軍に勝利、とうとう最終決戦を迎える。

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』の概要

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』とは、J・R・R・トールキン作の小説『指輪物語』を原作とした映画作品である。『ロード・オブ・ザ・リング』は三部作となっており、今作はその三作目(完結編)で、2003年に公開された。架空の地でエルフなど架空の種族が争う壮大な世界観や複雑な物語から映像化不可能と言われていた。監督のピーター・ジャクソンはニュージーランドでロケを行い、三作すべてを一度に撮影し、三部作は2001年から3年連続で公開された。今作は劇場公開版が203分という三作のうち最長時間ながらも、前2作を凌ぐ圧倒的なスケールと映像美で映画史上に燦然と輝くファンタジー映画の記憶に残る締めくくりとなった。
公開当時、世界中の興行成績を塗り替える大ヒットで、三部作の興行収入が全世界で3,000億円を超えた。『ハッピーフィート』のイライジャ・ウッド(フロド・バギンズ役)や『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのオーランド・ブルーム(レゴラス役)の出世作となった。出演は他にイアン・マッケラン(ガンダルフ役)、ヴィゴ・モーテンセン(アラゴルン役)、ショーン・アスティン(サム役)、ドミニク・モナハン(メリー役)、ビリー・ボイド(ピピン役)、ジョン・リス=デイヴィス(ギムリ役)など。
今作はアカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚色賞、作曲賞、歌曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ賞、視覚効果賞、音響賞、編集賞とノミネートされた11部門全てで受賞した。『ベン・ハー』と『タイタニック』に並ぶ史上最多受賞、ファンタジー映画では初めての作品賞受賞という快挙を成し遂げた。
また第61回ゴールデングローブ賞では、作品賞(ドラマ部門)、監督賞、作曲賞、主題歌賞、第57回英国アカデミー賞では作品賞、撮影賞、脚色賞、視覚効果賞、オレンジ賞(一般投票)を受賞しており、他にも名だたる映画賞で数多くの受賞を果たしている。後にDVD化された『スペシャル・エクステンデッド・エディション』では、劇場公開版に、白の魔法使いサルマンの最期や人間の国ゴンドールの大将ファラミアとローハンの姫エオウィンが愛を育むシーンなど約50分間の未公開シーンが追加されている。本記事ではこの未公開シーンの内容も一部含んでいる。

人間やエルフ、ホビットなどが住む中つ国(ミドル・アース)。冥王サウロンは中つ国を支配するため、勢力を拡大させ、次に人間の国ゴンドールを狙う。知らせを受けた人間の国ローハン軍はゴンドールを救うために遠征し、サウロン軍との決戦に勝利する。
一方、養父ビルボから「一つの指輪」を譲り受けたホビット族のフロドは、庭師のサムと共に「一つの指輪」を破壊するため、サウロンの拠点であるモルドールにある滅びの山を目指していた。「一つの指輪」を狙い、フロドたちの後を付けてきたビルボの前の指輪保持者ゴラムは、モルドールへの道を知っているため、フロドは彼を道案内としていた。「一つの指輪」はサウロンが滅びの山の火を使って魂を込めて鍛造したもので、この指輪をサウロンが持てばより強力になり、中つ国はサウロンに支配され暗黒の時代に戻ってしまう。滅びの山の火口へ指輪を投げ入れることが指輪を破壊する唯一の方法であり、中つ国を守ることにつながるのだ。モルドールに入るため、邪悪なものが棲むというキリス・ウンゴルの峠を登っている途中で、指輪を奪うのに邪魔なサムを遠ざけようとしたゴラムの策略により、フロドはサムを疑い、家に帰るように告げる。サムと別れたフロドは大蜘蛛シュラブの毒針に刺され仮死状態となる。それを見つけたサウロンの手下であるオークが報告のためモルドールに連れていくが、追いかけてきたサムがフロドを助け出し、再度滅びの山を目指す。
フロドが指輪を葬ることを信じ、サウロンの目をフロドから逸らすため、ゴンドールの王の末裔であるアラゴルンたちはサウロンの本拠地であるモルドールに行き、戦うことを決意する。ゴンドールとローハンのすべての兵を連れ、決戦に挑むなか、フロドは滅びの山へたどり着く。滅びの山の火口に指輪を投げ入れようとした時、フロドが指輪の魔力に屈し、指輪を自分のものにしようとする。そこへ指輪を奪おうと後をつけてきたゴラムがフロドの指輪を奪い、フロドともみ合ううちに、火口の中へと落ちていき、指輪も破壊された。「一つの指輪」が破壊されたことで、サウロンは消滅し、サウロンの軍勢も滅びた。アラゴルンたちは勝利し、白の魔法使いガンダルフが呼んだ大鷲がフロドとサムを救出する。
その後、アラゴルンはゴンドールの王に即位し、旅の仲間は解散した。フロド達は故郷のホビット庄に戻るが、傷が癒えないフロドはガンダルフやエルフ族と共に中つ国を去り、西方の神々の国に旅立つのだった。

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』のあらすじ・ストーリー

ゴラムの記憶

出典: arda.saloon.jp

指輪を手に入れたスメアゴル

養父ビルボから「一つの指輪」を譲り受けたホビット族のフロドは、庭師のサム、前の指輪保持者ゴラムと共に「一つの指輪」を破壊するため、冥王サウロンの拠点のモルドールにある滅びの山を目指していた。

「一つの指輪」はサウロンが滅びの山の火を使って魂を込めて鍛造したもの。この指輪をサウロンが持てばより強力になり、中つ国は彼に支配され暗黒の時代に戻ってしまう。滅びの山の火口へ指輪を投げ入れることが指輪を破壊する唯一の方法であり、中つ国を守ることにつながるのだ。

フロドとサムが眠っている間、ゴラムは昔のことを思い出していた。
ゴラムは元はホビット族に近い種族で、本名をスメアゴルという。

スメアゴルは、青年時代に友人デアゴルと川で魚釣りをしていた。川に落ちたデアゴルは川底で偶然金の指輪を見つけ拾った。川から上がるとその指輪を愛おしそうに眺める。スメアゴルもその指輪を見た瞬間に魅入られ、デアゴルに指輪をくれと言う。お互いが我を忘れたように指輪を奪い合い、スメアゴルはデアゴルの首を絞めて殺してしまった。指輪を手に入れた時からスメアゴルは指輪を「愛しいしと」と呼ぶようになった。
彼はサウロンの邪悪な力が込められた指輪を持ったまま長い年月を過ごすことによって、徐々に心身が蝕まれ姿が変わってしまったのだ。

ゴラムにとって指輪は長い年月を唯一共にした友であり、唯一の生きがいであった。

サルマンの最期

魔法使いサルマンの拠点であるアイゼンガルドは、隣にあるファンゴルンの森の守護者エント族の襲撃により壊滅させられ、エント族の最長老「木の鬚」に管理されていた。

フロドとサムの友人で旅の仲間であるホビット族のメリーとピピンは、アイゼンガルドの中心にあるオルサンクの塔で見つけた食料を食べ、パイプ草を手にしてご機嫌だった。
そこへ到着した、同じ旅の仲間である白の魔法使いガンダルフとゴンドールの王の末裔アラゴルン、エルフ族のレゴラス、ドワーフ族のギムリ。無事か心配していたメリーとピピンが、のんきに食べたり飲んだりしている姿を見て呆れながらも彼らとの再会を喜ぶ。

アイゼンガルドへは人間の国ローハンの王セオデンや、その甥エオメルらがガンダルフ達に同行していた。
オルサンクの塔に閉じこもっていたサルマンだが、ガンダルフの到着により塔の頂上から姿を見せ和平を打診する。サルマンの後ろには、かつてのセオデンの相談役グリマがいた。
セオデンはグリマを見て「かつてはローハンの男だった。自由になれ」と言う。しかしサルマンは「おまえに自由はない。」と言いグリマを杖で叩いた。怒ったグリマはサルマンを剣で刺すと、サルマンは塔の頂上から落ち息絶えた。

サルマンが持っていたパランティアの石はガンダルフの手に渡った。この石は黒い水晶のような色形をしており、持ち主同士が意思を伝え合うことが出来るものだった。サウロンもパランティアを持っており、これを用いてサルマンと交信をしていたのだ。
ガンダルフが寝ている隙に、好奇心が強いピピンがパランティアを覗いてしまう。サウロンもパランティアを通じてピピンを見ていたため、その邪悪な力でピピンは苦しめられた。

しかしピピンはパランティアを通してサウロンの思念を見ており、思念の中に白い木があることを確認していた。ゴンドールの都ミナス・ティリスの中庭には「王の木」と呼ばれる白い木があることから、ガンダルフは次にサウロンが狙うのは人間の国ゴンドールであると考える。ガンダルフはピピンを連れローハンを旅立ち、急ぎゴンドールへ向かう。

ゴンドールを襲うモルドールの軍勢

ガンダルフとピピンは馬の中の王と言われる飛蔭を3日間走らせ、ゴンドールの都ミナス・ティリスに到着した。
余計なことを話しそうなピピンに、ガンダルフは何も話すなと言い含めていた。
しかしゴンドールの執政デネソールが長男ボロミアの死を知り嘆き悲しんでいる姿を見て、ピピンは思わず旅の仲間であったボロミアが自分たちを守って死んだことを告げ、恩返しにデネソールに奉公すると言ってしまう。

翌日ピピンはガンダルフに頼まれ、ローハンへ助けを求めるのろしを上げた。それを見たアラゴルンが「ゴンドールが援軍を求めている」とローハンの王セオデンに伝え、セオデンは自ら援軍を率いていくことを決意する。

モルドールとの境界にあるゴンドールの砦・オスギリアスでは、デネソールの次男であり大将のファラミア率いるゴンドール軍が川辺を見張っていた。
そこへサウロン軍が大河を渡ってきた。必死で戦うが多勢に無勢で、ゴンドール軍はミナス・ティリスに撤退しようとする。しかしサウロンの配下である、指輪の幽鬼ナズグルが空を飛ぶ獣に乗って追いかけてきた。
それを見たガンダルフはピピンを連れ撤退を助けに行く。ガンダルフが杖を掲げると白い光が放たれナズグルを怯ませ、その間にゴンドール軍はミナス・ティリスに撤退できたのだった。

ガンダルフとピピンは撤退したファラミアから、2日前フロドとサムに会ったと聞いた。生死のわからなかったフロドたちが、生きてモルドールに向かっていることを知り喜ぶ。

ゴラムの策略によりサムを疑うフロド

その頃モルドールの隣にあるキリス・ウンゴルの峠の崖を登っていたフロドとサムだが、ゴラムにより仲を裂かれようとしていた。
ゴラムは指輪を奪うため、邪魔なサムを遠ざけようと考えたのだ。

ゴラムはフロドとサムが眠っている間に最後の携行食であるレンバスを捨て、それをサムが食べたかのように工作した。
更にゴラムは「あの太っちょが指輪を奪おうとしている」とフロドに吹き込んでいたため、「少しの間でも、俺が代わりに指輪を持ちましょう」と申し出たサムの事を疑う。
サムは苦しむ主人の負担を少しでも軽くしようという思いだったが、フロドは「お前の助けはもういらない。家に帰れ」と突き放した。

死者の軍団を味方にしたアラゴルン

死者の軍団に囲まれるアラゴルン

一方ローハン軍は馬鍬砦(まぐわとりで)で休息をとっていた。
テントで眠っていたアラゴルンは、衰弱し息を引き取るエルロンドの娘アルウェンの夢を見て目が覚める。そこにエルフの国の領主エルロンドがやってきた。アラゴルンに、古の王イシルドゥアの折れた剣を鍛え直した王の剣「アンドゥイル」を手渡す。

おぼろ林を抜けた山の奥に、イシルドゥアに戦いの招集があれば応ずると誓いながら戦いに加わらなかった死者がいる。イシルドゥアの呪いにより、誓言を果たすまで永遠に成仏できないという。その死者の王がアラゴルンをイシルドゥアの末裔として認めれば、死者の王とその軍勢を援軍とすることができるかもしれないのだ。
またエルロンドは、「娘の命がつきかけておりそれを救うには指輪の破壊しかない」と話す。さらに、ミナス・ティリスのサウロン軍以外に、多くの海賊船がやってくることをアラゴルンに伝え、死者を味方とするよう助言する。

出発の支度をするアラゴルンを見かけたローハンの姫エオウィンは、アラゴルンに「あなたのそばにいたい」と自分の想いを伝える。しかし、アラゴルンは「あなたは幻影を愛している。私には応えられない」と言い、レゴラスとギムリと共におぼろ林に入っていった。

夜が明けローハン軍はミナス・ティリスに向かうが、メリーはセオデンに「小さなホビットに戦いは無理だ」と言われる。
同じく戦への参加を認められなかったエオウィンはメリーを馬に乗せ、他の者に内緒で進軍した。

おぼろ林を抜け死者の道に入ったアラゴルンたちは、死者に脅かされながらも前へ進み死者の王と会う。膨大な数の死者に囲まれるが、アラゴルンは王の剣を見せ「誓言を果たして共に戦い、名誉を取り戻せ」と言う。
死者の道を抜けアラゴルンたちが外へ出ると、目の前にサウロン軍の海賊船が見えた。もう戦いに勝てないと絶望するアラゴルンの前に、死者の王が戦いに参加すると現れる。
アラゴルンたちは死者の軍勢を連れて戦い、サウロン軍にあっという間に勝利した。

ゴンドールでは、ファラミアが胸を矢で刺され城へ運ばれていた。ファラミアはまだ生きていたが、息子が死んだと勘違いしたデネソールは「自分の血筋は絶えた」と嘆く。
デネソールが城から外を見ると、大量のサウロン軍が城を囲んでいた。

戦意喪失したデネソールは持ち場を離れて逃げるよう兵士たちに言う。しかしガンダルフがデネソールを杖で殴り、兵士たちに戦うよう鼓舞し戦の指揮を執る。
ゴンドールも投石で反撃を開始するが、そこへ空を飛ぶ獣に乗った9人のナズグルが現れ城の兵士や投石機を攻撃する。

ゴラムの裏切り

一方キリス・ウンゴルの峠の崖を登り続けたフロドは、ゴラムの案内により薄気味悪いトンネルの中に入る。姿を隠して呼び声に応えないゴラムに、裏切られたと知るのだった。
トンネル内の蜘蛛の糸に吊られた動物たちを見て危険を感じたフロドは逃げようとするが、蜘蛛の糸に絡んで身動きが取れなくなる。

その時、エルフの女王ガラドリエルから贈られた「エアレンディルの光」を思い出した。辺りを照らすとそこには大蜘蛛のシェロブがいた。暗闇に住むシェロブはまばゆい光を嫌うため、フロドはそれを振りかざしながら前へ進んだ。

突如ゴラムが襲い掛かってきて、指輪を奪おうとする。ゴラムを殺そうとするフロドだが「愛しいしとがやらせた」という言葉を聞き、同情心が湧いて首を絞めていた指を離す。
自分とゴラムのためにも指輪を葬らなければいけないというフロドの言葉を聞き、指輪を破壊されたくないゴラムは再度フロドに飛び掛かった。もみ合ううちにゴラムは崖から落ちていった。
疲労と衰弱から倒れたフロドだったが、ガラドリエルの幻が現れ「使命を果たすのです」という声を聞いて立ち上がる。

その頃、サムは崖から足を滑らせ落ちたところにレンバスが捨てられているのを見て、ゴラムの仕業と確信しフロドを追いかけていた。

フロドはもう少しでモルドールへ入れるというところで、隠れていたシェロブの毒針に刺され糸でぐるぐる巻きにされてしまった。
そこにサムが現れ、シェロブにやられそうになりながらもなんとか追い払う。サムはフロドが死んでしまったと思い、代わりに自分が指輪を葬ろうと指輪を回収した。

サムがフロドの死を嘆き悲しんでいると、オークの声が聞こえてきた。
モルドールからやってきたオークは糸で巻かれたフロドを見つけ、シェロブの毒針で意識を失っていると仲間に話す。
仮死状態となっているフロドをモルドールの塔へ運ぶという話を聞き、サムはフロドが死んだと思った自分を責め追いかけるのだった。

セオデンの死

ゴンドールではサウロン軍が城の中に攻めこみ、兵士だけでなく大人も子供も皆殺された。デネソールはファラミアを死んだと思い込んでおり、共に焼かれて死のうとしていた。
ピピンはデネソールに「ファラミアはまだ生きている」と伝えるが、聞く耳を持たない。

ピピンがガンダルフを連れて再度デネソールの元に向かう途中、ナズグルの首領であるアングマールの魔王が空飛ぶ獣に乗って2人の前に現れる。
ガンダルフの白杖を折り「人間の世界は終わりだ」と告げ、とどめを刺そうとする。
ちょうどその時ローハンの角笛が聞こえ、アングマールの魔王はそちらに向かった。

ガンダルフとピピンは急いでデネソールのところに行きファラミアを間一髪助けるが、デネソールは火に焼かれ死んでいった。

ペレンノール野に到着したローハン軍を大声で鼓舞するセオデン。勢力では大きく劣るローハン軍だが、死を覚悟してサウロン軍に向かい勇敢に戦う。
そこへオリファント(長い牙を6本持つ巨大な象)に乗った軍団がやってきて、ローハン軍を長い牙や足で蹴散らす。
セオデンがローハン軍をまとめ直そうと指揮を執っていると、アングマールの魔王が空を飛ぶ獣に乗って現れセオデンを倒す。

セオデンに内緒で戦場に来て戦っていたエオウィンはそれを見て、セオデンを助けるため魔王に立ち向かう。
魔王の乗った獣の首を切り落としたエオウィンだが、魔王に盾を破壊され「人間の男にわしは殺せぬ」と言われる。魔王はエオウィンを男だと認識しており、自分を殺すことはできないと思っていたのだ。

魔王がエオウィンを殺そうとした時、背後からメリーが剣で魔王の足を刺した。思わず跪いた魔王に対しエオウィンは「私は男ではない」と言い放ち、魔王の顔を剣で刺した。
人間の男には殺すことができない魔王を、女であるエオウィンは殺すことができたのだ。

レゴラス達の活躍もあり、ゴンドールとローハンはこの決戦に勝利することができた。
セオデンの体は砕かれたが「今なら、恥じることなく栄光ある父祖の仲間に入れる」と言い残し、エオウィンに見守られながら息絶えた。
アングマールの魔王を刺したことにより邪悪な力の影響を受けて衰弱したエオウィンは、療養所で同じく療養していたファラミアと出会い徐々に愛を育んでいった。

一方モルドールの塔に連れていかれた仮死状態のフロドは、塔の上で目覚める。そこへ追いかけてきたサムが現れ、フロドを助け出す。
指輪を取られたというフロドに、実は自分が持っていることを告げるサム。フロドに指輪を返し再度滅びの山を目指す。

指輪の破壊

出典: arda.saloon.jp

フロドは滅びの山の火口で指輪を投げ捨てようとするが、指輪の魔力に屈し自分のものにしようとする

アラゴルンら人間の連合軍は、ミナス・ティリスで話し合いをしていた。

アラゴルンはフロドが指輪を葬ることを信じ、フロドとサムがゴルゴロス平原を渡る時間を稼ぐ作戦を提案する。サウロンの本拠地であるモルドールの黒門で軍勢をおびき出して戦い、サウロンの目を引き寄せるというのだ。

サウロンは罠に気づくと言ったガンダルフに対し、アラゴルンはイシルドゥアの世継ぎである自分を餌にした。パランティアを覗いてサウロンに話しかけ、人間の国ゴンドールの王・イシルドゥアの世継ぎがここにいると告げたのだ。
アラゴルン達がゴンドールとローハンのすべての兵を連れ黒門に進軍し、モルドールのオークたちもそれを受けて黒門に向かう。

フロドとサムはその隙に滅びの山へと続くゴルゴロス平原を渡るが、フロドは指輪の重荷で衰弱し歩くこともできなくなる。それまで故郷に帰る希望を捨てなかったサムも、もはや帰る希望は持てずにいた。

黒門前に到着したアラゴルンの前に、黒門の中からサウロンの口が現れた。サウロンの口はサウロンの居城バラド=ドゥアの副官で、サウロンの意思を伝える役割を担っている。
サウロンの口は、アラゴルンたちに仮死状態のフロドから奪ったミスリルの胴着を見せ、フロドが死んだかのように思わせ戦う意欲を失くそうとする。
しかしフロドの死を信じず怒ったアラゴルンに、サウロンの口は切り捨てられる。

「フロドのために」と言うアラゴルンに仲間たちが続き、人間の連合軍とサウロン軍の最後の決戦が始まった。王としての自覚を持ったアラゴルンは連合軍を大声で鼓舞し、圧倒的な勢力差の中望みを捨てず戦い続ける。

サウロンの目が黒門に引き付けられているその隙に、ゴルゴロス平原を抜けたフロドとサム。滅びの山を登り始めたが、フロドはもう動けなくなっていた。
「指輪の重荷は背負えないけれど、あなたなら背負える」と言って、フロドを背負い滅びの山を登っていく。
そんなサムの前に、突如ゴラムが現れる。フロドを殺して指輪を奪おうとするゴラムを、サムが必死に止める。その隙にフロドは火口の入り口へと向かう。

必死の思いで火口たどり着き指輪を投げ入れようとするが、フロドはとうとう指輪の魔力に屈し自分のものにしようとしてしまう。サムの説得もむなしく、フロドは「指輪は僕のものだ」と言い指輪をはめてしまった。
ゴラムがフロドに飛び掛かり指輪をはめた指を食いちぎって奪う。
ゴラムとフロドが指輪を奪い合い、そのはずみでゴラムは火口の中へと落ちていった。ゴラムが持っていた指輪は火口の中で破壊された。

2人は吹き上がってくるマグマにのまれそうになったが、ガンダルフが呼び寄せたグワイヒア達によって救われた。

その後アラゴルンはゴンドールの王に即位し、戴冠式が執り行われた。ガンダルフやレゴラス、ギムリ、エオメル、ファラミアとエオウィンも出席。エルロンドの横にはアラゴルンの愛するアルウェンも来ていた。
アラゴルンとアルウェンが共に進んだ先にはホビットの4人組、フロド、サム、メリー、ピピンの4人がいた。4人に向かい頭を下げるアラゴルンと出席者たち。
アラゴルンが王位につき、旅の仲間は解散した。

指輪物語

フロド達は懐かしい故郷のホビット庄に戻る。

サムは幼馴染のロージーと結婚し、子供にも恵まれ幸せに暮らしていた。一方フロドはアングマールの魔王に刺された傷が癒えず、昔と同じ暮らしに戻れないでいた。
フロドは養父のビルボが書いた物語『行きて帰りし物語:ホビットの冒険』に、今回の旅を書き加えて『指輪物語』とタイトルを付けた。

養父ビルボがガンダルフと共に中つ国を去ることになり、ホビット族の4人組は灰色港に見送りに行く。そこにはエルロンドとエルフの国ロスローリエンの王、その奥方であるガラドリエルが待っていた。
サウロンは滅び「これからは人間の時代だ」とガラドリエルは話す。サウロンの手から中つ国を守る使命を終えたガンダルフも、中つ国を去るのだ。

ガンダルフとの名残を惜しむサム、メリー、ピピンだが、フロドも中つ国を去ることをその場で知り悲しむ。
フロドは彼らとの別れを惜しみながら、サムに『指輪物語』の本を渡し「この続きを書くのはサムだ」と告げる。

船に乗り込んだフロドは残った3人に優しく微笑み、西方の神々の国に旅立った。

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ダ・ヴィンチ・コード(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ダ・ヴィンチ・コード』とはダン・ブラウンの小説を原作に、2006年に公開されたアメリカの映画。監督はロン・ハワードで、脚本は原作者のブラウンとアキヴァ・ゴールズマンである。2006年の映画興行収入は2番目に高いが、批評家からは酷評も目立つ話題作。大学教授のロバート・ラングドンは、友人でルーブル美術館館長のソニエールが死体で見つかったことから警察に呼び出される。ロバートが追っ手を避けながらソニエールの孫娘と一緒に、ダ・ヴィンチの絵画に秘められたキリストの謎に近付いていくミステリーサスペンス映画。

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【ハリー・ポッター好きにおすすめ!】魔法・冒険がテーマのファンタジー映画10選【ロード・オブ・ザ・リング/ナルニア国物語】

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この記事では魔法や冒険をテーマにしたファンタジー映画をまとめた。子ども向けのものから少しダークなものまで幅広く紹介している。『ハリー・ポッターシリーズ』が好きならばどの映画もハマること間違いなしだ。気になった作品があればぜひチェックしてみてほしい。

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