岸辺露伴は動かない(ジョジョスピンオフ)のネタバレ解説・考察まとめ
『岸辺露伴は動かない』とは、荒木飛呂彦による漫画、及びそれを原作とするアニメ、ドラマ作品であり、荒木の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』に登場する岸辺露伴のスピンオフである。リアリティを追求する漫画家の岸辺露伴が、作品の取材で奇妙な現象に巻き込まれ、持ち前の知識、機転、スタンドと呼ばれる超能力で危機を回避する。日常に潜む恐怖や、意外な真実との遭遇を奇抜なアイディアで描く。派生作品『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の他、短編小説集もある。
女性司書
図書館司書の女性。だらしない服装をし、適当な性格をしている。
露伴が『河豚食の誘い』なる本の糊付けされたページを開けようとするのを制止するが、彼が真っ赤な栞を見つけて不幸に見舞われるやフグ毒で死んだ子供の話を引き合いに出して「好奇心は時として人の命を奪う」と言い、自身を「好奇心の赴くままに人の興味が至る果て。すべてを知り尽くした存在」と称し、「好奇心の為に命の危機に晒された漫画家が、命の為に好奇心を捨てられるか」を知りたくなった」と語る。
ヘブンズ・ドアーで得た情報によると、彼女は寛永の大飢饉で生き延びる為に様々なものを口にし、遂には食べる目的が生存から好奇心を満たすことへと変化。食人行為にまで至った。顔のページからは大量の真っ赤な栞が零れ落ち、読むのをやめるように言うが、露伴がそれを断ると好奇心が勝ったと満足して消滅した。
露伴は、彼女が「自分がどうしたら好奇心を捨てるのか」を知る為にまた現れると予期している。
『検閲方程式』
近森優斗(ちかもり ゆうと)
露伴の近所にある大学の大学院生。夏期休暇期間中、図書館の利用案内やサービスカウンターの業務補助を行っており、図書館館長の指示で露伴の資料集めを手伝っていた。
自身の恋人が意識不明に陥った原因と見られる「異次元に干渉する為の数式」の解明を行っており、彼女がもう長くない状態である為、露伴に漫画を通しての協力を依頼した。
近森の恋人
約3年前、別次元に干渉する為の方程式を解いている最中に倒れ、意識不明のまま入院している。
露伴が読んだ記憶によると、数式を解く過程で様々な不可解な現象があったことが判明。それでも2年に渡る計算の末、解を得たが周囲の文字や自分の思考が次々に数字になっていく現象に見舞われそれらの数字が一斉にカウントダウンを始め0になったとたんに倒れ込んだ。
記憶を読んだ露伴も解を得たことで同じ現象に見舞われるが、「解を知ったら忘れる」と書き込んだことで危機を回避。方程式に関する彼女の記憶のページは破り取られ、意識が回復し近森との再会が叶った。
『オカミサマ』
坂ノ上誠子(さかのうえ せいこ)
露伴の顧問税理士。公認会計士、行政書士の資格も持つ。
自身が才能を認めた人間の依頼のみを受け、非凡な才能の持ち主が金銭トラブルに見舞われたり破滅することがないように努めている。漫画の為に儲けを度外視した露伴の金の使い方には手を焼いている。
普段は落ち着いた口調だが、キレやすい性格でキレると言葉遣いが悪くなり、ボールペンを壁に刺さる勢いで投げることもある。このため、安物のボールペンを大量に持ち歩いている。
偶然「オカミサマ」と書かれた領収書を見つけた露伴に「オカミサマ」のことを教える。最後まで話を聞かないまま「オカミサマ」を使い窮地に陥った露伴からの連絡を受けた際は呆れながらも解決策を示した。
事件後は破産した身である露伴に50万円の相談料を突き付け、出費を抑えようとの意識を植え付けた。
タクシーの運転手
オカミサマによる取り立てから逃れようとした露伴を乗せた。「できるだけ遠くへ」と言われたのを幸い、運賃を上げようと高速道路に乗り、オカミサマの領収書を破り捨てようとしてシートを汚した際5万円の清掃料を要求して、知らないながらも露伴を窮地に追いやった。
サービス・エリアに車を止めた後、ヘブンズ・ドアーで露伴を殴らされた。示談金としてオカミサマからの負債の肩代わりを求められ、罪悪感からそれを了承する。オカミサマによる帳尻合わせにより、露伴を殴った記憶を失って露伴をサービス・エリアに残して去った。
『幸福の箱』
五山一京(ござん いっけい)
露伴と付き合いのある古物商。露伴曰く「食えない性格」で「友達づきあいはしたくないタイプ」。取引の際は言葉巧みに露伴を出し抜いて大金をむしり取ろうとする。対策として、ヘブンズ・ドーアで「岸辺露伴の質問には必ず答える」と書き込まれるほど信用されていないが、目利きとしての腕や仕事にかけるプライドは本物であり、安物や贋作を掴ませない点は高評価されている。
かなりの愛妻家であり、妻の千波のことを深く愛し、露伴にものろけていたが、彼女の愛情についていけないとも感じており、「このままでは二人とも駄目になってしまう」と憂えてもいた。
露伴を自宅に呼び出して「幸福の箱」なる品を風呂敷に包んだ状態で露伴に見せて退室。バラバラの破片の状態の幸福の箱を、露伴に組み立てさせる。露伴の茶に遅効性の睡眠薬を入れており、ある程度組み立てたところで自分が完成させ、箱の中にあるという幸福を手に入れようとした。
それは千波の策略であり、完成した箱に閉じ込められてしまうが、元々千波との結婚生活の悩みから解放されて新婚当初のような幸福を取り戻したかった為、結果としては箱の中で妻との幸福な生活を見続けることになった。
五山千波(ござん ちなみ)
一京の妻。夫を唆し、露伴に箱を組み立てさせた。
夫とは相思相愛で、露伴の前では落ち着いた妻を演じていたが、本性は夫への愛情が強すぎるあまり彼を束縛し、仕事での外出はおろか、母親の見舞いに行くことにすらヒステリーを起こす異常な性格の主。
幸福の箱を露伴に組み立てさせたのは、一京を閉じ込め、自分の手元に置いておくためだった。しかし、露伴から箱の中にいる一京の様子を聞き、夫が幻覚の自分に愛情を寄せていると知り半狂乱になった。
『夕柳台』
ケンちゃん
公園で露伴が出会った少年。勝手に露伴のスケッチブックを覗き見ていた為詰め寄られたが、そばにいた母親が「以前住んでいた夕柳台で、ケンちゃんがニタニタ笑う黒い猿に襲われてから口がきけなくなった」と説明。露伴に頼まれて、黒い猿の絵をスケッチブックに描いた。本名不明。
夕柳台の老人たち
夕柳台に住む老人たち。額に無数の痣があるリーダー格の老人は、露伴から「世界地図の爺様」とあだ名をつけられた。
夕柳台の環境の良さに心酔し、よその土地に住む人間を「下側の人間」と呼んで見下している。昔は、公園で遊ぶ子供の出す騒音に悩まされていたが、神仏の他、誰かの墓にすら祈ったことで何の騒音もない静かで「理想的な」暮らしが手に入った。騒音の原因となるものが勝手に壊れたり、よその土地に移った者も出たりしたが、自分本位な老人たちは気にしておらず、「この静けさが夕柳台の良さ」とまで言った。
彼らの自分勝手さに不快感を覚えた露伴により、ヘブンズ・ドアーで「大声でしゃべる」と書かれた為、騒音の元を排除する黒い老人に襲われる。露伴に「救急車を呼んでほしい」と頼むが、彼らが蔑む「下側」の土地に救急車が来るようにされた上、「自分たちでそこまで歩いて行け」と言われた。
黒く干からびた老人
夕柳台で騒音を出したものを攻撃し、街の静寂を守る存在。かつてケンちゃんを襲った「ニタニタ笑う黒い猿」の正体。手足が異様に長く、皮膚は黒く変色してところどころ腐り落ちており、耳、鼻、眼球がなくでたらめな方向に生えた歯でニタニタと笑う。
普段は姿が見えず、夕柳台で騒音が出ると現れる。見えるのは、騒音の元となった者だけで、スタンドとは違い生身で触れることもできる。夕柳台に住む老人たちの静寂を望む祈りによって生まれた存在だが、騒音を出すものを機械的に襲うだけで老人たちに従っているわけではない。その為、露伴のスタンドで大声を出した老人たちのことも容赦なく攻撃した。
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目次 - Contents
- 『岸辺露伴は動かない』の概要
- 『岸辺露伴は動かない』のあらすじ・ストーリー
- 『懺悔室』(『週刊少年ジャンプ』1997年30号掲載)
- 『六壁坂』(『ジャンプスクエア』2008年1月号掲載)
- 『富豪村』(『週刊少年ジャンプ』2012年45号掲載』)
- 『密漁海岸』(『週刊少年ジャンプ』2013年46号掲載)
- 『岸辺露伴 グッチへ行く』(ファッション誌『SPUR』2011年10月号別冊付録の小冊子掲載)
- 『望月家のお月見』(『ジャンプ+』2014年公開)
- 『月曜日 天気-雨』(『ジャンプスクエア』2016年1月号掲載)
- 『D・N・A』(『別冊マーガレット』2017年9月号掲載)
- 『ザ・ラン』(『週刊少年ジャンプ』2018年13号掲載)
- 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(単行本)
- 『岸辺露伴は叫ばない』(短編小説集)
- 『くしゃがら』(著:北國ばらっど)
- 『Blackstar.』(著:吉上亮)
- 『血栞塗』(著:宮本深礼)
- 『検閲方程式』(著:維羽裕介)
- 『オカミサマ』(著:北國ばらっど)
- 『岸辺露伴は戯れない』(短編小説集)
- 『幸福の箱』(著:北國ばらっど)
- 『夕柳台』(著:宮本深礼)
- 『シンメトリー・ルーム』(著:北國ばらっど)
- 『楽園の落穂』(著:吉上亮)
- 『岸辺露伴は動かない』の登場人物・キャラクター
- 『ジョジョの奇妙な冒険』Part4
- 岸部露伴(きしべ ろはん)
- ヘブンズ・ドアー(天国への扉)
- 東方仗助(ひがしかた じょうすけ)
- 広瀬康一(ひろせ こういち)
- 虹村億泰(にじむら おくやす)
- 山岸由花子(やまぎし ゆかこ)
- 支倉未起隆(はぜくら みきたか)
- 小林玉美(こばやし たまみ)、音石明(おといし あきら)
- トニオ・トラサルディー
- 『懺悔室』
- 懺悔者/若い男
- 浮浪者の霊
- 『六壁坂』
- 貝森稔(かいがもり みのる)
- 大郷楠宝子(おおさと なおこ)
- 釜房群平(かまふさ ぐんぺい)
- 大郷修一(おおさと しゅういち)
- 楠宝子の娘/大郷桐子(おおさと きりこ)
- 楠宝子の息子/大郷櫂(おおさと かい)
- 『富豪村』
- 泉京香(いずみ きょうか)
- 一究(いっきゅう)
- 主(あるじ)
- 『密漁海岸』
- ヴェルジーナ/森嶋初音(もりしま はつね)
- 『岸辺露伴 グッチへ行く』
- 通訳の女性
- グッチの職人
- 『望月家のお月見』
- 望月昇(もちづき のぼる)
- 望月晴瑠子(もちづき はるこ)
- 望月亜貴(もちづき あき)
- 望月猛(もちづき たける)
- 望月ミツ(もちづき みつ)
- 月の兎
- 『月曜日 天気-雨』
- 肥満の男
- 『D・N・A』
- 片平真依(かたひら まい)
- 片平真央(かたひら まお)
- 真依の夫/片平央(かたひら あきら)
- 尾花沢(おばなざわ)
- 『ザ・ラン』
- 橋本陽馬(はしもと ようま)
- 早村ミカ(はやむら みか)
- 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
- 藤倉奈々瀬(ふじくら ななせ)
- 露伴の祖母/猷(ゆう)
- 山村仁左右衛門(やまむら にざえもん)
- 野口(のぐち)
- ゴーシェ/辰巳隆之介(たつみ りゅうのすけ)
- 消防士
- モリス・ルグラン
- 『くしゃがら』
- 志士十五(しし じゅうご)
- 『Black star.』
- エージェント・ガブリエル
- スパゲッティ・マン
- 『血栞塗』
- 女性司書
- 『検閲方程式』
- 近森優斗(ちかもり ゆうと)
- 近森の恋人
- 『オカミサマ』
- 坂ノ上誠子(さかのうえ せいこ)
- タクシーの運転手
- 『幸福の箱』
- 五山一京(ござん いっけい)
- 五山千波(ござん ちなみ)
- 『夕柳台』
- ケンちゃん
- 夕柳台の老人たち
- 黒く干からびた老人
- 『シンメトリー・ルーム』
- 唐沢徹(からさわ とおる)
- 土山章平(つちやま しょうへい)
- 『楽園の落穂』
- 移季年野(うつろぎ としや)
- 移季羊(うつろぎ よう)
- 夜宜沼猩造(やぎぬま しょうぞう)
- 『岸辺露伴は動かない』の用語
- 妖怪六壁坂(ようかい むつかべざか)
- ヒョウガラ列岩
- 露伴の祖母のバッグ
- ロレンチーニャ
- 月下(げっか)
- Z-13倉庫
- くしゃがら
- 河豚食の誘い
- 真っ赤な栞
- 別次元に干渉する為の数式
- オカミサマ
- 幸福の箱
- 夕柳台(ゆうやなぎだい)
- 杜王情報通信大学(もりおう じょうほう つうしん だいがく)
- シンメトリー・ルーム
- シンメトリーの手
- 楽園の落穂
- 『岸辺露伴は動かない』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 浮浪者の霊「『時』は今だッ!『場所』はここだッ!何が起ころうがそれは運命の一部だッ!」
- 岸辺露伴「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ」
- 岸辺露伴「だから気に入った」
- 岸辺露伴「だが断る」
- 『岸辺露伴は動かない』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- Part4で露伴がグッチの時計をつけていたのは偶然
- アニメ版露伴の声優がテレビドラマ版に登場
- 『ジョジョリオン』と『岸辺露伴は動かない』は隣り合わせの世界
- 『岸辺露伴は動かない』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):菅野祐悟『岸辺露伴は動かないのテーマ』
- ED(エンデイング):Coda『FIDING THE TRUTH』