ジョジョ第5部(黄金の風)のネタバレ解説・考察まとめ
『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』とは、『ジョジョの奇妙な冒険』の単行本47〜63巻に収録されている漫画、およびそれを元にしたアニメなどのメディア展開作品である。主人公ジョルノ・ジョバァーナが、ギャング組織のチームメンバーとともに「ギャングスターになる」という夢を追う物語である。組織のボスや、ボスの放つ刺客たちとの戦いが、2001年のイタリアを舞台に繰り広げられる。
『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』の概要
『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』とは、荒木飛呂彦による『ジョジョの奇妙な冒険』の単行本47〜63巻に収録されている漫画、およびそれを元にしたアニメなどのメディア展開作品である。『週刊少年ジャンプ』1995年52号から1999年17号にかけて連載された。第3部から続くスタンド(幽波紋)シリーズの第3弾。本作はイタリアが舞台であるため、本部のみ紙面上では「Part5」ではなく「Parte5」と表記されている。
サブタイトルの『黄金の風』は後年に付けられた副題で、連載当時のサブタイトルは『第5部 ジョルノ・ジョバァーナ【黄金なる遺産】』だった。
なお、英語圏でのサブタイトルは、イタリア語の『VENTO AUREO』ではなく、英語の『Golden wind』として発表されている。
本作は4th Season『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』というタイトルでテレビアニメ化されており、2018年10月から2019年7月まで放送された。
『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』のあらすじ・ストーリー
少年の夢はギャング・スター
第4部の登場人物、広瀬康一(ひろせ こういち)は、空条承太郎(くうじょう じょうたろう)に依頼され、イタリアの空港へ降り立つ。その依頼とは、「汐華初流乃(ジョルノ・ジョバァーナ)」という人物が、本当にDIOの息子であるかどうか調べるため、皮膚を採取して欲しいというものだった。しかし康一は白タクシーを運転する少年に、パスポートごと荷物を奪われてしまう。康一は荷物を取り返そうと少年の部屋を訪れるが、その少年こそジョルノ・ジョバァーナであり、彼はまさしくDIOの血を継ぐ人物だったのだ。
ネアポリスに住む15歳の少年、ジョルノ・ジョバァーナは悲惨な少年時代を送っていた。母親からは虐待され、周囲からもいじめられていた。しかし名前も知らないギャング男性と出会ったことで、ギャングスターになるという夢を抱くことになる。
しかしある時、ジョルノはイタリアのギャング組織・パッショーネの人間とトラブルになってしまう。パッショーネは「スタンドの矢」を所持し、多数のスタンド使いを抱えるギャング団だった。ジョルノがパッショーネの構成員を再起不能にしたことで、ジョルノは組織のブローノ・ブチャラティに襲撃されることになる。2人ともスタンドと呼ばれる特殊能力を持つスタンド使いだったため、ジョルノはブチャラティとスタンド同士での戦闘になる。戦いの最中、ブチャラティが自身の組織が売買した薬によって薬物中毒になった少年を見て動揺したのをジョルノは見逃さなかった。
ジョルノはブチャラティの心に希望を見出し、組織を乗っ取って街を平和にしようという野望を告白する。そしてジョルノと話をしたブチャラティも彼に共鳴し、ジョルノの夢を叶えるために協力することになったのだった。
パッショーネへの入団
ジョルノはパッショーネの入団試験を受けることになる。その入団試験とは、幹部に会い、出題された問題に合格することだった。ジョルノはポルポという幹部が収監されている監獄へ向かい、「24時間ライターの炎を消さないようにする」という単純な試験を受けることになる。
しかし刑務所を出たジョルノは、すぐに掃除夫がまいた水を浴びてしまい、ライターの火を消してしまった。さらに条件を破ったことでポルポのスタンド、ブラック・サバスが出現し、掃除夫を矢で貫いて殺害した。この試験は、「組織の中にスタンド使いを増やす」という意味もあったのだ。
ブラック・サバスを撃退したジョルノは、素知らぬ顔で再点火したライターをポルポに差し出し、入団試験に合格する。しかし一般人を巻き込んで殺害したことに怒ったジョルノは、ポルポに罠を仕掛け、自殺に見せかけて暗殺したのだった。
入団試験に合格し、パッショーネの一員となったジョルノ。ジョルノはブチャラティのチームに入り、レオーネ・アバッキオ、グイード・ミスタ、ナランチャ・ギルガ、パンナコッタ・フーゴという風変わりなメンバー達に出会うことになる。
当初はジョルノに対して過激な歓迎をするメンバーもいたが、仕事を通して彼らもジョルノのことを徐々に認めていくのだった。
トリッシュ護衛作戦
パッショーネの正体不明の存在である「ボス」に近づくためには、組織の中でのし上がっていくことが必要不可欠だ。ジョルノはチームの仲間たちと信頼関係を築いていき、ブチャラティはパッショーネの幹部へと昇格する。そんなある日、幹部となったブチャラティにボスの隠し子である少女、トリッシュ・ウナを護衛するという任務が与えられる。トリッシュは組織を裏切った暗殺チームから命を狙われていたのだ。そのため、ブチャラティたちは次々に襲い掛かる暗殺チームのメンバーを撃退しながら、ヴェネツィアへにいるボスの元へとトリッシュを連れて行く事になった。
ついにヴェネツィアに到着したブチャラティたち。ブチャラティはトリッシュと2人でボスのもとへ向かうが、そこでボスの目的が「娘を守ること」ではなく、「娘を自らの手で確実に始末すること」だとを知る。ブチャラティはボスにトリッシュを引き渡して帰ることもできたが、彼女を守ることを選んだ。ボスに戦いを挑んだブチャラティだったが、その戦闘でブチャラティは致命傷を負う。しかし直後にジョルノのスタンド能力で生ける屍として再び動くことができるようになったブチャラティは、トリッシュを連れて逃げることに成功した。
ブチャラティはボスを裏切ることになり、組織からも追われる身となった。ブチャラティはボスを倒すという意思に賛同するものだけを連れていくと宣言し、賛同することができなかったフーゴはその場にとどまることになる。そしてブチャラティとジョルノは、アバッキオ、ミスタ、ナランチャとともに、トリッシュの記憶を頼りにボスの故郷サルディニア島へ向かうのだった。
レクイエム(鎮魂歌)
組織を裏切ったブチャラティたちが生き残るためには、ボスが差し向ける追手をかわしつつ、ボスの素性を暴く必要があった。サルディニア島でボスの痕跡を追うブチャラティ一行。一方、ボスは自らの親衛隊をブチャラティチームへの刺客として送る一方で、自身はドッピオという少年の人格と入れ替わっていた。実はボスは二重人格であり、ボスの右腕であるドッピオはボスの仮の姿でもあったのだ。
ボスはドッピオの姿でサルディニア島にいた。普通の少年のように見えるドッピオと接触してしまったアバッキオは、ボスの攻撃を受けて死亡する。しかしアバッキオは死亡する寸前に最後の力を振り絞り、スタンド能力でブチャラティたちにボスの素顔を伝えたのだった。
アバッキオの情報をもってしても、何の痕跡も残していないボスの正体をブチャラティたちは掴めないでいた。そんな中、何者かが「ブチャラティに協力したい。ローマのコロッセオで会おう」という旨の通信を送ってくる。その人物は、かつて空条承太郎と共にDIOと戦ったジャン=ピエール・ポルナレフだった。ポルナレフはかつて組織のボス・ディアボロとの戦闘に敗北し、戦闘者としては再起不能な状態となっていた。彼は自分が所持していた「矢」が、ディアボロのスタンド能力を破るために必要であると考えていたのだった。
ポルナレフからの通信でスタンドを進化させることのできる「矢」の存在を知らされた一行は、ポルナレフから矢を入手するべく合流地点であるローマのコロッセオへ急ぐ。しかしディアボロもポルナレフが持つ矢を奪おうとポルナレフを急襲し、その戦闘によってポルナレフは命を落としてしまった。
抗争の結末
命を落としたポルナレフだったが、ブチャラティ一行が連れていた亀と魂を入れ替えることにより、奇しくも合流を果たした。しかし死亡寸前にポルナレフが発動させた「シルバー・チャリオッツ・レクイエム」により、ディアボロの肉体にはブチャラティの魂が、ブチャラティの肉体にはドッピオの魂が入り、ミスタの魂はトリッシュの魂と入れ替わってしまった。さらにディアボロの魂はトリッシュの魂のそばに隠れながらミスタの肉体に憑りついており、レクイエムは矢を持ったまま独り歩きを始める。
ブチャラティたちは混乱したままディアボロと矢の争奪戦を繰り広げることになるが、ジョルノの体に入っていたナランチャはディアボロの攻撃を受け、命を落とした。トリッシュを守るために戦った際にボスの攻撃を受けて死亡し、それ以降はジョルノの能力によって生ける屍と化していたブチャラティにも、タイムリミットが訪れる。しかしブチャラティが死亡寸前にレクイエムを破壊したことにより、ディアボロの魂は元の肉体に戻った。
ポルナレフが与えた助言により、ジョルノは仲間たちの遺志を継いで矢を手にすることに成功した。ジョルノは矢の力でスタンドを「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」に進化させる。ディアボロのスタンド「キング・クリムゾン」は時間を吹っ飛ばす能力を持っていたが、レクイエムの攻撃してくる相手の動作や意志の力をゼロにする能力の前には歯が立たなかった。そしてディアボロはジョルノのラッシュ攻撃により、敗北したのだった。
ディアボロはまだ生存していたが、レクイエムの追加効果により、「死」という真実にさえ永遠に到ることができない「終わりのない終わり」を与えられた。そして多くの命を奪ってきたディアボロは、「永遠に死に続ける」という罰を受けることになる。
戦いの後、ジョルノはボスに成り代わった。そしてジョルノがパッショーネの新たなボスとして君臨し、第5部の物語は幕を閉じたのだった。
『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』の登場人物・キャラクター
ジョルノ・ジョバァーナ
イタリアに住む15歳の少年。父親はイギリス人であるDIO、母親は日本人である。DIOは首から下がジョナサン・ジョースターであることから、結果としてジョルノはジョースター家の遺伝を受け継いでいる。
悲惨な幼少期に出会った名前も知らないマフィアの男が自分と対等に接してくれたことから、ジョルノは人を信じる姿を学び、彼のようにギャングスターになることを目指すことになる。
スタンド「ゴールド・エクスペリエンス」は、てんとう虫をイメージした人型のスタンド。触れた物質に生命を与え、動物や植物に変える能力を持つ。主人公には珍しい、補助をすることが多いスタンドとなっている。
ブローノ・ブチャラティ
おかっぱ頭が特徴的な、マフィア組織「パッショーネ」の幹部。
物語の中盤、戦闘により致命傷を負うが、ジョルノのスタンドによって「生ける屍」(体は死亡したが生命エネルギーによって活動する状態)になる。
スタンド「スティッキー・フィンガーズ」は、物にジッパーをつけて接着や切断をしたり、ジッパーの中にある空間へ入ることができる能力。
レオーネ・アバッキオ
ブチャラティチームの部下で、元は警官だった青年。しかし悪がのさばる社会に絶望し、自らも悪事を起こすようになってしまった。
人型のスタンド「ムーディー・ブルース」は額にタイマーがついており、スタンドや人間の行動を映像のように再生することが可能。
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ジョジョの奇妙な冒険シリーズのモデル・元ネタ・由来まとめ
“ジョジョ”の名を冠する勇者たちの戦いを描いた『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズには、膨大な数のキャラクターが登場し、その中には現実の人物やグループがモデルとなっているものも少なくない。 伝説的殺人鬼のジャック・ザ・リパー。ゾンビ騎士ブラフォードとタルカス。波紋の戦士リサリサ。ナチスドイツのサイボーグ戦士シュトロハイム。恐るべき柱の男たちに、4部以降の数々のスタンドたち。ここでは、『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するキャラクターのモデルとなった人物やグループを紹介する。
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ジョジョの奇妙な冒険の料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ
『ジョジョの奇妙な冒険』とは、荒木飛呂彦による漫画作品。世代と主人公を変えながら自身の掲げる正義と共に悪と戦い続ける、「ジョジョ」と呼ばれる勇者たちの活躍を描いている。 19世紀のイギリスから第二次大戦直前のアメリカ、現代日本からイタリアまで様々な国を舞台としており、作中には多種多様な料理が登場する。その突飛な演出でネット上でネタとして愛されるものも少なくない。ここでは、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズに登場する料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物を紹介する。
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『ジョジョの奇妙な冒険』に受け継がれる「人間讃歌」というテーマ
連載を開始から30年という年月を経ても根強いファンをもち、ゲーム、アニメなど様々なメディア展開を行い続けている、名作漫画。絵柄、言い回し、擬音など、強烈な作風の中でも、時代を経て人々に愛される、シンプルな「人間讃歌」というテーマ、そこに描かれる唯一無二の世界観と、世代を超えて受け継がれていくキャラクター達の生きざまについて解説する。
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ジョジョの奇妙な冒険シリーズの都市伝説・豆知識・裏設定まとめ
場所と時代を変えながら活躍する、“ジョジョ”と呼ばれる勇者たちを描いた『ジョジョの奇妙な冒険』には、様々な都市伝説や豆知識、裏設定が存在する。 ディオの母親の存在。ゾンビ騎士ブラフォードとタルカスの真実。ツェペリの設定の変遷。カーズの行方。シュトロハイム最後の戦い。設定のみ存在するアヌビス神のスタンド使い。作者がその強さを保証する意外な強豪キャラクター。物語中盤でフェードアウトしたフーゴの本当の役割。ここでは、『ジョジョの奇妙な冒険』の有名な都市伝説や豆知識、裏設定を紹介する。
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ジョジョの奇妙な冒険の歴代OP・ED主題歌・挿入歌まとめ
『ジョジョの奇妙な冒険』とは荒木飛呂彦によるアクション・アドベンチャー漫画及びそれを原作としたアニメ・小説・ドラマ・映画などのメディアミックス作品。この記事では『ジョジョの奇妙な冒険』のアニメに使われた歴代のオープニング・エンディング主題歌・挿入歌と、その他の劇場アニメ、OVAなどの主題歌を紹介していく。
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目次 - Contents
- 『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』の概要
- 『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』のあらすじ・ストーリー
- 少年の夢はギャング・スター
- パッショーネへの入団
- トリッシュ護衛作戦
- レクイエム(鎮魂歌)
- 抗争の結末
- 『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』の登場人物・キャラクター
- ジョルノ・ジョバァーナ
- ブローノ・ブチャラティ
- レオーネ・アバッキオ
- グイード・ミスタ
- ナランチャ・ギルガ
- パンナコッタ・フーゴ
- ディアボロ
- ヴィネガー・ドッピオ
- トリッシュ・ウナ
- 『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』のメディア展開
- 小説
- ゲーム
- 『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』の用語
- 「弓と矢」
- パッショーネ
- レクイエム(鎮魂歌)
- 『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 第5部だけ「Part」ではなく「Parte」
- 暗殺チームの報酬は日本円で100~120万円程度
- ポルポの隠し財産のある場所は雑誌掲載時ではタオルミーナ
- 『ジョジョの奇妙な冒険 Part5(第5部) 黄金の風』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):Coda「Fighting Gold」(第1話 - 第21話)
- OP(オープニング):ハセガワダイスケ「裏切り者のレクイエム」(第22話 - 第39話)
- ED(エンディング):Jodeci「Freek'n You」(第1話 - 第21話)
- ED(エンディング):Enigma「Modern Crusaders」(第22話 - 第39話)