岸辺露伴は動かない(ジョジョスピンオフ)のネタバレ解説・考察まとめ
『岸辺露伴は動かない』とは、荒木飛呂彦による漫画、及びそれを原作とするアニメ、ドラマ作品であり、荒木の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』に登場する岸辺露伴のスピンオフである。リアリティを追求する漫画家の岸辺露伴が、作品の取材で奇妙な現象に巻き込まれ、持ち前の知識、機転、スタンドと呼ばれる超能力で危機を回避する。日常に潜む恐怖や、意外な真実との遭遇を奇抜なアイディアで描く。派生作品『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の他、短編小説集もある。
CV:白石加代子
露伴の母方の祖母。かつて杜王町で旅館を経営していたが、夫の死をきっかけに廃業し、賃貸アパートにして貸し出していた。「喫煙不可、夫婦は不可、子供連れはもっと不可、ペットは不可、料理は不可、家具の持ち込み不可、バイクは不可、楽器及びマージャン不可、ドライヤー不可、門限は夜の10時まで」と言う異様に厳しい入居条件により、入居者はあまりいなかった。
露伴がルーヴルに行く1年前に死去しており、黒い絵の力でZ-13倉庫に姿を現している。実写映画版では「猷」という名がついていた。
山村仁左右衛門(やまむら にざえもん)
演:高橋一生
黒い絵の作者。言い伝えによれば、彼しか知らない樹齢一千年以上の大木の幹から、最も美しい漆黒の黒を発見し、それを顔料に絵を描いたが、大木を切り倒した罪で領主に処刑された。
呪いがかかっていると噂された為、仁左右衛門の絵はすべて焼却されたが、生前一枚だけ隠していたものが奈々瀬の生まれ故郷の地主の家にあり、ルーヴル美術館に買い取られた。
実写映画版では、少しだけ生前の様子が描写された。
野口(のぐち)
演:美波
ルーヴル美術館出版部職員で、日本語通訳の担当。露伴の問い合わせに応じて仁左右衛門の作品について調べ、その所蔵場所に不審な点があった為東洋美術学部門に連絡を取り、そこの責任者であるゴーシェらの調査に自らも同行した。
所蔵先であるZ-13倉庫で、自身の不注意で溺死した息子のピエールと再会し、彼に触れたことで後悔と謝罪の意を口にしながら溺死した。
実写映画版版での名はエマ・野口。
ゴーシェ/辰巳隆之介(たつみ りゅうのすけ)
演:安藤政信
ルーヴル美術館東洋美術学部門の責任者。野口の報告を受け、山村仁左右衛門の作品の実態を確認する為、所蔵場所のZ-13倉庫へ調査に乗り出す。
ところが、露伴を含めた調査団しかいないはずのZ-13倉庫で消防士の一人が怪死し、同時に現れた人影にうろたえている間に突如車にひかれたような傷を負い死亡した。
実写映画版では、収蔵品の調査を行う臨時雇いのキュレーター辰巳隆之介として登場。美術品の窃盗団の一員で、画家の仲間であるモリス・ルグランに名画の贋作を描かせていた。モリスの死に関わっており、黒い絵を見たことで自身も死亡する。
消防士
ルーヴル美術館の常駐する警備管轄の消防士2名。Z-13倉庫がある区域が老朽化が進んでおり、迷路のような構造になっていることから、安全の為に調査団に同行する。
うち一人は、黒い絵に近づいた際どこからか銃撃を受け、もう一人はかつて同じ戦場にいたと思しき人物に触れられて全身をハチの巣にされ死亡した。
実写映画版では、消防士の1人が頭が祖父の起こした放火で亡くなった人物と同じく焼死した。
モリス・ルグラン
演:Arnaud Le Gall
実写映画版のオリジナルキャラクター。黒い絵のことを思い出した露伴が購入した絵の作者でもある。売れない画家で、ルーヴル美術館で模写をしていた。美術品の窃盗団の一員で名画の贋作を描く仕事を担当。辰巳たちに利用されていたことを知り、自首しようとするも辰巳に殺される。
露伴が買った絵は仁左衛門の黒い絵に魅せられて描いたものだが、仁左衛門の絵の秘密に戦慄。「ルーヴルで見た後悔」とのメモを絵の裏に残していた。
名前の由来は、小説家のモリス・ルブラン。ルブランは怪盗ルパンが活躍する『アルセーヌ・ルパン』の作者として知られる。
『くしゃがら』
志士十五(しし じゅうご)
演:森山未來
集英社で仕事をしている漫画家。本名は西桂太郎といい、「志士十五」のペンネームには、九九の誤答で「人生は思い通りにはいかない」との意味が込められている。露伴からは見た目がチンピラのようだと評される一方、作風は高く評価される。
漫画に必要なリアリティを求め、カフェを訪れた露伴と偶然出会い、新しい担当編集者から渡された禁止用語リストにあった「くしゃがら」なる単語、いくら調べてもそれに関する情報が得られなかったと語り露伴に協力を要請する。
一月後に再会した時には、「くしゃがら」に関する知識が何一つ得られないストレスから別人のように憔悴。それでも、何かに取り憑かれたかのように「くしゃがら」について調べ続ける。喉の奥に潜む「何か」が「くしゃがら」という単語を会話の中に割り込ませてくるが、異変に気付いた露伴により一か月間の記憶を消されて正気を取り戻す。
事件後、露伴が編集部に問い合わせたところ、十五は新しい編集者とはまだ会っておらず、担当編集者が漫画家に禁止用語のリストを渡すこともないと言われた。
「長年組んだコメディアンみてーに欲しい言葉をくれる」、「“ロウを塗った引き戸”みてーにスムーズ」といった独特の比喩表現をする。
『Black star.』
エージェント・ガブリエル
とある財団の代理人として、アメリアから訪れた屈強な白人男性。露伴に対し、スパゲッティ・マンの肖像画の作成を50万ドルで依頼した。
露伴から、スパゲッティ・マンとの遭遇体験を聞き、スパゲッティ・マンの実在を確信。自身がスピードワゴン財団の超常現象対策部門の人間で、スパゲッティ・マンの情報を得る為に露伴と接触し、肖像画の作成依頼を舌と明かした。
ちなみに、スピードワゴン財団は『ジョジョ』に登場する組織である(仗助の曽祖父に当たるジョナサン・ジョースターの友人・スピードワゴンが設立したもの。スピードワゴンは、ジョースター一族に降りかかる過酷な運命の手助けをする為、Part3以降自身の財団に一族の援助をするよう遺言を残した)。
スパゲッティ・マン
都市伝説として語られる存在。場所、時代を問わず同じ姿で現れ写真に写り込み、遭遇した者は行方不明になると噂される。確実なだけでも3人がスパゲッティ・マンの被害に遭っており、複数人いたとの目撃情報もある。被害者の遺留品がスパゲッティのように引き延ばされ、奇妙な形となって落ちていることから「スパゲッティ・マン」と呼ばれるようになった。
くたびれたスーツを帽子を身に付け、ボサボサの眉とギョロッとした目、笑っているかのような半開きの口が特徴。皆同じ姿をしている。
写真に写る自分の存在に気付いたものを標的とし、少しずつ相手との距離を縮めながら現れ、最終的には胸に空いた黒い穴から相手を吸い込む。穴は小型のブラックホールのようなもので、吸い込まれた者はスパゲッティのように細く引き伸ばされる。標的が抵抗をすると、同じ姿の別個体が無数に表れ吸引力が強くなる為逃れることはできない。「岸辺露伴を認識できない」と書き込まれた為、露伴を吸い込むことはできなかった。
スパゲッティ・マンの正体について、ガブリエルは高次元に存在する何者かが3次元の人間に接触し、連れ去る為の疑似餌のようなものと推測した。
『血栞塗』
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目次 - Contents
- 『岸辺露伴は動かない』の概要
- 『岸辺露伴は動かない』のあらすじ・ストーリー
- 『懺悔室』(『週刊少年ジャンプ』1997年30号掲載)
- 『六壁坂』(『ジャンプスクエア』2008年1月号掲載)
- 『富豪村』(『週刊少年ジャンプ』2012年45号掲載』)
- 『密漁海岸』(『週刊少年ジャンプ』2013年46号掲載)
- 『岸辺露伴 グッチへ行く』(ファッション誌『SPUR』2011年10月号別冊付録の小冊子掲載)
- 『望月家のお月見』(『ジャンプ+』2014年公開)
- 『月曜日 天気-雨』(『ジャンプスクエア』2016年1月号掲載)
- 『D・N・A』(『別冊マーガレット』2017年9月号掲載)
- 『ザ・ラン』(『週刊少年ジャンプ』2018年13号掲載)
- 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(単行本)
- 『岸辺露伴は叫ばない』(短編小説集)
- 『くしゃがら』(著:北國ばらっど)
- 『Blackstar.』(著:吉上亮)
- 『血栞塗』(著:宮本深礼)
- 『検閲方程式』(著:維羽裕介)
- 『オカミサマ』(著:北國ばらっど)
- 『岸辺露伴は戯れない』(短編小説集)
- 『幸福の箱』(著:北國ばらっど)
- 『夕柳台』(著:宮本深礼)
- 『シンメトリー・ルーム』(著:北國ばらっど)
- 『楽園の落穂』(著:吉上亮)
- 『岸辺露伴は動かない』の登場人物・キャラクター
- 『ジョジョの奇妙な冒険』Part4
- 岸部露伴(きしべ ろはん)
- ヘブンズ・ドアー(天国への扉)
- 東方仗助(ひがしかた じょうすけ)
- 広瀬康一(ひろせ こういち)
- 虹村億泰(にじむら おくやす)
- 山岸由花子(やまぎし ゆかこ)
- 支倉未起隆(はぜくら みきたか)
- 小林玉美(こばやし たまみ)、音石明(おといし あきら)
- トニオ・トラサルディー
- 『懺悔室』
- 懺悔者/若い男
- 浮浪者の霊
- 『六壁坂』
- 貝森稔(かいがもり みのる)
- 大郷楠宝子(おおさと なおこ)
- 釜房群平(かまふさ ぐんぺい)
- 大郷修一(おおさと しゅういち)
- 楠宝子の娘/大郷桐子(おおさと きりこ)
- 楠宝子の息子/大郷櫂(おおさと かい)
- 『富豪村』
- 泉京香(いずみ きょうか)
- 一究(いっきゅう)
- 主(あるじ)
- 『密漁海岸』
- ヴェルジーナ/森嶋初音(もりしま はつね)
- 『岸辺露伴 グッチへ行く』
- 通訳の女性
- グッチの職人
- 『望月家のお月見』
- 望月昇(もちづき のぼる)
- 望月晴瑠子(もちづき はるこ)
- 望月亜貴(もちづき あき)
- 望月猛(もちづき たける)
- 望月ミツ(もちづき みつ)
- 月の兎
- 『月曜日 天気-雨』
- 肥満の男
- 『D・N・A』
- 片平真依(かたひら まい)
- 片平真央(かたひら まお)
- 真依の夫/片平央(かたひら あきら)
- 尾花沢(おばなざわ)
- 『ザ・ラン』
- 橋本陽馬(はしもと ようま)
- 早村ミカ(はやむら みか)
- 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
- 藤倉奈々瀬(ふじくら ななせ)
- 露伴の祖母/猷(ゆう)
- 山村仁左右衛門(やまむら にざえもん)
- 野口(のぐち)
- ゴーシェ/辰巳隆之介(たつみ りゅうのすけ)
- 消防士
- モリス・ルグラン
- 『くしゃがら』
- 志士十五(しし じゅうご)
- 『Black star.』
- エージェント・ガブリエル
- スパゲッティ・マン
- 『血栞塗』
- 女性司書
- 『検閲方程式』
- 近森優斗(ちかもり ゆうと)
- 近森の恋人
- 『オカミサマ』
- 坂ノ上誠子(さかのうえ せいこ)
- タクシーの運転手
- 『幸福の箱』
- 五山一京(ござん いっけい)
- 五山千波(ござん ちなみ)
- 『夕柳台』
- ケンちゃん
- 夕柳台の老人たち
- 黒く干からびた老人
- 『シンメトリー・ルーム』
- 唐沢徹(からさわ とおる)
- 土山章平(つちやま しょうへい)
- 『楽園の落穂』
- 移季年野(うつろぎ としや)
- 移季羊(うつろぎ よう)
- 夜宜沼猩造(やぎぬま しょうぞう)
- 『岸辺露伴は動かない』の用語
- 妖怪六壁坂(ようかい むつかべざか)
- ヒョウガラ列岩
- 露伴の祖母のバッグ
- ロレンチーニャ
- 月下(げっか)
- Z-13倉庫
- くしゃがら
- 河豚食の誘い
- 真っ赤な栞
- 別次元に干渉する為の数式
- オカミサマ
- 幸福の箱
- 夕柳台(ゆうやなぎだい)
- 杜王情報通信大学(もりおう じょうほう つうしん だいがく)
- シンメトリー・ルーム
- シンメトリーの手
- 楽園の落穂
- 『岸辺露伴は動かない』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 浮浪者の霊「『時』は今だッ!『場所』はここだッ!何が起ころうがそれは運命の一部だッ!」
- 岸辺露伴「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ」
- 岸辺露伴「だから気に入った」
- 岸辺露伴「だが断る」
- 『岸辺露伴は動かない』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- Part4で露伴がグッチの時計をつけていたのは偶然
- アニメ版露伴の声優がテレビドラマ版に登場
- 『ジョジョリオン』と『岸辺露伴は動かない』は隣り合わせの世界
- 『岸辺露伴は動かない』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):菅野祐悟『岸辺露伴は動かないのテーマ』
- ED(エンデイング):Coda『FIDING THE TRUTH』