DEAR BOYS(ディアボーイズ)のネタバレ解説・考察まとめ

『DAER BOYS』とは1989年より八神ひろきが『月刊少年マガジン』で連載している漫画、およびアニメ作品。廃部寸前の高校バスケットボール部が、一人の天才プレイヤーの加入により生まれ変わり、数々の確執やライバル校との苦闘を経て、全国制覇を目指し駆け上がっていく物語である。スポーツ漫画にありがちな汗臭い要素やトリックプレーなどを排除し、高校生らしい「恋愛」や「青春」が重要な要素となっている。また、戦術やディフェンスシーンが詳細に描かれ、バスケットボールの本質が正面から捉えられている。

『DEAR BOYS』の概要

『DAER BOYS』とは1989年より八神ひろきが『月刊少年マガジン(講談社)』で連載を開始した、高校生のバスケットボールを題材にした漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。2017年第31回講談社漫画賞少年部門受賞。漫画単行本は第1部の『DEAR BOYS』(全23巻)から始まり、第1部の過去をつづった『DEAR BOYS THE EARLY DAYS』(全1巻)、第2部の『DEAR BOYS ACT II』(全30巻)、第3部の『DEAR BOYS ACT3』(全21巻)、本編で描かれなかった他校のエピソードなどを描いた特別編『DEAR BOYS OVER TIME』(全3巻)、ACT3の1年後、湘南大相模高校を舞台に描かれる第4部の『DEAR BOYS ACT4』とシリーズ化された。本作品はバスケットボールを主題とした漫画としての史上最長連載を誇っている。また、2003年にはテレビアニメ化し、テレビ東京とAT-Xで全26話が放送された。

『DEAR BOYS』は、廃部寸前の高校バスケットボール部が、一人の天才プレイヤーの加入により生まれ変わり、数々の確執やライバル校との苦闘を経て、全国制覇を目指し駆け上がっていく物語である。

舞台は神奈川県にある瑞穂高校。主人公である哀川和彦(あいかわかずひこ)が転入し、部員の起こした暴力事件によって廃部寸前に追い込まれていたバスケットボール部に入部するとこから始まる。バスケへの情熱を失っていた部員たちであるが、哀川の実力を認識し、その熱意に共感。くすぶっていた「全国制覇」の夢を再燃させるのであった。

本作品の特徴は、スポーツ漫画にありがちな汗臭い要素や、現実的には不可能なトリックプレーなどを排除したことにある。バスケットボールの本質を真正面から捉え、戦術やディフェンスシーンはリアリティにあふれている。また、「恋愛」や「青春」などの心理状態が高校生らしく爽やかに描かれ、男女や仲間を通じた心の成長がプレイヤーとしての成長も促す様はスポーツ漫画には珍しい。

『DEAR BOYS』のあらすじ・ストーリー

DEAR BOYS

哀川和彦の転校

神奈川県にある瑞穂高校へ転校してきた、高校2年生の哀川和彦。スカートめくりを繰り返すなど天真爛漫な行動で周囲を混乱させる彼が希望したのは、バスケ部への入部だった。しかし、男子バスケ部は部員の藤原拓海(ふじわら たくみ)が起こした暴力事件によってほとんどの部員が去り、残っているのは藤原を含め、三浦蘭丸(みうら らんまる)、石井努(いしい つとむ)、土橋健二(どばし けんじ)の4人だけ。試合に必要な人数さえ揃わず、活動休止状態であった。

そんな状況でも臆することのない哀川は、担任であり女子バスケ部顧問の氷室恭子(ひむろ きょうこ)に、改めてバスケ部の入部を宣言。女子バスケ部を相手に入部テストを行うことになると、あっさりと5人抜きを達成、コーナーから3Pシュートを沈めるだけではなく、リバウンドしたボールをそのままダンクする。175cmという低い身長ながら、華麗にダンクシュートを決める天才的な実力の哀川に興味津々の女子生徒たち。それもそのはず、実は彼はバスケの名門でインターハイ全国大会の優勝常連校・天王寺高校の元キャプテンであり、全国トップレベルのプレイヤーだったのだ。

瑞穂男子バスケ部の再開

女子バスケ部員の協力を得ながらアピールを続けた哀川に刺激を受けた藤原たちは、次第にバスケへの情熱を取り戻し、ついに、男子バスケ部は活動を再開。最初の練習試合で、男子バスケ部を活動停止に追い込んだ元顧問・下條 薫(しもじょう かおる)の率いる成田中央を苦しみながらも撃破する。この勝利を機に、瑞穂男子バスケ部は、全国制覇を目指し躍進していくこととなる。

バスケへの想いを再確認し、暴力事件で疎遠であった先輩たちとも向き合いつつ、個々の成長を遂げた瑞穂男子バスケ部のメンバー。託す者、託される者、夢は受け継がれ、新たな時代の幕が開いた。

新生瑞穂バスケ部の躍進

迎えた新人戦で瑞穂男子バスケ部は、並み居るライバル校が集る中、地区予選を勝ち抜いていく。準決勝の相手は横浜学園。強力なディフェンスが武器の正統派な古豪だ。窮地に追い込まれながらも、なんとか横浜学園を下すと、合同合宿で実力を高め合った本牧東高校が決勝戦の相手に決まる。たくさんの人の応援を背に、全力を尽くす瑞穂。しかし、ハイペースな試合の中でファールの数が徐々に増えていき、激闘の末、決勝戦の軍配は本牧東に上がった。

新人戦県大会を2位で終えた瑞穂は、関東大会へと進出する。2回戦で優勝候補の明和大日立を倒すなど、強豪校を相手に快進撃を続ける。一方、同じく関東大会に出場している成田中央も、瑞穂との練習試合での敗戦を機に劇的なレベルアップを果たしていた。準決勝で神奈川県大会1位の本牧東を完膚なきまでに叩きのめし決勝へ進出。関東大会の決勝戦は、因縁の対決、瑞穂と成田中央の再戦となった。

彼らの挑戦は終わらない

関東大会決勝戦、驚異的な成長を遂げた成田中央は、圧倒的な高さだけでなく、オールコートのマンツーマンも可能にした脚力を持ち合わせ、瑞穂を圧倒した。その実力の差に、試合中にも関わらず戦意を消失する瑞穂。結果は大差での敗退で、あまりの大敗ぶりに、瑞穂バスケ部は空中分解しそうになるのであった。

チームが険悪な状態にある中、哀川は練習にすら顔を出さなくなってしまった。しかし、女子バスケ部員たちの献身的なサポートや、新人戦後に加入した前向きな男・高階トウヤ(たかしな とうや)の影響、そして、暴力事件による険悪さから和解したOBたちの助けにより、瑞穂男子バスケ部は絆を取り戻す。

新たな目標、インターハイ出場へ向けて進み出す瑞穂。そこに控えるのは、強力なライバル校である成田中央はもちろん、インターハイの常連・湘南台相模、ディフェンスが強力な横浜学園。そして、全国の舞台で、ビックセンター二階堂航(にかいどう わたる)を擁する九工大福岡や王者奪還を目論む秋田城北、そして、哀川がキャプテンを務めていた天王寺高校らを相手に戦えるのか。
彼らの挑戦は『DEAR BOYS ACT II』へと続く。

『DEAR BOYS ACT II』

NEW COMERS

目指す場所はインターハイ。3年生に進級した哀川ら瑞穂高校男子バスケ部の6人は、新入生の勧誘を試みるが、経験者を優遇するかの方針で対立。それでも、バスケットボールの楽しさを再確認し、新入生を交えた練習も本格化。それぞれの思いを胸に、高校生活最後の大会であるインターハイ県予選が始まるのであった。

インターハイ神奈川県予選

インターハイ神奈川県予選。藤ヶ浦高校などを危なげなく倒し、瑞穂高校は決勝リーグへ進出した。対戦相手は、圧倒的パワーの本牧東、石井・土橋の中学の後輩・広瀬達也(ひろせ たつや)を擁する横浜学園、大本命の湘南大相模だった。全国大会への2枚の切符をかけて、それぞれの「夏への思い」を闘志に変える。

決勝リーグ第1試合は、本牧東との宿命の対決となった。DFを強化して挑んできた本牧東の戦術に、天才・哀川すらも苦戦。しかし、ひとつのミスが得点につながるような緊迫した試合展開に瑞穂メンバーの集中力が増し、燃え上がる闘志が瑞穂を快勝へと導く。

決勝リーグ、全国への1枚目の切符を手にしたのは、湘南大相模だった。そして、残る1枠をかけた最終試合は、瑞穂対横浜学園。右膝の故障で藤原を欠く瑞穂は、横浜学園が得意なスローペースでの試合運びに展開を支配されてしまう。それでも、十八番のファーストブレイクで得点を重ねた瑞穂は、なんとか横浜学園を下し、全国への出場権を獲得した。

さまよう目標

なんとか2勝1敗の2位で全国進出を決めた瑞穂。しかし、チーム内では問題が発生していた。

天王寺で過ごした去年とは違う、仲間同士で全国に向かうという体験に、悩みを深める哀川。そして、1年生同士の対立や、控え組とレギュラー組との確執が巻き起こる瑞穂男子バスケ部。不安を抱えたまま突入したインターハイ全国大会に向けての夏合宿ではあるが、練習相手として助っ人に現れたのは、本牧東と横浜学園だった。部活に対する考え方や、理想とするバスケの姿。それぞれの想いを打ち明けチームの絆を深めることになった瑞穂は、いよいよ、インターハイへと動き出す。

インターハイ開幕

ついにインターハイが開幕。強豪ひしめく全国の舞台だ。1回戦では2m超のセンター二階堂を擁する九工大福岡と当たる。開始早々のダンク合戦、高さの勝負を最後に制したのは瑞穂高校だ。2回戦ではかつてストリートバスケットボール対決をしたことのある嘉手納西と対戦。瑞穂は、横浜学園から伝授されたディレイドオフェンスを駆使する。

3回戦は神奈川県1位突破の湘南大相模とのリベンジ戦。雪辱に燃える瑞穂だが、シックスマンの高階が試合中に暴走する。湘南大相模のエース布施 歩(ふせ あゆみ)との中学時代からの因縁が語られる。

対戦相手との過去の確執を乗り越え、それぞれの思いを胸に、なんとか勝ち上がっていく瑞穂。一進一退の攻防の末にたどり着いたのは、準決勝の舞台だ。
準決勝第1試合は王者・天王寺と1年前のリベンジを誓う明和大日立が激突。第2試合で瑞穂と成田中央が対戦することが決定した。

対成田中央戦。宿命の再々戦の扉が開かれる瞬間はもう間もなく。『DEAR BOYS ACT3』へと続く。

『DEAR BOYS ACT3』

因縁を打ち破れ vs成田中央

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