三つ目がとおる(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『三つ目がとおる』とは、手塚治虫による漫画及び、それを原作とするアニメ作品である。無邪気な性格の中学生、写楽保介は古代種族三つ目族最後の生き残り。額の絆創膏を剥がすと第三の目と共に超知能、超能力を操る冷酷な人格が現れ悪魔のプリンスと化す。写楽は世界征服を目論む一方で、時にクラスメイトの和登さんらと共に古代遺跡絡みの陰謀に巻き込まれる。オカルトブームの中、人気を博し第1回講談社漫画賞を受賞。漫画の神と呼ばれた作者の没後初のアニメ化作品でもある。

『怪植物ボルボック編』に登場。地震と共に巨大な石柱がせり出し、周囲に放射状に石が並んだもの。イギリスのサークルストーンを思わせる。写楽曰く三つ目族が日本に上陸した証に自分たちの領土の印として建てたもので、柱の表面にそのことが刻まれていた。
本来の用途は、ボルボックが暴れ出した時に海水の雨を降らせて倒すこと。長い年月とともに地中に埋まり、和登さんの伯父の寺などの下で眠っていた(三つ目族が故意に地中に埋めたものもある)。

デビルコンツェルン

テレビ東京版オリジナルの悪の組織。『怪鳥モア編』並びに最終決戦などで度々その名が語られる。ブラッドリーをボスとし、文福、ケツアルと言った原作での悪役はほぼこの組織の一員ということになっている。三つ目族の遺跡をはじめとする古代遺跡を巡り、調査していた。目的は世界征服。
モエギとスーパーボルボックの反乱により壊滅した。

『三つ目がとおる』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

三つ目族の呪文の由来

「アブトル・ダムラル・オムニス・ノムニス・ベル・エス・ホリマク」という意味ありげな三つ目族の呪文だが、これはホア・カバリ・キルマ同様手塚治虫氏による創作である。
手塚氏の子供が幼い頃に言った舌足らずな言葉が元になっているなど諸説あるが、古代文明や言語等にこの呪文の「元ネタ」となるものはない。

『三つ目がとおる』は手塚治虫久々のヒット作

出典: natalie.mu

漫画の神様との異名を持つ手塚治虫氏だが常にヒット作に恵まれていたわけではない。劇画が隆盛を誇った1970年代にはこれといった人気作は生み出せなかった。手塚氏も大人向けの作品を多数送り出してはいるが、他の作家、作品の人気の陰に隠れる事態もあった。
そんな中、漫画家生活30年目の節目として連載が開始された。掲載誌である『週刊少年マガジン』とは、作品に関する事態(W3事件)が元で関係を断っていたが『三つ目がとおる』の連載を機に再び『週刊少年マガジン』にて筆を執ることとなった。
劇画作品に負けまいと、手塚氏は古代遺跡について徹底的に調査をし、そのリアリティと古代遺跡に関する独自の解釈によるロマンにより、『三つ目がとおる』は手塚氏久々の人気作となった。

【W3(ワンダースリー)事件】
手塚氏が『三つ目がとおる』まで『週刊少年マガジン』に漫画を描かなかったあらましを「W3事件」と呼ぶ。手塚プロダクションが『ナンバー7』という作品をアニメ化しようとしたが、『ナンバー7』と似た設定の作品の企画が通る事態が発生。手塚プロダクションは酷似した作品の放送を回避すべく『ナンバー7』のタイトルだけをそのままにし、内容を大幅に変更する羽目になった。『007』シリーズを意識したスパイものにヒントを得て、星光一(ほし・こういち)なる諜報員を主人公にし、光一の相棒として様々な能力を持った宇宙リスのボッコを登場させ、アニメ版の『ナンバー7』をスタートさせようとしたのである。
しかし、『宇宙少年ソラン』というアニメに、ボッコと似たキャラクターがいることから『ナンバー7』はタイトルを『W3(ワンダースリー)』とし、更に内容を変えたSF冒険ものとして発表された。
『ナンバー7』の主人公だった光一は、『W3』の主人公星真一(ほし・しんいち)の兄となり、ボッコもウサギ(に化けた宇宙人)となって辛うじて『ナンバー7』の名残りを遺している(ちなみに真一の名前の由来は手塚氏と親交のあったSF作家の星新一氏である)。
『W3』はそのまま『週刊少年マガジン』で漫画版が連載される予定だったが、『ナンバー7』の内容を変えるきっかけとなった『宇宙少年ソラン』も『週刊少年マガジン』に掲載されることとなった。手塚氏は『W3』の連載を自ら6話で打ち切って『週刊少年サンデー』に移行した。

写楽の没デザイン

出典: tezukaosamu.net

手塚治虫ファンの間では写楽のデザインは馴染みのものと言えるが、『三つ目がとおる』連載前は主人公のデザインを色々と模索したようである。『三つ目がとおる』の主人公を決める為のキャラクターデザイン集からは、一つの作品を何度も推敲する手塚氏のこだわりが伺える。

スターシステム上の写楽

手塚氏は漫画の制作に当たり、スターシステムなるものを取り入れていた。スターシステムとは、「作品は劇、もしくはドラマでキャラクターは役者」という概念であり、早く言えばキャラクターの使い回しである。手塚氏の作品においては、主役を務めたキャラクターが別作品で脇役や名もないモブとして登場することが多々ある。
「写楽保介」もそうしたスターシステムで他作品に登場している。基本的には絆創膏を貼った状態で、大人しいか気弱な少年として描かれる。三つ目状態の時は悪役である。

シャラク王子/出演作品:アニメ『手塚治虫のマリン・エクスプレス』

出典: blogs.yahoo.co.jp

『手塚治虫のマリン・エクスプレス』より、悪役で登場したシャラク王子。

声:肝付兼太

1979年8月26日に放送された24時間テレビ内の『海底超特急マリン・エクスプレス』に三つ目の状態で登場。この作品はヒゲオヤジやアトムと言った手塚キャラクターがスターシステムにより元々の作品とは違った役割りで登場している。
ストーリーは2002年に作られた海底超特急列車、マリン・エクスプレスの試運転に、計画の責任者だけでなく殺人者とそれを追う探偵、マリン・エクスプレスの破壊を目論む者といった訳ありの者や招かれざる客が乗り込み旅をするという、サスペンス色の強い冒険ものである。2015年にコミカライズされたが、一部内容が異なっている。

写楽は1万年前のムー帝国に現れたクリプトリプトン星人のシャラク王子として登場している。移民を自称し、初めは友好的にしていたが次第に本性を表してムー帝国を乗っ取った。国の宰相を抱き込んで多くの島々に侵略を仕掛け、マリン・エクスプレスを参考に海底の宝を採集するための乗り物を作ろうとした。
アダム(声:清水マリ。外見はアトム)がマリン・エクスプレスを破壊しようとしていると知りアダムを止めようとするが、間に合わずマリン・エクスプレスもろとも爆死する。

終始上から目線の態度であり、超能力を使用し陰謀を持つ様は三つ目の写楽そのままだが、惚れた弱み故にその相手を殺せない点も受け継いでいる。『マリン・エクスプレス』での想い人はムー帝国の女王、サファイヤ(声:太田淑子)である。サファイヤを女王のままにしているのは彼女を愛している為である。

写楽(しゃらく)/出演作品:アニメ『ブラック・ジャック』及び『ブラック・ジャック21』

アニメ『ブラック・ジャック』と『ブラック・ジャック21』に登場した写楽。

声:佐藤ゆうこ

2004年に放送された『ブラック・ジャック』に登場。『ブラック・ジャック』とは『三つ目がとおる』と同時期に連載開始された手塚治虫の代表作の一つで、奇跡の腕を持つ天才外科医ブラック・ジャック(声:大塚明夫)がどんな患者も治してしまうというヒューマンストーリーである。
ブラック・ジャックにはピノコ(声:水谷優子)という助手がいる。ピノコは一見すると幼い少女だが18年間双子として生まれるはずだった姉の畸形嚢腫内部に内臓、手足、目といったパーツがバラバラの状態で入っており、ブラック・ジャックに救われ人間として組み立てられた経緯を持つ。

アニメ版の『ブラック・ジャック』における写楽はピノコの友達としてレギュラー出演していた。初登場時から気弱で「自分がいじめられるのは仕方ない」と諦観状態だったが、ピノコに救われていじめっ子に立ち向かう特訓をつけてもらうことで前向きになり、ピノコとも仲良くなった。
ピノコ曰く「学校の勉強は苦手だけど変ことは知っている」とのことで、華道の歴史や8月8日がそろばんの日であるなど妙なトリビアを度々披露する。読書家のようで度々本を読んでおり、そこから知識を得たらしい。低年齢児向けの特撮に夢中になるなどオタクで変人気味の所はあるが『三つ目がとおる』の写楽よりは常識人でそこそこ空気は読める。またテレビ局に知人がいるなど侮れない人脈の主でもある。
和登さん(声:小野涼子)とは姉弟であり、『三つ目がとおる』のような恋人的な要素は一切ない(それぞれピノコ、ブラック・ジャックに想いを寄せている節がある)が、初登場回でこの姉弟を知る人物から「写楽君はきっとシスコン」「和登さんのような強い女性が好み」と言われていた。

考古学者の父、犬持の発掘現場にブラック・ジャックやピノコ、和登さんと共に呼ばれていったことがある。夜中、赤いコンドルに似た発掘品を手にし、「アブトル・ダムラル・オムニス・ノムニス・ベル・エス・ホリマク」の呪文を口にした。声も表情も通常と違い凛としたものになったが、これは地球人から攻撃を受け地球に滞在せざるを得なくなった宇宙人に操られてのことである。宇宙人リーダーが妻を治療させるべく犬持にブラック・ジャックを呼ばせ、自分たちと脳波の周波数が近い写楽を通訳にしたのだった。
ポゴやモアも写楽の持つ人形として度々カメオ出演する。

続く『ブラック・ジャック21』ではブラック・ジャックとピノコがある企みに立ち向かうべく世界を巡る展開になりレギュラーとしては登場しなくなるが、毎回何らかの形(人形やトランプの絵など)で姿だけを見せる。放送の終わりに『写楽を探せ』というコーナーができ、「どこに紛れていたか」の答え合わせを行っていた。

『三つ目がとおる』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「アブトル・ダムラル・オムニス・ノムニス・ベル・エス・ホリマク われとともり来たり われとともに滅ぶべし」

出典: twitter.com

三つ目の写楽がよく使う呪文。アニメでは赤いコンドルを呼び出すのにも使うが、三つ目族の遺跡を開くのにも使用される。古代三つ目族がこの呪文を唱えている最中に長耳族の攻撃を受けるシーンがあり、呪文詠唱が長すぎるのが弱点と言えるかもしれない。
『イースター島航海編』では、ポゴの処刑の際に小声もしくは心に思った状態でこの呪文を唱え、念力でポゴに投げられた槍を全て処刑人に跳ね返している。

えどまち
えどまち
@edono78

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