相棒 season20(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『相棒 season20』とは、警視庁特命係の刑事コンビが数々の事件を解決していく、テレビ朝日によるテレビドラマである。
「警視庁特命係」は、不祥事を起こした刑事や辞職してもらいたい刑事が上層部の意向で送り込まれる窓際部署。“人材の墓場”とも揶揄されるここには、しかし優秀過ぎて上層部が隠しておきたい秘密まで暴いてしまう刑事・杉下右京と、その杉下への好奇心からキャリア官僚の道を捨てて刑事となった冠城亘がいた。その推理力と、上司の叱責を物ともしない行動力で、2人は難事件に挑んでいく。

演:篠原ゆき子
捜査一課の新人刑事。元交通機動課の白バイ隊員だったが、『相棒 season19』の第1話で銃撃され、その犯人を自分の手で捕まえたい一心で捜査一課に転向した。殺されかかったことへの反骨心を自身の原動力としており、事件解決を第一に行動する熱血派。当初は腫物扱いされてまともに捜査に参加させてもらえず、思い余って特命係に出向いては杉下たちに情報を流し、ついには彼らと共に自分を銃撃した犯人を突き止める。
この経緯から特命係には友好的で、彼らの捜査能力を純粋に評価もすれば頼りにもしている。刑事としては新人な上に女性であることもあって、伊丹からは軽んじられるなど捜査一課では弱い立場。特命係と捜査一課の間に位置するような人物となっている。
ファンからは伊丹、芹沢と合わせて「トリオ・ザ・捜一」と呼ばれている。かつて捜査一課には三浦信輔(みうら しんすけ)という刑事が所属しており、当初は彼がトリオ・ザ・捜一の一員となっていたが、『相棒 season12』で犯人との格闘中に負傷して依願退職。『相棒 season19』で出雲が捜査一課に加わったことで、トリオ・ザ・捜一久々の復活となった。

陣川公平(じんかわ こうへい)

演:原田龍二
一時期特命係にも所属していた、警視庁捜査一課の刑事。経理担当なので、捜査に加わることは滅多に無いが、何かしらの事情があって捜査に加わる際は必ず面倒事を起こす根っからのトラブルメイカーである。
思い込みの激しい熱血漢で、ドラマや小説で描かれる名探偵や敏腕刑事に憧れている。その憧れを体現したような人物である杉下を崇拝し、常に敬意を払っているが、杉下からは丁寧に扱われる一方で少々煙たがられている。
実のところ、本人の性格的な問題から能力をまったく活かせないだけで、刑事としてはなかなかに優秀。事前に調べた情報があってのこととはいえ、杉下や冠城に先んじて犯人に辿り着いたこともある。極端に惚れっぽい性格で、事件の犯人、重要参考人、被害者など様々な女性に一方的に惚れては彼女たちのために奔走し事件を引っ掻き回してきたが、未だ独身である。

警視庁組織犯罪対策部

角田六郎(かくた ろくろう)

演:山西惇
特命係が置かれている部屋の隣に位置する、組対5課こと警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策第五課の課長。常に丸刈り頭に黒縁眼鏡という格好で、毎回のように「暇か?」と尋ねながら特命係に顔を出してコーヒーを飲んでいく。
組対5課の捜査や捕り物で手が足らない時は特命係に応援を頼む一方、その恩を忘れずに頼まれれば自分や自分の部下を特命係の応援に回すなど、警視庁の人間の中では彼らに協力的。それでも杉下の強引な捜査手法にいい顔はしておらず、「お前のやり方にはついていけない」とはっきり指摘したこともある。

警察学校

米沢守(よねざわ まもる)

演:六角精児

警察学校の教官。落語愛好家にして重度の鉄道マニアで、好きなもののことを語り出すと途端に早口になるオタク気質。妻に逃げられており、何かにつけてはそれを話題に持ち出す。
かつては警視庁の鑑識に所属し、周囲から厄介がられている特命係とも例外的に親しく交流する存在だった。事件の捜査などでも頼りにされていたが、杉下の無茶振りには内心かなり辟易としていたようである。

警視庁刑事部

内村完爾(うちむら かんじ)

演:片桐竜次
警視庁刑事部長。上層部の意向におもねり、部下がそれに背けば早々に呼び出しては容赦なく痛罵する、典型的な“組織の犬”。特命係を特に疎ましく感じている人物の1人だが、杉下の推理力自体は認めており、時にうまく利用してはほぼ公然と手柄を横取りする。それでも身を挺して民間人を守り、友人のためにキャリア全てを失う覚悟で黙秘を貫くなど、個人としては気骨のある人物。
『相棒 season19』にて、とある事件の捜査の中で暴漢に鈍器で頭部を殴られ、意識不明の重体となる。一時は命も危ぶまれたものの奇跡的に回復し、この際「生まれ変わったような気分だ」と語り、実際に突如として正義感溢れる人物となった。あれほど嫌っていた特命係にも公正に接するようになり(味方になったわけではなく、彼らの行き過ぎた捜査姿勢自体は普通に咎めている)、周囲を大いに戸惑わせている。

中園照生(なかぞの てるお)

演:小野了
警視庁刑事部参事官。常に内村に付き従い、その御機嫌取りに勤しむ典型的な腰巾着。一方で内村の尊大な性格には内心で辟易としており、影では散々に悪口に言っている。
特命係に対して当たりが強いが、個人として嫌っているというより「内村が嫌っているから」という面が強く、その推理力自体は頼りにするどころか、どうしようもない事態に直面すると臆面も無く杉下たちを頼り始める。
内村に取って代わることも考えているが、その内村が『相棒 season19』で生きるか死ぬかの瀬戸際にある時は心底狼狽し心配するなど、根っこのところで悪人になり切れない人物。その後急に人が変わったかのように正義漢ぶりを発揮し始めた内村に振り回されつつ、なんとか周囲と波風を立てないよう調整している苦労人である。

警視庁警務部

大河内春樹(おおこうち はるき)

演:神保悟志
警視庁警務部首席監察官。警察官の不正を調査し、事実であればこれを処罰するのが仕事。厳粛な性格だがストレスを溜め込むタイプらしく、イライラするたびに常に携帯しているラムネ菓子を頬張っては噛み砕いて発散している。周囲にはこれがラムネ菓子であることを明かしていないため、「ピルイーター」の異名で呼ばれている。
同性愛者で、自身の愛人でもあった警視庁警務部の男性が起こした事件で特命係と深く関わり、彼らのすさまじい推理力に注目。警視庁内全体で無き者のごとく扱われている特命係の数少ない味方となる。監察官としての節度はきっちり守っており、特命係の違法スレスレの捜査は真っ当に咎める一方、時に彼らに情報を流し、時に処分を引き延ばして捜査に必要な時間を稼いだりと、杉下たちにとっては手強くも心強い存在である。

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