SOUL SACRIFICE(ソウル・サクリファイス)のネタバレ解説・考察まとめ

『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)とは、2013年にPlayStation Vitaで発売したアクションゲーム。発売元はソニー・コンピュータエンタテインメント。作品の略称は「ソルサク」。
本作は牢獄に囚われた主人公が、喋る魔術書リブロムと出会い、運命に抗うためにリブロムの中に記載されたある魔法使いの力を手に入れるまでの物語。
作品の魅力は派手なグラフィックで表現される魔法、プレイヤー同士の共闘といったシステム、グロテスクながらも熱い重厚なストーリーである。

目次 - Contents

魔法

生物の一部や植物、鉱物や魔物の一部など、それら供物に宿った眠れる力を利用し、超常的な現象を引き起こすもの。主に魔法使いが魔物などと戦う際に用いる強力な術で、供物が貴重な代物であればあるほど、より強い能力を発揮する。
ただしその力を発揮させればさせるほどに供物の中の力は摩耗し、ついには使えなくなってしまう。

生贄(いけにえ)・救済(きゅうさい)・運命(うんめい)

魔法使いが背負った業とも言える選択。
右腕を用いて死に瀕したモノにトドメを刺し、命を終わらせ、その魂を自らの力へと変えるのが生贄。左腕で死に瀕したモノに手を差し伸べ、命を繋ぎ、再びその生を全うさせようというのが救済。生贄も救済も選ばず、ただその時に任せるという選択が運命。
魔法使いが魔物を殺す場合は、生贄が選択され、狩り取った魂をその腕に吸収して宿すことになる。また、瀕死となった仲間の魔法使い、まだ魔物となる前の者の魂を生贄にした場合は、強力な魔法を扱うことが可能。
尚、魔法使いの組織であるアヴァロンは、魔物を倒した際、現れた核の人間を基本的に生贄にするのが掟で、救済することは推奨されていない。しかしそれを絶対的に禁止しておらず、黙認する状態となっているが、あまり救済を行い過ぎると、掟を破ったとして、組織から殺し屋が派遣されることもある。

代償魔法(だいしょうまほう)

仲間を生贄にしたり、自分の肉体の一部を捧げることで発動させられる、非常に強力な魔法。
仲間を生贄にする魔法は生贄魔法、自らの肉体の一部を捧げる魔法は禁術と呼ばれる。生贄魔法は行えば生贄にされた方は死亡し、禁呪を用いれば、当然肉体の一部は失われてしまう。
ただしいずれの代償魔法も戦場の状況を一変させるほどに強力。

禁呪グリモア(きんじゅグリモア)

女魔法使いアリスが開発した禁呪。
遠く離れた土地、複数人の人間にまで対して、自身の持つ情報や知識、言葉などを広く伝えることができる、という効果を持つ。ただし、言葉を共有したい場合は舌を、見たものを共有したい場合は目を代償として捧げねばならない上、共有できる情報量も多くはない。
それでも上手く使えば、自らの五感全てを他者に共有することも可能。

禁呪エリクサー(きんじゅエリクサー)

魔物リザードマンたちが求め、用いたとされる魔法で、自我を代償に不死を与える効果がある。
なぜ自我を捨てねばならないかというと、この魔法を作り出した魔法使いが、生物は同種の存在が生きているうちは、その動物は不死である、という概念的な考えを提唱していたから。
作品中ではこのエリクサーの使用に失敗した存在ばかりが登場しているが、もし成功したらどうなるのかは、描写されていないために不明。

追体験(ついたいけん)

主人公が魔術書リブロムに記載された内容を読み、その内容を実際に体験する現象のこと。リブロムの中に綴られた記録を全て追体験することができれば、その中に秘められた力を自らのものにすることができる。
尚、プレイヤー間では基本的にゲーム内のクエストに挑むことを指すことが多い。追体験1回=クエスト1回という意味。

要請(ようせい)

アヴァロンがカラスを使い、魔法使いたちに書簡の形で届けられるという、魔物の殺害要請。これを受けて、魔法使いたちは記された魔物を生贄にするため、戦いに赴いていく。
尚、プレイヤー間では基本的にゲーム内のクエストそのものを指す言葉として通っている。魔物デュラハンの殺害要請、と言われれば、魔物デュラハンが討伐対象となっているクエスト、という意味だ。

歴史と神話

神話

『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)の世界の成り立ちだと言われている物語。
混沌が広がる原初の世界に秩序が生まれ、それに伴って双子の神が世界に誕生する。兄であるロムルス神は理性と秩序を好むが、対となるセルト神は、欲望と混沌を好んだ。互いに相いれない性質を持ったロムルス神とセルト神は、世界の支配権をかけて争うことになる。その決着は、ロムルス神がセルト神を騙し討ちし、勝利を勝ち取ることでピリオド。ロムルス神はセルト神を抑え込み、ロムルス神が世界の空に、セルト神が世界の大地になったという。
世界を独占して世界を自らの都合が良いように作り替えるロムルス神の姿を見て、セルト神は妬みと欲望を滾らせる。そんなセルト神の欲望が地上に溢れ、形を成した存在が人間となった。人間の中でも欲望から生まれたことを恥じるものたちがロムルス人、欲望から生まれたことを受け入れたものたちがセルト人になっていく。こうして生まれた2つの人間は、神のきまぐれで操られるがまま、人間の世界を形成していくのであった。

オリンピア戦争

物語の開始前に、ロムルス人とセルト人の間で発生したと言われる大戦。不可思議な力、魔法を扱うセルト人を不気味に思ったロムルス人が、セルト人から大陸の支配権を奪うべく仕掛けた侵略戦争である。
最初こそ魔法という超常現象を使うセルト人が優勢になっていたものの、戦争が長期化することで、魔法の代償による被害が発生。更にロムルス人が知恵をつけて鉄の精錬技術などの戦争に対する技術を向上させ、魔法に対抗し始めてしまう。そうした事態が重なり、セルト人優勢の戦況は一転、ロムルス人がセルト人を駆逐して、勝利を掴んだのだった。
結果、セルト人は少数民族となり、ロムルス人から隠れ住む、闇に生きる種族に。そしてロムルス人はロムルス帝国を作り、大陸を支配する多数派種族となったのだ。

永劫回帰(えいごうかいき)

『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)世界の理。
ある呪われた魔法使いが世界を滅ぼし、その男による絶望的な統治が長年続くが、突如現れた無名の魔法使いによって男は討伐され、聖杯を用いて世界を再生させる。そして再生した世界は長らく続いていくのだが、また世界は呪われた男の出現によって、滅びの危機に瀕す、というもの。
本作ではこのような破滅と再生を、2人の神、ロムルス神とセルト神の兄弟喧嘩によって生じていると考えられていた。この永劫回帰の世界を打ち砕くため、グリム教団は予言書を基に活動を進めている。

sasa
sasa
@sasastation_33

目次 - Contents