
『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)とは、2013年にPlayStation Vitaで発売したアクションゲーム。発売元はソニー・コンピュータエンタテインメント。作品の略称は「ソルサク」。
本作は牢獄に囚われた主人公が、喋る魔術書リブロムと出会い、運命に抗うためにリブロムの中に記載されたある魔法使いの力を手に入れるまでの物語。
作品の魅力は派手なグラフィックで表現される魔法、プレイヤー同士の共闘といったシステム、グロテスクながらも熱い重厚なストーリーである。

人間だった頃は、美しい姿を持った娼婦だったが、ある感染症に罹ったことで、その美しさが損なわれることを恐れていた。
醜く死に至るのかと絶望する最中に現れた聖杯に願いを捧げたことで、永遠に揺るがない美しさを手に入れるが、それは肉体という概念からの脱却であった。朽ちることのない身体を手に入れたものの、その身は光り輝くだけの魂だけになってしまい、誰にも己であると認知されることがなくなってしまう。しかしそれでも諦めず、自らの姿を見せびらかすためにステンドグラスをベールのように加工して纏った姿の魔物として現世を漂っている。
透明になって攪乱する行動や、視界を奪う霧を出す技、追尾する飛び道具を操るため、惑わされずに戦うことが必要不可欠。
バジリスク

人間だった頃は盲目の青年であり、自らを介抱してくれていた女性の献身的な性格に、恋心を抱いていた。
女性の介抱の甲斐があってか、青年は僅かながらに視力を取り戻しそうになるのだが、実は容姿に自身がなかった女性は自らの姿を見て青年が幻滅するのではないかと恐れ、青年の食事に毒を盛る。そのせいで完全に視力を失ってしまった青年は、彼女のその真意を知って、容姿などどうでもよかったと慟哭しつつ、絶望と復讐心から、現れた聖杯に願いを捧げてしまう。女性を生贄に捧げた結果、青年の身体は、巨大な目玉がついた翼から毒の涙を流す化け物へと変化し、手に入れた視力を用いて世界を見るために、飛び去って行った。
素早い動きと、物語に起因した毒付与攻撃が特徴で、体力が減ってくると全ての攻撃に毒を付与してくる。
トロル

人間だった頃はほら吹きの騎士で、若い頃は誠実で勇敢な性格を持つ、武勇に優れた高名な騎士だったのだが、年齢を重ねて退役をしてからは傲慢な性格に成り下がった。
立場や性格の変化から、次第に彼は誰にも見向きもされない哀れな存在になっていき、それに耐えられなくなった傲慢な騎士はかつて自分が誇った武勇を語ることで、再び他人の目を自らに集めようとする。一時は華麗な武勇伝に人々は魅了されていたのだが、それすらも飽きられて再び見向きもされなくなってしまい、焦った騎士はついに嘘の武勇伝を語ったものの、ほらを見抜かれて追い詰められてしまう。自分の話が嘘ではないと証明するために、聖杯へ嘘の武勇伝に登場した醜い巨人の出現を願ったが、その巨人は騎士の背中から人面疽のような腫瘍として顕現し、騎士自身が醜い巨人に変貌してしまうのだった。
高い威力を持った炎攻撃が得意な魔物だが、実はその弱点が炎であるという、変わった特性が存在する。
ケットシー

人間だった頃はある国の王子で、恵まれた環境に置かれている代わりに、ありとあらゆる自由が奪われた生活に嫌気がさしていた。
王子としての重責に耐えかねているところで、国王であった王が突如病に倒れてしまい、とうとう彼が王位を継ぐことになってしまう。そんな最中に王子の目の前に聖杯が現れ、彼は自由を願いながら、自分が気にかけていた自由の象徴であり、数少ない友であった猫を涙ながらに生贄に捧げる。そうして彼は猫のような自由な体と心を手に入れたことで、王子であったことや友を生贄に捧げた現実を忘れ、捨て去り、自らの心の赴くがままに城を飛び出し、飛び回っているという。
プレイヤーを翻弄するようなテレポート能力に加え、高い攻撃力を誇るため、落ち着いて戦わなければ苦戦は必至である。
ベルゼバブ

人間だった頃は高慢な貴族で、身の回りを全てを臣下に任せていたせいで、臣下がいないと生活もままならないほどの人物であった。
長く続いた不作のせいで家が没落し、周囲から人が離れてしまっても、彼の性質は一切変わらず、たとえゴミに囲まれハエに集られようとも、貴族はそのままであり続ける。貴族はとうとう不衛生から病に倒れ、死に際にようやくプライドを捨てて命乞いをすると、その願いを聖杯が聞き届け、貴族は新たな臣下であるハエの軍団を手に入れた。ハエの王となった貴族の顔は次第にハエと同じものとなり、彼はかつての栄光を取り戻すために、領地を広げんと羽音を響かせるのだ。
ノーモーションで繰り出すハエ攻撃が厄介で、無策に近づくと吹き飛ばされてダメージを追うため、遠距離攻撃を主として戦うのが推奨される。
インキュバス

人間だった頃は売れない画家で、絵に対するこだわりが強く、納得する絵しか描けないことから、家族にも愛想を尽かされていた。
そんなある日画家は今まで体験したことがないほどに極上の卑猥な夢を見、それを絵にしようと試みるが、自らのこだわりが強すぎてなかなか完成しない。とうとう画家は現れた聖杯に願いを捧げ、自らのイメージをそのまま描くための手段を手に入れたが、次はその絵に魅了された者たちから、実際に絵の快楽を体験したいと無理難題を言われるように。画家は自らの身体を叩き潰してキャンバスにすると、自らの中に鑑賞者たちを取り込んで、二度と外には出られない場所で快楽を体験させる魔物に成り下がってしまうのだった。
画家という特性からか、色とりどりの属性攻撃と、絵に描いた魔物を実体化させるという特殊な技を使いこなす。
レプラコーン

人間だった頃は高名な靴職人の三つ子の息子で、父に認められてその技術を継承する権利を獲得するために、常に腕を競い合っていた。
ある日、末の弟は知能の高い動物から取れる革が滑らかで美しいということを突き止め、最も知能の高い動物である人間の革を使って靴を作ることを画策する。そんな末弟の前に聖杯が現れ、彼は靴の材料として兄たちを生贄にしようとするが、他の兄2人も全く同じことを考えていたのだ。仲良く3つの靴の魔物になってしまった三つ子は父に勘当されてしまい、以降は父に認められるため、手を取り合って最も知能の高い動物の革を狩るために奔走しているという。
跳ねまわる攻撃が多く、比較的攻撃力が高いため、相手がどこに着地するのかをしっかりと見極めて戦うのが有効。
アイアンメイデン

人間だった頃は騎士に恋をした1人の女性であり、騎士の助けになりたいと聖杯に願った末に、生命力の宿る血を手に入れた。
騎士の傷を癒すために常に自らへ拷問を科し、血を提供していたのだが、ある日女性が騎士を助けようと姿を現した際、傷だらけの身体に取れかけた首という悍ましい姿を騎士は目の当たりにしてしまう。その姿があまりに恐ろしくショッキングだったせいで、騎士はそのまま死に至り、独り残された女性は生きる糧を失い、狂ったように嘆き悲しんだ。それこそ、皮一枚で繋がった首が落ち、魔物に転じてしまう程である。
デュラハン同様に距離を詰めてくる行動や、避けづらい攻撃が多い他、自らを傷つけて攻撃速度を高めてくるという強敵。
三匹の子豚
目次 - Contents
- 『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)の概要
- 『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)のあらすじ・ストーリー
- 『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)
- プロローグ
- ニミュエ:魔法使いの試練
- マーリン:あれから数年後
- マーリン:過去の因縁
- マーリン:人としての残り時間
- マーリン:終わりの始まり
- マーリン:そして記憶が残った
- エピローグ:マーリンを生贄にする分岐
- エピローグ:マーリンを救済(きゅうさい)する分岐
- 『SOUL SACRIFICE DELTA』(ソウル・サクリファイス デルタ)
- 魅惑の赤ずきん
- 動き出す世界
- 改訂そして記憶が残った:揺らぎ始めた結末
- 改訂そして記憶が残った:静止した時の中で
- 改訂そして記憶が残った:生の痕跡
- 神に挑む
- エピローグ:マーリンを生贄にする分岐
- エピローグ:マーリンを救済する分岐
- 魔法使いたちの物語
- アヴァロンの仲間:悪徳魔法使い
- アヴァロンの仲間:魔物の子供
- アヴァロンの仲間:狼男の苦悩
- アヴァロンの仲間:復讐の騎士
- アヴァロンの仲間:汚れた血を持つ女
- アヴァロンの仲間:人と魔の狭間で
- アヴァロンの仲間:死神の憂鬱
- サンクチュアリの仲間:異端の救済者
- サンクチュアリの仲間:裏切りの殺し屋
- サンクチュアリの仲間:呪われた自己陶酔
- サンクチュアリの仲間:生き残った人間達
- グリムの仲間:失われた歌声
- 『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)のゲームシステム
- 牢獄画面でのシステム
- リブロム
- マーリンに挑むor神に挑む
- 記録と設定
- リブロムの涙を拭う
- 改変前の世界に戻る
- 日記メニュー・狂人達の「放浪記」(きょうじんたちのほうろうき)
- 狂人達の「放浪記」ニミュエ
- 狂人達の「放浪記」マーリン
- 魔法使いの活動
- 日記メニュー・我が肖像(わがしょうぞう)
- 容姿
- 同行者
- 所属
- 称号・名前
- 魔法大全(まほうたいぜん)
- 供物(くもつ)
- 右腕の状態:レベル
- 右腕の状態:刻印(こくいん)
- 禁呪(きんじゅ)
- 日記メニュー・万屋の取引帳(よろずやのとりひきちょう)
- 怪商(かいしょう)ボーマン
- 手相屋(てそうや)リオネス
- 噂屋(うわさや)パーソレープ
- 雑用係(ざつようがかり)パーサント
- 日記メニュー・文献(ぶんけん)
- 神話と歴史
- 人型魔物(ひとがたまもの)について
- 下級魔物(かきゅうまもの)について
- 土地について
- 万屋(よろずや)について
- アヴァロンについて
- サンクチュアリについて
- グリムについて
- 魔法の逸話
- 魔法大全
- 戦術指南(せんじゅつしなん)
- 先人の教え(せんじんのおしえ)
- クエスト内でのシステム
- 体力ゲージ
- 経験値とレベル
- 供物魔法(くもつまほう)と代償魔法(だいしょうまほう)
- 属性
- 属性地獄(ぞくせいじごく)と追撃(ついげき)
- 状態異常(じょうたいいじょう)
- 魔法連携(まほうれんけい)
- 魔物の言葉
- 呪部破壊(じゅぶはかい)
- フィールドのオブジェクト
- 生贄
- 救済
- 運命(うんめい)
- 戦果
- 人魂モード(ひとだまモード)
- 戦闘における操作と特殊動作
- ロックオン
- カメラ操作とカメラリセット
- 移動・ダッシュ・回避
- 口笛(くちぶえ)
- 調べる
- メニュー表示
- 心眼(しんがん)
- 受け身
- 魔法の使用
- 生贄・救済・運命
- 『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 主人公
- リブロム
- ある魔法使い
- マーリン
- ニミュエ
- モルガン・ル・フェ
- エレイン
- メイジー
- ターリア
- ペンドラゴン
- 魔法使いの活動で仲間になる同行者たち
- ボーマン
- パーシヴァル
- ランスロット
- ガウェイン
- ディンドラン
- ガラハッド
- 死神(しにがみ)
- モルドレッド
- ガングラン
- ルンペル
- 万屋の取引帳に登場する人物
- リオネス
- パーソレープ
- パーサント
- その他の登場人物
- 隣の牢に囚われていた男
- ゴルロイス
- 予言者グリム
- レオデ王
- グウィネビア
- ラグネル
- マルク
- イゾルデ
- トリスタン
- シャルロット
- ピュセル
- エスメレ
- 初代レッドフード
- ウィルモア
- ウーゼル・カムラン
- ユーサー・カムラン
- アリス
- 魔物(まもの)
- ジャック・オ・ランタン
- ハーピー
- スライム
- ケルベロス
- グリフォン
- サイクロプス
- ケンタウロス
- ワイバーン
- クラーケン
- ワルキューレ
- ミノタウロス
- エルフ女王
- ガーゴイル
- ジャックフロスト
- ユニコーン
- 蛇使い女
- フェニックス
- ヒュドラ
- セイレーン
- ペガサス
- リヴァイアサン
- デュラハン
- ベヒモス
- オーガ
- ドワーフ
- ウロボロス
- ゴースト
- バジリスク
- トロル
- ケットシー
- ベルゼバブ
- インキュバス
- レプラコーン
- アイアンメイデン
- 三匹の子豚
- 白雪姫(しらゆきひめ)
- 赤ずきん
- シンデレラ
- カエルの王様
- ブレーメンの音楽隊
- ウサギとカメ
- リザードマン
- キメラ
- ヘンゼルとグレーテル
- 裸の王様
- ハーメルンの笛吹き男
- 眠り姫(ねむりひめ)
- サキュバス
- ギガース
- バハムート
- ドラゴン
- ゴッドドラゴン
- アリス
- ワーウルフ
- オーディン
- 小型の魔物
- ワーム
- エルフ
- コラボ魔物
- ゴウエンマ
- ダイテンマ
- ディオーネ
- マルドゥーク
- 神
- ロムルス神
- セルト神
- 『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)のアイテム
- 魔法関連
- 供物(くもつ)
- リブロム
- リブロムの涙
- 聖杯(せいはい)
- 赤闇のリンゴ(あかやみのリンゴ)
- 魔法大全(まほうたいぜん)
- 魂(たましい)
- 気(き)
- 運(うん)
- その他
- ソーマ
- イカロス牧場(イカロスぼくじょう)の翼
- 魔法の媚薬(まほうのびやく)
- 噂の紙片(うわさのしへん)
- 『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)の用語
- 人間
- 魔法使い
- 右腕
- 魔物(まもの)
- 醜人(しゅうじん)
- ムニンとフギン
- 魔法
- 生贄(いけにえ)・救済(きゅうさい)・運命(うんめい)
- 代償魔法(だいしょうまほう)
- 禁呪グリモア(きんじゅグリモア)
- 禁呪エリクサー(きんじゅエリクサー)
- 追体験(ついたいけん)
- 要請(ようせい)
- 歴史と神話
- 神話
- オリンピア戦争
- 永劫回帰(えいごうかいき)
- 組織
- 秘密結社アヴァロン(ひみつけっしゃアヴァロン)
- 信仰組織サンクチュアリ(しんこうそしきサンクチュアリ)
- グリム教団(グリムきょうだん)
- 国と土地
- ロムルス帝国
- キャメロット
- ヘリオス火山(ヘリオスかざん)
- ヴァルハラ修道院(ヴァルハラしゅうどういん)
- イカロス牧場(イカロスぼくじょう)
- 麗都ラプンツェル(れいとラプンツェル)
- リヴァイアサン
- パンドラの洞窟(パンドラのどうくつ)
- 迷宮ゴリアテ(めいきゅうゴリアテ)
- 蟲車ワーム(むしぐるまワーム)
- オリンピア平原
- タルタロスの廃墟(タルタロスのはいきょ)
- バビロンの森(バビロンのもり)
- 水都アクエリアス(すいとアクエリアス)
- アンドロメダ湖畔(アンドロメダこはん)
- 砂漠の箱舟ノア(さばくのはこぶねノア)
- 高級宿屋ポセイドン(こうきゅうやどやポセイドン)
- ルナ荒野(ルナこうや)
- ネクロポリス
- エルフの谷(エルフのたに)
- お菓子の村(おかしのむら)
- アリスの迷宮(アリスのめいきゅう)
- 決断の土地(けつだんのとち)
- ワンダーランド
- 『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- リブロムにタップでちょっかいをかけるとトロフィー獲得
- 独房の虫をタップで潰すとトロフィーを獲得
- 『SOUL SACRIFICE』(ソウル・サクリファイス)シナリオでマーリンを救済すると本が増加
- 文献内の赤文字タップで閲覧できる魔物の攻略法
- 魔物の攻撃を特殊なモーションで回避する方法が存在
- 小型魔物が瀕死の獲物を喰らうと強化
- 属性相関を覚えやすくするための語呂合わせは「猫街道(ねこかいど)」
- 一部マップには特殊効果が存在
- コラボ衣装作品は『GRAVITY DAZE』『どこでもいっしょ』『WILD ARMS』