エイリアン アイソレーション(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『エイリアン アイソレーション』とは2014年にセガゲームスから発売されたホラーゲーム。2015年には211万本の売上を達成、英国アカデミー賞ゲーム部門を受賞した。
映画『エイリアン』をモチーフにしたゲームで、主人公のアマンダ・リプリーが様々な脅威に立ち向かい、行方不明の母親を探す為に潜入した宇宙ステーションから脱出を目指す。全ての攻撃を無効とするエイリアンが生み出す恐怖は本作最大の見所。
尚、本作の続編に当たるスマホ版『エイリアン アイソレーション』が2021年より配信されている。

『エイリアン アイソレーション』の概要

『エイリアン アイソレーション』とは2014年にセガゲームスから発売されたホラーゲーム。映画『エイリアン』から15年後の世界で発生した出来事を描いた作品で、前作の主人公であるエレン・リプリーの娘アマンダ・リプリーが本作の主人公となっている。
ゲームの売れ行きは211万本超えと好調で、「ゲーム・オブ・ザ・イヤー2014」や「BAFTA ゲームアワード 2015」のオーディオ賞を受賞するなど世間的な評価も高い。作品の人気と知名度の上昇に伴い、2019年1月よりゲームアプリ『Alien: Blackout』が、2021年12月からはスマホ版『エイリアン アイソレーション』が配信された。
『エイリアン アイソレーション』はプレイヤーを何度もリトライさせるほどの過酷なゲームバランスが採用されている為、他のステルスアクションと比較してもかなりの高難易度設定となっている。
本作の主人公であるアマンダは、行方不明中の母親であるエレンを捜索する為、ウェイランド・ユタニ社のエンジニアとして母親が行方不明となった星系の宇宙船などに赴任。ある日「ノストロモ号のフライトレコーダーを回収した」との連絡を受けたアマンダのもとに、アンドロイドのクリストファー・サミュエルズから例のフライトレコーダー回収の要請が入った。母親の手掛かりを追う為に要請を引き受けたアマンダは、本作の舞台となるセヴァストポリ宇宙ステーションへと向かうことになる。
最終的にはエイリアンの襲撃とアンドロイドの暴走などで地獄と化した宇宙ステーションから脱出を図ることになるが、エイリアンに発見されたら即死という容赦のない要素が恐怖心を増幅させ、多くのプレイヤーから支持を得ている大きな理由だ。
主人公が多くの人に出会い、対立することもあれば時には協力することもあるなど、ヒューマンドラマとしての側面もある。孤立無援の極限状況のなかで、如何にして敵との接触を避け最後まで生き残るか、主人公のアマンダとなったプレイヤーが知恵を絞り決断を迫られる場面が多々あるサバイバル要素の強い作品。
数多くのプレイヤー達が長時間プレイを強いられた一方で、超ボリュームなストーリーや高難易度なゲーム設定は「新たなホラーゲーム」の印象を多くの人達に植え付けることに成功した。本作のエイリアンは完全なる有機体の存在として描かれており、原作の世界観を完璧に再現したゲームとして評価する声は多い。

『エイリアン アイソレーション』のあらすじ・ストーリー

プロローグ サミュエルズからの要請

プロローグより、アマンダ・リプリー(左側)がノストロモ号のフライトレコーダーが回収されたという連絡を受ける場面。

2122年に発生した宇宙船ノストロモ号のエイリアン襲撃事件により、主人公のアマンダ・リプリーの母親であるエレン・リプリー(ノストロモ号船員)は長い間行方不明となっている。行方は15年後の2137年になっても分からず、娘のアマンダは母親が行方不明となった星系の宇宙船などのエンジニアとして働きながら手掛かりを掴もうとしていた。
何の手掛かりもなく悶々とした日々を過ごしていたある日のこと、「ノストロモ号のフライトレコーダーを回収した」という情報をキャッチ。直後に男性型アンドロイドのクリストファー・サミュエルズからノストロモ号のフライトレコーダーの回収要請を受けたアマンダは、回収チームの一員となり宇宙船の寄港場所・セヴァストポリ宇宙ステーションへと向かうことになる。

序盤 地獄と化したゼヴァストポリ

序盤より、宇宙ステーション内を探索中のアマンダ・リプリーが退役軍人のアクセル・フィールディングと遭遇する場面。

目的地ゼヴァストポリ宇宙ステーションに接近したアマンダ・リプリー一行だが、管制室への通信は途切れ途切れで宇宙ステーション自体も激しく損傷していた。
通信の内容からは内部で重大なトラブルが発生していることが窺える。本来なら宇宙船をドッキングして内部に入る予定だったが、ゼヴァストポリの損傷具合の影響でドッキングを断念。アマンダ、クリストファー・サミュエルズ、ニーナ・テイラーの3人は宇宙遊泳の方法を取りゼヴァストポリへの潜入を試みた。
途中で発生した事故により仲間と離れ離れになってしまったアマンダは、人気のない空間へと単身乗り込んでいく。先へと進んでいくとゼヴァストポリ最初の生存者であるアクセル・フィールディングと遭遇。宇宙船への乗船を条件に協力を取り付けると、離れ離れになった仲間の捜索と宇宙船との通信を試みる為に通信センターを目指すことになる。
目的地までの道中で敵対的な他の生存者と遭遇した時もあったが、上手く接触を避けつつ順調に通信センターへと近付いていた。このまま何事もなく進めると思われた時、突如ダクトから現れたエイリアンにアクセルが襲われ拐われてしまう。
独りになったアマンダは引き続き通信センターを目指すが、またしても完全なる有機体「エイリアン」が出現。隠れながら内部を探索しているうちに、ゼヴァストポリが崩壊する原因となった存在が通常兵器を一切無効とする謎の生命体・エイリアンだと判明。ゼヴァストポリ内はエイリアンの襲撃に加えて、高性能アンドロイドであるワーキング・ジョーの暴走や略奪者チームの攻撃などにより地獄と化していた。
アマンダは様々な武器と装備を活用しながら危険を潜り抜け、通信センターに到達しサミュエルズとの連絡に成功する。サミュエルズによると回収班のテイラーが宇宙遊泳中の事故で重傷になり、サミュエルズが看病しているという。
医療センターに向かいサミュエルズとテイラーと合流したアマンダは、治療には医療キッドが必要なことを知り医療センター内を再び探索。目的の医療キッドを発見しテイラーを治療することに成功した。

中盤 マーロウの語るセヴァストポリ崩壊の原因

中盤より、アマンダ・リプリーが暴走するワーキング・ジョーに襲われる場面。

保安部に逮捕され拘留されているアネシドラ号船長のヘンリー・マーロウは、惑星LV-426で発生した異変を知っている人物だった。マーロウによると惑星を探索中に発見した異星人の船に乗り込んだ際に、内部に無数の卵があったのだという。
アネシドラ号の乗組員達が調査のため卵に接近した際、マーロウの妻キャサリン・フォスターがフェイスハガーによって寄生されてしまったのだ。マーロウは妻の治療の為に彼女をセヴァストポリ宇宙ステーションに搬送するが、しばらくすると妻の体内を突き破りエイリアンが誕生。フェイスハガーに寄生されたキャサリンの搬送が、セヴァストポリに非常事態をもたらしたことが判明した。
真実を知ったアマンダ・リプリーは切り離し可能なラボにエイリアンを誘い込んだ上で、ラボごとエイリアンをガス上巨星に落下させる作戦を実行した。
一方、保安部に待機していたジェスロ・ウェイツらは、アポロに命令され暴走状態になったワーキング・ジョー達により全員殺害されてしまう。アポロとはステーション内の管理・監視を担うAIコンピューターである。
アンドロイドのクリストファー・サミュエルズは自身を犠牲にしてアポロの停止を試みるが失敗。直後に機能停止に陥るが、アポロ本体へと移動する為のシャトルを起動することには成功した。

終盤 マーロウの策略とリカルドとの再会

終盤より、エイリアンの巣で目を覚ましたアマンダ・リプリーがエイリアンと対峙している場面。

ステーション内を探索していたアマンダ・リブリーは、内部に残っていた音声データから重大な真実を知ることになる。母親のエレン・リプリーの敵がエイリアンであり、ウェイランド・ユタニ社がエイリアンを兵器転用させようとしていたことだ。
エイリアンを討伐することを決意したアマンダ。アポロ中枢部へと侵入後にウェイランド・ユタニ社がエイリアンの標本を得る為、アポロに命令させアンドロイドの暴走を起こした情報も入手。
驚愕の真実に驚くアマンダだが、今までに得た情報を整理する余裕はなかった。アポロが原子炉の異常をキャッチしたので、エイリアンの巣と化した原子炉へと向かうことにする。周囲にいた複数の成体・フェイスハガー・エッグを巣ごと焼き払うアマンダだが、全滅させることは出来ず、数少ない生存者達は次々と犠牲になっていった。
アマンダは混乱の中でアネシドラ号に乗り込みヘンリー・マーロウとニーナ・テイラーに再会するが、マーロウはアネシドラ号を臨海爆発させることでエイリアンを駆逐しようと模索していたのだ。
テイラーと協力して阻止に動くアマンダだが、作戦は失敗しテイラーは死亡。直後にアネシドラ号は爆発するも、アマンダは緊急シャトルでセヴァストポリに帰還。アネシドラ号の爆発の影響で崩壊しつつあるセヴァストポリで再会したのは保安官補佐を務めていたリカルドだ。アンドロイド暴走事件の際に別行動を取り一人だけ被害を免れていたのだ。
リカルドの無線サポートを得て、宇宙空間にある衛生アンテナを直後操作し、トレンス号と連絡を取ることに成功。
アマンダは保安部への帰路につくが、戻った時見たものはフェイスハガーに寄生されて死亡したリカルドだった。

ラスト エイリアンとの最後の戦い

ラストより、トレンス号内でアマンダ・リプリーがエイリアンの襲撃に遭う場面。

リカルドを失い再び一人になってしまったアマンダ・リプリーは、宇宙港へと移動しセヴァストポリとトレンス号をドッキングさせた。
トレンス号を動かす為には、ドッキングで接続したアームを宇宙空間から切り離す必要がある。作業に取りかかる為にエアロックへ向かったアマンダだが、彼女の前に再び現れたエイリアンに連れ去られてしまう。
アマンダが連れ去られたのはセヴァストポリに作られたエイリアンの巣で、エイリアンエッグから飛び出したフェイスハガーが次々と襲いかかってきた。敵を排除しながら再びトレンス号のエアロックに到着したアマンダは、早急にアームの切り離し作業を再開。
アームに起爆装置をセッティングしいよいよ脱出間近となるが、エイリアンがアマンダを襲撃。絶対絶命の状態でアームを切り離しなんとかトレンス号内部に避難することに成功した。安心したのも束の間、生き残った一体のエイリアンが船内へと侵入。
襲い掛かってくるエイリアンから逃れようとしたアマンダは、敵を船外から放出させようとエアロックのスイッチを作動。自らは助かるつもりだったが、エイリアンもろとも宇宙空間に放出され消息不明となってしまう。

後日談 最後まで叶わなかった母娘の再会

後日談より、67歳になったアマンダ・リプリーの写真が登場する場面。

トレンス号でエイリアンの襲撃を受けたことで船外に放出され消息不明となったアマンダ・リプリーだったが、続編にあたる『Alien: Blackout』ではアマンダ・リプリーの生存が確認された。漂流していたところをウェイランド・ユタニ社所有の宇宙ステーションに回収されていたのである。
一件落着かと思われたものの、一緒に漂流していたエイリアンも誤って回収したことで、あっという間に壊滅状態に陥ってしまう。アマンダは危機的状況のなかで以前出会った宇宙船の船員の協力を得て、エイリアンごと宇宙ステーションを爆破して脱出することに成功した。
最終的にアマンダは地球に帰還してマクラーレンという男性と結婚、67歳で生涯を終えることになる。行方不明だった母親のエレン・リプリーについては、後にハイパースリープ状態で57年もの間宇宙を漂流していたことが判明。無事に救出されたが2年前に死亡した為、最後まで母娘の再会は叶わなかった。

『エイリアン アイソレーション』のゲームシステム

高度なステルスアクション

ステージ内を徘徊するエイリアンに発見されないように隠れている場面。

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