陽だまりの樹(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『陽だまりの樹』とは、手塚治虫原作の長編歴史漫画、及びそれを基にしたテレビアニメ・テレビドラマ。原作漫画は、1981年から1986年まで『ビッグコミック』誌上にて連載された。テレビアニメ版は2000年、テレビドラマ版は2012年に放映された。同作品は手塚治虫の曽祖父手塚良仙と彼と同世代の架空の武士伊武谷万二郎を狂言回しにして、開国と倒幕という激動の時代となった江戸末期を描いた壮大な歴史大河ドラマ作品である。

お綾「ま…んじ…ろさま…あ…や…は…あや…は…い…つ…ま…で…もおまち…し…ま…す!」

楠音次郎の妹お綾は、兄の仇である万二郎を殺害せんと彼の家の前で待ち伏せをしていた。ところが、彼女は奉行所で拷問を受けており、その時に脳に甚大な衝撃を受けて歩くのがやっとの状態であった。残った僅かな意識で本懐を遂げんとしたお綾の気持ちを汲んだ万二郎は、彼女を守る決心をした。お綾の容態は日増しに悪くなり、遂には寝たきり状態で一言も発せなくなってしまう。それでも、万二郎、そして夫の仇と彼女を殺そうとするもやがて考えを改めたとねの献身的な看病の甲斐があり、彼女は目で何かを訴えようとするところまで回復した。やがて万二郎とお綾は婚姻するが、その日に万二郎は彰義隊の1員として決起し、お綾に離縁状を渡す。万二郎が家を出ようとした刹那、お綾は必死に声を出そうとして遂に「ま…んじ…ろさま…あ…や…は…あや…は…い…つ…ま…で…もおまち…し…ま…す!」と涙を流しながら喋ったのだった。この様子を見た3代目良仙は、「奇跡だ」と驚愕する。この一連の流れは、『陽だまりの樹』屈指の名シーンとして読者の心に刻まれることとなった。

手塚良仙(3代目)「その通りさ!歴史にも書かれねぇで死んでったりっぱな人間がゴマンと居るんだ…そんな人間を土台にした歴史に残る奴など許せねぇ。二度とここへ来るなーッ」

万二郎のいる彰義隊は、官軍を迎え撃つべく上野で決起した。対抗する官軍の総指揮を執ったのは、万二郎を高評価していた西郷隆盛である。また、3代目良仙の学友だった大村益次郎もその場にいた。上野の戦いは、官軍のアームストロング砲によって完全に鎮圧され、万二郎は生死不明となる。万二郎の家には、悲嘆にくれるとねとお綾、そして3代目良仙がいた。そこへ、西郷が訪問し、万二郎の所有する旗の切れ端を形見だと言って家族に手渡して焼香したのだ。すると、3代目良仙が怒りを露わにして、「その通りさ!歴史にも書かれねぇで死んでったりっぱな人間がゴマンと居るんだ…そんな人間を土台にした歴史に残る奴など許せねぇ。二度とここへ来るなーッ」と西郷に対して言い放った。このセリフは、かけがえのない友人を失った彼の無念さや、歴史の波に飲み込まれていく自分と万二郎の無常さを表現した名言として知られている。

『陽だまりの樹』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

手塚治虫が自身のルーツを描いた作品

『陽だまりの樹』ラストシーン

『陽だまりの樹』の原作者手塚治虫は、大阪帝国大学附属医学専門部卒業後の1961年に、奈良県立医科大学にて医学博士となった。漫画家として特異な経歴の持ち主である手塚は、そのことを漫画に取り入れて、『きりひと賛歌』や『ブラック・ジャック』などの医療漫画を描きこのジャンルのパイオニアとして知られている。『陽だまりの樹』も幕末の蘭方医や手術などが描かれているため、医療漫画に分類されることがある。さらに同作品のもう1つの重要な核となっていることは、手塚治虫が自らの祖先を描いて自身のルーツに迫った点にある。連載当時においてはその点は仄めかされていただけだったが、最終回のラストシーンで3代目手塚良仙が手塚治虫の曽祖父であることが明かされて周知の事実となったのである。ちなみに、手塚治虫はルーツを探るアイテムとして、日本医史学会の深瀬泰旦による3代目良仙について書かれた論文と、同じく曾祖父のエピソードが書かれた福沢諭吉の『福翁自伝』を参考にしている。

劇画を完全に吸収して自己のものとした手塚治虫の作画

一心不乱に蘭学書を読み耽る手塚良庵

手塚治虫は、ウォルト・ディズニーの大ファンであり、ディズニー映画から多大な影響を受けた漫画家である。そのため、1946年のデビューから1960年代辺りまでの彼の描線は、ディズニーっぽさを感じさせる丸っこいものだった。しかし、1960年代から1970年代にかけて硬い描線によるリアルな絵柄の劇画が台頭するようになると、手塚の丸い絵柄は古臭いものと捉えられた時期が存在する。手塚は劇画の台頭を脅威と感じ、スランプに陥ったこともあるという。それでも手塚は、最終的に自分の絵柄に劇画を取り入れて、キャリアの最晩年まで漫画を描き続けることに成功した。『陽だまりの樹』は、青年誌『ビッグコミック』に連載された作品だったため、特に劇画の影響が濃く、自身の絵柄に昇華した漫画として好評を博したのだ。

対照的な2人の主人公

乾杯する3代目手塚良仙(左)と伊武谷万二郎(右)

『陽だまりの樹』には、2人の主人公が存在する。架空の人物で府中藩士の伊武谷万二郎と、実在の人物で蘭方医の手塚良庵(3代目手塚良仙)である。良庵が飄々とした性格で女好きであるのに対して、万二郎は世渡りが下手糞な武骨者の朴念仁として描かれた。身分・性格・行動ともに好対照である万二郎と良庵は、顔を合わせると喧嘩に及ぶこともしばしばであったが、やがて深い友情で結ばれることとなる。2人の共通点は、曲がったことが大嫌いで弱い者の味方である。万二郎も良庵も、激動の幕末という時代で懸命に生きていくのだが、運命は彼らに安息の地を与えることはなかったのだった。

多彩なメディアミックスが展開された『陽だまりの樹』

『陽だまりの樹』テレビドラマ版DVD-BOXジャケット

『陽だまりの樹』は、手塚治虫が描いた青年漫画の代表作の1つに数えられている。そのため、テレビアニメ版・テレビドラマ版・舞台版など多様なメディアミックスが展開されたが、全て手塚の死後に行われた。最も長期間に及んだのは舞台版で、1992年から2021年の間に通算7度舞台化されている。テレビアニメ版は2000年、テレビドラマ版は2012年に放映された。なお、アニメ版・ドラマ版ともにソフト化されており、有料動画配信サービスにて視聴することも可能である。同作品の全てのメディアミックスに共通していることだが、原作漫画が長編のため改変が行われている。以下に原作漫画とテレビアニメ版、テレビドラマ版との相違点を挙げていく。

〇原作漫画とテレビアニメ版の主な相違点
・原作漫画において伊武谷万二郎の忠実な部下となった平助がアニメ版に登場しない。
・ヘンリー・ヒュースケンの女癖の悪さがアニメ版ではカットされた。
・丑久保陶兵衛が妻を不治の体にされたことで蘭方医を憎むようになったエピソードがカットされた。
・アニメ版では楠音次郎が妹のお綾のことを常に気にかけている。

〇原作漫画とテレビドラマ版の主な相違点
・平助が登場しない。
・手塚良庵と強い信頼関係で結ばれるお紺がドラマ版では登場しない。
・原作漫画は幕末の日本が舞台だが、ドラマ版では時代背景が明確にされていない。

『陽だまりの樹』の主題歌・挿入歌

テレビアニメ版OP(オープニング):「Hidamari no ki〜まなざし〜」

『陽だまりの樹』のテレビアニメ版OP主題歌は、インストゥルメンタル曲「Hidamari no ki 〜まなざし〜」である。作曲と編曲をジャズミュージシャンの松居慶子が手がけた。落ち着いたピアノの旋律から道び出されるイントロを経て展開されるクラシカルなサウンドは壮大さを併せ持っており、手塚治虫の描く大河ドラマに負けない存在感を放っていると高評価されている。

テレビアニメ版ED(エンディング):Charcoal「光の向うへ」(第1話 - 第13話)

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