草摩燈路(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩燈路(そうま ひろ)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する、未(羊)の物の怪に取り憑かれた人物である。物の怪憑きとしては最年少。次々と嫌味を繰り出す毒舌家で、年齢も相まって生意気な印象を与える。その一方、幼さ故の浅慮や無力さから、大好きな草摩杞紗を守れない自分へのいら立ちも感じている。杞紗と仲が良い主人公の本田透に嫉妬するが、透からの励ましもあり毒舌攻撃はしなくなる。失敗と成長を繰り返す中、妹の日向が誕生し、杞紗との仲も前以上に良くなっていった。

「なーんて言っときゃ満足かい?」

透に対し矢継ぎ早に嫌味を繰り出していた燈路は、通行人から「生意気な子」と思われてしまう。通行人に対して「確かに、俺生意気だよね」一瞬しおらしい態度を取る燈路だが、「なーんていっときゃ満足かい?」と続けるのだった。大人びた皮肉屋という燈路の一面を表している。

「何でこんなガキなワケ?」

杞紗への好意を自覚し、慊人にも分かってほしいからと口にした結果、杞紗を傷つけることとなった。燈路はこの出来事を、自身が子供であるが故の浅慮のせいだと考える。いじめに遭っている杞紗を救うこともできず、それをやってのけた透に嫉妬し、八つ当たりをしてしまった。それが間違っていることだと自覚する燈路は、「何でこんなガキなワケ?」と自嘲する。幼い自分へのいら立ちが現れたセリフ。

呪いが解けた燈路

呪いから解放された喜びと、物の怪との別れの寂しさがないまぜになる燈路(右)。

突如呪いが解けた燈路は、それを確かめるように妹の日向を抱き上げる。羊に変身することはなく、物の怪の声ももう聞こえなかった。呪いからの解放はもっと喜ばしいものだと燈路は認識していたが、実際には生まれた時から一緒にいた物の怪との別れという喪失感を伴うものだった。喜びと悲しみが混ざった涙を流す燈路の心情を五月が理解し、その心に寄り添うという、暖かくも切ない場面である。

草摩燈路の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

名前の由来は7月の異名「文被月」

燈路の名前は、7月の異名「文被月(ふみひろげづき)」から来ている。漢字の意味は「道の燈」だと、作中で五月が語った。

中国における羊と燈路の関係

燈路(左)と透(右)。

干支の発祥地である中国において、羊とは愛情深い存在で、時に自分より他者を優先するものと考えられている。燈路は、透や五月、依鈴といった自分よりも相手を第一に考える女性キャラと関係が深い。燈路自身は幼く失敗も多いが、杞紗のみならず依鈴や母を心配する描写もある。

英語版で燈路の声を演じたのは子役

旧アニメの英語版の燈路の声は、子役だったアーロン・ディスミュークが演じた。また、ディスミュークは2019年の新アニメ版にも真鍋翔(まなべ かける)という人物の役で登場している。

えどまち
えどまち
@edono78

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