ゴブリンスレイヤー(ゴブスレ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゴブリンスレイヤー』とは、蝸牛くもによるライトノベル、およびそれを原作としたアニメ作品である。冒険者になったばかりの女神官が初めての冒険で危機に陥った時に出会ったのは、ゴブリン退治のみを専門に行う変わり者の冒険者・ゴブリンスレイヤーだった。ゴブリンに強い恨みを持つゴブリンスレイヤーと、彼の仲間である冒険者たちの物語を、厳しい冒険者の現実と共に描き出したダークファンタジー。

『ゴブリンスレイヤー』の概要

『ゴブリンスレイヤー』とは、蝸牛くもによるライトノベル、およびそれを原作とするメディアミックス作品であり、「WHITE FOX」がアニメを制作している。
2018年10月から放送されており、監督は『少女終末旅行』『PERSONA5 THE ANIMATION THE DAY BREAKERS 』等の作品を手掛けた尾崎隆晴、シリーズ構成は『神のみぞ知るセカイ』『メイドインアビス』で有名な倉田英之。
原作は『天下一蹴 氏真無用剣』で第7回GA文庫大賞(後期)の最終選考に残った蝸牛くもによるライトノベル・オンライン小説で、1巻目が発売された2016年度に集計された「このライトノベルがすごい!2017」の新作部門で1位、全体で5位を獲得した。また、シリーズの累計発行部数は既に300万部を超えている。略称は『ゴブスレ』。
2017年には『ヤングガンガン』でコミカライズ、『ガンガンONLINE』内の『ガンガンGA』で外伝小説の連載が開始され、人気はますます高まっている。

冒険者を志す女神官の少女は、あるパーティに誘われて、初めての冒険であるゴブリン退治へと赴く。しかし、仲間たちが次々とゴブリンに倒され、女神官も窮地に陥ってしまう。そんな中で現れたのは、ゴブリン退治の任務のみを行う変わり者の冒険者・ゴブリンスレイヤーだった。ゴブリンスレイヤーに救われた女神官は、彼と共にゴブリン退治をすることにした。その後、森人に住み着いたゴブリンを退治してほしいという依頼を受け、妖精弓手、蜥蜴僧侶、鉱人道士を仲間に加えてゴブリン退治の冒険に向かう。
ゴブリンに家族を殺された強い恨みを持つゴブリンスレイヤーと仲間たちとの絆を、決して甘くはない冒険の現実と共に描くダークファンタジー。

『ゴブリンスレイヤー』のあらすじ・ストーリー

女神官とゴブリンスレイヤー

ゴブリンを殲滅しに現れたゴブリンスレイヤー

冒険者を志す女神官は、初心者ばかりのパーティに誘われ、彼らとともに初めての冒険としてゴブリン退治に挑むことになる。しかし、群れで襲ってくるゴブリンたちに仲間たちは次々に殺害、凌辱され、女神官にも魔の手が伸ばされようとしていた。そんな時、全身を甲冑で覆った戦士が現れ、女神官を救い出し、ゴブリンたちを殲滅してくれた。彼はゴブリン退治のみを専門に行うことで有名な変わり者の冒険者・ゴブリンスレイヤーだったのだ。その後、女神官が冒険者ギルドの建物に入ると、ゴブリンスレイヤーがいた。ゴブリンスレイヤーに声をかけた女神官は、その日からゴブリンスレイヤーと共に冒険に出ることになったのだった。

2人がパーティを組んでから1ヶ月が経過し、ゴブリンスレイヤーは女神官にゴブリン退治のノウハウを教え、女神官はゴブリンスレイヤーに自分の意見をはっきりと伝えられる関係になっていた。一方で、女神官は地母神から新たな奇跡・プロテクションを授かる。ゴブリンスレイヤーが幼馴染の牛飼娘と共に少年時代を過ごした村は、過去にゴブリンに襲われていた。そしてゴブリンスレイヤーの実の姉も、ゴブリンに凌辱されていたのだ。ゴブリンスレイヤーの壮絶な過去を知ったことで、女神官はゴブリン退治にどのように向き合うべきかを悩み始める。そしてゴブリンスレイヤーも彼なりに、銀等級の冒険者らしく振る舞えないことに苦悩を感じていたのだった。

新しい仲間達

そんな中、ゴブリンスレイヤーの噂を聞いたエルフの妖精弓手、ドワーフの鉱人道士、リザードマンの蜥蜴僧侶が2人の前に現れる。妖精弓手によると、魔人王が復活したことでデーモンが増えているという。ゴブリン以外に興味のないゴブリンスレイヤーだったが、要件がエルフの土地の遺跡に巣穴を作ったゴブリン退治の依頼であることを知ると、すぐに引き受けた。ゴブリンスレイヤーと女神官は、依頼主である妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶と共にゴブリン退治に向かう。最初はお互いに反発することもあったが、戦いの中で協力し合うことで、仲間たちの絆が深まっていくのだった。

遺跡に住み着いたゴブリンたちの巣に潜り込んだゴブリンスレイヤーと女神官、妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶たち。しかし彼らが出会ったのは、ゴブリンを従え巨大な身体と力を持つ人食い鬼・オーガだった。思わぬ強敵に苦戦する一行だったが、ゴブリンスレイヤーが切り札であるゲートのスクロール(魔法をかけるための羊皮紙)を使用したことで、ゴブリンのファイアボールが消え、オーガの肉体も切り刻まれたのだった。

遺跡に住み着いたゴブリン退治の任務を終えたゴブリンスレイヤーは、負傷から3日間の休養を取り、その時間を幼馴染の牛飼娘と過ごしていた。ゴブリンスレイヤーが久しぶりに冒険者ギルドへと出向くと、女神官が白磁等級から黒曜等級へ昇級していた。しばらくは依頼もなく、のんびりとした日常を送っていたゴブリンスレイヤーだったが、そんな中、ゴブリンスレイヤーを指名するゴブリン退治の依頼が届いたのだった。

地下水路に潜む罠

水の街を訪れたゴブリンスレイヤーと女神官、妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶。彼らに依頼を出したのだ、至高神の大司祭である剣の乙女だった。依頼の内容は、地下に巣を作り街で犯罪を起こすゴブリンを退治して欲しいというものだった。一行が地下に潜ってゴブリンを退治していると、船を操るゴブリンとゴブリンを食べる沼竜(アリゲーター)が現れる。沼竜の存在を知らずに船を使うゴブリンの様子を見たゴブリンスレイヤーは、ゴブリンの増殖は誰かが意図的に引き起こしたものではないかという疑いを抱くのだった。

一行は一旦水路から水の街に戻ったが、ゴブリンスレイヤーと妖精弓手は冒険者ギルドで、多くの下水道がある割に大鼠退治の依頼がないという不可解な点に気が付く。一方、女神官は神殿での剣の乙女とのやり取りで、剣の乙女が地下水路にゴブリンが潜んでいたことを既に知っていたのではないかという疑念を抱いていた。そんな中、一行は再び水路の探索に向かうが、ゴブリンの罠にはまり、毒の煙が吹き出す部屋に閉じ込められてしまう。ゴブリンスレイヤーの指示で毒の煙が出る穴をコンクリートでふさいだことで外のゴブリンは何匹か死んだが、残りのゴブリンが部屋になだれ込んできた。その中にはチャンピオンゴブリンがおり、ゴブリンスレイヤーは吹き飛ばされて意識を失ってしまう。パーティーは全滅の危機に陥るが、意識を取り戻したゴブリンスレイヤーが異様な様子でチャンピオンゴブリンを絞殺したため、他のゴブリンは逃げ出したのだった。

瀕死の重傷を負ったゴブリンスレイヤーは剣の乙女によるリザレクションによって一命を取り留め、怪我を負った女神官も回復した。妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶の3人は探索を続けたが、2人は1日休むことになり、束の間の休息を過ごす。ブリンスレイヤーと女神官は一緒に街で買い物をし、アイスクリンを食べ、出会った頃からは考えられない程に心理的な距離を縮めたのだった。

翌日、妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶が見つけた奥の部屋で、何かを守るように居座っている謎の怪物・大目玉と戦うことになる。大目玉に勝利する一行だったが、怪物が守っていたのは謎の鏡だった。何のための鏡なのかと訝しみながら女神官が鏡に触れると、そこにはゴブリンの集落が映し出された。また、集落の川に映っている船が先日水路でゴブリンが乗っていたものと同じだったため、この「転移の鏡」を使ってゴブリンが集落と地下水路とを行き来していたということが判明したのだった。

一行は鏡を守ろうとするゴブリンとの戦いに勝利し、ゴブリンスレイヤーは水の街に隠された秘密に気づく。ゴブリンスレイヤーは剣の乙女がいる神殿の庭へ行き、彼女がすべてを知っていたことを確認した。剣の乙女は、ゴブリンに凌辱された時のトラウマに今でも苦しめられていたのだ。ゴブリンスレイヤーは彼女に対して何かするわけではなく、「ゴブリンが出たなら俺を呼べ。ゴブリンは俺が退治してやる」と伝えた。そんなゴブリンスレイヤーに対して、剣の乙女は「私はあなたをお慕い申し上げております」と伝えるが、ゴブリンスレイヤーの姿は既にどこにもなかった。

牧場を守るための戦い

ゴブリンスレイヤーは牛飼娘の牧場に戻り、束の間の穏やかな一時を過ごしていた。牛飼娘は女神官や妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶、受付嬢などとも知り合いになり、ゴブリンスレイヤーも含めて一緒に昼食を食べる関係になった。しかしその時、牛飼娘と伯父の牧場をゴブリンが襲撃しようとしていた。ゴブリンスレイヤーは牧場にゴブリンの足跡が遺されていることに気付き、その数はおそらく100匹以上いるであろうことを察した。さらにゴブリンの王であるゴブリンロードがいるだろうと推測したゴブリンスレイヤーは、自分だけでは牧場を守りきれないと考え、冒険者ギルドでゴブリン退治に協力してほしいと冒険者たちに頭を下げた。顔見知りの冒険者は「お願いではなく冒険者には依頼を出せ」と憎まれ口を叩き、依頼としてゴブリン退治を引き受ける。さらにギルドからも報奨金を出して冒険者たちに依頼することになり、辺境の街の冒険者ギルドを挙げてのゴブリン退治を行うことになったのだった。

冒険者達が牛飼娘とその伯父が暮らす家の周りで待ち伏せしていると、ゴブリンたちが押し寄せてきた。ゴブリンたちは女性達を盾に縛り付けて人質にしていたが、鉱人道士が眠りの呪文を唱えたため、人質を助けることができた。冒険者達がゴブリンと戦い、ゴブリンスレイヤーはゴブリンロードとの戦闘になる。一時はゴブリンロードが優勢になるが、ゴブリンスレイヤーと女神官の連携に前に敗れたのだった。

ゴブリンの襲撃から牧場を守り抜いた冒険者たちは、辺境の街のギルドで宴を開いた。ゴブリンスレイヤーは宴の会場の端に座って冒険者たちの宴を眺めながら、初めて自分の将来のことを牛飼娘に語った。その後、女神官にお願いされたゴブリンスレイヤーは、兜を脱いで初めて他の冒険者たちに素顔を晒す。

顔を見ようと自分の前に群がる冒険者たちを眺めながら、ゴブリンスレイヤーは自分がいつの間にか仲間たちに囲まれていたことを感じていたのだった。

『ゴブリンスレイヤー』の登場人物・キャラクター

主要人物

ゴブリンスレイヤー

CV:梅原裕一郎、松田颯水(幼少期)
辺境の街の冒険者ギルドに所属する銀等級の冒険者。
ゴブリンスレイヤーとは「小鬼(ゴブリン)を殺す者」という意味。モンスターの中でも最弱とされるゴブリンを専門に狩り続け、第3等級である銀等級の冒険者となった。甲冑でよく分からないが、20歳の青年である。
子どもの頃に家族をゴブリンに殺された恨みを抱えており、戦略的・知力的に淡々とゴブリンを倒す戦い方をしている。
女神官に会う前は、ソロでゴブリン退治をしていた。

女神官(おんなしんかん)

CV:小倉唯
辺境の街の冒険者ギルドに所属する白磁等級の冒険者で、冒険者を志したばかりの15歳の少女。神殿で育てられた孤児で、15歳で成人したことを契機に冒険者の道を選んだ。
神殿で育ったためか心優しい性格をしており、穏やかな雰囲気を常に纏っている。
錫杖で奇跡を起こすことができ、3回という制限は付いているが、「小癒(ヒール)」「聖光(ホーリーライト)」の奇跡を使う。2話以降では、「聖壁(プロテクション)」の奇跡を授かった。また、ゴブリンスレイヤーのアドバイスで神官服の下に鎖帷子を着ている。

牛飼娘(うしかいむすめ)

CV:井口裕香
ゴブリンスレイヤーの幼馴染の女性。唯一の肉親である伯父と一緒に暮らしており、彼らが住む家はゴブリンスレイヤーの帰る家でもある。

受付嬢(うけつけじょう)

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