将国のアルタイル(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『将国のアルタイル』(しょうこくのアルタイル)とは、カトウコトノ原作の漫画および、それを原作としたテレビアニメ作品。2007年から『月刊少年シリウス』で連載が開始され、2017年には第41回講談社漫画賞少年部門を受賞した。中世トルコ風の世界を舞台とし、大国が仕掛けた戦争に巻き込まれる国々に生きる人々と、戦いを終わらせるために尽力する一人の若き軍人の冒険と奮闘、周辺諸国の仲間たちとの友情を描く。

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『将国のアルタイル』の概要

『将国のアルタイル』(しょうこくのアルタイル)とは、カトウコトノ原作の漫画および、それを原作としたテレビアニメ作品。2007年から2024年にかけて講談社の『月刊少年シリウス』で連載され、コミックスは全24巻が刊行された。エキゾチックな世界観と美しい作画、緻密に練られたストーリー展開で人気を博し、連載開始から10年が経った2017年には、「第41回講談社漫画賞少年部門」を受賞。同年、テレビアニメの放送も開始された。
2012年4月26日からは『月刊少年シリウス』の公式サイトにて二次創作4コマ漫画『将国の!』の連載が始まり、同誌の2012年6月号からはソガシイナの手掛けたスピンオフ作品『小国のアルタイルさん』も連載された。
さらに2016年からは日薙嶌国(くさなぎとうこく)を舞台とするスピンオフ作品『将国のアルタイル嵬伝 嶌国のスバル』の連載も始まっている。
中世トルコ風の世界を舞台とし、軍事大国「バルトライン帝国」が仕掛けた戦争に巻き込まれる国々に生きる人々と、戦いを終わらせるために尽力するトルキエ将国の若き軍人・マフムートの冒険と奮闘、周辺諸国の仲間たちとの友情を描く。

『将国のアルタイル』のあらすじ・ストーリー

マフムートの旅のはじまり

草原と砂漠に覆われた遊牧の国、トルキエ将国は、以前から対立していた軍事国家のバルトライン帝国と一触即発で戦争が起こりそうな状況下にあった。
そのトルキエ王国の若き将軍マフムートは、切れ者ではあるが情に流されやすい、まだ幼い少年だった。そんな悩ましい日々を送る彼のもとに、ある日友人のイブラヒムが国家転覆をはかる動きに協力しているとの一報が届く。にわかに信じがたいものを感じつつも、彼は友人を助けるべく敵地へと身を乗り出してゆく。
バルトライン帝国との対立が深まる中、自身の正義感ゆえにイブラヒムの一件で独断で行動したマフムートは、将軍たちの間で孤立し、結果として将軍の地位を剥奪されてしまう。
マフムートは、ザガノス将軍の密偵網の長官スレイマンの助言を得て、見識を広めるための旅に出ることを決める。旅の途中でポイニキアの戦争に巻き込まれ、そこで出会ったポイニキアの密偵キュロスとヴェネディックの軍人アビリガと共に、バルトラインの海洋進出に対抗するため、外交という新たな戦い方を見出していく。
そして、違法投資の罪に問われたアビリガを助け、彼をヴェネディックとトルキエのパイプ役として旅に同行させることを決める。こうして、新たな仲間たちとの絆を深めながら、マフムートは祖国を守るための道を探っていく。

トルキエの内乱

マフムートは、衛星国である四将国がトルキエに反旗を翻そうとしている情報を掴む。これは全てバルトライン帝国の陰謀であり、すべてを知ったザガノス将軍はマフムートに反乱鎮圧の指揮を命じる。
マフムートは、四将国の親トルキエ派の王族たちを新たな王として擁立することを決意し、彼らと共に謀略を巡らせる。結婚式を偽装した策や、火器を取引材料にした外交交渉など、知恵を駆使し、あらゆる手段を講じて反乱軍を欺いていく。
しかし、この戦いの最中にバラバン将王がトルキエのサルジャ将軍から情報を得て奇襲を仕掛けるという裏切りに遭う。それでもマフムートは、バヤジットとイスマイルと連携してバラバンを討ち取り、反乱軍を壊滅させることに成功した。
この熾烈な戦いの後、四将国の王たちは一掃され、新たな王を迎えた四将国はトルキエとの同盟関係を築くことになっていく。

ルメリアナ大戦の勃発

トルキエ内乱を鎮圧し将軍に復帰したマフムートは、バルトライン帝国の脅威に対抗するため、外事局長として反帝勢力を結集させようと動き出す。マフムートは、まず経済戦を仕掛けてバルトラインとヴェネディックを敵対させ、次に孤立していたウラド王国を説得して同盟を結び、三国軍事同盟の締結に成功する。
しかし、この隙を突いてバルトラインは小国家群への侵攻を開始し、「ルメリアナ大戦」が勃発。マフムートは、心臓地方の大国フローレンス共和国を説得して反帝同盟に引き入れ、傭兵国家タウロ市との契約を結んで奮闘し、各地で交渉を重ねて味方を増やしていく。
マフムートは、チェロ共和国でバルトライン軍を迎え撃つが、バルトラインの巧みな策略と軍監ココシュカ、工兵部隊の活躍によって軍は敗北を喫する。
ここまでの奮闘もむなしく、トルキエ軍はカリル将軍が討ち取られるという大きな犠牲を払うこととなった。

反撃のトルキエ軍

トルキエ軍は、ルメリアナ大戦で失ったカリル将軍の仇を討つべく反撃を開始。海ではヴェネディック艦隊がバルトライン艦隊を打ち破り、陸ではマフムートがクルト将軍らと協力して、バルトライン軍の補給を断っていた。ピノー大将率いるバルトライン軍を包囲し、戦死させることで、トルキエは戦局を大きく変えることに成功する。
マフムートの活躍によりチェロが解放されるが、民衆の暴動によりカルバハル院長が処刑される悲劇が起こってしまう。マフムートはチェロの総督に就任するが、その裏で進行していた将軍会議では、カリル亡き後のザガノス将軍の台頭が新たな問題として浮上していた。
一方、バルトライン帝国ではルイが戦争継続を決定。これに対し、ザガノス率いるトルキエの帝国侵攻軍が首都聖ミヒャエルに向けて進軍を開始する。ザガノス軍の侵攻は、旧ベルネット王家の王子オットーの独立宣言をきっかけにバルトライン地方の離反を招き、帝国は崩壊の危機に直面することとなった。
フレンツェンとアダムはザガノス軍を奇襲することを企てるが、マフムートはこれを追撃し、アダムの軍を壊滅させる。フレンツェンはマフムートとの一騎打ちの末に討ち取られ、この勝利で弾みをつけたトルキエ軍はさらに勢いを増していくことになった。

聖ミヒャエルでの攻防戦

フレンツェン軍を破ったザガノスは、バルトラインの首都・聖ミヒャエルへの進軍を続けていた。一方、マフムートはザガノスの勢力拡大を警戒する将軍たちの命により、チェロ総督を解任され、ザガノスの副将として行動を共にすることになっていた。
聖ミヒャエルでは、残存するバルトライン軍と新貴族の私兵が抵抗を試みていたが、ザガノス軍の強力な大砲によって制圧される。互いに優れた戦術眼を持つルイとマフムートは相手の意図を読み合って一進一退の攻防を繰り広げるが、ルイに協力するはずだったレレデリク軍が予定通り到着しなかったことで、バルトライン軍は撤退を余儀なくされる。
この混乱に乗じた新貴族たちもバルトラインから離反し、ザガノスに従う姿勢を見せ始める。
しかし、その間にレレデリク軍がトルキエ将国領に侵攻し、首都アルトゥンが危機に陥る。トルキエ軍は撤退を主張する者と、進軍を継続しようとするザガノス派の間で意見が対立してしまうが、マフムートはここでザガノスに賛同し、自らは首都防衛のためにトルキエに戻ることを決意するのであった。

『将国のアルタイル』の登場人物・キャラクター

主要人物

犬鷲のマフムート将軍(トゥグリル・マフムート・パシャ)

マフムート。非常に利発だが、感情が先走りやすいところがあるのが玉に瑕。

CV:村瀬歩
本作の主人公。トルキエ暦57年6月1日生まれの17歳。12歳で新兵学校に入るための武術試験を首席で合格し、史上最年少の17歳でトルキエ軍の将軍(パシャ)に昇進した天才少年。出身部族であるトゥグリル族の放鷲術を独学で身に付けていることから、犬鷲(トゥグリル)の性質に詳しく、「犬鷲のマフムート将軍」の異名を持つ。犬鷲のイスカンダルを使役し、戦闘時に彼らを使うこともある。幼いころに起こったバルトライン帝国とトルキエの戦争に巻き込まれて故郷と母親を亡くしており、この経験をきっかけに抱いた「二度と戦争を起こさせたくない」という想いを原動力にして生きている。
真面目で、頭は切れるが融通が利かない頑固な一面がある。非常に優秀な軍人ではあるが、追い詰められると感情的に突っ走ってしまう性格を周囲の年長者たちからは危ぶまれている。また、女性や色恋沙汰を極端に苦手としている。
物語序盤でヒサール反乱での行動を咎められて将軍から千人隊長に降格され、見聞を広めるため各地を旅することを決意する。その後、四将国の内乱を鎮めた功績により将軍に復帰し、新設された外事局長に任命され、対バルトラインとの戦争の指揮を執ることになる。

イスカンダル

生まれた時からマフムートに飼われている、12歳の犬鷲。性別はオス。

キュロス・イオス・アポロドロス

CV:KENN
帝国暦433年5月10日生まれ、17歳の少年。ポイニキア市長アポロドロスの息子で、ポイニキアにおける耳役を務めている。街の不良たちのリーダー的存在として君臨していたが、スレイマンに出会ったことで耳役になることを引き受ける。ポイニキアの陥落後はマフムートと行動を共にするようになった。

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