キングダム(実写映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『キングダム』とは、原泰久の同名漫画を原作とする2019年公開の実写映画作品。映画としての『キングダム』シリーズの最初の作品である。キャッチコピーは「すべて、奪還する」。監督は佐藤信介が務め、主役の山﨑賢人や吉沢亮などの主要な役者は以降の作品でも続投した。
奴隷の少年信は、「天下の大将軍になる」という夢を共有した親友の漂を殺され、その仇を追う中で秦国の若き王嬴政と出会う。嬴政は政敵に狙われており、漂が彼の身代わりとなって散ったことを知った信は、親友の想いを継いで秦国の闇に立ち向かう。

漂「あいつはきっと誰よりも高く翔ぶ」

追っ手と戦う信を見ていた嬴政は、かつて漂に言われた言葉を思い出す。

「もしも私が倒れた時は、信におつかまりください。
あいつはきっと誰よりも高く翔ぶ」

漂が誰よりも評価し、信頼していたその少年は、果たして名うての暗殺者を相手に食い下がり、劣勢を覆し、ついには驚くほどの跳躍から放たれた渾身の一撃でこれを返り討ちにする。
信と漂の篤い友情が垣間見える名シーンである。

嬴政「今お前の前には二つの道がある」

漂の死を受け止め切れずに涙する信。そんな彼に、嬴政は「漂が死んだのは弱かったからだ」と冷酷とも取れる言葉を投げかける一方、改めて覚悟を促す。

「信、漂の弔いはその涙で最後にしておけ。
これから先はお前の道だ。
今お前の前には二つの道がある。
奴隷の生活に戻るか、薄弱の王を助け修羅の道を行くか」

漂のことを“弱かった”と言いつつ、自身もまた“薄弱”であると言い切っているのは、嬴政が「自分は漂のお陰で生き延びることができた弱い存在である」と認めている証拠である。だからこそそんな漂が「自分以上の存在だ」と言っていた信の存在に期待し、突き放すと同時に「一緒に立ち上がってくれ」と懇願するこのセリフには、嬴政の様々な想いが見て取れる。
後に信が果てしない戦いの中に身を投じていくきっかけともなった、印象的なシーンである。

信「1番の無念は夢が夢で終わったってことだろうがよ」

かつて秦国の民に騙されて血を流した歴史を持つ山の民は、「もう2度とあんなことは御免だ」と捕らえた信たちを処刑しようとする。彼らの拘束から逃れた信は、その際に手に入れた武器を捨て、彼らに嬴政の味方になるよう訴える。なおも裏切られた恨みを唱える山の民の面々に向かって、信は「お前たちの先祖が何を1番無念に思っているのか分かっているのか」との言葉をかける。

「無念、無念って、
1番の無念は夢が夢で終わったってことだろうがよ。
もしお前らが本当に死んだヤツらのことを思うんだったらな、
そいつらの見た夢を叶えてやれよ」

共に「天下の大将軍になる」という夢を抱いて修行に励んだ漂を失った信だからこそ言える名セリフである。この一言で山の民たちは自分たちが憎悪のための憎悪に取り憑かれていたことに気付き、嬴政も思わず「お前にしては上出来だ」と皮肉を交えつつ褒めている。

信と嬴政の再会シーン

王宮に乗り込み、何人もの強敵を打ち倒し、信はついに成蟜を捕らえて自ら囮となって時間を稼いでいた嬴政の下に帰還。その際、信が「待たせたな」と自慢げに語り掛けると、嬴政は感無量といった様子で「待ちわびたぞ」と答える。
出会った頃は殺し合う寸前まで悪い関係にあった2人の間に、いつしか強い絆が生まれていたことを示す名シーンである。

信「俺がついていく」

秦国の王位を取り戻し、改めて「中華全土の統一」を目指す旨を宣言する嬴政。「そんなことは不可能だ、誰がついていくというのだ」と言って彼に襲い掛かる成蟜配下の武将を斬り捨てると、信は嬴政の隣に立って胸を張り、堂々と「俺がついていく」と宣言する。
信と嬴政の強い絆、信じた夢をひたすらに追い続ける信の魅力が詰まった名セリフ。

『キングダム』(実写映画)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

吉沢亮が兼任した漂役と嬴政役

漂と嬴政は“瓜二つの姿をしている”という設定で、これを再現するために作中では吉沢亮が二役を務めている。吉沢は漂と嬴政をそれぞれに巧みに演じ分けており、口調や表情の作り方がまるで異なるものとなっている。

『キングダム』(実写映画)の主題歌・挿入歌

主題歌:ONE OK ROCK「Wasted Nights」

YAMAKUZIRA
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