蒙武（キングダム）の徹底解説・考察まとめ

蒙武のプロフィール・人物像

生年月日：不明
血液型：不明
年齢：不明
CV：楠 大典
蒙驁（もうぶ）とは『キングダム』に登場する武将で、秦国の大将軍である。秦国の大王・嬴政（えいせい）と覇権を争っている、呂不韋（りょふい）が率いる呂氏四柱（りょししちゅう）の一人。呂氏四柱は、蒙武の他に、蔡沢（さいたく）、昌平君（しょうへいくん）、李斯（りし）といった面々であるが、蒙武はこの中でも「武」を得意とする存在である。荒々しい性格と圧倒的な武力を誇る巨漢の猛将で、自身の事を「中華最強」だと自負している。秦国六大将軍の王騎（おうき）からも影響を受け、王騎の副官だった謄（とう）には、「蒙武は王騎が亡くなった事で蒙武は強くなった」と評価されている。物語中でも重要な馬陽（ばよう）の戦いや函谷関（かんこくかん）の戦いでは軍の指揮を取り、多くの活躍が描かれている。秦国総大将も務める蒙驁（もうごう）将軍を父に持ち、楽華隊（がくかたい）を率いる蒙恬（もうてん）・秦国の軍師学校で軍師を目指す蒙毅（もうき）は息子である。このように、蒙武に関わる一族は名だたる武将、軍師が存在するため、秦国内の名門一家である。

蒙武の武器・技・戦術

自称「中華最強」

蒙武の戦い方は、単純明快であり、策を用いる事を嫌う。策に対しては、武力で押し切る事を前提に戦を行う。策を小手先の小細工だと言って嫌い「力が策を凌駕する」というのがポリシー。自己を中華最強と自負しているため、それを証明するために戦っている。戦では将軍であるにも関わらず、自らが軍の先頭に立って戦いに切り込んでいく。

斜陣掛け（しゃじんがけ）

蒙武はその過信のあまり「馬陽の戦いに」では、不用意に魏国総大将・龐煖の影武者を追い込んででしまい、趙国三大天である李牧（りぼく）の策に落ちるきっかけとなってしまった。その事により、秦国総大将だった王騎は、趙国に追い詰められる事となってしまった。致命傷を負った王騎は最期に、蒙武に対し「あなたは秦国軍の顔になるべき一人だ」と伝えた上で、蒙武の課題については「明白だ」と言ってあえて語らなかった。その後の、趙・楚・魏・韓・燕・斉の連合を組んだ「合従軍」が攻め入ってきた「函谷関（かんこくかん）の戦い」では、戦況を見極め、必要に応じて軍を待機させて敵を引き出したり、機を見て自軍を動かし、高難易度の戦略と言われる「斜陣（しゃじん）がけ」を指示する策略も見せるようになった。

蒙武の来歴・活躍

生まれは斉の国。父・蒙驁と各国を渡って歩いた

蒙武は秦ではなく斉の国で生まれた。父の蒙驁（もうごう）は秦国で大将軍となる前は、趙国三大天である廉頗（れんぱ）に連戦連敗した事で、蒙武を連れ各国を渡り歩く生活をしていた。秦国で将軍となった後は、秦国の大王・嬴政（えいせい）と覇権を争う呂不韋（りょふい）率いる呂氏四柱（りょししちゅう）の一人として、武の役割を担っている。同じく呂氏四柱の1人・右丞相（うじょうしょう）・軍総司令である昌平君（しょうへいくん）とはお互いの力を認め合う間柄である。父である蒙驁ともども歴戦の将として活躍する一方、蒙恬（もうてん）、蒙毅（もうき）の二人の息子も軍人となる道を選ぶ。特に蒙恬は楽華隊（がくかたい）という独立部隊を率い、『キングダム』の主人公・信（しん）と共に活躍する物語上の重要キャラクターとなっている。蒙毅も主人公に近い、河了貂（かりょうてん）が軍師を目指すきっかけを作ったり、自身も軍師として秦国軍を担う存在となる。

馬陽の戦いで王騎将軍が追い詰められるきっかけを作ってしまう

馬陽（ばよう）の戦いで、蒙武は秦国総大将を任命されそうになるものの、総大将には王騎将軍が推された事により、蒙武は副大将に任命された。蒙武は、敵の趙荘軍は総大将・龐煖（ほうけん）を討つべく追い打ちをかけるが、それは趙荘軍が仕掛けた罠であり、龐煖の影武者だった。軍略を嫌う蒙武は、それを知りながらも追撃し討ち取る。その事で蒙武軍の軍勢は消費してしまい、千にまで減ってしまった。その結果、蒙武の軍勢は1万2千の趙荘軍に壊滅させられる危機に陥ってしまう。そこで秦国軍総大将・王騎は蒙武を救うべく軍を動かす事になった。王騎は別の伏兵が王騎の元に来る事を察知しており、その前に蒙武を助ける算段だったが、山中移動を得意とする趙荘軍は、予想を遥かに超える素早さで伏兵が来てしまう。その結果、王騎は討たれてしまった。結果的に蒙武の猪突猛進策が災いし、王騎が討たれる事となってしまったのである。その後、致命傷を負った王騎を、飛信隊の隊長・信（しん）が救出し逃亡を図った際には、蒙武がその武を以て突破口を切り開き、王騎の体が魏軍に酷い目に遭わされる事を防いだ。王騎は蒙武に対し、最期の言葉として、「あなたの課題は明白です、イチイチ私がソレを言う必要もないでしょう」「あなたは秦国の顔となる人です」「その事をしっかりと自覚して成長を期待します」と言い残している。

合従軍との戦い

趙の李牧（りぼく）が参謀を務める趙軍・楚軍・燕軍・韓軍・魏軍を率いて合従軍を結成し、秦の函谷関を攻め入ってきた。秦軍は持っている全戦力で立ち向かい、蒙武軍は王騎軍の残党である・騰（とう）軍と共に連合軍として配置された。蒙武はいつもであれば、敵軍に突入し武を持って制しに行くところだが、敵の動きをじっと見極め微動だにしなかった。周辺は蒙武がおかしくなったのではと疑う程であったが、それを堪えた末、蒙武は機を見計らって高難易度と言われる斜陣（しゃじん）がけをおこなう。斜陣がけは、横長で構えている敵に対し、斜めから衝突する事で乱れを生じさせ、その斜めの力が伝播する事によって大きな成果を生むという練度が必要な技である。策を嫌っていた蒙武が、王騎の死により成長し迫る敵軍を静観しタイミングを見計らう事と、数で勝る（6万）合従軍への対抗策として秦軍は4万という数的不利な状況での打開策として斜陣がけをおこなうようになった。結果的に楚軍・総大将「楚の巨人」という異名を持つ汗明（かんめい）との一騎打ちに持ち込み、討ちとる事に成功した。

父・蒙驁の死

合従軍との戦いから年が明けた始皇七年に、蒙驁危篤の知らせが各位に届き、信（しん）と蒙武の息子の蒙恬（もうてん）が蒙驁の元へ到着した時には、蒙驁はすでに意識がなくなっていた。二人が駆けつけた事に気がついた蒙驁は起き上がり、蒙恬と信に「蒙恬と信と王賁。三人で一緒に高みに登れ」と最後の言葉を告げる。それは時には対立もしながら、切磋琢磨して共に登りなさいという助言だった。そのまま蒙驁は、起き上がった状態で静かに息を引き取った。蒙武は、駐屯先で敵に動きがあり戻る事はできず、それについて蒙驁は蒙武の事を「あやつらしいわい」と述べる。

什虎（じゅうこ）城での戦い