二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
二階堂浩平(にかいどう こうへい)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している大日本帝国陸軍第七師団の兵士である。双子の兄弟の二階堂洋平を返り討ちにした杉元佐一に激しい殺意を抱くようになり、復讐を果たさんとたびたび死闘を演じた。戦いを経る毎に両耳や手足を失って行き、治療の際に使用したモルヒネによって薬物中毒者と化し、その副作用で子供のような性格の異常者となった。最終的に武器の仕込まれた義手や義足を装備し、心も体も壊れていきながら金塊争奪戦の最前線で戦い続けた。
本作『ゴールデンカムイ』の主人公。二階堂の宿敵でもある。「不死身の杉元」の異名を持った日露戦争の帰還兵。その名の通りあらゆる死地から生還する。その生命力は凄まじく、頭を撃ち抜かれても死なず、適切な処置によって息を吹き返したほど。戦闘力もかなり高い。拘束された状態で洋平の歯を折り、二階堂と洋平の二人を相手に、銃剣で刺されながら取っ組み合いをした程。
洋平が杉元を殺そうとした際には、洋平の銃剣を奪って返り討ちにして刺殺した。更に洋平の腹を切り裂き、腸を利用して負傷したかのように見せかけ、窮地を脱する。正当防衛で洋平を殺したとはいえ、この事から二階堂は杉元に激しい憎悪を燃やすようになった。当初二階堂は鶴見に造反を企てていたのだが、鶴見から「杉元を殺させてやる」という条件を提示された事で躊躇なく鶴見の部下に戻った程である。鶴見はこのやり取りの直前に二階堂の右耳を切り取っている。そんな人物に迷うことなく付き従う事を選んだ事からも、二階堂の杉元への憎悪の強さが伺える。
金塊争奪戦で度々二階堂は杉元に襲いかかる。夕張の剥製所での戦いでは、土方と白兵戦の最中に杉元の姿を見つけた二階堂は土方そっちのけで杉元を殺そうとした。その隙を突かれて二階堂は土方に右足を切り落とされている。また、網走監獄では第七師団に囲まれた杉元は人質を取る。しかし杉元を前にした二階堂は仲間の制止を振り切って発砲。杉元は人質を殺されてしまった。その後、杉元は窮地を脱するも二階堂と白兵戦となる。その際杉元は二階堂の右手を散弾銃で吹き飛ばす。最終的に五稜郭にて杉元は二階堂と最後の白兵戦になった。二階堂は杉元に銃剣で腹を貫かれながらも手投げ弾で杉元諸共自爆しようとして失敗。杉元は二階堂を近くの塹壕の穴に突き飛ばし、二階堂は一人爆死した。
アシリパ
アイヌの少女。のっぺらぼうの娘であり、金塊の暗号を解くカギとなるキーワードを知っている。杉元の相棒として活躍した。
網走監獄でのっぺらぼうが死亡し、暗号解読のカギを握る唯一の人物となってしまった。そのため、金塊を狙う人々が彼女を巡って戦う「アシリパ争奪戦」が札幌ビール工場にて勃発した。必死に逃げるアシリパであったが、二階堂と遭遇し捕まる。その際、二階堂の義手(右手)に仕込まれたお箸が活躍した。その後、二階堂はアシリパを鶴見に引き渡し、鶴見はアシリパから暗号の鍵となるキーワードを聞き出した。
フチ
アシリパの母方の祖母。フチとは名前では無く、アイヌ語で「お婆ちゃん」という意味。本名はススポ。アイヌであり日本語は話せず、アイヌ語を話す。アイヌの伝統的な考え方や教えを重んじていた。性格は穏やかで良識人。
二階堂が尾形と組んで谷垣を尋問した際、二階堂に人質にされた。谷垣は以前フチに命を救われており、普段は温厚な谷垣がこの時は怒りを露わにしている。
二階堂が戦った坂本とお銀の子供を鶴見はフチの元に預ける。残酷な一面を持つ鶴見から信頼を置ける人物とみなされていた。
鶴見篤四郎(つるみ とくしろう)
第七師団第27聯隊中尉。情報将校でもあり、冷徹で非常に分析能力が高い。人心掌握術に長けており、造反を目論んだ二階堂ですら再び部下にしてしまう程。日中戦争の奉天の戦いにて頭蓋骨の一部が吹き飛んでおり、脳の一部がむき出しになっている。この為琺瑯製の額当てを常に装着しており、感情が高ぶると脳汁が滴り落ちる。
造反を目論み、隊を抜けた二階堂に対して制裁を行った。ヒグマに左耳を切り落とされた二階堂に対し、「バランスが悪い」と言ってカミソリで二階堂の耳を切り落とす。更に二階堂の鼻を切り落とすと脅し、他の造反者の名前を二階堂に詰問する。それでも反抗的な二階堂に対し、鶴見は二階堂の杉元への殺意を利用して「杉元を殺させてやる」という条件を提示。二階堂は躊躇なく造反者の名を口にし、以降は鶴見の命令には従順に従うようになった。その後鶴見は二階堂を傍に置き、重要な作戦にはよく二階堂を起用する。この事から鶴見は、杉元の事を抜きにすれば任務に忠実で人を殺すことに躊躇のない二階堂の能力を評価していた事が伺える。
夕張で江戸貝を捕えようとした際には、切り落とされた耳と鶴見の耳が似ているという理由で二階堂は鶴見の左耳を欲しがる。鶴見は「私が死んだらいくらでもくれてやる」と軽く受け流していた。二階堂がモルヒネの副作用で性格が幼児退行して以降、鶴見は子供をあやすように二階堂と接するようになる。二階堂が駄々をこねた際はモルヒネを餌に言う事を聞かせようとする、といった非人道的な事を鶴見は何気なく行っていた。また鶴見は二階堂が右足を失った際、知り合いの有坂を紹介。有坂は二階堂に仕込み銃を施した義足を提供。これ以降有坂は二階堂を支援するようになり、後に義手やメタンフェタミンを渡す。
かつて造反を目論み、自分が耳を切り落とした相手を利用する狡猾な鶴見と、杉元を殺すために自分の耳を切り落とした鶴見に付き従う二階堂の異常な関係性は物語を盛り上げた。
有坂成蔵(ありさか なりぞう)
大日本帝国陸軍中将。兵器開発の第一人者であり、三十年式歩兵銃や三十八珊榴弾砲などを開発した。長年の兵器開発により難聴となっており、話をする時は大声で話さなければならない。有坂自身も大声で話すので、会話が大声で行われる事になる。
二階堂の義手及び義足を開発。二階堂に義足に仕込まれた散弾銃の説明の際、病室内で発砲し病室のドアを破壊する。部屋の外に居た病院の先生は危うく弾丸が当たる所で、病室内に居た有坂と二階堂達を怒鳴りつけた。これを見て有坂は二階堂達と共に大笑いをしている。また、メタンフェタミンを二階堂に服用させ、無駄に動き回る二階堂を見て有坂は大爆笑をしていた。この事から倫理観が多少欠如している事が伺える。
宇佐美時重(うさみ ときしげ)
第七師団第27聯隊上等兵。鶴見に恋愛感情のような忠誠心を抱いている。二階堂とは気が合うのか登別温泉では行動を共にしていた。
鯉登音之進(こいと おとのしん)
第七師団第27聯隊少尉。薩摩出身の若者で父親が帝国海軍の少将。鶴見に憧れており、鶴見の前だと早口の薩摩弁になってしまう。そのため鶴見と話すときには通訳が必要になる。通常は月島が通訳をしていたが、札幌麦酒工場付近の教会に潜伏した時は月島が不在のため、二階堂が通訳した。
月島基(つきしま はじめ)
第七師団第27聯隊軍曹。鶴見の腹間であり、曲者ぞろいの第七師団の中で常識人的ポジションにいる。二階堂がモルヒネを隠れて使用しているのを発見し、取り上げようと二階堂と組み合った。
尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)
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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。
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目次 - Contents
- 二階堂浩平の概要
- 二階堂浩平のプロフィール・人物像
- 二階堂浩平の装備・能力
- 三十年式歩兵銃
- 銃剣
- ピストル
- 双眼鏡
- 鶴見に切り落とされた自分の右耳
- 義足(右足)
- 義手(右手)
- モルヒネ
- メタンフェタミン
- 人皮ヘッドギア
- 人の皮と骨で作った太鼓
- 手投げ弾
- 二階堂浩平の来歴・活躍
- 第七師団第27聯隊に所属
- 小樽にて杉元と交戦
- 鶴見に右耳を切り落とされる
- 土方に右足を切り落とされる
- 病院で義足を貰う
- 東松屋商店で活動
- 根室に滞在
- 網走監獄で杉元に右手を吹き飛ばされる
- 有坂から義手を貰う
- 登別で都丹と戦う
- 有坂からメタンフェタミンを投与される
- 札幌麦酒工場で活動
- 五稜郭で死亡
- 二階堂浩平の関連人物・キャラクター
- 二階堂洋平(にかいどう ようへい)
- 杉元佐一(すぎもと さいち)
- アシリパ
- フチ
- 鶴見篤四郎(つるみ とくしろう)
- 有坂成蔵(ありさか なりぞう)
- 宇佐美時重(うさみ ときしげ)
- 鯉登音之進(こいと おとのしん)
- 月島基(つきしま はじめ)
- 尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)
- 谷垣源次郎(たにがき げんじろう)
- 土方歳三(ひじかた としぞう)
- 坂本慶一郎(さかもと けいいちろう)
- お銀(おぎん)
- 二階堂浩平の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 鶴見に右耳を切り落とされ、尋問されるシーン
- 「ヤダーッヤダヤダヤダ」
- 「素敵な足をもらえてよかったネ 二階堂」
- 真っ二つになる二階堂のシーン
- 二階堂が爆発四散するシーン
- 二階堂浩平の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 中毒者も続出した鎮静催眠薬のモルヒネ
- 覚醒剤指定されることとなったメタンフェタミン
- 「誰なのおじさん」は同作者のギャグ漫画のキャラクター