CLAYMORE(クレイモア)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『CLAYMORE(クレイモア)』とは、八木教広原作のダークファンタジー漫画である。中世ヨーロッパ的な世界を舞台に、半人半妖の女戦士たちが妖魔や覚醒者などの人外の存在と戦う姿が描かれている。主人公クレアの成長や女戦士たちの生き様などバトルシーン以外にも見どころが多く、美麗な女戦士や覚醒者のデザインの素晴らしさが評価されている。壮大な世界観と重厚なストーリーが上手くまとめられており、非常に読み応えのある作品となっている。

『CLAYMORE』の概要

『CLAYMORE(クレイモア)』とは、八木教広が2001年から2014年にかけて連載していたダークファンタジー漫画である。2001年7月号から2007年7月号までは『月刊少年ジャンプ』で連載していたが、同誌が休刊となったために『ジャンプSQ』へ移籍。2007年12月号から2014年11月号まで作品が連載された。コミックスは全27巻。本編の他に『EXTRA SCENE』と題された5つの番外編がある。2007年には日本テレビにてテレビアニメも放映された。放映当時は漫画が連載中だったため、コミックスとテレビアニメでは内容が異なっている。2009年にはニンテンドーDS用のゲームソフトも発売された。美麗なキャラクターの活躍や覚醒者のデザイン力の高さ、背景描写の緻密さなど、画力の高さがファンの間で評価されている。2010年には画集『八木教広CLAYMORE画集Memorabilia』が発売され、油彩で描かれた原画や100点以上のイラストなど、作品の世界観をカラーで堪能することができる。

舞台となるのは、中世ヨーロッパ的な文化を持つ架空の大陸である。そこには人間を捕食する妖魔が存在しており、人間では妖魔の判別や討伐は不可能であった。唯一妖魔に対抗できるのが、東の地スタフにある「組織」から遣わされた半人半妖の女戦士たちだった。妖魔の血肉を埋め込まれ半人半妖となった女戦士たちは、戦闘時に妖魔の力を使う「妖力解放」を行い、クレイモアと呼ばれる大剣を手に妖魔と戦う。妖力解放するほどに強い力を手にすることができるが、限界を超えると人の心に戻れなくなり、「覚醒者」と呼ばれる化物へと変化してしまう。戦士たちはかつて自分たちも人であり、半人半妖となっても心は人のままだと考えている。妖魔の血肉を身に宿していることで人に忌み嫌われていても、戦士たちは人のために命を懸けて戦い続ける。

物語は、半人半妖の戦士クレアが妖魔を討伐するところから始まる。人間だった頃にテレサという戦士に救われた過去を持ち、妖魔から救った少年ラキにかつての自分をかさね、共に旅を続けるうちに絆を育んでゆく。「組織」で最下位の実力の戦士に与えられるナンバー47の戦士であるが、テレサを殺した覚醒者プリシラを倒すことを目的に戦う彼女は、次第にナンバー以上の実力を見せ始める。大切な者との別れ、強大な力を持つ覚醒者との遭遇、そして北の地での絶望的な任務。様々な困難が起こるが、過酷な状況でもクレアは諦めることなく戦い続けるのであった。

『CLAYMORE』のあらすじ・ストーリー

銀眼の魔女

人を喰らう妖魔が蔓延る世界。妖魔討伐の依頼を受けた組織から派遣された半人半妖の戦士クレアは、人に擬態してドガの村に潜んでいた妖魔を倒す。そこで家族を妖魔に殺された少年ラキに出会い、行動を共にすることになる。半人半妖であるが故に人から疎まれ、それでも人のために戦うクレアの姿を目にするラキ。半人半妖の戦士ではなく、一人の人間として自分に接するラキとの旅を続けるクレア。いつしか二人の間には絆が芽生えてゆく。しかし聖都ラボナの任務で妖力解放の限界を見誤り、クレアは人に戻れないことを悟る。人の意識があるうちに命を断とうとするクレアをラキは抱きしめ、クレアへの感謝と一人で死なせないという思いを口にする。ラキの言動が心に届き、クレアは覚醒した状態から人へ戻ることができた。

テレサとクレア

家族を妖魔に喰われ、自身も妖魔に連れ回されていた過去を持つクレア。凄惨な体験をして話せなくなった彼女を救ったのは、当時ナンバー1の戦士テレサだった。テレサに救われ、共に旅をするうちに、生きる希望も言葉も取り戻したクレア。テレサもクレアと過ごす穏やかな時間を大切にしていた。クレアを守るため、「人を殺してはならない」という組織の掟を破って、山賊一味を皆殺しにしたテレサは、組織の粛清対象となってしまう。しかしクレアと共に生きる決心をし、粛清を受けずに組織から離反する。組織はテレサに次ぐ実力を持つ4人の戦士を招集して討伐隊を結成するが、4人が束になってかかってもテレサの足元には及ばず、瞬く間にねじ伏せられてしまう。その場を去るテレサとクレアだったが、テレサ以上の潜在能力を秘めるナンバー2プリシラが妖気を暴走させ、妖力解放の限界を超えて覚醒。テレサの首を一瞬ではね、討伐隊の仲間たちの命を奪うと、人の臓物を欲して飛び去って行った。敵討ちを誓ったクレアはテレサの首を持って組織の連絡員を見つけ出し、戦士になることを志願するのだった。

覚醒者との戦い

仲間のミリア、デネヴ、ヘレンと覚醒者討伐に向かったクレアは、組織の情報よりも遥かに強い覚醒者と戦うことになる。ミリア以外の戦士たちは重傷を負って倒れ、ミリアも瞬間的に目にも追えないスピードを生み出す「幻影」を使って戦うが、覚醒者に追い詰められてしまう。絶望的な状況の中、「組織最弱の戦士」と見下されていたクレアが立ち上がった。妖気の流れを読み、相手の行動を予測して戦うクレア。攻撃をかわして敵の懐へと潜り込むと、ミリアと連携して覚醒者を討伐した。戦士たちは、自分たちが限界を突破しても人に戻れる「半覚醒」の状態であること、組織が問題行動の多い4人をまとめて処分しようとしていたことに気が付く。組織に対して疑念を抱いた4人は結束し、生きて再会することを誓った。その後クレアに与えられたのは、ナンバー4オフィーリアとの任務だった。覚醒者討伐に異様な執念を見せるオフィーリアは、クレアがすでに覚醒していることを見抜く。ラキを連れてその場を離れたクレアだったが、自分の実力では相手に敵わないことを悟り、ラキを守るために再会を誓って別れる。しかしオフィーリアは一人で覚醒者を倒すほどの実力者だった。戦いの最中で右腕を失い、窮地に追い込まれたクレアを救ったのは、テレサ討伐隊のリーダーを務めたかつてのナンバー2「高速剣のイレーネ」だった。覚醒したプリシラに殺されたと思われていたが、奇跡的に生きていたイレーネ。プリシラへの恐怖が消えず、戦うことを放棄して組織を離反していた。同じ恐怖と絶望を経験しながら、テレサと共にいた少女がテレサの血肉を取り込んだ戦士となり、プリシラを倒すために戦い続けている。イレーネは再びクレアが戦えるよう、クレアに自らの右腕を託した。イレーネの元を去ったクレアは、イレーネから受けた傷の痛みに耐えかね、覚醒したオフィーリアと遭遇する。託された右腕でイレーネの必殺技「高速剣」を使い、クレアはオフィーリアを倒した。組織へ戻らずにラキの行方を探していたクレアは、瀕死の状態で覚醒者から逃れてきた戦士に遭遇。助けを求められて救出に向かうが、そこに潜んでいたのは「西の深淵」と呼ばれる覚醒者リフルだった。彼女に従う覚醒者ダフを相手に苦戦するクレア。そこへクレアを追跡してきたナンバー3ガラテアが現れ、クレアを援護する。捕らえられているナンバー9ジーンの力を使ってダフを倒すという提案を受け、クレアは囚われている仲間の救出に向かった。そこで目にしたのは、体は覚醒しても人の意識を保つジーンの姿だった。クレアは妖力同調によってジーンを人に引き戻すと、ガラテアの加勢に戻る。ガラテアの妖力同調、クレアの高速剣、ジーンの旋空剣によって、ダフに致命傷を与えたことで、リフルはクレアたち3人に興味を抱く。「北の深淵」イースレイの元にプリシラがいるという情報を聞かせると、「もっと強い戦士になってから覚醒させた方が面白そう 」と言って、深手を負ったダフを連れて姿を消した。ガラテアに見逃されたクレアはラキ探しを続けようとするが、ナンバー5ラファエラに見つかってしまう。ジーンと共に組織に戻されたクレアは粛清されることを覚悟するが、仲間を救った恩赦として組織への復帰を許された。

北の戦乱

次なる任務のためにジーンと共に北の地ピエタに向かったクレア。北の地で群れを成す覚醒者の殲滅のため、組織の半数以上となる24名の戦士たちが送り込まれていた。ミリア、デネヴ、ヘレンも招集されており、4人は生きて再会できたことを喜ぶ。しかし喜びも束の間、「北の深淵」イースレイの右腕であるリガルドが、覚醒者の軍勢を率いて現れる。ミリアの指揮のもと、5つのチームに分かれて覚醒者と戦う戦士たちだったが、リガルドが戦いに加わると戦況は一変。小隊のリーダーを次々と殺すと、ミリアに狙いを定めて猛攻を仕掛ける。目の前で仲間を殺され、自分の無力さを嘆いたクレアは、力を求めて四肢のみを完全覚醒させてリガルドを倒した。しかし力を使いすぎて人に戻れないことを悟り、遠距離攻撃ができるヘレンに自分の首をはねるよう頼む。瀕死の状態のジーンがそれを阻止し、最後の力を使って妖力同調をし、クレアを人へ引き戻した。ジーンの命と引き換えに人へ戻ったクレアは、涙を流しながら覚醒者と戦う。しかし強大な力を持つ覚醒者との戦いに敗れ、戦士たちは全滅した。ピエタが戦火に染まる頃、奴隷商人に捕まり北の地に送られていたラキは、監禁されていた地下牢を抜け出し、荒れ果てた街でプリシラと出会う。プリシラに気に入られたラキは、彼女を探しに来たイースレイに誘われ、共に南へ向かうことになった。この二人が覚醒者だとは夢にも思わず、ラキはクレアとの再会を果たすために南を目指すのだった。南下する際に西と東に覚醒者を送り、組織の戦力と西の深淵を足止めしたイースレイ。「南の深淵」ルシエラと戦闘を始め、激戦の末に勝利を収めて南の地を手に入れた。一方で敗れたルシエラは、逃亡中に妹のラファエラと再会する。自分のせいで姉を覚醒者にしてしまった責任を取るため、ラファエラはルシエラを抱きしめたまま妖力解放し、最愛の姉の命を絶った。

7年後

北の戦乱から7年。戦いを生き抜いたクレアたち7人は、組織の追跡を逃れるために妖気を完全に抑え、北に潜伏していた。クレアはラキとの再会と打倒プリシラのために、戦士たちは組織へ復讐を果たすために北の地を抜ける。その道中、新世代の戦士とリフルの戦闘を感知して妖気を押さえたままの状態で救出へ向かい、囚われていた上位ナンバーの戦士たちの奪取に成功。仲間を逃がすため、そしてリフルから情報を入手するためにクレアはその場にとどまり、7年間の情勢の移り変わりとプリシラが深淵の者を遥かに凌駕する力を持つことを聞き出す。一方、組織はナンバー47のクラリスを補佐役につけ、ナンバー4のミアータに離反者ガラテアの粛清を命じる。ガラテアの居場所を探し続け、辿り着いたのは聖都ラボナだった。ミアータは妖力解放して戦闘に挑むが、その妖気を察知してラボナに潜んでいた覚醒者アガサが暴れ出してしまう。ガラテアの目的はアガサの討伐であり、自分を囮にしておびき寄せた戦士との共闘を考えていたのだ。ミアータが共闘に応じなかったため、ガラテアは苦戦を強いられるが、そこに北の戦乱の生き残りが現れて、瞬く間にアガサを倒した。そしてミリアは戦士たちに、妖魔は組織から生み出されているという組織の秘密を打ち明けた。自分たちが暮らすこの地の他に、「戦火の大陸」と呼ばれる争いが絶えない土地が存在すること。竜の種族「アサラカム」と戦う勢力が、人外の種族に対抗する兵器の研究のために組織を作ったこと。組織は制御可能な覚醒者を作って「アサラカム」に対抗できる兵器にしようと考えていること。衝撃的な事実を聞かされ、戦士たちはその場に凍り付いてしまう。ミアータとクラリスは組織を離反してラボナにとどまることを選び、ミリアたちもラボナと協力して組織を潰す決意を固める。さらにクレアはラボナの戦士シドとガークから、ラキが生きていてクレアを探していたと聞かされる。決戦を前に再会を果たそうと、クレアは西の地へ向かうのだった。

クレアがラキを探す間、南へ向かったデネヴとヘレンは覚醒者討伐に苦戦するナンバー8ディートリヒを手助けした。ディートリヒから南の地の現状と「悪魔」と呼ばれる存在を聞かされた二人は、それが近くの街にいるイースレイのことだと考えて興味本位で近づく。しかしイースレイとの戦闘が避けられなくなり、デネヴとヘレンは死を覚悟する。そこへ、人間に覚醒者の血肉を埋め込んだ「悪魔」と呼ばれる組織の兵器「深淵喰い」が現れた。イースレイは何度も戦闘をして深淵喰いを退けていたが、前回の襲撃で受けたダメージが回復できていなかった。深淵喰いに捕らえられたイースレイは、一片も残さず食い尽くされてしまう。窮地を切り抜けた二人はミリアへの伝言をディートリヒに託し、クレアたちと合流しようと西を目指す。イースレイの死を知った組織は、残る深淵リフルの討伐のために、深淵喰いと共にナンバー1アリシアとナンバー2ベスを西へ向かわせるのだった。

一方、ラキを探していたクレアは、かつて自分を担当していた連絡員のルヴルと遭遇する。彼の正体が組織に敵対する勢力の工作員であり、組織を内側から潰すため、ミリアに「戦火の大陸」の情報を流していたことが判明。クレアはラファエラが姉を殺して融合体となったことを聞き、融合体が保管されているリフルの根城に向かった。そこにあった融合体を前に気を失い、ラファエラの精神世界に入り込んだクレア。ラファエラと対決することになり、妖力解放して高速剣を使って戦いに勝利する。しかし、クレアが精神世界に介入したことで融合体が覚醒してしまい、各地に断片を発射し始めた。クレアはデネヴたちと合流するが、発射された断片が次々と覚醒体へ変わり、周りを取り囲まれてしまう。エネルギーを全て出し切るまで暴れ続ける化物を相手に、クレアたちは厳しい戦いを強いられる。その頃、ドガの村に滞在していたラキとプリシラも断片の攻撃を受けていた。断片が飛んできた先からテレサの匂いを感じ取り、記憶を取り戻したプリシラ。テレサをもう一度殺せると期待し、断片が腕に刺さったラキに自分の腕を突き立てて断片の侵食を阻止すると、融合体の元へと向かう。

一方、融合体の覚醒を遠くで見ていたリフルとダフは、自分たちの討伐に現れた組織の最高戦力と戦うことになる。初めて目にする深淵喰いと覚醒して戦うアリシアにとまどい、リフルは徐々に追い込まれてゆく。ところが突如アリシアの制御が乱れ、深淵喰いを襲い始めた。精神を預かっていたベスが断片に身体を貫かれ、覚醒してしまったのだ。覚醒を解いて戦い続けるアリシアはリフルを追い詰めるが、ベスの元にプリシラが現れたことを察知すると、任務を放棄して加勢に向かう。自ら覚醒してプリシラとの戦いに挑むが、アリシア、ベス共にプリシラに倒されてしまった。プリシラは瞬時に移動してリフルの息の根を止め、その血肉を喰らう。腹が満たされると、目的を果たそうとクレアの元に現れる。ついにテレサの仇と対面を果たしたクレアだったが、敵の強さは圧倒的だった。クレアは覚醒を試みるが失敗に終わり、攻撃を受けて瀕死の状態となってしまう。融合体の断片の発射が続く中、プリシラは一撃で融合体を破壊。すると融合体の内側からエネルギーの塊が噴出し、触れたものの生命を吸収し始めた。クレアはそれに取り込まれてしまい、獲物を奪われたプリシラは融合体に攻撃を仕掛ける。すると無差別に攻撃を繰り出していた融合体がプリシラに狙いを定め、吸収しようと襲い掛かる。その後、広がり続けていた融合体が収束。クレアとプリシラを閉じ込めたまま、球体の状態となって発見され、生き残った戦士たちによってラボナ付近へ運ばれた。

組織との決着

伝言によってイースレイの死と深淵喰いの存在を知ったミリアは、ラボナに残っていた仲間のタバサを斬り伏せて一人で組織に向かう。仲間を巻き込まず、自分一人で組織と決着をつけようと考えた上での行動だった。たった一人で戦士たちを圧倒するミリアだったが、対戦士用の訓練を受けているナンバー10ラフテラや、精神共有の訓練を受ける双子の訓練生に追い詰められ、戦士たちに斬り刻まれてしまう。その後、組織は報復としてラボナに大量の覚醒者を送り込んだ。ガラテアやミアータたちが覚醒者と戦っているところにプリシラと融合体の戦いで生き残った戦士たちが戻り、覚醒者を全て討伐することができた。しかしこの一件で、戦士たちはミリアが組織を潰せなかったことを悟ってしまう。ミリアの生存を信じ、組織へ乗り込む決意をするデネヴたち。その動向を知った組織は北の戦乱の生き残りたちを迎え撃とうと、組織に戦士たちを集結させる。しかし死んだと思っていたミリアが現れ、彼女を先頭に組織の全戦士が反旗を翻した。戦士を殺さず組織を壊滅させようとしたミリアの行動が、訓練生含め戦士たちの心を動かしたのだ。組織は深淵喰いを解き放ち、かつてのナンバー1であるヒステリア、カサンドラ、ロクサーヌを甦らせ、ミリアたちは苦戦を強いられる。しかし戦いの最中で生前の記憶を取り戻したカサンドラが、妖気を暴走させて覚醒。親友と自分を殺した因縁の相手であるロクサーヌと戦い始めた。ヒステリアに圧倒的な力の差を見せつけられ苦戦するミリアは、諦めずに泥臭く戦い、辛勝する。しかし死んだと思われたヒステリアとロクサーヌも覚醒。「深淵」級の力を持つ「新たなる深淵」が3体誕生してしまう。覚醒体となってもカサンドラとロクサーヌは戦い続けていたが、ヒステリアは戦士たちを喰らおうと襲い掛かる。デネヴたちも加勢して戦うが、戦士の力だけではヒステリアを倒せないと判断したミリアは、カサンドラたちの戦いにヒステリアを巻き込むことを考えつく。ミリアの作戦は成功し、ヒステリアは覚醒者同士の戦いに巻き込まれて絶命した。カサンドラは因縁の相手を倒すと、戦士たちには見向きもせず、どこかへ向かって行った。戦いは終わり、もぬけの殻となった組織内を捜索するミリアたち。ヘレン、デネヴが別の場所を探している間に、ミリアは隠し扉を開けて地下へと向かう。そこには竜の一族「アサラカム」の個体と覚醒体、そして組織の長リムトの姿があった。リムトの首をはね、アサラカムの個体と覚醒体も処分したミリア。全戦士の前に立ってリムトの首を掲げ、組織の終焉を告げた。

プリシラとの最終決戦

クレアの状況を聞いたミリアの前に、組織に囚われていたラキが訓練生と共に現れる。クレアを救うためにラボナへ戻った戦士たちは、ラキの呼びかけにより、クレアを救い出すことに成功した。しかし同時にプリシラも封印から解き放たれ、傍観していた覚醒者たちを攻撃し、プリシラはラボナから遠ざかっていった。ミリアは生き残った覚醒者に共闘を持ちかけ、プリシラの支配からカサンドラを解放して戦わせようとする。しかしカサンドラの実力は想像以上で、覚醒者たちは苦戦を強いられる。一方、プリシラはリフルとダフの特徴を併せ持つ「深淵に似た別の何か」と遭遇。一時はその化物に押されるものの、その戦いを制し、傍観していた組織の科学者ダーエの元に現れる。自分が妖魔に身体を乗っ取られた父を殺し、生き延びるためにその肉を口にしていたという忌まわしい記憶を聞かされ、プリシラはダーエを殺害した。そこに現れたラキやクレアたちと刃を交えるが、プリシラに刃が届くことはなく、ついにタバサが命を落としてしまう。覚醒者たちが到着して混戦状態となるが、誰もプリシラを倒すことができない。プリシラが全てを終わらせようとしたその時、ラキが背後からプリシラを刺して動きを止め、クレアの高速剣が命中した。それでもプリシラは死なず、覚醒者を取り込んで回復してしまう。状況を打開しようと覚醒を試みたクレアはラファエラの言葉を思い出し、身体を覚醒させるのではなく自分の中に宿るテレサを呼び起こすことに成功する。テレサはプリシラに取り込まれていた覚醒者を解放し、自我を取り戻したカサンドラとの誇りを懸けた戦いに勝利する。そしてクレアに心を預けると、神話に出てくる双子の女神を彷彿させる姿へと覚醒。プリシラの怒りを全て受け止め、全力の力で放った高速剣により、遂にプリシラが倒された。役目を果たしたテレサは、クレアの精神世界の中で、少女の頃のクレアに笑顔で見送られて消滅した。組織が崩壊したことで、新たな悲劇が生み出されることはなくなった。しかしこの地に放たれた妖魔と覚醒者を全て倒すまでは、戦士たちの戦いは続いてゆく。プリシラを倒すという目的を果たしたクレア。「全てが終わったら右腕を返しに来る」という約束を守るために、ラキと共にイレーネの元へ向かうのだった。

『CLAYMORE』の登場人物・キャラクター

主要人物

クレア

CV:桑島法子
本作の主人公。攻撃型の戦士で、ナンバーは組織最弱の戦士に与えられる47。限界まで妖力解放しても人に戻ることができる「半覚醒」の戦士。妖魔の血肉ではなく、歴代最強と呼ばれたテレサの血肉を身に宿す特殊体である。幼少期に妖魔に連れ回されていたところをテレサに救われ、覚醒したプリシラに殺されたテレサの仇を打つために自ら望んで戦士になった。妖魔討伐で救った少年ラキと旅を共にし、次第に絆が芽生えてゆく。ラキの命を守るために離別するが、7年の年月を経て再会を果たした。無表情で口数が少ないが、内に激しい感情を秘めている。相手の妖力を読み取る妖気感知が得意。相手の妖気の流れを読みながら、攻撃を回避して戦う。ナンバー4のオフィーリアとの戦闘で右腕を失うが、元ナンバー2のイレーネから右腕と彼女の特技「高速剣」を託され、強者との戦いを経て力をつけていく。北の戦乱では四肢のみを完全覚醒させ、リガルドを倒した。北の戦乱後は、組織からの追跡を逃れるために妖気を完全に封じ込め、妖力解放に頼らない「風斬り」を会得。プリシラとついに対峙するが力及ばず、ルシエラとラファエラの融合体に吸収されてしまった。ラキの呼びかけで復活。最終決戦では、内に眠るテレサを呼び覚まし、テレサの心を預かってテレサを覚醒させる。テレサがプリシラを倒したあとは精神世界で消滅するテレサを笑顔で見送った。目的を果たした後、「右腕を返す」という約束を果たすためにラキと共にイレーネの元を訪れる。

ラキ

kiriyamamiu
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