セフィロス（ファイナルファンタジーVII）の徹底解説・考察まとめ

故郷のニブルヘイムを焼かれ幼馴染を切り付けられたクラウドは、セフィロスとの決着をつけるため己の意志でセフィロスを追いかけていた。しかしストーリー中で出会ったセフィロス（ジェノバ）はクラウドに対して二度「クラウド、お前は人形だ」と述べている。
一度目は「忘らるる都／古代種の都」にて目の前で刺されてこと切れたエアリスを抱きかかえ、悲しみや怒りに震えるクラウドに対し「悲しむふりはやめろ。怒りに震える演技も必要ない。なぜならお前は人形だクラウド」と非情な言葉を投げかける。
二度目は「北の大空洞」の竜巻を超えた先でニブルヘイムの幻影を映し出し、住民を虐殺する様子をクラウド達に見せつけたシーンである。クラウドは「こんな幻を見せて俺を混乱させたいんだろう。だが俺は炎の熱さも身体の痛みも、心の痛みも覚えている！」と叫ぶが、突如現れたセフィロスは「おまえは人形…心など持たない…痛みなど感じない…」と返答している。
この時ティファは怯えたような表情を浮かべ「何も考えないで」と懇願しているが、ティファの態度に不安を覚えたクラウドはどんどん自我を失っていく。己を支えてきた「元ソルジャークラス・ファースト」のクラウドの仮面が剥がれ落ち、ジェノバ細胞から創られた「人形」である姿へと変貌していく印象的なセリフである。

セフィロスの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

片翼の天使（かたよくのてんし）

セフィロスの第二形態であるセーファセフィロスとの戦闘シーンで流れているBGMが、「片翼の天使（かたよくのてんし）」である。オーケストラによる荘厳な演奏とラテン語のコーラスによって、セフィロスの神格性と狂気が表現されている。
作曲はスクウェア・エニックスで数々のゲーム音楽に携わっている植松伸夫で、コーラスはスクウェア・エニックスの音楽担当浜渦正志の呼びかけで集められた大学時代の友人・後輩たちによって行われている。浜渦もバスパートのコーラスに参加しており、『ファイナルファンタジーVII』が自身のデビュー作となった。

「片翼の天使」はセフィロスのメインテーマとなっており、『ファイナルファンタジーVIIアドベントチルドレン』や『ファイナルファンタジーVIIリメイク』においてはさらにアレンジが加えられたインパクトのある曲に仕上がっている。

セフィロスの人間味ある一面

『ファイナルファンタジーVII』に登場するセフィロスは星を滅ぼして神に成り代わり、人間に復讐したいという一念で行動している為、言動も謎めいて芝居がかったものが多くなっている。一方で「伝説のソルジャーセフィロス」として活躍していた時代には「自分はほかの人間とは違う」という思いに苛まれながらも、セフィロスが人間らしい一面も持っていたことを回想シーンから伺い知ることができる。

クラウドやザックスがセフィロスとともに訪れたニブルヘイムでは、セフィロスの上司としての一面が多く描写されている。ニブルヘイム出身の一般兵士であるクラウドに対して「久しぶりの故郷なんだろ？どういう気持ちがするものなんだ？俺には故郷が無いからわからないんだ」と気さくに声を掛けたり、自分の両親について逆に尋ねられた際には「母の名はジェノバ。俺を生んですぐに死んだ。父は…。何を話してるんだ俺は」とクラウド（実際にはザックス）に対して自嘲気味の笑い声と共に返答していた。
ティファのガイドによってクラウドやザックスと共にニブル山に存在していた天然のマテリアを見た際には、ぶっきらぼうながらも疑問に対してきちんと答えマテリアの解説をするなど真面目な一面をのぞかせている。

また前日譚『ファイナルファンタジーVIIクライシス・コア』においては、セフィロス自身がザックスに対して「同僚のアンジール、ジェネシスと共にトレーニングルームに忍び込んではよくふざけていた」と明かしていた。