ファイナルファンタジー(FF)の歴代シドまとめ

シドは、『ファイナルファンタジー(FF)』シリーズに登場する名物キャラである。シドという名前だけは共通だが、シリーズ毎にその外見や年齢、設定などは異なる。また、『FF』シリーズに頻繁に登場する乗り物「飛空艇(飛行船)」に関わることが多いことでも知られる。ここでは『FF』ナンバリングタイトルの各シリーズ毎に、シドという人物について紹介する。

『ファイナルファンタジー』シリーズの概要

『ファイナルファンタジー(FF)』は、スクウェア・エニックスより発売されたコンピュータ・ロールプレイングゲーム(RPG)。
1987年に第1作目『ファイナルファンタジー』が発売されて以来、シリーズ作品が続々と発売されている。
2017年時点では『ファイナルファンタジーXV』までが発売されている。
『FF』はシリーズを通して演出にこだわり、なおかつゲームの大部分を占める戦闘においてプレイヤーを飽きさせないシステムを搭載している。
ゲーム中に挿入される美しいCG、スタイリッシュなキャラクターや作品ごとに異なる世界設定と難解なストーリー構成、作品ごとに変更される斬新なゲームシステムは世界中のファンを魅了している。

タイトルが『FINAL FANTASY』+ナンバーで構成されるタイトルを『FF』正式ナンバリングタイトルと呼称し、略称は以下のようになる。
『ファイナルファンタジー』~『ファイナルファンタジーXV』→『FF』~『FF15』
『ファイナルファンタジーX-2』『ファイナルファンタジーXIII-2』『ファイナルファンタジーXIII LightningReturns』→『FF10-2』『FF13-2』『FF13LR』
『ファイナルファンタジーIV ジ・アフター -月の帰還- 』→『FF4TA』
『ビフォア クライシス ファイナルファンタジーVII』→『BCFF7』(『FF7』派生作品)
『ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII』→『DCFF7』(『FF7』派生作品)
『クライシス コア ファイナルファンタジーVII』→『CCFF7』(『FF7』派生作品)

シドというキャラクター

シドは、『ファイナルファンタジー』シリーズに登場するレギュラーキャラクターである。
記念すべき第1作目『FF』には登場しないが、『FF』のゲームボーイアドバンス(GBA)リメイク版以降では、飛空艇を作った人物として古代ルフェイン人の「シド」という名前だけが語られた。しかもこれは完全に後付けの設定であり、シリーズに一貫して登場してきたシドを、名前だけでも最初の作品に登場させることでシリーズへのシド登場のコンプリートを図ったためと思われる。
故に初登場は『FF2』からとなる。これ以降の『FF』シリーズすべてに登場しているが、同一人物ではない。
「シド」という名前のみが共通しており、作品ごとにその年齢や設定、外見は変わる。
というのも、『FF』はシリーズごとにそれぞれ別の物語となり、世界設定や人物設定などすべてが毎回一新されるためである。
シドという人物の、シリーズで共通する特徴として、メカに強かったり、作中に登場する乗り物・飛空艇に関わることが多い。
『FF』シリーズで飛空艇といえばシド、というイメージがある。
シドは、プレイヤーキャラクターの頼もしい味方となってくれたり、時には敵として登場したりもする。

シリーズに登場したシド

FF2:シド (Cid)

職業・肩書:飛空船での運び屋
外見:元騎士だけあって、立ち姿がスマートでダンディ。

この作品で初登場。姓はない。
飛空船で定期便を運行している。
元フィン王国の白騎士だったが、飛空船の魅力に取りつかれてしまい、騎士団を辞めてしまった。
飛空船を駆って主人公たちに力を貸してくれる。

物語の終盤には、『FF2』のラスボスであるパラメキア皇帝の魔力が生み出した竜巻を止めようと、飛空船ごと突っ込んで重傷を負う。しかし飛空船は無事だった。
その後、飛空船を主人公たちに託し「いいか 貸すだけだぞ!」と言い、息を引き取る。

ちなみに飛空船、との表記はファミコン版のみで、GBA版以降の表記は「飛空艇」となった。

FF3:シド・ヘイズ (Cid Haze)

職業・肩書:飛空艇製造技師
外見:『FF2』のダンディなシドとはうってかわってお爺ちゃんキャラとなった。

カナーンで貿易商を営んでおり、妻と2人で仲良く暮らしている。64歳。
飛空艇技師として主人公たちに力を貸してくれる。
仲間からは「シドじいさん」と呼ばれている。
シドは主人公たちが封印の洞窟へ行くために自分の飛空艇を貸すことになる。
主人公たちに貸した飛空艇が、行く手を阻む大岩を破壊しようと体当たりして壊れてしまった後にパーティから離脱するが、後に飛空艇エンタープライズ号の改造のために再び登場する。
DSリメイク版ではプレイヤーは操作できないが、戦闘に参加してくれる。

FF4・FF4TA:シド・ポレンディーナ (Cid Pollendina)

職業・肩書:バロン王国飛空艇整備技師長
外見:ひげモジャの筋骨たくましいガテン系のオヤジキャラ。

仲間になるのは中盤の短期間だけだが、「シド」としては『FF』シリーズ初のプレイヤーキャラクターとなった。
主人公セシルが所属していたバロン王国の飛空艇整備技師長。54歳。
実は『FF4』の世界の飛空艇の生みの親。
セシルを実の息子のように可愛がっている。
妻を亡くしており、娘と2人暮らし。

主人公たちを救うために飛空艇から爆弾を抱えて飛び降りるというシドの涙の爆死イベントがあり、誰もがその死に涙した。
だが、大爆発だった割に本人はドワーフ族に助けられて無事だった。

続編の『FF4 THE AFTER 月の帰還』では、『FF4』の主人公セシルの息子・セオドアの祖父代わりとして登場している。

FF5:シド・プリヴィア(Cid Previa)

職業・肩書:学者
外見:白髪の学者でスマートなお爺さん。

姓の「プリビア」は「プレビア」とも表記されることがある。
ミドという孫がいる。
クリスタルのエネルギーを増幅する装置を開発し、『FF5』の世界の発展に大きく貢献した偉人。
シドは火のクリスタルを擁するカルナックの学者で、火のクリスタルからエネルギーを得る火力船を作った。
だが火力船のエネルギーの充填中、力の使いすぎにより火のクリスタルにヒビが入ってしまう。
このままではクリスタルが砕けてしまうことを予見したシドは火力船の機関を止めようとするが、力を欲するカルナック女王に阻止され投獄されてしまう。
シドが牢から脱獄しようとした時、主人公のバッツらに出会い、彼らは火力船を止めるのを手伝ってくれる。
だが結局火のクリスタルは力を使われすぎて砕け散ってしまい、その原因となる火力船を作ったシドは責任を感じ、クリスタルを救うために旅をしているバッツたちに協力する。

シドは火のクリスタルが砕け散ってしまった責任を感じ、ひどく落ち込んでしまうが、孫のミドに励まされて元気を取り戻す。
バッツたちのために、古代遺産である飛空艇を孫のミドと共に改造してくれる。

FF6:シド・デル・ノルテ・マルケズ(Cid Del Norte Marquez)

職業・肩書:ガストラ帝国の科学者
外見:なぜか全身黄色いレインコートのようなものを着ている。

ガストラ帝国の科学者で、敵側の人物として登場。
その後は主人公達に協力してくれる。
『FF6』までのシリーズでは初めて飛空艇に関わらない人物。
46歳というまだ中年と言うべき年齢であるが、18歳のセリスには「おじいちゃん」と呼ばれてしまう。

ガストラ帝国では魔導の研究をしており、魔法の使用できないFF6世界において人工的な魔法の使い手である「人造魔導士」を作り出した。
『FF6』のラスボスであるケフカもシドの魔導研究の実験の被害者であり、ケフカは魔導研究の人体実験の結果、心が壊れてしまったのだ。
ある意味すべての元凶を作り出したのはシドだともいえる。
しかし、主人公たちとの出会いで、これまで自分が行ってきた実験の愚かさにようやく気付く。
そして自らが作り出した人造魔導士であるケフカが人々に害をなし、世界を滅ぼそうとしていることに、シドは責任を感じ、自らの研究のために人体実験を行ったことをひどく後悔した。

『FF6』中盤のターニングポイントとなるイベント「世界崩壊」は、ケフカが『FF6』世界の魔力の源である「魔神」「鬼神」「女神」ら3闘神の力のバランスを崩した事で発生させた大災害のことであるが、主人公たちもこの災害に巻き込まれ、バラバラになってしまった。
この時、シドは無人島にいて難を逃れ、主人公の1人であるセリスを助ける。
セリスは1年も昏睡状態であり、その間シドはずっとセリスの看病をしていた。
セリスもまたケフカと同じように自分の研究の実験体であり、彼女を助けたのは、せめてもの罪滅ぼしの気持ちからだった。
しかしセリスが目を覚ました後、今度はシドが病に倒れてしまう。
プレイヤーがセリスを操作して病床のシドに魚を釣って届けるというミニゲームがあり、良い魚を釣って届けるとシドの病が回復して生き残るのだが、普通の魚を釣って届けるだけではシドはそのまま死んでしまう。
シドが死んでセリスが絶望し、海に身を投げて自殺を図るが海岸に打ち上げられ一命をとりとめる。
その海岸でセリスは、かつての仲間・ロックのバンダナを見つける。彼女は、まだ仲間が生きているという生きる希望を見つけ、島を出て仲間を探す旅に出る。

FF7:シド・ハイウインド (Cid Highwind)

職業・肩書:高速飛空艇「ハイウインド」の艦長。
外見:いつもタバコをくわえていて、言葉遣いも悪い不良オヤジ。

32歳と若めのシドで、これまでのシリーズのシドとは違うちょいワルオヤジのイメージ。
そんなシドの性格を表すように、高速飛空艇「ハイウインド」には銀色のボディに水着の女性が描かれている。
『FF』シリーズでは初のメインキャラクターで、パーティキャラクターとなった。

世界的な大企業である「神羅カンパニー」が宇宙開発を行っていた頃のエンジニア兼パイロット。
しかしロケット打ち上げが失敗したことで計画は頓挫し、宇宙開発自体も中止になってしまった。
それでも宇宙への夢を捨てられないシドは、打ち上げに失敗したロケットが置かれているロケット村で、ロケットの整備を続けていた。
ロケット村にやって来た主人公クラウドたちと出会い、仲間になる。
ちなみにクラウドたちは、この村でシドの飛行不能になった飛空艇を強奪することとなる。
この時奪われたシドの愛機は「タイニーブロンコ」号と言い、主人公たちの乗り物として活用される。しかし「タイニーブロンコ」は損傷していて飛べないため、浅瀬と川を移動するカヌー代わりの乗り物として使用された。
強奪された側のシドは、怒るよりも逆に面白がってクラウドたちに興味を持つ。

パーティキャラクターとしては、槍を武器とし、ジャンプ攻撃をするなど、『FF』シリーズの名物ジョブである「竜騎士」のような扱いになっている。
「竜騎士」という名称が最初に登場したのは『FF2』であり、『FF』シリーズ最初の竜騎士である「リチャード・ハイウィンド」という人物が登場する。
これ以降、ハイウィンドという名は竜騎士の名称として用いられることが多くなり、『FF7』においてはシドがこの名を受け継いだため、竜騎士に相当するキャラクターとなった。しかし『FF7』はキャラクターが固定となり、システム的にジョブやジョブチェンジという概念がないため、シドが明確に竜騎士である、という設定はない。

同じ役で『FF7』関連作品である『BCFF7』や『DCFF7』『CCFF7』、映像作品『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』にも登場している。(CV:山路和弘)

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