杉元佐一(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
杉元佐一(すぎもとさいち)とは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する主人公。日露戦争を戦い抜いてきた元・陸軍兵士で、体に無数の傷を追ってきたが全く命を落とすことが無かった。その活躍ぶりから、軍人の間では『不死身の杉元』と言われている。杉元が金塊を探しに北海道の山に入ると、アイヌの少女アシリパと出会う。後に少女の父は金塊を隠した人物であることを知り、お互いの目的を果たすために一緒に旅を始める。
第1話で、雪山で杉元が腸をえぐられた刺青の男を背負って熊から逃げている時に、遠くから毒矢を放って杉元の命を助けたのが初登場である。アシリパは男を背負っている理由を杉元に聞くと金塊について話し始めて、それに関わっているのが自身の父親だったため杉元と力をあわせて旅に出ることを決意した。
旅を始めるとアシリパの作るアイヌ料理に杉元はハマり、毎回のようにアイヌ料理を手伝ってもらっていた。
旅を続けるにしたがってアシリパは、若干の恋心を抱いているようなシーンがある。それは第108話で、アシリパが杉元に金塊を探す理由を聞いたときに戦死した幼馴染の嫁の目を治療するためだと言うと、一緒にいた尾形が「”惚れた女のため”ってのはその未亡人ことか」と話した。その瞬間アシリパは話を遮るかのように鶴の舞を踊って、梅子に嫉妬した気持ちを踊って関心を逸らしたのではないかとファンの間では噂になっている。
白石由竹(しらいし よしたけ)
第6話で初登場し、白石は脱獄を繰り返して網走監獄に入っていた。だがのっぺらぼうに刺青を彫られて、小樽に行けと監獄から逃げ出して小樽に潜んでいた。アシリパの仕掛けたリスを捕獲するための罠にかかっていたのを杉元とアシリパが捕まえたが、杉元達が獲物のウサギを見つけて目を奪われている隙に得意の脱獄で鍛えた技で逃走した。それから杉元は白石を追うも、2人共崖から滑って極寒の川に落ちて力をあわせて暖を取ることとなった。その時白石が助け合う条件として、暖を取ったら自分を逃がすことを要求しており、杉元は仕方なく合意したため1度は別れた。そのあと杉元が第七師団に捕まった時、アシリパの願いで白石にアジトに潜入して脱走させることに成功し、それ以来旅の一員になった。
白石は杉元達から脱獄の力以外はあてにされていなかったのが悔しかったのか、汚名返上とばかりに1人で小樽の街で会った牛山のアジトに忍び込んで情報を聞き出していた。だが潜入がバレてしまい、牛山達に見つかってしまう。そして牛山達の中に土方がいて、開放されたければ刺青について教えることを条件として提示された。自分の命を守るべく杉元達のことを話して刺青の複製を横流しすることを決め、それから内通者としてしばらくは動いていた。後に杉元は白石が内通している可能性に気付いてその動きを探るも、彼が土方たちに渡していた刺青の複製は偽物だったことが判明。自分たちを裏切ったわけではないと悟り、その後も共に旅を続けることとなった。
のっぺらぼうの居る網走監獄に潜入したあとは、杉元が頭を撃たれて駆け寄った谷垣から「白石はアシリパから離れずに予備の船で待ってろ」と言われたため、先に白石はアシリパと一緒に船に乗り込むと尾形やキロランケと合流して樺太に向かった。樺太でのっぺらぼうであるウイルクの情報を探りながらロシアに入って流氷の上を歩いていると、白石は用を足していると流氷が割れて海に落ちそうになっていた。極寒の海に落ちそうになるも、そこに網走監獄以来別れたままだった杉元が駆けつけ、白石を救出。危ういところで命拾いすると同時に、共に再会を喜び合った。
杉元はどんなことがあっても白石を切り捨てようとはしないし、脱獄の力に一目置いていることもあり杉元とアシリパは白石に絶大な信頼を寄せている。
尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)
出典: akiba-souken.com
第4話が初登場で、杉元とアシリパは小樽の雪山に仕掛けた獲物の罠に刺青の入った男がかかり、アシリパが背中の刺青を描き写していると背後から銃声が響いた。気付くと刺青の男が頭を撃たれ、杉元達は音が鳴った方向に走っていくと第七師団に所属している尾形がいた。そこで杉元と尾形は争い合っていたが、尾形は崖に向かって逃げ出して杉元は制止させるため銃を投げると後頭部に当たり、崖下に落ちていった。落ちた尾形は第七師団によって助け出され、落ちた衝撃でアゴが割れてしまったせいで話せなかったため、誰にやられたかを指で不死身と書いて知らせてから杉元は第七師団から目をつけられることとなる。
尾形は非常に銃の狙撃精度が高く、滅多に外すことがないため杉元達と旅をしている途中では戦闘や獲物を仕留めるのにとても重宝されていた。だが網走監獄では杉元とのっぺらぼうの頭を撃ち抜いて仲間になったかと思った矢先の裏切り行為を行い、それ以降杉元は尾形に対して怒りを持って旅に出ることになる。
アシリパの父ウイルクの過去を辿るためにロシアに着くと、尾形は途中アシリパが金塊に関するヒントを思い出した顔を見逃さず、尾形は彼女を問い詰める。弓を構えていたアシリパはびっくりして手の力を緩めてしまい、放たれた矢が尾形の眼を貫いた。焦った杉元は尾形の目から弓を外し、簡単な処置をして病院に連れて行き治療を受けさせるも、また恩を仇で返すように病院から脱走した。そして杉元は金塊を探すこと以外にいつか尾形に会ったら倒すことを誓っている。
剣持梅子(けんもち うめこ)
出典: kon-ani.com
幼馴染の寅次の嫁である梅子は日に日に視力が悪くなる病気を患っていた。旦那の寅次が日露戦争が終わったら北海道で採れる砂金で稼いで、鉄道会社のアメリカ人の友人から聞いた世界一の目医者に診てもらうおうとした。だが寅次は戦死してしまったため、遺言で梅子を託されていた杉元が代わりに砂金を採って目の手術費用を稼いでいた。杉元は金塊を探す理由に幼馴染の嫁のためと言っているが、その気持ちもありつつ梅子に恋愛感情を抱きながら苦難を乗り越えられている部分もある。
作品の中では梅子は直接出るシーンは無く、回想シーンで数回しか出てこないので視力が弱っている女性としか分からないが、回想シーンでは優しそうな人ということが表情などでわかる。
杉元の中ではいつになっても大事な存在で、第166話で樺太からロシアに向かっている途中に猛吹雪に遭って命を落としそうになる。そのとき薄れゆく意識の中で思い出していたのが梅子で、いつも一緒にいるアシリパではなかったのが想いの強さを表している。
杉元佐一の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「俺は不死身の杉元だ!」
杉元は「不死身」と称される猛者である。銃で撃たれようが、ヒグマに襲われようが、吼えるようにこの言葉を口にしてはどのような窮地も切り抜ける。実際にすさまじい生命力の持ち主であることも事実だが、このセリフは「自分は不死身と称されるほどの人間なのだ、こんなところで諦めてたまるか」という自分自身に奮起を促すものでもある。
発する状況、その後の暴れっぷり、雄々しいようでどこか痛々しい叫び、全て含めて杉元佐一というキャラクターを表す名セリフ。「不死身」の肩書きを持つキャラクターはサブカルチャー界隈に数多く存在するが、生身の人間でありながらこれほどまでに作品内外の人々から「どうすれば殺せるのか分からない」と思われる男もそうはいない。
「不死身」と称された男が活躍するたび、金塊争奪戦に小さくも確実なさざ波が生まれ、それはやがて土方一派や第七師団といった強大な組織すら無視できないほどのうねりとなっていった。
杉元佐一の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
「不死身の分隊長」こと舩坂弘軍曹が、杉元の人物モデル説
杉元佐一の人物モデルの元になっているのは、ファンの間で「不死身の分隊長」と呼ばれた舩坂弘ではないかと言われている。名前の元となっているのは、作者である野田サトルの曾祖父”杉本佐一”を使用していると、野田自身のブログで伝えている。
舩坂は戦争時「不死身の分隊長」と呼ばれ、アメリカパラオ・アンガウルでの戦いで何度か瀕死の重傷を負うも数日で治してしまうほど回復力が強かった。戦闘中に敵に囲まれても拳銃の3連射で米兵を倒したり、米兵から奪った銃で2人を1度に射殺、左足と両腕を怪我しながら戦い続けても死ぬことはなかった。この姿を見た日本軍の隊員達から、「不死身の分隊長」と呼ばれるようになった。
舩坂は何度か手榴弾で自決しようとするも未遂で終わってしまい、後に米軍の司令部目掛けて突入するも相手に左頸部(首)を撃たれ戦死しそうになる。それから米兵に連れられて野戦病院まで運ばれ、倒れても手榴弾を離さない姿を見た米兵は勇敢な死に方だと称えていた。だが舩坂は死んでいなかったため、病院で目を覚まして暴れて米兵に殺すように頼んでいた。
その後はパラオ諸島のペリリュー島の捕虜収容所へ行くも、収容所から抜け出して飛行場を爆破しようとするも失敗し、グアム・ハワイ・サンフランシスコの収容所を転々として1946年に帰国した。
帰国後は日本の産業・文化・教育を豊かにするため渋谷駅前に書店を開いた。舩坂自身本を売るだけでなく、作家として戦記を綴った本を出版し、印税でペリリュー・カドプス・コロール・グアムなどに慰霊碑を建てた。それからこれまで書いた本の印税全額を国際赤十字社に寄付し、世界の人々に役立ててもらいたいと考えていた。
2006年2月11日に、腎不全のため85歳で亡くなった。
銃の命中率が悪い
杉元は日露戦争のときから銃を携帯して戦争の最前線で戦ってきたが、意外に命中率が悪くてアシリパからいじられることがある。獲物をとるために動物に狙いを定めても当たらないことが多々あり、いつもアシリパの道具やアイヌの罠を使って狩りをすることがほとんどである。金塊探しの旅では銃を使って戦うよりも素手で殴ったり、銃剣を使って切りつけたり刺し殺したりする。他に攻撃するだけでなく、相手の剣による攻撃から身を守るために銃を使って防御する道具としても使用している。
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津山睦雄(つやま むつお)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、「三十三人殺し」と呼ばれている。本編には登場せず、第七師団の鶴見中尉が刺青人皮を持っている。津山から剥いだ刺青人皮をベストのように着こなす鶴見中尉の姿は、多くの読者に衝撃を与えた。「三十三人殺し」という経歴から、モデルは「津山三十人殺し」の都井睦雄(とい むつお)であるという見方が一般的だ。
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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。
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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。
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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。
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目次 - Contents
- 杉元佐一のプロフィール・人物像
- 金塊を集める理由
- 「不死身の杉元」と呼ばれる理由
- 性格
- 可愛いものが好き
- 義理堅い人間性
- 金塊の旅に出るまでの半生
- 周囲からの認識
- 杉元佐一の装備・能力
- 三十年式歩兵銃/銃剣
- 背嚢(はいのう)/弾薬盒(だんやくごう)
- 杉元佐一の来歴・活躍
- 北海道編
- 小樽の山で命を狙われる
- ふと梅子の記憶が蘇る
- 子熊の母親がわりになる
- アシリパを置いて、1人で街に出る
- 鹿との一騎討ちで体が固まる
- つがいのフクロウを見て、戦死した寅次の記憶を思い出す
- 沖で溺れている男を助けるも、その男は刺青囚人だった
- 札幌で泊まったホテルが爆発する
- 再び爆発に巻き込まれて死にかける
- アイヌの恋のお話に興味津々
- スケキヨ風に変装して、第七師団のアジトに侵入
- 大雪山で吹雪を凌いでいる中、また梅子を思いだす
- 釧路の海岸でバッタの大群に襲われたが、その後欲求にも襲われる
- 冗談を言ったつもりが、周りを凍りつかせてしまった
- 珍しく精密な銃さばき
- 本物ののっぺらぼうと対面し、金塊のありかなどを問いただす
- 頭を撃った尾形と射撃の合図を送ったキロランケに復讐心がつのる
- 樺太編
- ロシアの伝統競技「スチェンカ ナ スチェンカ」に参加
- 曲芸団に入団する
- 猛吹雪で死にそうになりながら、戦時中に寅次と交わした言葉を思い出していた
- ロシア編
- 亜港監獄の爆発を目撃してから事が急展開
- 杉元を殺そうとした尾形を病院で診てもらう
- 樺太編(2回目)
- 樺太アイヌの集落で杉元が悪ふざけ
- 再び銃撃戦に巻き込まれる
- 杉元が珍しく口論する
- 金塊の話をするために鶴見中尉に会いに行く
- 高級毛皮のホッキョクグマを仕留めるも…
- 北海道編(2回目)
- 砂金を採りに雨竜川へ
- 小動物に優しい杉元だったが食欲には敵わなかった
- 船の移動中に刺青囚人の海賊房太郎に出会い、手を組むことにした
- 意識が薄れるアシリパに声をかけ続ける
- 杉元佐一の関連人物
- アシリパ
- 白石由竹(しらいし よしたけ)
- 尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)
- 剣持梅子(けんもち うめこ)
- 杉元佐一の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「俺は不死身の杉元だ!」
- 杉元佐一の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「不死身の分隊長」こと舩坂弘軍曹が、杉元の人物モデル説
- 銃の命中率が悪い