ホビット 思いがけない冒険(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ホビット 思いがけない冒険』は、『ロード・オブ・ザ・リング』の60年前の前日譚となる『ホビット』三部作の1作目で、2012年に公開された。原作はJ・R・R・トールキンの小説『ホビットの冒険』。ニュージーランドの壮大な風景に加え、最新技術を活用した今までにない映像美、臨場感溢れるアクションシーンの連続で、観客を興奮の渦に巻き込む。ホビット族のビルボが困難を乗り越えながら仲間との友情を築いていく冒険物語で、『ロード・オブ・ザ・リング』につながるシーンも多く、シリーズの理解も深まる見逃せない作品。
ガンダルフ(演:イアン・マッケラン)
灰色の長い髪とひげに灰色のとんがり帽子、灰色のマントを着ており、灰色の杖を持っている魔法使い。「灰色のガンダルフ」と名乗り、エルフからは「ミスランディア」と呼ばれている。映画でも原作でも生年月日は不明。5人の賢者がサウロンに対処するために結成した白の会議の一員。
「力の指輪」のうち、エルフに贈られた「三つの指輪」の一つ「炎の指輪ナルヤ」の所有者。紅玉石(ルビー)が付いており、人々の心を奮い立たせる力を持つ。元々エルフに贈られたものだが、中つ国にガンダルフが来た時に譲られた。
人間の老人のように見えるが、実際は人間ではなく、魔法使い(イスタリ)である。冥王サウロンに立ち向かう勢力をまとめてかれらを助ける使命を受け、西の海の果ての神々から遣わされた。深い知識を持ち、剣や魔法などの戦闘能力に長けている。花火の製造やパイプの煙を自在に操り船の形にするなど、火、煙に関する技に熟達しているが、それが魔法によるものなのかは不明。
長年サウロンの動向を調べており、サウロンがはなれ山を奪った竜と組んでしまう恐れを抱く。その前に、東方の守りの要として、はなれ山を奪還すべきだと考え、ドワーフの王トーリンが竜に奪われた故郷のはなれ山を奪還する手助けをする。竜はドワーフの匂いを覚えているため、はなれ山の竜のねぐらに忍び込む忍びの者として、ホビット族のビルボを選び、旅に誘う。
トーリン・オーケンシールド(演:リチャード・アーミティッジ)
ドワーフ族。ドワーフの王国、はなれ山(エレボール)の山の下の王。映画では年齢は不明だが、原作によれば、第三紀2746年生まれで、ビルボと出会ったのは195歳。誇り高く、気高い王であり、勇敢な戦士。
かつて非常に繁栄していた王国のスロール王の孫だが、ある時、邪竜のスマウグに国と財宝を奪われた。スロールと同盟を結んでいたスランドゥイル率いるエルフ軍が、助けに来たにもかかわらず、竜を恐れて戦わずに戻っていく姿を見たのが、エルフを恨むようになったきっかけである。
通り名である「オーケンシールド」は、戦いで樫の木を盾に使ったことに由来する。竜にはなれ山を奪われた後、古代王国のモリアへ向かうが、モリアは既にアゾグ率いるオーク軍に占拠されていた。アゾグに祖父スロールを殺され、父のスラインは悲しみで正気を失い、姿をくらまし行方不明となった。アゾグに立ち向かったトーリンは、武具をなくし、とっさに近くにあった樫の木(オーク)を盾として戦い、アゾグの左腕を切り落としたのだ。彼は祖父を殺し、父の正気を失わせ、多くの仲間を殺したオークを憎んでいる。
ガンダルフの働きかけにより、スマウグに奪われた王国と財宝を奪還するため、ビルボとガンダルフ、12人のドワーフと共に、はなれ山へ向かう旅に出たが、当初は、剣を持ったこともないビルボが足手まといにしかならないと思っていた。しかし機転が利き、仲間を助ける勇気があることを知り、仲間として認めるようになる。
バーリン(演:ケン・ストット)
ドワーフ族。ドワーリンの兄でオイン、グローインの従兄弟。映画では年齢は不明でも最年長という設定となっているが、原作によれば第三紀2763年生まれで、トーリンより年下。ビルボと出会ったのは178歳となる。白髪に白ひげで、穏やかで聡明、ビルボにも丁寧に優しく接する。昔から王家に仕え、スマウグにはなれ山を奪われたからもトーリンと行動を共にしている。
ドワーリン(演:グレアム・マクタヴィッシュ)
ドワーフ族。バーリンの弟でオイン、グローインの従兄弟。映画では年齢は不明だが、原作によれば第三紀2772年生まれで、ビルボと出会ったのは169歳となる。仲間の中で最も背が高く、筋骨隆々とした勇猛な戦士。トーリンに絶対的な忠誠を誓っており、戦う時は常に先頭に立つ。ビルボの家に集合した時は仲間の中で最初に到着した。
フィーリ(演:ディーン・オゴーマン)
出典: ameblo.jp
ドワーフ族。キーリの兄でトーリンの甥。映画では年齢は不明だが、原作によれば第三紀2859年生まれで、ビルボと出会ったのは82歳となる。兄弟仲が良く、常にキーリと共に行動している。王であり叔父でもあるトーリンを強く敬愛している。一行の中では若く、キーリと共に偵察役を担う。
キーリ(演:エイダン・ターナー)
出典: www.pinterest.jp
ドワーフ族。フィーリの弟でトーリンの甥。映画では年齢は不明だが、原作によれば第三紀2864年生まれで、ビルボと出会ったのは77歳となる。兄弟仲が良く、常にフィーリと共に行動している。弓と剣を持ち、勇敢だが無鉄砲なところもある。王であり叔父でもあるトーリンを強く敬愛している。一行の中では若く、フィーリと共に偵察役を担う。
オイン(演:ジョン・カレン)
出典: top-moviejp.com
ドワーフ族。映画では年齢は不明だが、原作によれば第三紀2774年生まれで、ビルボと出会ったのは167歳となる。グローインの兄でバーリン、ドワーリンの従兄弟。薬草学に強く、仲間の医者としての役割も果たしている。また、予兆を読む才能があり、今が竜を倒す好機だと読みとった。耳が遠いため、パイプのような長い補聴器を使っている。
グローイン(演:ピーター・ハンブルトン)
ドワーフ族。映画では年齢は不明だが、原作によれば第三紀2783年生まれで、ビルボと出会ったのは158歳となる。オインの弟でバーリン、ドワーリンの従兄弟。赤茶色の髪と鬚を持ち、怒りっぽく、ギムリという息子がいる。仲間の会計係で斧を武器としている。
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目次 - Contents
- 『ホビット 思いがけない冒険』の概要
- 『ホビット 思いがけない冒険』のあらすじ・ストーリー
- 遠い昔の話
- ビルボの回想と冒険の始まり
- トーリンとアゾグの因縁とトロルに捕まった旅の一行
- 名剣ゴンドリンとビルボの困惑
- 裂け谷での日々と地図の解読、そして賢者たちの会議
- ゴブリンに捕まったドワーフたちと、ゴラムと出会ったビルボ
- アゾグの襲撃を受けた旅の一行だが、ビルボは勇敢な行動でトーリンに認められる
- 『ホビット 思いがけない冒険』の登場人物・キャラクター
- 冒険の仲間
- ビルボ・バギンズ(演:マーティン・フリーマン(青年期)、イアン・ホルム(老年期))
- ガンダルフ(演:イアン・マッケラン)
- トーリン・オーケンシールド(演:リチャード・アーミティッジ)
- バーリン(演:ケン・ストット)
- ドワーリン(演:グレアム・マクタヴィッシュ)
- フィーリ(演:ディーン・オゴーマン)
- キーリ(演:エイダン・ターナー)
- オイン(演:ジョン・カレン)
- グローイン(演:ピーター・ハンブルトン)
- ドーリ(演:マーク・ハドロウ)
- ノーリ(演:ジェド・ブロフィー)
- オーリ(演:アダム・ブラウン)
- ボンブール(演:スティーブン・ハンター)
- ボフール(演:ジェームズ・ネスビット)
- ビフール(演:ウィリアム・キルシャー)
- エルフ族
- エルロンド(演:ヒューゴ・ウィーヴィング)
- ガラドリエル(演:ケイト・ブランシェット)
- スランドゥイル(演:リー・ペイス)
- ドワーフ族
- スロール(演:ジェフリー・トーマス)
- スライン(演:マイク・ミズラヒ)
- 魔法使い
- サルマン(演:クリストファー・リー)
- ラダガスト(演:シルベスター・マッコイ)
- 闇の勢力
- 死人遣い(ネクロマンサー)
- アングマールの魔王
- アゾグ(演:マヌー・ベネット)
- その他
- ゴラム(演:アンディ・サーキス)
- ゴブリン王(演:バリー・ハンフリーズ)
- トム(演:ウィリアム・キルシャー)、ウィリアム(演:ピーター・ハンブルトン )、バート(演:マーク・ハドロウ)
- スマウグ
- フロド・バギンズ(演:イライジャ・ウッド)
- 『ホビット 思いがけない冒険』の用語
- 中つ国(なかつくに)
- 力の指輪
- 一つの指輪
- 三つの指輪
- 七つの指輪
- 九つの指輪
- はなれ山(エレボール)
- 種族
- ホビット族
- エルフ族
- ドワーフ族
- 魔法使い(イスタリ)
- 人間
- 大鷲
- オーク
- ナズグル
- トロル
- ゴブリン
- 『ホビット 思いがけない冒険』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ガンダルフ「世界は本や地図ではなく、外に広がっている。」
- ガンダルフ「真の勇気が試されるのは命を奪う時ではない。命を助ける時だ。」
- ガンダルフ「普通の人々の日々の行いが闇を追い払うのです。思いやりや愛情が。なぜビルボ・バギンズか?多分、わしも怖いのです。彼は私に勇気を与えてくれる。」
- アゾグとの戦いで負傷して大鷲に運ばれ、意識を取り戻したトーリンがビルボに謝るシーン
- 『ホビット 思いがけない冒険』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 当初、監督を務めるのは『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロだった。
- ビルボ役は『ハリー・ポッターシリーズ』のダニエル・ラドクリフや『トランスフォーマーシリーズ』のシャイア・ラブーフになっていたかもしれない。
- 13人のドワーフのために、2,000枚ものコンセプトアートが描かれた
- ノーリ役のジェド・ブロフィーは、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作にもエキストラで登場していた。
- 『ホビット』三部作は、世界で初めて導入された最新の3D技術である「HFR 3D」で製作された。
- 『ホビット』は当初二部作だった。
- 『ホビット 思いがけない冒険』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:ニール・フィン『はなれ山の歌』
- 挿入歌:リチャード・アーミティッジ、ドワーフキャストたち『霧ふり山脈』