ホビット 思いがけない冒険(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ホビット 思いがけない冒険』は、『ロード・オブ・ザ・リング』の60年前の前日譚となる『ホビット』三部作の1作目で、2012年に公開された。原作はJ・R・R・トールキンの小説『ホビットの冒険』。ニュージーランドの壮大な風景に加え、最新技術を活用した今までにない映像美、臨場感溢れるアクションシーンの連続で、観客を興奮の渦に巻き込む。ホビット族のビルボが困難を乗り越えながら仲間との友情を築いていく冒険物語で、『ロード・オブ・ザ・リング』につながるシーンも多く、シリーズの理解も深まる見逃せない作品。

エルフの国ロスローリエンに住む美しいエルフ。夫のケレボルンと一緒にロスローリエンを治めている。映画では年齢は不明だが、原作によれば、太陽の時代の第一紀の前の時代である、二つの木の時代の第一紀(星々の光の時代)に誕生している。太陽の時代の第一紀は4902年、第二紀は3441年続き、ビルボが旅立ったのが第三紀の2941年のため、ガラドリエルの年齢は少なくとも11284歳以上。海の向こうの西方の神の国であるアマンのエルダマール(エルフたちの領土)で生まれ、中つ国には太陽の時代の第一紀にやってきた。夫のケレボルンとの間に生まれた娘は裂け谷の領主エルロンドと結婚している。ガラドリエルは「ロスローリエンの奥方」と呼ばれており、中つ国のエルフの中で最も力を持っている。5人の賢者がサウロンに対処するために結成した白の会議の一員でもある。
「力の指輪」のうち、エルフに贈られた「三つの指輪」の一つ「水の指輪ネンヤ」の所有者。「水の指輪ネンヤ」は白い金剛石が一つ付いたミスリルの指輪。なおミスリルはドワーフ族の王国モリアで産出される銀のことである。ロスローリエンは、ガラドリエルが持つネンヤの力によって、悪による汚れや時による衰えから守られている。
裂け谷にガンダルフとドワーフたちがやってきた時、ドワーフの旅について、白の魔法使いサルマンとエルロンドと共にガンダルフとの話し合いに参加した。

スランドゥイル(演:リー・ペイス)

出典: www.cinematoday.jp

はなれ山に向かうスランドゥイル(『ホビット 決戦のゆくえ』より)

闇の森のエルフの王。映画でも原作でも年齢は不明。移動や戦いの際は大きな角を持った鹿に乗っている。かつて、同盟を結んでいたドワーフの王国はなれ山を訪れた時、彼がドワーフの王であるスロールに造らせた「ラスガレンの白い宝石」の取引で交渉が決裂し、同盟に亀裂が入った。これがドワーフとエルフが仲が悪くなったきっかけとなった。その後、はなれ山がスマウグに襲撃された時、軍を引き連れてきたものの、スマウグに自軍が攻撃されることを恐れ、戦わずに戻っていった。その時以来、スロールの孫であるトーリンから恨まれている。息子の名はレゴラス。

ドワーフ族

スロール(演:ジェフリー・トーマス)

出典: arda.saloon.jp

はなれ山にある「山の下の王国」で国を眺めるスロール

ドワーフ族。息子はトーリンの父親スライン。はなれ山にある山の下の王国の王。映画では年齢は不明だが、原作によれば第三紀2542年生まれで2589年に王位に就き、2770年に竜のスマウグによりはなれ山を奪われた。その後、古代王国モリアに向かうが、既にオークが占拠しており、オークの首領であるアゾグに首を斬り落とされ殺された。彼は、はなれ山の莫大な財宝や王家の証とされるアーケンストーンという大きな白い宝石に執着し、心の病となっていた。かつて、闇の森のエルフの王であるスランドゥイルと同盟を結んでいたが、スランドゥイルがスロールに造らせた「ラスガレンの白い宝石」の取引で交渉が決裂し、同盟に亀裂が入った。これがドワーフとエルフが仲が悪くなったきっかけとなった。はなれ山を奪われ、流浪している時、スラインにはなれ山の秘密の入り口を示した地図とその鍵、七つの指輪の一つを譲った。

スライン(演:マイク・ミズラヒ)

出典: arda.saloon.jp

はなれ山の「山の下の王国」から外を見るスライン

ドワーフ族。トーリンの父で先代の王。映画では年齢は不明だが、原作によれば第三紀2644年生まれ。2770年に竜のスマウグによりはなれ山を奪われた後、古代王国モリアに向かった。その途中で、スロールからはなれ山の秘密の入り口を示した地図とその鍵、さらに冥王サウロンによって造られ、ドワーフの王に贈られた七つの指輪の一つを譲られている。既にモリアを占拠していたオークの首領であるアゾグに、父親であるスロール王が殺されたことがきっかけで正気を失い行方不明となった。

魔法使い

サルマン(演:クリストファー・リー)

白の会議で、ガンダルフ(画像左)の話を聞くサルマン(画像中央)

魔法使いの長であり、最も叡智に長け、大きな力を持っており、「白のサルマン」と呼ばれている。映画でも原作でも生年月日は不明。5人の賢者がサウロンに対処するために結成した白の会議の議長。人間の老人のように見えるが、実際は人間ではなく、魔法使い(イスタリ)である。冥王サウロンに立ち向かう勢力をまとめてかれらを助ける使命を受け、西の海の果ての神々から遣わされた。魔法使いのうち、最初に一人で中つ国にやってきて、アイゼンガルドのオルサンクの塔に住んだ。ガンダルフが、力の指輪の1つである「炎の指輪ナルヤ」をエルフから譲られたことや、白の会議の議長に最初に推薦されたことから、ガンダルフに妬みのような感情を持っている。
裂け谷における白の会議では、ドワーフたちのはなれ山奪還の旅を認めず、ドル・グルドゥアにネクロマンサーがいるというガンダルフの報告も全く受け入れようとしなかった。

ラダガスト(演:シルベスター・マッコイ)

大蜘蛛がどこから来たか小鳥に聞くラダガスト

長いひげを持ち、茶色の帽子とマントを身につけて、茶色の杖を持っている、「茶のラダガスト」と言われる魔法使い。帽子の中には鳥の巣があり、常に鳥が入っている。闇の森のはずれにあるロスゴベルにという土地に住んでおり、ウサギが曳く、そりに乗って高速で移動する。映画でも原作でも生年月日は不明。人間の老人のように見えるが、実際は人間ではなく、魔法使い(イスタリ)である。冥王サウロンに立ち向かう勢力をまとめてかれらを助ける使命を受け、西の海の果ての神々から遣わされた。鳥や獣を愛する非常に変わり者の魔法使いで、サルマンからは軽蔑され、「うつけ者」と呼ばれている。動物や植物が死ぬなど、森の様子がおかしいことに気づき、家を襲った大蜘蛛を追いかけ、ドル・グルドゥアに戻ったことを突き止めた。そこで冥王サウロンの配下である、指輪の幽鬼アングマールの魔王やネクロマンサーと出会い、大急ぎでガンダルフを捜し、このことを伝えた。

闇の勢力

死人遣い(ネクロマンサー)

ドル・グルドゥアを調べに来たラダガストの前に姿を現したネクロマンサー(画像中央の人影)

死んだ人間を生き返らせると噂される妖術師で、闇の森の南部にあるドル・グルドゥアに潜んでいる。実は、正体を隠していた冥王サウロンである。サウロンは、映画では生年月日は不明だが、原作によれば誕生は少なくとも第一紀以前。20個の「力の指輪」を生み出し、それらを統べる「一つの指輪」を自分自身で魂を込めて作り上げた。そのため「一つの指輪」があれば強大な力を持つが、無くすと力が弱くなる。世界を支配するために、捉えたエルフを拷問し、妖術で邪悪なオークを大量に作り、指輪の力で堕落させた人間の王(ナズグル)を配下とするなどして、闇の勢力を拡大し、各地で残酷な殺戮を行い、世界を恐怖に陥れた。しかし、約3千年前に、エルフと人間の同盟軍との戦いで、人間の王イシルドゥアに指を切り落とされ、「一つの指輪」を失ったことで肉体が消滅し、死んだと思われていた。
少しずつ力を取り戻し、指輪の幽鬼ナズグルを集め、密かに闇の勢力の再興を進めている。また、再度強大な力を持つために、力の指輪や「一つの指輪」の行方を探している。

アングマールの魔王

ドル・グルドゥアでラダガストを襲うアングマールの魔王

1gmatsukyou
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