ホビット 思いがけない冒険(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ホビット 思いがけない冒険』は、『ロード・オブ・ザ・リング』の60年前の前日譚となる『ホビット』三部作の1作目で、2012年に公開された。原作はJ・R・R・トールキンの小説『ホビットの冒険』。ニュージーランドの壮大な風景に加え、最新技術を活用した今までにない映像美、臨場感溢れるアクションシーンの連続で、観客を興奮の渦に巻き込む。ホビット族のビルボが困難を乗り越えながら仲間との友情を築いていく冒険物語で、『ロード・オブ・ザ・リング』につながるシーンも多く、シリーズの理解も深まる見逃せない作品。
冥王サウロンの配下の中で最強であり、9人いる指輪の幽鬼ナズグルの首領。魔王の剣「モルグルの刃」は小さな傷ひとつで敵の命を奪う。元々は人間の王だったが、サウロンが渡した力の指輪の魔力で堕落し、指輪の幽鬼となった。映画では生年月日は不明だが、原作によれば第二紀2251年頃に姿を現し、第三紀1300年頃にアングマール魔国を築き、王となり、「アングマールの魔王」と呼ばれるようになった。
今は、闇の森の南部にあるドル・グルドゥアに潜んでいる。自分の家を襲った大蜘蛛を追い、ドル・グルドゥアを調べに来た魔法使いラダガストを襲い、モルグルの刃をそこに落としたまま去った。
アゾグ(演:マヌー・ベネット)
出典: arda.saloon.jp
モリアのオークの首領。元々グンダバドのオークで、他のオークと比べて巨大で、極めて卑劣な「穢れの王」と呼ばれている。映画でも原作でも年齢は不明。グンダバドはドワーフの父祖であるドゥリンが目覚めた場所で、ドワーフにとって神聖で崇拝する土地であったが、オークが奪った。そこで生まれたアゾグはドゥリンの血を根絶やしにすることを誓っていた。
かつて、はなれ山を追われモリアにやってきたトーリンの祖父スロールを殺したが、トーリンに左腕を斬り落とされ重傷を負う。トーリンには死んだと思われていたが、斬り落とされた左腕に鉤爪をつけて姿を現した。今は、闇の森の南部にあるドル・グルドゥアを拠点として、トーリンの首に懸賞金を懸けて追っている。
その他
ゴラム(演:アンディ・サーキス)
元は川辺に住むホビットに近い種族で、本当の名前は「スメアゴル」という。映画では年齢は不明だが、原作によれば誕生は第三紀2430~2440年頃。「一つの指輪」を偶然川の中で発見した友人のデアゴルを殺し、奪って以来、長い間指輪の効果で生き続け、姿形が変わってしまった。「一つの指輪」に魅了され、「愛しいしと」と呼ぶ。霧ふり山脈の地底湖に住みついており、地底湖の魚や、地底に落ちてきたゴブリンやオークを殺して食べている。なぞなぞが好きで、ドワーフたちと共に、はなれ山奪還の旅に出たホビット族の青年ビルボが地底に落ちた時、地底からの出口を知りたいビルボと、ビルボを食べたいゴラムがなぞなぞで勝負した。しかし、ゴラムの落とした指輪を偶然拾い、ポケットに入れていたビルボが、「自分のポケットの中にあるものは何か?」という質問をしたところ、それに答えられず敗北した。このことがきっかけで指輪を失くしたことに気づき、ビルボを追いかけるが、ビルボが指輪をはめて姿が見えなくなったため、追えなくなり、指輪を失ったことを大いに悲嘆し、ビルボを「泥棒」と言い、強く憎むようになった。
ゴブリン王(演:バリー・ハンフリーズ)
出典: arda.saloon.jp
霧ふり山脈の地下にあるゴブリン王国の王。通常のゴブリンより巨大で顔も大きい。自作の歌を歌うなど陽気なところもある。霧ふり山脈の洞穴から地下に落ちてきたドワーフたちを捕まえる。そこに、オークの首領のアゾグによって懸賞金が懸けられたドワーフの王のトーリンがいることを知り、アゾグに伝令を送った。ガンダルフがドワーフを助けて逃がしたため、捕まえようと追いかけるが、ガンダルフに斬り捨てられ息絶えた。
トム(演:ウィリアム・キルシャー)、ウィリアム(演:ピーター・ハンブルトン )、バート(演:マーク・ハドロウ)
出典: wulfa8.com
トロルの三人組。背の高さは約4mと巨大で、知性はないが、堅い皮膚を持ち、力が強い。直接、太陽光を浴びると石化する。夕食に、ドワーフ一行の馬を盗み料理しようとする。馬を連れていこうとして、反対に捕まったビルボを助けるために戦ったドワーフたちも捕まえて食べようとする。そこへガンダルフが現れ、石を割って朝日を浴びさせたため、石化した。
スマウグ
出典: arda.saloon.jp
第三紀で最大最強の竜で火を吐く火竜。翼と赤みがかった金色の鱗を持つ。鱗は非常に硬く、普通の剣や矢も全く歯が立たない。唯一、第三紀2770年に谷間の町デイルの領主ギリオンの放った黒い矢のみが胸の鱗を一枚剥がした。知能が高く、複数の言語を話し、一国を滅ぼしてしまうほど強大な力がある。聴覚・嗅覚も優れており、ごく小さい音も聞き取り、眠っていても近くに来るものの気配に気づき、一度嗅いだドワーフや人間の匂いを嗅ぎ分ける。また、寿命がなく、殺されない限り命がつきることはない。性質は邪悪で財宝に目がないため、はなれ山の財宝を狙って飛来し、デイルやはなれ山を襲い、町を荒廃させ、多くの人間やドワーフを殺した。はなれ山の広間で奪った財宝に埋もれて眠っている。
フロド・バギンズ(演:イライジャ・ウッド)
出典: blog.livedoor.jp
中つ国のホビット庄に住むホビット族の青年。映画では年齢は不明だが、原作によれば生年月日は第三紀2968年9月22日で、養父ビルボの111歳の誕生日の時には33歳。12歳の時に両親を事故で失い、一度は母方のブランディバック家に引き取られる。フロドの母はビルボの姪であり、子供がいなかったビルボに、21歳の時に養子とされた。養父であるビルボと一緒に袋小路屋敷に住む。
『ホビット 思いがけない冒険』の用語
中つ国(なかつくに)
出典: www.pinterest.jp
ホビット族、エルフ族、ドワーフ族、魔法使い(イスタリ)、人間、オーク、ゴブリン、ナズグル、トロルなどが住む世界。この中つ国(なかつくに)が物語の舞台となる。なお原書では「ミドル・アース」という名前になっている。中つ国の海を隔てた西方には神々の住むアマンがある。ビルボたちの旅の時代は中つ国第三紀にあたる。ビルボたちホビット族は、中つ国の北西部にあるエリアドールにあるホビット庄(シャイア)に住む。ホビット庄からほぼまっすぐ東に進み、霧ふり山脈を超え、闇の森を通って北へ進むと、トーリン率いるドワーフたちの故郷である、はなれ山(エレボール)がある。
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目次 - Contents
- 『ホビット 思いがけない冒険』の概要
- 『ホビット 思いがけない冒険』のあらすじ・ストーリー
- 遠い昔の話
- ビルボの回想と冒険の始まり
- トーリンとアゾグの因縁とトロルに捕まった旅の一行
- 名剣ゴンドリンとビルボの困惑
- 裂け谷での日々と地図の解読、そして賢者たちの会議
- ゴブリンに捕まったドワーフたちと、ゴラムと出会ったビルボ
- アゾグの襲撃を受けた旅の一行だが、ビルボは勇敢な行動でトーリンに認められる
- 『ホビット 思いがけない冒険』の登場人物・キャラクター
- 冒険の仲間
- ビルボ・バギンズ(演:マーティン・フリーマン(青年期)、イアン・ホルム(老年期))
- ガンダルフ(演:イアン・マッケラン)
- トーリン・オーケンシールド(演:リチャード・アーミティッジ)
- バーリン(演:ケン・ストット)
- ドワーリン(演:グレアム・マクタヴィッシュ)
- フィーリ(演:ディーン・オゴーマン)
- キーリ(演:エイダン・ターナー)
- オイン(演:ジョン・カレン)
- グローイン(演:ピーター・ハンブルトン)
- ドーリ(演:マーク・ハドロウ)
- ノーリ(演:ジェド・ブロフィー)
- オーリ(演:アダム・ブラウン)
- ボンブール(演:スティーブン・ハンター)
- ボフール(演:ジェームズ・ネスビット)
- ビフール(演:ウィリアム・キルシャー)
- エルフ族
- エルロンド(演:ヒューゴ・ウィーヴィング)
- ガラドリエル(演:ケイト・ブランシェット)
- スランドゥイル(演:リー・ペイス)
- ドワーフ族
- スロール(演:ジェフリー・トーマス)
- スライン(演:マイク・ミズラヒ)
- 魔法使い
- サルマン(演:クリストファー・リー)
- ラダガスト(演:シルベスター・マッコイ)
- 闇の勢力
- 死人遣い(ネクロマンサー)
- アングマールの魔王
- アゾグ(演:マヌー・ベネット)
- その他
- ゴラム(演:アンディ・サーキス)
- ゴブリン王(演:バリー・ハンフリーズ)
- トム(演:ウィリアム・キルシャー)、ウィリアム(演:ピーター・ハンブルトン )、バート(演:マーク・ハドロウ)
- スマウグ
- フロド・バギンズ(演:イライジャ・ウッド)
- 『ホビット 思いがけない冒険』の用語
- 中つ国(なかつくに)
- 力の指輪
- 一つの指輪
- 三つの指輪
- 七つの指輪
- 九つの指輪
- はなれ山(エレボール)
- 種族
- ホビット族
- エルフ族
- ドワーフ族
- 魔法使い(イスタリ)
- 人間
- 大鷲
- オーク
- ナズグル
- トロル
- ゴブリン
- 『ホビット 思いがけない冒険』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ガンダルフ「世界は本や地図ではなく、外に広がっている。」
- ガンダルフ「真の勇気が試されるのは命を奪う時ではない。命を助ける時だ。」
- ガンダルフ「普通の人々の日々の行いが闇を追い払うのです。思いやりや愛情が。なぜビルボ・バギンズか?多分、わしも怖いのです。彼は私に勇気を与えてくれる。」
- アゾグとの戦いで負傷して大鷲に運ばれ、意識を取り戻したトーリンがビルボに謝るシーン
- 『ホビット 思いがけない冒険』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 当初、監督を務めるのは『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロだった。
- ビルボ役は『ハリー・ポッターシリーズ』のダニエル・ラドクリフや『トランスフォーマーシリーズ』のシャイア・ラブーフになっていたかもしれない。
- 13人のドワーフのために、2,000枚ものコンセプトアートが描かれた
- ノーリ役のジェド・ブロフィーは、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作にもエキストラで登場していた。
- 『ホビット』三部作は、世界で初めて導入された最新の3D技術である「HFR 3D」で製作された。
- 『ホビット』は当初二部作だった。
- 『ホビット 思いがけない冒険』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:ニール・フィン『はなれ山の歌』
- 挿入歌:リチャード・アーミティッジ、ドワーフキャストたち『霧ふり山脈』