海賊房太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
海賊房太郎(かいぞく ぼうたろう)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。刺青の囚人のうちの一人である。自分の王国を作りたいという野望を持ち、金塊を狙う。高い潜水能力とカリスマ性を持ち、金塊の在り処を刺青の暗号無しである程度特定している。初登場時は杉元一行と死闘を演じたが、杉元一行と手を組み、行動を共にした。その後紆余曲折を経て、札幌麦酒工場で第七師団から逃げる途中、撃たれそうになった白石を庇って死亡した。
第七師団の一人。鶴見中尉を崇拝している。階級は少尉。鹿児島出身で主に軍刀を武器に戦う。
燃え盛る札幌麦酒工場で杉元からアシリパを奪った海賊を襲撃。背後から一太刀浴びせた。この襲撃により海賊はアシリパを手放してしまう。その後近くの漏れ出して洪水状態になった麦酒の海に飛び込み、海賊は泳いで身を潜めた。鯉登少尉は海賊が逃げたと思い込み、油断した。そこを海賊は背後から襲い、麦酒の海に引きずり込んだ。海賊は髪の毛を絡ませ、鯉登少尉を溺死させようとした。しかし駆け付けていた鯉登少尉の仲間の月島軍曹に銃で撃たれ、海賊は鯉登少尉を離して逃走する。海賊からアシリパを奪い取るきっかけを作った人物。
月島基(つきしま はじめ)
第七師団に所属。階級は軍曹だが、鶴見の右腕的なポジションにいる。札幌麦酒工場にて、同じく第七師団の鯉登少尉が海賊と戦っている隙に海賊からアシリパを奪い取った。だが海賊が鯉登を麦酒の海に引きずり込んだ事を知り、アシリパを手放して鯉登を助けに行く。髪を絡ませて鯉登を溺れさせている海賊に発砲し、海賊の腹を打ち抜いた。
菊田杢太郎(キクタ モクタロウ)
第七師団に所属している。階級は特務曹長。二丁のリボルバーを武器に戦う。海賊に致命傷を負わせた。
海賊房太郎の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「俺のことを憶えてて語ってくれる人がいたら幸せだなって」
札幌麦酒工場にてジャック・ザ・リッパーを捜索する直前に語った言葉。海賊の全てを表している名言である。大家族に生まれながら疱瘡で家族と故郷を失い、孤独になった海賊の想いがストレートに表されている。後世まで語り継がれる事が目的、という歴史の中で生きようとする姿に魅せられる。
「帰る故郷が無いなら作ったらいい」
網走監獄にて、同房の白石と二瓶に己の夢を語った時の言葉。
欲しいものがあるのなら待つのではなく、自分から掴み取るために行動する。そんな彼の性格を表している。こういったアクティブな一面が海賊のカリスマ性を作っている。
「お前らが今この世に存在しているのは海賊房太郎こと大沢房太郎のおかげだってな」
白石を庇って致命傷を負った海賊の最期の言葉。志半ばで死んでいく海賊のせめてもの願いである。
海賊房太郎の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
海賊房太郎のモデルは明治の囚人・大沢房次郎
大沢房次郎(おおさわ ぼうじろう)は、1910(明治43)年の夏、強盗の罪で15年の刑期で樺戸集治監に収監された囚人である。樺戸集治監とは、刑期12年以上の重犯罪者を収容し、対ロシアのための北海道開拓の労働者として、労働させるために作られた内務省直轄の監獄である。刑期の間は北海道の開拓、道路整備等の労働力として懲役され、出所後は北海道開拓民として定住させる事を主眼に置いている。囚人たちは赤い服を着せられ、俗称で「赤い人」と呼ばれた。房次郎もその中の一人として収容されていた。体つきは5尺6寸(約170センチ)。この時代で考えれば大柄な体格であり、故郷の村相撲では大関をやる程であった。
当時の北海道は原生林の覆い茂る未開の地であった。石狩川上流の札比内(さっぴない)分監で伐採した木を筏に乗せ、それを流送で下流に流す。下流には流送されて来た木を水揚げする「水揚げ場」があった。房次郎はそこで「水揚げ頭」として危険な重労働を取り仕切り、的確な指示で多くの囚人を率いていた。劇中、杉元一行と初めて出会った部隊は房次郎が働いていた石狩川である。また、房次郎のカリスマ性は劇中で多くの子分を率いている、という形で表現されている。普段は器械工として働き、上流から「木材が流れてくる」という連絡を看守が受けると波止場に呼ばれ、水揚げ頭として働いた。劇中通り、潜水能力に長けており水上、水中で自在に体を動かすことが出来、潜水夫顔負けの潜水名人であったという。この事から「海賊房次郎」の異名を持っていた。この点も劇中で大沢房太郎が「海賊房太郎」と呼ばれていた事と同じである。
房次郎は入監当初は反抗的であったとされる。しかし自分にしか出来ない持ち場(水揚げ頭という役職)を与えられた事で改心し、模範囚になった。1919(大正8)年に樺戸集治監が廃監になるまで在監。その後は網走監獄に移され、そこで刑期を終えて釈放された。劇中で杉元を裏切った後、再び味方となり白石を庇って死んでいった描写があるが、「改心」した房次郎との類似点がある。
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目次 - Contents
- 海賊房太郎のプロフィール・人物像
- 魅力のあるカリスマ性
- 人間臭さ
- 海賊房太郎の装備・能力
- 操舵技術
- 長髪
- 潜水能力
- 水かきと大きな足
- 錨
- リボルバー
- 金貨
- 吹玉売りに変装
- 女装
- スコップ
- 運転技術
- 海賊房太郎の来歴・活躍
- 疱瘡で家族を全員失う
- 網走監獄に収監
- 若山輝一郎と接触する
- 支忽湖で松田平太と砂金の標本を採取
- 樺戸監獄に居た自分の部下を解放
- 徳富川近くのアイヌ集落で金塊の情報収集
- 石狩川を渡る船上で杉元一行と遭遇
- チョウザメを食べる
- アシリパに金貨を渡す
- 札幌の西洋料理店にて土方一派と遭遇
- 札幌にてジャック・ザ・リッパーを追う
- 札幌麦酒工場にて杉元を裏切り、第七師団と交戦
- カーチェイスの末、白石を庇って死亡
- 海賊房太郎の関連人物・キャラクター
- 杉元佐一(すぎもと さいち)
- 白石由竹(しらいし よしたけ)
- アシリパ
- 上エ地圭二(うえじ けいじ)
- 二瓶鉄造(にへい てつぞう)
- 松田平太(まつだ へいた)
- 権藤公二郎(ごんどう こうじろう)
- 家臣
- 徳富川近くのアイヌ
- 野沢仁平治(のざわに へいじ)
- ヴァシリ
- 若山輝一郎(わかやま きいちろう)
- ジャック・ザ・リッパー
- 牛山辰馬(うしやま たつま)
- 土方歳三(ひじかた としぞう)
- 鶴見篤四郎(つるみ とくしろう)
- 鯉登音之進(こいと おとのしん)
- 月島基(つきしま はじめ)
- 菊田杢太郎(キクタ モクタロウ)
- 海賊房太郎の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「俺のことを憶えてて語ってくれる人がいたら幸せだなって」
- 「帰る故郷が無いなら作ったらいい」
- 「お前らが今この世に存在しているのは海賊房太郎こと大沢房太郎のおかげだってな」
- 海賊房太郎の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 海賊房太郎のモデルは明治の囚人・大沢房次郎