仮面ライダークウガ(空我)のネタバレ解説・考察まとめ
『仮面ライダークウガ』とは2000年1月よりテレビ朝日系で放送された特撮テレビドラマ作品で、平成『仮面ライダー』シリーズ第1作である。超古代の戦闘種族グロンギは長き封印から蘇り、人間に対して“殺人ゲーム”を繰り返す。若き冒険家・五代雄介は、超古代の遺跡から発掘されたベルトの意思に導かれて戦士クウガに変身し、人々の笑顔を守るために熾烈な戦いにその身を投じてゆく。仮面ライダーと警察の連携や、怪人による生々しい殺人描写など従来のヒーロー番組にはなかったリアリティを追求した内容が特徴。
必殺技は、ペガサスボウガンの撃鉄(矢のような部分)を引いて封印エネルギーを込め、トリガーを引くことで放たれる圧縮空気砲「ブライトペガサス」。
ペガサスフォーム、ペガサスボウガンの呼称共々、劇中でこの呼称は使われない。
一発で確実に相手を射止める。
撃ち込まれたグロンギ怪人は、その部分に「鎮」の古代文字を浮かび上がらせ、そこからの封印エネルギーがゲドルードに到達することで、爆発四散する。
仮面ライダークウガ タイタンフォーム
怪力を誇る紫のクウガ。
大地を司り、古代文には「邪悪なるものあらば 鋼の鎧を身につけ 地割れの如く 邪悪を切り裂く戦士あり」と記述されており、その体にも古代リント文字で刻まれている。
軟体で、マイティフォームの攻撃が通じない未確認生命体第21号(メ・ギイガ・ギ)を倒すため、沢渡桜子の古代文解読と一条刑事との特訓にヒントを得て、自らの意思でこの姿になった。
古代文に記されるように、生体鎧は正に中世の鎧を想起させる強固な防御力を誇り、パワーに優れている。
『仮面ライダークウガ』の用語
リント
古代に存在した先住民族。
暴力を嫌う平和主義的な民族であり、それゆえにグロンギ族からは狩りの対象とされていた。
クウガのベルト・アークルを作り出したのもこのリントであり、文明の高度さが伺える。
グロンギ族は現代の日本に住まう人間も「リント」と呼称しており、ラ・バルバ・デは仲間と会話する際、人目に付きやすい場所などグロンギ語を使うのに都合が悪い場所では「ここではリントの言葉で話せ」と諫める。
グロンギ
古代に存在した猟奇的な戦闘民族。
腹部に埋め込まれた魔石ゲブロンの力で動植物を象った怪人に姿を変える。
先代のクウガにより九郎ヶ岳遺跡に封印されていたが、2000年1月の発掘調査により復活、間もなくして殺人のスコアを競うゲゲル(殺人ゲーム)を開始した。
戦闘階級のズ集団・メ集団・ゴ集団のほかゲゲルの進行や監視役を務めるラ集団、衣服や装飾品を担当するヌ集団などが存在する。
最上位階級はン集団であり、戦闘階級のグロンギたちは皆このン集団との対決および撃破を目標にしてゲゲルを行う。
なおグロンギの名前は「集団名+本名+変身後の種族名」で構成されているため、そのグロンギがどういった存在なのかは名前だけで判別することが可能。
現代には200種ほどのグロンギが復活したが、そのほとんどがクウガ、あるいは物語後半に王であるダグバによって倒された。
小説版やディケイド本編にも新たなグロンギが登場したが、はじめからン集団だった者を除くと「ン集団の討伐・撃破」という最終目標を叶えたグロンギは1人として存在しない。
九郎ヶ岳遺跡
長野県の山中に存在する古代遺跡。
ここから物語が始まった。
物語序盤で五代が見た先代クウガのイメージもこの遺跡内で撮影されたもの。
地中深くには先代のクウガに封印された200体余りのグロンギが眠っており、一番最初に目覚めたン・ダグバ・ゼバは調査団を全滅させた後、すべての同胞を目覚めさせた。
しかしグロンギの復活は天敵であるクウガの復活も意味しているため、彼らがゲゲルを最後まで遂行することはなかった。
クウガとダグバの最終決戦が行われたのもこの地であり、吹雪のなかで特撮史に残る伝説の激闘が繰り広げられた。
『仮面ライダークウガ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
平成仮面ライダーの始まりの瞬間
仮面ライダークウガの名シーンとして名高いのが第2話での「マイティフォームへの初変身」。
それまでは覚悟が不足しているため、最も戦闘力の低いグローイングフォームにしか変身できなかった五代。
2度にわたってグロンギ怪人を戦闘中に取り逃がしてしまう。
しかし2話で五代は、それでもなお飄々とし、命を懸けて戦う覚悟もなしにグロンギとの戦いに手を出したことについて一条に叱責を受ける。
「中途半端に関わるな」 という一条の言葉が、五代に重くのしかかる。
そんな時、グロンギに殺された調査団員・夏目の葬儀にて五代が覚悟を決めるきっかけが訪れる。
悲しみに耐えきれず式を抜け出し家の前で涙を流す娘の実加。
それを見た五代は自分の不甲斐なさに怒り、そして戦士となる決意をする。
五代は一条が町の教会でグロンギ怪人、ズ・ゴオマ・グに襲われているところにバイクで突入。
「何しに来た!」と問い詰める一条に五代は「こんな奴らのために、これ以上誰かの涙は見たくない!みんなに笑顔でいてほしいんです!」「見ててください、俺の変身!」と叫び、覚悟を決めた者にしか変身できないマイティフォームへと変身する。
五代が真の意味で仮面ライダーになった瞬間である。
恩師・神崎との再会
第12話で五代は必殺技のマイティキックに回転を加えることで技のパワーアップに成功し、1度は逃がしたズ・ザイン・ダを撃破した。
しかしこの回の見どころはそこだけではない。
この回で五代は母校の小学校で恩師である神崎との再会を約束していた。
恩師との再会に急ぐ五代がザインを撃破したその裏では、教師をやめるか否かで悩む神崎がかつて五代に投げかけた言葉を思い出していた。
「五代雄介、こういうのを知っているか?古代ローマで満足できる、納得できる行動をした物だけに与えられる仕草だ。」「お前もこれにふさわしい男になれ 」
神崎は父親を早くに亡くして悲しむ五代に、この言葉とともにサムズアップの仕草を教えた。
五代が来ずに」日も暮れ、教え子との再会を諦めた神崎は学校を後にしようとする。
しかしそのとき、間一髪で五代が学校に到着する。
笑顔でサムズアップを交わす2人。
ふっきれた神崎は教師を続けることを決意し、この回は無事終了する。
神崎は、自らが教えたサムズアップと、教え子の笑顔に救われるのだった。
自らを鼓舞するため、あるいは周囲に勇気を与えるため、この仕草を真似るファンも多い。
五代、最後の変身
第2話の「マイティフォームへの変身」との対比になっているのが、第47話の「アルティメットフォームへの変身」である。
前話で最強のグロンギであるン・ダグバ・ゼバに敗北した五代は、ダグバと同等の力を持つアルティメットフォームへの変身を決意する。
しかしアルティメットフォームは「自我を失い、戦うためだけの生物兵器に変貌してしまうかもしれない」というとてつもなく大きいリスクを孕んでいた。
ダグバの待ち受ける九郎ヶ岳遺跡の手前、何もない雪山で五代と一条は言葉を交わす。
五代は、変身したクウガの目がもし黒(生物兵器化の象徴)であったならば、ベルトを破壊して自身くを殺してでも止めてほしいと頼み、腹を指さす。
一条は、暴力を嫌う五代にクウガとしての使命を背負わせてしまったことを謝罪し「君には冒険だけしていてほしかった」と本音をさらけ出す。
それに対して五代は一条と会えたことへの感謝を語り、後悔がないことを伝えた。
迎えた変身の時、五代はかつてマイティフォームに初めて変身したときのように「見ててください、俺の変身」と言い、アルティメットフォームに変身する。
姿こそ禍々しいが、そこには燃えるように赤い目をした、いつものクウガがいた。
この変身シーンは五代のセリフこそ同じだが、炎と吹雪という対極のバックになっており、五代の心境の違いを如実に表している。
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目次 - Contents
- 『仮面ライダークウガ』の概要
- 『仮面ライダークウガ』のあらすじ・ストーリー
- 物語開始~ズ集団との戦い
- 物語中盤・メ集団との戦い
- ゴ集団との戦い~物語完結
- 『仮面ライダークウガ』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 五代雄介(ごだい ゆうすけ/演:オダギリジョー)
- 友人・協力者
- 沢渡桜子(さわたり さくらこ/演:村田和美)
- 一条薫(いちじょう かおる/演:葛山信吾)
- 五代みのり(ごだい みのり/演:葵若菜 <現:千崎若菜>)
- 飾玉三郎(かざり たまさぶろう/演:きたろう)
- 朝比奈奈々(あさひな なな/演:水原詩生)
- ジャン・ミッシェル・ソレル(演:セルジュ ヴァシロフ)
- 夏目実加(なつめ みか/演:竹島由夏)
- 神崎昭二(かんざき あきじ/演:井上高志)
- 杉田守道(すぎた もりみち/演:松山鷹志)
- 桜井剛(さくらい つよし/演:米山信之)
- グロンギ族
- ラ・バルバ・デ(演:七森美江)
- ズ・ゴオマ・グ(演:藤王みつる)
- ン・ダグバ・ゼバ(演:浦井健治)
- 『仮面ライダークウガ』の能力
- 仮面ライダークウガ マイティフォーム
- 仮面ライダークウガ ドラゴンフォーム
- 仮面ライダークウガ ペガサスフォーム
- 仮面ライダークウガ タイタンフォーム
- 『仮面ライダークウガ』の用語
- リント
- グロンギ
- 九郎ヶ岳遺跡
- 『仮面ライダークウガ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 平成仮面ライダーの始まりの瞬間
- 恩師・神崎との再会
- 五代、最後の変身
- 『仮面ライダークウガ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 五代雄介は最後、自らを封印する予定だった
- グロンギ語の法則がある
- 『仮面ライダークウガ』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):田中昌之『仮面ライダークウガ!』
- ED(エンディング):橋本仁『青空になる』
- 挿入歌:葵若菜『たんぽぽのおはな』
- 挿入歌:『戦士』