土井新蔵(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

土井新蔵(どい しんぞう)とは野田サトルの漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物である。埋蔵されたアイヌの金塊の暗号となっている刺青が体に彫られた24人の囚人の1人である。幕末に土佐藩の勤皇派におり、幕府の要人など何人も殺害した殺し屋であった。その後北海道・根室に流れ着きアイヌの女性と結婚するも、土井に恨みを持つ者が妻を拐った。妻を取り戻すために、妻を拐った人物を殺め、釧路の海岸で捉えられ囚人となった。妻が病で先が短いことを知り網走監獄を脱獄した。最期を看取った後は根室の漁場で働いている。

土井新蔵のプロフィール・人物像

CV:清川元夢、小野大輔(若き日の用一郎)

土井新蔵(どい しんぞう)とは野田サトルの漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの金塊の暗号を示した刺青が体に彫られている囚人の1人である。土井新蔵という名前は本名ではなく、用一郎が本名である。元々は幕末に活躍した土佐藩の武士で、幕府の要人を殺す殺し屋であった。土井はいい日本を築き上げるために「先生」と呼ぶ人物の指示に従い、何人もの人を天誅(天に代わり罰を加える)と称して殺した。しかし結局は「先生」に利用されていただけで最後は見捨てられてしまい、捕まった。
その後、北海道・根室に流れ着きアイヌ民族の住む集落でアイヌの女性と結婚し生活していた。生活は順調かに思われたが、土井が殺した幕府の要人の遺族が、土井を恨み土井の妻を人質に取った。土井は妻を取り戻すために、妻をさらった人物を殺めて網走監獄の囚人となった。土井は監獄内で妻が病気で寿命が近いことを知ると、妻の最期を看取るために網走監獄から脱獄した。妻の最期を看取った後は、アイヌの集落の近くにある漁場に勤めて仕事をしている。髪の毛は全体が白髪となり、痩せ細ってとぼとぼ歩いている様子が度々見られる。
土井は寝小便をしたり認知症気味であるが、ある日土井が殺した幕府の要人の遺族がやってきて土井を斬り殺そうとした時、土井は当時を思い出したのか、当時のまま時が止まっていたのか、かつての人斬り用一郎となった。土井の目には周りの人や景色全てが幕末の様になって映っていた。刺青を狙って土井のことを追っていた、元新撰組副長・土方歳三(ひじかた としぞう)、同じく元新撰組・永倉新八(ながくら しんぱち)、刺青の囚人・牛山辰馬(うしやま たつうま)もちょうど同じ時に土井の元へやってきた。幕末のまま時が止まっている土井は、土方の事も新撰組だった頃の姿に見えていた。土井は自分を狙うものを「天誅」(神の代わりに天罰を加えること)と言い次々殺していった。そして土方から逃げるように走っていくうちに、当時「先生」と呼んでいた人物に裏切られた事を思い出し、涙を流した。走り続けて崖の端に到達したところで、土井と土方は両者向かい合い刀を振り上げたが、土井は土方に腹を斬られた。事切れる直前、亡くなった土井の妻が土井のことを迎えにきたように、微笑んでそばに立っていた。それを見た土井は目を見開き驚いた表情をして、息を引き取った。

土井新蔵の装備・能力

剣術

若き日の人斬り用一郎

幕末、土井は土佐藩の武士であり、幕府の要人を何人も殺害する殺し屋であったため、剣術に長けている。当時は「人斬り用一郎」と言われていたため、かなり優秀な殺し屋だったであろう。老いてしまってからはその面影はなく寝小便をしたり認知症気味であったが、土井が殺害した幕府の要人の遺族が土井に襲いかかってきた際、当時の力を発揮した。土井の中では幕末のまま時が止まっていたため、当時の「人斬り用一郎」のように自分を追ってきたものを次々に斬り殺していった。

土井新蔵の来歴・活躍

ゴールデンカムイについて

アイヌの金塊伝説とは

『ゴールデンカムイ』ではアイヌの金塊伝説が物語の中心である。時は明治末期、かつてアイヌ民族から奪われた莫大な埋蔵金が北海道のどこかに眠っているという噂が広まった。その埋蔵金は日本の国家予算の三分の一と言われており、国外に持ち出せば相場は跳ね上がり高額になるという。そのため、それぞれ自らの目的のため埋蔵金を狙い争奪戦が起こった。金塊を狙う者は、元新撰組「鬼の副長」土方歳三、「不死身の杉元」と呼ばれる陸軍の杉元佐一(すぎもと さいち)や、陸軍最強と謳われる第七師団を率いる鶴見(つるみ)などがいる。

刺青の囚人とは

北海道・網走監獄に、アイヌ民族を殺害し金塊を奪ったと言われる男・のっぺら坊が収監されている。のっぺら坊は外にいる仲間に金塊の在処を教えるために、24人の囚人の体に暗号として刺青を掘り脱獄させた。24人の全ての刺青を集めることによって金塊の隠し場所がわかるようなっているため、金塊を狙う者同士での争いが北海道各所で起こっている。政治犯として網走監獄に収監されていた元新撰組・土方歳三が脱獄を指揮した。24人は脱獄後、金塊を狙って追ってくる者たちから身を隠しつつ、各々好きな人生を生きていた。金塊には全く興味がなく自らの人生を生きる者、金塊を狙って囚人同士で手を組む者もいる。

土井新蔵の過去

30年ほど前、土井新蔵は幕末の土佐藩で活躍した武士であった。土井は「先生」と呼ぶ人物の「勤皇主義が日本国を身分差別のない良い国にする」という思想を信じ、幕府の要人たちを暗殺するという汚れ仕事を受け持った。しかし、土井は「先生」に良いように使われていただけで、土井が捕らえられても「先生」は助けることはしなかった。

エトピリカ

釧路にて、土方、牛山、永倉の3人は8年前に釧路の海岸で捕まり収監された土井新蔵を追っていた。網走監獄の隠し部屋から、土井が隠し持っていた持ち物が発見された。それは手のひらに乗る小さなもので、3人はその物が何かを街の人に尋ねた。その小さなものを知っている人はおらず、牛山がたまたま通りかかったアイヌのヤン衆(ニシン漁のために雇われて働く人たち)にその日の寝床を求めて話しかけた。アイヌの男性はキラウシという名前で、3人はそのアイヌのもとで泊まる事になった。夕食を囲んでいる最中、土方は土井新蔵の隠し持っていた持ち物についてキラウシに尋ねた。男はそれがエトピリカという鳥の嘴の部分である事を知っていた。男はエトピリカはアイヌ語で「嘴が美しい」という意味であり、嘴の部分は異性を惹きつける飾りのようなもので繁殖期が終わるとはがれ落ちるという事を3人に説明した。和人(アイヌから見た日本人のこと)はエトピリカは獲らないそうだ。その鳥は釧路より東の根室にしかいない鳥であるため、3人はそこに土井の手がかりがあるのではないかと思い、キラウシに根室のアイヌ集落まで案内してもらう事になった。土方は、土井新蔵は偽名であり、京都で土井新蔵に会った事があると話した。また、土井は「人斬り用一郎」と呼ばれ、幕末の要人などを何人も暗殺した殺し屋であったという。

北海道・根室

ぶつかった若者(左)、助けてくれた男性(右)

北海道・根室にて、土井は漁場で働いている。魚を背負って歩いていたところ、若者と衝突し転倒する。その若者は「いてぇな。じじい、真っ直ぐ歩け」と声を荒げるが、同じ漁場で働く別の男性は「お前も若いんだから避けろよ。爺さん、大丈夫か」と土井を気遣い立ち上がらせた。土井は助けてくれた男性と共に海沿い近くで休んでいると、男性に故郷や家族、名前などを尋ねられた。しかし何を質問されても土井は、「さぁ、なんだったかなぁ」と言い何も答えられなかった。
その頃、土井の捜索を依頼された4人の男が根室にやってきていた。土井は幕末にたくさんの幕府の要人を殺したため、要人の遺族の多くが土井のことを恨んでいる。土井が収容されていた網走監獄の監獄長である犬童四郎助(いぬどう しろすけ)は、網走監獄の元看守人たちに土井を捜索させたり、幕府の要人の遺族らに土井の情報を伝えるなどしていた。そのため、網走監獄の看守や、恨みを持つ要人の遺族など多くの刺客が土井のことを狙っている。4人の男もその刺客であり、自分たちが他のものより先に土井を見つけられるように急いだ。

アイヌの集落

土井新蔵を追っている、土方、牛山、永倉の3人は、釧路で出会ったアイヌ民族のキラウシに根室のアイヌ集落へ案内してもらっていた。根室にあるアイヌ集落にて、キラウシは集落の村長である男性と話した内容を土方たちに教えた。
土井は30年前に北海道・根室のアイヌ民族が住む集落に流れ着いて、アイヌの女性と結婚。その集落で平和に暮らしていたが、8年前に土井に恨みを持っている和人がやってきて土井の妻を人質に拐っていったという。土井は妻を取り戻すために、妻を拐った和人を殺め、釧路の海岸で捕らえられ網走監獄に収監された。網走監獄にて、妻が病気となり先が短い事を知った土井は、刺青の囚人として網走監獄を脱獄した。そして妻の最期を看取った後から現在まで、アイヌの集落を出て近くの漁場で働いている。

認知症

土井は働いている漁場にて、どこかへ向かってとぼとぼ歩いていた。以前に土井とぶつかって声を荒げていた若者が「何やってんだあのじじい、働きもしないで」と土井を見て言った。そばにいた他の者も「今日の朝、寝小便もしたらしいぜ」と一緒になって話していた。自分の祖父も土井と同じようになり、寝たきりになった後すぐに亡くなってしまったため、土井の命も長くはないだろうと噂していた。
土井は海が何か違うものに見えたのか、どこかへ向かうように深い方へ向かってまっすぐ歩いていた。海の水が腰上にまで達していたところ、以前土井が若者と衝突し転倒した際に土井を助けた男性が、土井のことを見つけた。男性が「おーい。じいさん。何やってんだよ。」と言って海に入り土井を負ぶって砂浜まで歩いた。男性は砂浜に着くと土井のことをおろして、「勘弁してくれよ。目の前で死なれたら寝覚めが悪いだろうが。俺なら溺れ死ぬなんて苦しい死に方辞めとくけどな。それともボケて海が風呂場にでも見えたのか。」と話した。男性の言葉に対して、土井は目を瞑り表情を変えないままだったが、「死に際も、わからなくなる前に」とぼそっと口にした。土井は認知症気味であるもののこの言葉には、死に際がわからなくなってしまう前に自殺しようとしたという意図があったのかもしれない。

人斬り用一郎

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フチとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、アイヌの老婆にしてヒロイン・アシリパの祖母。 アイヌの古い教えを大切にしながら日々を生きる一般人で、作中で繰り広げられる熾烈な金塊争奪戦とは無縁の立場にある。一方で家族の多くが金塊争奪戦の渦中にあり、たびたびその関係者の来訪を受ける。中でも陸軍兵士の谷垣源次郎とは、瀕死の重傷を負って彼女の家に担ぎ込まれてから交流を重ね、実の家族のように互いを大切に想う間柄。主人公・杉元佐一を気に入り、アシリパを嫁にもらってほしいと考えている。

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鯉登音之進(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

鯉登音之進(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

鯉登音之進とは野田サトル原作の漫画・アニメ『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、大日本帝国陸軍第七師団歩兵第27聯隊に所属する陸軍少尉である。鶴見篤四郎中尉を崇拝しており、彼からも「お気に入り」とされている。銃器が多く登場する本作において、薩摩に伝わる日本剣術・自顕流を実践で通用するレベルにまで鍛え上げた一流の使い手。海軍少将の鯉登平二を父に持ち、裕福な家庭で育ったいわゆる「ボンボン」。様々な場面で月島基軍曹の補佐を必要としたが、最終的には一人前の将校へと立派に成長した。

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門倉利運(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

門倉利運(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

門倉利運(かどくら としゆき)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、のっぺらぼうを収監していた網走監獄の看守部長。冴えない中年男だが、実は土方歳三の内通者として情報を流していた。網走の攻囲戦の後は土方と行動を共にする。のっぺらぼうが隔離される前に最後に刺青を入れた男だが、刺青はすべてが揃わなくても解けるため、門倉の刺青はさほど重要ではないと思われていた。しかし最終局面で、思わぬ鍵が隠されていたことが判明する。

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岩息舞治(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

岩息舞治(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

岩息舞治(がんそくまいはる)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、屈強な肉体と暴力への飽くなき欲求を併せ持つ男だ。樺太にあるロシア人の村で、男たちが集団で殴り合う競技「スチェンカ」に参加していた。キロランケやアシリパを追跡する杉元と出会い、拳を通して心を通わせる。刺青は剥がずに書き写された後、強者との出会いを求めてロシアへ渡っていった。

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マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

マンスールとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、ロシア皇帝の暗殺にも加担したパルチザンのソフィア・ゴールデンハンドの仲間の1人にして砲撃手である。 アイヌの隠し金塊を手に入れるため、ソフィアや仲間たちと共に北海道に乗り込み、主人公の杉元たちに協力。金塊を我が物にせんとする第七師団と壮絶な戦いを繰り広げ、敵の駆逐艦を旧式の大砲で撃破するという大殊勲を挙げた。突如鳴り物入りで登場し、作品の内外からその力量に疑問を持たれるも、鮮やかな活躍で評価を覆したキャラクターである。

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二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

二階堂浩平(にかいどう こうへい)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している大日本帝国陸軍第七師団の兵士である。双子の兄弟の二階堂洋平を返り討ちにした杉元佐一に激しい殺意を抱くようになり、復讐を果たさんとたびたび死闘を演じた。戦いを経る毎に両耳や手足を失って行き、治療の際に使用したモルヒネによって薬物中毒者と化し、その副作用で子供のような性格の異常者となった。最終的に武器の仕込まれた義手や義足を装備し、心も体も壊れていきながら金塊争奪戦の最前線で戦い続けた。

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津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

津山睦雄(つやま むつお)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、「三十三人殺し」と呼ばれている。本編には登場せず、第七師団の鶴見中尉が刺青人皮を持っている。津山から剥いだ刺青人皮をベストのように着こなす鶴見中尉の姿は、多くの読者に衝撃を与えた。「三十三人殺し」という経歴から、モデルは「津山三十人殺し」の都井睦雄(とい むつお)であるという見方が一般的だ。

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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。

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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。

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